不登校復活の道(ブログ)
320 次男を癒す事
320 次男を癒す事
2022年10月
この時期、娘と公園に行く時に、遊びたい盛りであろう7歳の次男を誘っても、一緒に来ることはありませんでした。
「何で公園にいくの?」
「公園に行く事に、なんか意味あるの?」
そう言い、ゲームの画面だけを見ているだけでした。返事が返ってこればまだましで、基本的には無反応で無視されていました。
・・・
夏休みから引き続き、次男は本当に、ご飯も食べず、「お風呂入ろう!」と声をかけても一向に来ず、ただただ取りつかれたかのように家にいる間中、ゲームをしていました。
我が家でのその風景はもう、当たり前になっていましたが、私は、定期的に、その姿を見る事が強烈に耐え難くなる時がありました。
主人も、次男の状態があまりにも酷いので、
「次男、廃人化してるよね、このまま注意しないのは、本当に適切なのか?」
と不安を口にするようになっていました。
次男の状態を知っているM先生には、
「次男君は、今は親に試し行為をしている、と捉えて下さい」
「親は子供に、何度も、何度も、一万回試されます」
「親は本当に、僕の気持ちに寄り添う覚悟をしているのか、どんな姿の自分に対しても、変わらず愛を注いでくれるのか、本当に大切にしてもらえるのか、そんな事を何度も何度も、心の傷付いた、愛されている実感がない子供は試すのです」
「親は、根負けせず、そんな時こそ、愛を注ぎ続けて下さい」
と粘り強く、私に言っていました。
私の目には、次男は、私を試していると言うよりも、ただただゲームが楽しいから、ゲームに支配され、それ以外の事が何もできなくなっているように映っていました。
私はM先生に、その事を伝えると、先生は、
「お母さんは、次男君の、悪い面だけに捉われているから、【ゲームしかしない】という発想になるのですよ」
「何度も言っていますが、とにかく、次男くんの良い面を見つけ、その子の良い面だけを見て下さい」
「次男君の今までの、7年間の発育環境をしっかり振り返って下さい」
「お兄ちゃんからの精神的、肉体的攻撃により、次男君は、相当、今まで精神的に辛さを味わってきているはずです」
「お兄ちゃんに邪魔され、おっぱいも好きなだけ飲めず、抱っこもしてもらえなかったけど、次男君なりに幸福感が薄いまま、踏ん張って生きてきたのではないでしょうか?」
「幼いのに、お兄ちゃんに、執拗なまでにいじめられても、耐え忍んできたなんて、とてもけなげで、ふびんだとは思いませんか?」
「生まれ出てから今までの、最も親からの愛が必要で、幸せである時期に、本来ならばしなくても良い我慢を、嫌というほどしているのですよ」
「耐性のある大人でも耐えられないような状況だったのではありませんか?それをお母さんは、次男君が満足するまで、フォローしていましたか?」
「本来ならば、次男君は、もっとグダグダになっていても、文句言えないと思います」
「今、次男君は、今までの辛い状態から逃避し、セーフティゾーンに逃げ込んでいると見て良いと思います」
「ゲーム以外の事をしていると、不安になってしまう状態なのではありませんか?」
「親が、子供が満足するほどの愛情や安心感を与え、次男君が、ここも、あそこも、実は安心で、自分の居場所は、至る所にあるのだ、と心から納得できるよう、お母さんは今、頑張って下さい」
「そうしたらそのうち、本来の子供らしい姿を必ず取り戻します」
「不登校前に、お母さんが、長男君と喧嘩を繰り返す姿を見せていた事も、幼い子供にとっては極めて大きな負担なのです」
「次男君の発育環境が、何年もかけて、じわりじわりと、次男君から子供らしい活力を奪い取ってしまったのです」
「こちらが間違った子育て法に気が付き、子育て法を変え、上手くやり始めたのに、何でこの子は、すぐに良い子にならないんだ?、というのは、むしろ、むしがよすぎませんか?」
「大人でもそんなに簡単に思考や行動を切り替える事はできません」
「人はみんな、さまざまな環境に自分を適応させて、今現在の姿になっているのです」
「次男君には、今、とにかく癒しが必要なのです」
「生まれてから7歳になるまで、ずっと兄に酷い暴言や暴力を受けていた事、それに対して心を癒してもらうような、適切なフォローもしてもらえなかった事、そんな日々の苦しみを数日では癒す事はできません」
と言われました。
私は至る所に相談に行っていましたが、M先生のような目線で指導を受けた事はありません。
ほとんどの相談所は「困りましたね、秩序が保たれるよう約束事を決めましょう」と、それが出来ずに困っている、という事を理解してもらえませんでした。
親は、目に見える【不登校】という形で問題行動を起こしている長男ばかりに気が向いていたけれど、次男も、ずっと幸福感の少ない幼少期を過ごしてきたんだな、傷だらけなんだな、申し訳ないな、という気持ちで胸が締め付けられたのです。
子供の今の状態だけを見て、おかしい、わがままだ、異常だ、と嘆くのではなく、なぜ、この子は今こうなのか?今の姿になるに至った過程は何なのか?と親はしっかりと自分の今までの行いに目を向ける必要がある、と、私は感じました。
319 奴隷化?
319 奴隷化?
2022年10月
この時期、私は、ただただ子供たちの要望に応え、奴隷化していれば揉める事はなく、子供との関係性が崩れない、と感じていました。
私が少しでも何かを言えば、子供は不機嫌になる。
要望を叶えなければ、関係が悪くなる。
子供たちの言う事さえ聞いていれば、揉め事が起きない。
そう、思い込んでいたのです。
その事をM先生に話すと、先生は、
「奴隷はだめですよ、あくまで、仲間、対等な関係を築くのです」
「上から目線はやめて、対等な関係です」
「親であっても、嫌な事は嫌と伝えたら良いです」
「どうしようもなく嫌な時は、お母さんは嫌だよ、もし、あなたが、同じことをされたらどんな気持ち?」
「お母さんは今、嫌な気持ちだよ」
「なぜなら、こうだからだよ」
「あなたは、こうすると良いよ」
そんな関わり方で子供たちと接するように、と助言してもらいました。
・・・
その当時、私は、子供の要望を叶える、心を満たす、に集中し過ぎていて、過剰に子供の言う事を聞いていたように思います。
今振り返ると、私はまだこの時、本当の意味での【勇気づけの子育て】【子供の心を満たす事】を全然理解していませんでした。
何でも言う事を聞き、あなたたちの思い通りにしていたら、心が満たされるんでしょ、と冷めた感じで思い、これだけ言う事を聞いているのに、何が不満なんだよ、と、結局は子供に不満を抱いていたように思います。
今この子たちに何をしたら、どんな声掛けをしたら、心が温まるのだろう、この子は今、どうしてほしいんだろう、なんて思考はなかったのかもしれません。
私が本当にするべきだった事は、子供たちが、
お母さんは、僕の気持ちを大切に尊重してくれる、僕の願いが叶う事で、僕の心が満たされるように、僕の気持ちが温まる様に、と頑張ってくれている【僕は大切にされているんだ!】と、心底感じるような接し方なのだと思います。
それを私は何でも言う事を聞いて、言いなりになる、と勘違いしていました。
例えば・・・
子供:
「お腹すいた、焼きうどん!」
私:
「はい」
子供:
「水」
私:
「はい」
私:
「お風呂はいろー」
子供:
「無視」
私:
「ご飯できたよー、置いておくねー」
子供:
「無視」
次男が自分で寝ると決めた時間になって
「時間だよー」
と私が声を掛けても、基本的には無視で、返事が返ってきたとしても「うるせー」と無感情に言われるだけでした。
M先生は、それでも、子供を諦めるような事は一切言わず、粘り強く私に、
「今、お母さんがやられていることは、本当に酷い仕打ちだと思います」
「それでも、諦めずに、子供を信じて頑張りましょう」
「子供には、こうしてくれるとお母さんは嬉しいな、と伝え、無視されたら、潔く引き下がる」
「地道に、ただただ、それを温かい気持ちで続けて下さい」
「奴隷になるのでも、親だからと言って、上から目線になるのでもなく、対等に、丁寧に子供と関わり続けて下さい」
と言われていました。
・・・
私が子供の心を満たす事に過度に集中し、奴隷のように言う事を聞いていた時、一時的に子供たちの状態が良くなっても、私の深層心理にある子供たちへの不満や不安に子供が気が付くと、結局また、親子間の感情の糸が複雑に絡み合い、すぐに良い関係は崩れてしまいました。
結局私は、自分自身の、コントロールできない感情に支配され、なかなかうまく子供の心を温める子育てができませんでした。
結局は、子供の気持ちを温めよう、理解しよう、という気持ちよりも、私の大変さを分かってよ、理解してよ、こんなにやってるじゃん!という気持ちの方が強かったのかもしれません。
318 子は親の鏡
318 子は親の鏡
2022年10月17日
私は頑張っていた【勇気づけの子育て】をどうしても頑張れない日がありました。
私が【勇気づけの子育て】を頑張れず、とげとげしくなれば、子供の状態は親の状態を鏡で反射して映すかのように好ましくない方へ向きました。
私は、子供が好ましくない状態になると、私には【勇気づけの子育て】を続ける事は、無理なのかなぁ・・・と落ち込み、良い子育て法を継続する自信をなくしてしまうのです。
私の自信のなさ、元気のなさは、家族を負の連鎖に巻き込みます。
【お母さんが元気で笑顔でいれば、家庭は明るい、全てうまくいく】そんな言葉を何度も何度も見かけるたびに、私は「ふざけんな!」何で母親ばかりが、と、うんざりするようなマイナスな気持ちと、私さえ頑張れば子供たちを立て直せるの?それならば、私が頑張らなくちゃ、と、前向きに頑張ろうという2つの複雑な気持ちが混ざり合っていました。
私は、特にM先生に【勇気づけの子育て】を教えてもらってからは、子供たちをコントロールしたり、指図したりする事を一切やめ、子供との苦手なスキンシップを意識して頑張り、子供たちと向き合い、できた事を認める事を、毎日必死でやっていました。
・・・
その当時、9歳と6歳の息子たちは、基本的に、起きた瞬間から寝るまでゲームをしてました。
長男はそんな生活をもう、1年していました。
次男は学校へ行ってはいるものの、それ以外の時間は、ご飯も食べず、ゲームをしている事もよくありました。
それでも、私は、
きっと今はこの姿だけれど、【勇気づけの子育て】をしていれば、変わっていくはず、
という前向きな期待と、
このままだったら、この子たちはどうなってしまうのか・・・
というマイナス感情で、私自身の気持ちが浮き沈みしていました。
・・・
この日、ゲームをしていた次男が、ゲームに集中しすぎてか、おしっこを漏らしてしまいました。
リビングで寝転びながらゲームをしていたのですが、ジャージャーとおしっこを漏らし、次男の寝転んでいるそのエリアはおしっこの水溜りが出来ていました。
私は、内心、え・・・ありえない・・・と思ったのですが、まだ、6歳だし、そうゆうこともあるな、と気持ちを切り替えようとしましたが、その後の次男の態度が私を苛立たせました。
次男は、私に声を掛ける事も、水浸しになった場所を気に留める事もせず、おしっこで濡れた足のまま歩き回り、無表情でズボンを履き替え、何もなかったかのように、ゲームを再開したのです。
現場はおしっこの水溜り、次男が歩いた場所はおしっこで作られた水の足跡になっているのです。
この子は、今、何も感じていないのかな?と私はただ、とても不思議な気持ちでした。
・・・
同じ日、長男は、友人とオンライン対戦をしたくて、友人が一生懸命ビデオ通話で、オンラインの接続方法を長男に説明してくれていましました。
その友人は長男の為に頑張って説明してくれているのに、長男は、
「僕はやり方分からないから」
と言い、主人に全て丸投げし、友達がビデオ通話で話している間中、自分とは無関係、と言わんばかりに、ずっとスマホを見ていました。
ああ・・・、この子は、友達と一緒に考えよう、とも、自分で試してみよう、ともしないんだな。
と思い、私は、長男次男の態度に心底うんざりした事を覚えています。
何でうちの子たちはこんなにも相手を思いやる行動が出来ないのだろう、と強く感じてしまい、日々頑張っている【勇気づけの子育て】を頑張る気力がなくなってしまいました。
言葉に出して、子供に注意をしたり、文句を言ったりしなくても、私のそんな子供への不満の気持ちは、私の態度から、子供たちに伝わっていたのだと思います。
私の気持ちが落ちて、子供たちへの不満が、私の態度から醸し出されると、私が言葉を発さなくとも、子供たちと私との間に、負のループが始まるのです。
そうやって、いつも、私の心の状態を、鏡の様に子供たちが反射して見せてくるのです。
317 良い傾向
317 良い傾向
2022年10月
長男にも次男にも注意をせず、暴言を吐いても、まずは聴く事を心がけ、次男が、学校に遅刻したり、時間に遅れそうな時でも、とにかく話を聴くことを優先するようにしていました。
子供のペースに合わせ【待つ】事が大前提なので、効率重視で、せっかちな私には、なかなか難しい時もありましたが、【ちゃんとする】という感覚を捨てると、割と楽に出来るようになっていきました。
そんなふうに子供たちに接していると、長男からも次男からも優しい言葉が出る事が増えていきました。
長男は、ゲームで知りたい事があり、主人に聞きたかった様子でしたが、
「お父さんのお休みの日でいいよっ、おやすみー」
と言い、夜中に親を叩き起こしてでも自分の要求を伝えていた子が、相手を思いやる発言をする様になりました。
こだわりが強く、自分の持ち物を誰かに触られる事を極端に嫌がる子でしたが、先日は、私に一番お気に入りのゲームのコントローラーを貸してくれて、自分はやりにくいコントローラーでゲームをしてくれていました。
私が【こだわり行動だ】【面倒臭い】と思っていた長男の振る舞いは、【こだわり】と言うよりも、何事も、いい加減にやらない、一生懸命な子なのではないか、と思うようになりました。
次男は主人に対しても、あまりニコニコと話す事はありませんでしたが、その日、主人が帰宅すると、
「お父さん、お帰り!お仕事お疲れ様。働いてきてくれてありがとう」
と言っていました。
今までとは、声のトーンが全然違うのです。
朝も、朝食を残すと、
「お母ちゃん、残してすみません!」
と面白おかしく、ふざけながら私に言い、笑っていました。
子供たちが明らかに良い方向に向かい出している、という確信が私にはありました。
316 声掛け
316 声掛け
私は思った事を口に出してしまう事が多く、いつも余計な一言を言ってしまうので、それをやめたい、と思っていました。
それでも、なかなかやめることはできず、ついつい余計な一言を言ってしまうのです。
子供に発するその余計な一言は、大体決定打になるような、良くない言葉で、子供が傷つき、不快になっている事が多いな、と感じていました。
M先生は、
「子供に、何かをお願いしたり伝えたりするときに、お母さんは複数回同じことを子供に言っていませんか?」
「どうしても、何回も言ってしまいそうなときは、まず、一回、心の中で言い、それから声に出して言う、そうしたら、子供はお母さんの言葉を一回聞くだけで済みます」
とアドバイスしてくれました。
試してはみましたが、せっかちな私は、子供がすぐに返事をしないと、同じことを何回も聞いてしまったりする癖がなかなか抜けませんでした。
そして子供は、私の言葉に、
「分かってるって!もううるさい!」
「今、考えてるって!」
と言う事が多かったです。
親のペースに子供を引き込んでも、親子間で良い関係は生まれません。
かといって、子供のペースに合わせているとなかなか事が進みません。
それでもなるべく、子供と過ごす時は、せっかちにならず、ゆっくり、ゆったり子供のペースで【待つ】子育てをしてあげると良いのだろうな、と思っています。
315 長男が不登校のなった時に感じた事
315 長男が不登校になった時に感じた事
私は、全然教育熱心ではなく、子供に「勉強しなさい」と言った事も、思った事も、一度もありませんでした。
子供が遊びたい、と遊んでいれば制限する事もなく、好きなように遊ばせ、服を泥だらけにしても、破って来てもむしろ褒め、自由に伸び伸びと、愛情を掛けて育てているつもりでした。
長男が不登校になった時に、それなのに、なぜ?という思いが正直ありました。
M先生にその事を話していると、先生は、
「お母さんは、子供が失敗したときに、失敗をなじっていませんでしたか?」
「うまくやっていないことに、きつい言葉を投げかけてはいませんでしたか?」
「弟をいじめる長男に、どんな言葉をかけていましたか?」
「子供の心がくじけてしまうような、そんな酷い言葉を掛けていたのではありませんか?」
と言われ、私には思い当たる節がいくつもありました。
私は今あなたに怒っているよ、苛立っているよ、子供が「お母さんが怒らないようにやめよう!」と思うような無言の圧力を、子供たちにかけていたように思います。M先生は、
「たとえ、子供が上手くできない事があっても、できない事は、悪い事ではなく、むしろ失敗する事は、学びになり、素敵なことだよと伝えていましたか?」
「子供には『お母さんも、失敗ばっかりだけど、みんなが許してくれるから、頑張れるんだよ』と失敗を恐れない心を作れるような、声掛けをしましょう」
「失敗がいつでも歓迎されるという事を、子供が骨身に染みて分かるまで、伝え続けて下さい」
と言っていました。
・・・
私は、あー面倒くさいな、と思う事があると、上手くやれない子供に、イライラしながら失敗をなじっていたように思います。
些細な事の積み重ねだったとは思いますが、長男はそんな普段の声掛けから、自分が何かをできない事は許されない、と思い、失敗する事を恐れ、不安が強くなっていったのかもしれないな、と思いました。
314 習字教室
314 習字教室
2022年10月はじめ
次男は、いつも、
「僕はばかだから、何をしたって上手くできないから」
「できなくて、馬鹿にされるのが嫌だから」
と何事にもチャレンジしたがりませんでした。
・・・
始めは行く事を躊躇っていた発達凸凹塾に通うようになると、その先生が次男のペース、特性に合わせ、強要をせず、出来ていることだけを見つけ続け、「素晴らしい、素晴らしい」と褒めてくれるので、次男は少しずつ人と関わる事が楽しみになり、私に、
「他の習い事もしてみたい」
「僕、色々やってみたい」
と前向きな発言をするようになりました。
「僕、字が上手くなりたいから習字に行ってみたい」
と次男が言うので、私は知人が通っている、のんびりしている、という習字教室の体験予約をしました。
その頃次男は、まだ、学校でも他の友人とは会話をする事もなく、孤立していたので、私は、習字の先生に、
次男は慣れるまでに時間がかかる子なので、初めからビシバシと指導をしないでほしい、信頼関係が築けると、指示が通りやすくなるので、ゆっくり関わってほしい
と伝えていました。
私は、次男が少しずつ、人と関わる事に慣れてくるといいな、という思いでした。字が上手くなってほしいとか、そんな気持ちはありませんでした。
次男の様子を説明し、その先生自体もお孫さんが自閉症児で発達障害児さんの扱いには慣れている、と聞いていたのですが、先生は初めから次男に、
「姿勢が悪いよ」
「そっちから書き始めてはだめ」
「枠から字をはみ出さないで」
「頭を上げで」
「返事は?」
と座って字を書き始めた次男に、一つも褒めず、出来ていない事を指摘していました。
私は、とても嫌な予感を抱きながら、横に黙って座っていたのですが、次男は、うつむき、字を書く姿勢のまま、頭を上げませんでした。
動かないな、と思って横で様子を見ていると、次男の指先が震えだし、強く指導された時の姿勢のままで、涙をぽとぽと流し始めました。
次男の目から出た涙が、硬筆の用紙に落ちても、次男は完全にフリーズしていて、その姿勢から、少しも動くことができませんでした。
私は、内心、
「だから、最初は指導はせずに、信頼関係を作ってほしいと、あれほど頼んだのにな・・・」
と思っていましたが、一般的な子は、初めから強く指導されても問題なく通えるのだろうな、と思い、次男の背中をさすりながら、
「どうしたい?もう帰ろうか?」
と言うと、次男は、魔法が溶けたかのように、ガチガチに固まっていた体の力が抜け、ひーひーと声を出して泣き出し、腕で涙を何度も何度も拭いていました。
先生は優しく、
「ごめんね、ごめんね」
と言っていましたが、次男は先生の話を聞くことはなく、その日は帰宅しました。
車に乗ると次男は、
「怖い、怖い、嫌だ、やりたくない」
と泣きながら言ったので、その習い事をするのは止めました。
・・・
少しの事で怯えてしまう次男の弱さは理解していますが、信頼関係が出来れば、指示が通るようになるのにな、初めに特性のある子です、とお願いしたのにな、上手くやってくれないな、理解がないな、というのが私の感想でした。
やっぱり発達障害塾の先生はプロだな、上手いな、と改めて思いました。
指導者が、その子その子の個性に合わせ、指導方法を変える事が出来たら、困難のある子も、今よりもきっと、その子の個性が伸びていくのではないかな?と私は思っています。
313 心の土台
313 心の土台
何となく、私は子育ての本質を理解し始めてはいましたが、一体、どう子供に接したらよいのか、親切と甘やかしの区別もなかなかつかず、迷う事が多かったです。M先生は、
子供が良い子になるように、と見返りを求める子育てではなく、お母さんは、いつでも自然体で、のんびりしていて下さい。
子供たちは誰しもが、良いものをたくさん持って生まれてきています。
持って生まれた良さを、自由に発揮できるように、周りの大人が環境を整えてあげましょう。
その子に合う環境を整えれば、自然に、何もかもが輝き出すのです。
大人が、子供にあれこれ指図し、右向け、左向けと細かく操っても、まともな子供は育ちません。
子供が迷ったときに、あなたは絶対に大丈夫、うまくいってるよ!何も心配ないよ!
と、言ってあげるだけで子供は十分心が強くなります。
お母さんは毎日次男君と共に登校していますが、
「面倒臭い、何でうちの子だけ」
などとは思わずに、次男君との今だけの、貴重な時間を大切にして下さい。
次男君にとって、お母さんと通った小学校への道は、どんな意味があるのか。
お母さんにそんなふうに関わってもらえた次男君は、どんな父親になるのか、楽しみだと思いませんか?
この先何年も、そんな日常の、お母さんとの触れ合いを心の土台にして、子供たちは生きていけると思いますよ。
親との、信頼関係のある温かな触れ合い経験がある子と、ない子では、心の安定に、大きな差がでます。
幼少期に満足する愛情を掛けられていない子供は、大人になっても情緒が熟さないので、ずっと気持ちが乾いたまま、幸せを感じていない事が多いです。
未成熟の親は、寄り添い方を知らず、子供に上手く寄り添う事ができません。
子育てには、親の心の成熟度がとても大切です。
人は、物事の捉え方を変えて、良い事に目を向けるようになれば、いつでも、すぐに幸せになれるのです。
これまで生きづらいと感じていた風景も環境も、自分の価値観が変わるだけで輝いて見える。
うまく子育てをやっている家庭は、意識せずに、とても自然に子育てをしています。
そんな家庭で育った子どもは、みんなマイペースでのんびり、自然体で好きな事を集中してやれています。
お母さんは、良い子になるように、厳しくしなければ、躾けなければ、などと考えたりはせず、子供の良い所だけを見る、と物事の捉え方を変えて、お母さん自身が幸せな人生を生きましょう。
私はM先生に、沢山の事を教えてもらっていますが、なぜかこの時教えてもらった、
次男君にとって、お母さんと通った小学校への道は、どんな意味があるのか。
お母さんにそんなふうに関わってもらえた次男君は、どんな父親になるのか、楽しみだと思いませんか?
という教えが、どんな時でも心に深く染み渡り、思い出すたびに、あ、もう一度頑張ってみよう、と思う事ができました。
312 子供自身の大切な価値観
312 子供自身の大切な価値観
子供に物事の決断をさせる、自由に選ばせる、という子育て方法は、いざ親になってみると、難しい場合があります。
なぜなら、親として、子供に失敗させたくない、という思いがある場合があるからです。
躾に関しても、親は、躾けなければならない、躾をしたら常識的な良い子になる。
しっかり躾けをしない事は、親として非常識なのだ、と思っていました。
ふと疑問に思うのは、親自身も世界観がとても狭い中で、自分の知っている狭い世界に子供をとどまらせることは、果たして正解なのか?
親が、自分もこう育ったのだから!と信じ込んでいる子育て法は、果たして本当に良い子育て法なのか?
それを見極めるのは現在の子供の姿なのではないのでしょうか。
子供が親切で、前向きで良い子で子供らしい子であれば、きっとその方法は良い方法だし、子供が反抗的だったり、自信がなく、チャレンジ精神に乏しいのであれば、今の子育て方法を一度見直してみると良いのかな?と思うようになりました。
「私だって子供時代はこうだった!」
「私だって我慢してきたのだから!」
と、我慢の強制をし、過度な躾けをする事は、子供を委縮させ、本来その子が持っている力を出すチャンスを奪ってしまうのではないか、その子の本当の、本来の姿を引き出すには、親の持っている価値観を押し付けるなんて絶対にしてはいけない事なのだ、と今は思います。
私の中にその気持ちが生まれると、子供に声を掛ける事にためらいが出るようになっていきました。
私のこの言葉が、子供の価値観にどう影響を及ぼすのか、そんな事を考えるようになったのです。
私の言葉で、子供たちが本来持っている、その子オリジナルの価値観を変えたくない、そんな気持ちです。
子供のことを、非難したり、否定したりはせず、気持ちに寄り添う事ができたら、子供は安心して何がしたいかを選ぶことができ、親に喜ばれる事ではなく、子供が本当にやりたい事を見つけられるのではないか。
好きにさせる、自由にさせておく、というのは、甘やかしの過保護と言う訳でも、ほったらかしの放任育児でもなく、子供が、親や指導者に、その大人たちの先入観や価値観を刻み込まれるのではなく、自分で体験し、経験し、自分で答えを見つけていく手伝いを、周りの大人が温かい気持ちで、こっそりと支えていく、そんな事なのかな?と思っています。
特に幼い子供たちの身近な見本は親です。
子供たちの中にある、当たり前の大人の姿が良いものになるように、親が良い見本を見せていく必要があるのだと思います。
それでも、自分自身に染み付いた、良くない習慣から抜け出す事はとても難しく、感情、体調にも左右され、私はなかなか良い親にはなる事ができないのです。
311 運動会
311 運動会
2022年10月15日
この日は小学校の運動会でした。
長男は欠席をし続けていますが、次男は、
「僕は運動会に行かないよ」
と宣言していたので、次男は、行くのかな?行かないのかな?と当日まで、私には分かりませんでしたが、次男は自分で行くと決め、学校へ向かいました。
開会式、次男の姿を探すと、帽子を目深くかぶり、みんながマスクを取っている中、自分の顔を隠すかのようにマスクをしたまま、次男は開会式に参加していました。
・・・
担任の先生から、
「次男さんは踊りの発表には参加したくない、と言っています、付き添える教員がいないので、お母さんが付き添っていてください」
と頼まれていて、本来、保護者の入れない生徒たちの待機場所で、次男のクラスの発表の間、私は次男と待つことになりました。
次男は、ふらふらふらふらと歩き回ったり、ブランコに乗りながら自分のクラスの発表を見て、
「僕、できないんじゃないよ、やりたくないだけ」
と言っていました。私は、
「そんなんだね」
と返事をしたと思います。
・・・
この学校は2年生はリレーではなく、徒競走をするのですが、私は次男が参加するかどうかは分かりませんでした。
次男は運動神経も良く、足も速いのですが、
「僕は遅いから、負けるから」
とネガティブな事ばかり言っていました。
それでも、運動会が近づくと、家の前の道で一生懸命走る練習をしていた事を私は知っていました。
本当は走りたい気持ちがあるのだろうな、と私は思っていました。
徒競走が始まり、次男の番になると、相変わらずマスクをつけたままの次男が列に並んでいました。
いつもはかかとを踏んでいる靴を、走る直前に、自分のタイミングで履きなおし、彼なりに頑張って走ろうとしている事が、遠方からでも伝わってきました。
次男の番になり、「よーい、どん!」と先生が言うと、次男は、皆より少しだけ遅れてスタートし、それでも一生懸命ゴールまで全力で走りぬきました。
子供がただ、徒競走で走っただけの事なのですが、私はとても嬉しくて、溢れ出す涙を止める事ができませんでした。
ふと振り返ると、別の場所で見ていた主人も目を真っ赤にして泣いていました。
「子供が、ただ徒競走で走っただけなのにね」
「でも、なんか、毎日の姿見てるから、嬉しいね」
「次男、靴も履きなおして、頑張ってたね」
「感動しちゃった」
と話をしたことを覚えています。
その後、先生の話を聞く際にも、皆が椅子に座る中、次男は先生にべったりくっついていましたが、閉会式にも加配の先生なしで参加していました。
運動会の途中、もう、暑いし、お母さんと帰る、と言っていましたが、本当には帰らず、先生と一緒に教室に戻っていきました。
・・・
次男は、先日まで運動会に参加しないと言っていたのに参加したし、普段は体操服に着替えないのに着替えていたし、いつも靴のかかとを踏んでいるのに、かかとを踏まずに靴を履いていたし、全て自分で頑張ろう、と決めて運動会に参加したのだろうなと、とても感慨深く、強制せずに寄り添ってくれた先生にも感謝の気持ちでいっぱいでした。
・・・
長男の学年リレーの時には、長男の友達が何人も何人も、
「長男元気ー?」
「いつ学校くるーーー?」
と私に手を振ってくれました。
私は、この中に長男の姿を見たかったなーという思いはありましたが、小さな頃から知っている子供たちが、成長し、力いっぱい走っている姿は、ただただ、とても感動的でした。
・・・
「行かない、参加しない」
と言い続けていた次男に、
「何を言っているの?頑張りなさい、やりなさい」
と一言も言わなくて、良かったな、と心底思えた運動会でした。
310 失敗
310 失敗
2022年10月はじめ
ここ数週間、私なりに【勇気づけの子育て】を頑張っていました。
次男からの挑発には乗らず、暴言だろうと暴力だろうと何食わぬ顔で受け止め、次男が頑張っている事や、些細な良い行いを見逃さないように声がけをしていました。
学校も、集合時間に間に合わなければ、気分よく遅刻させ、給食後に帰りたがれば一つ返事で迎えに行き、親子で楽しく過ごしていました。
そんなふうに過ごしていると、次男はどんどん暴言が減り、良い表情が増えていきました。
それでも、私が少しでも気を抜くと、今のお母さんは嫌だ、怖かったと言い、泣き出して甘えることもありました。
担任の先生からも、
「立ち歩きや教卓下をゴロゴロしたり、先生にべったりなのは相変わらずだけれど、目を見張るほど、良い方に変化しています」
「給食を手伝う、掃除をしっかりする、そんな日が増え、会話も増えてきました」
「友人とはまだ関わらないけれど、とても良い感じに成長しているように思います」
と連絡をもらっていました。
・・・
そんな落ち着き始めた日々の中、この日は、朝からの暴言、無理難題が酷く、私はそれにもスルーし、私なりに優しく接していましたが、次男が、
「通学団で行きたい、でもゲームのセーブが出来ていない、もう間に合わない、でも通学団で行きたい」
と泣き、ギリギリ間に合いそうな時刻に走って玄関に行くと、
「この服は嫌だ!」
と激しく泣き始めました。
外では通学団の団長さんが雨の中待ってくれていました。
他の子を雨の中待たせてしまっている事も、私をイライラさせました。
私は、次男は学校に行きたくない気持ちを素直に言えないのかな?と決めつけ、
「学校行きたくないなら、休んでいいんだよ」
と言うと、次男は泣き出し、
「勝手に決めるな!クソが!早く連れてけ!」
と訳の分からない事ばかりを叫び、そんな次男に私はイライラし、次男の気持ちを優しく受け止める事が出来なくなってしまいました。
次男はそのまま、1時間ほど、無言で泣きながら玄関に座っていました。
私も何も言わず、次男から離れていると、次男が、「学校へ行く」と言うので遅刻して、一緒に登校しました。
・・・
【勇気づけの子育て】のやり方は分かっているのに、自分の感情が邪魔して上手くできない、どうしても、感情的になってしまう、そんな事をM先生に相談すると、先生は、
子供はゆっくり成長し、まだ、自分の気持ちがコントロール出来ません。
少しずつ上手くなるのです。
お母さんは、今何かをできていない子供の姿に、焦る意味も、怒る意味もありません。
子供にとって大切な事は、自分を認めてくれる、自分を信じてくれるという親の眼差しです。
学校に行こうが、行くまいが、そのこと自体はどうでも良い事なのですよ。
子供が学校へ行くか、行かないか、その事に親が無関心で、どうでもよい事、と言っているのではありません。
親は、子供が、自分で決めて、行こう!と前向きに挑戦してしようとしている姿を認め、温かい眼差しと共に、エールを送り続けて下さい。
そんな視線が子供の勇気になります。
子供の心が強くなるのですよ。
お母さんは、今日、上手く、次男に優しくできなかった、と悔やんでいますが、人間は、死ぬまで、ずっと成長し続けるのです。
成長の条件は失敗することです。
失敗は、成功の一部で、失敗が無ければ成長など絶対にありません。
今日のお母さんのしくじりを、悪いこと、と捉えたりはせずに、失敗したから、さらにパワーアップできるな、次は頑張ろう!と捉え、どんどん成長してくださいね。
と、上手くやれない私を励ましてくれました。
私は、今日の失敗を、繰り返しませんように、どんな気持ちでいたら、どんな決意をしたら、同じ失敗をしないかな、と考え始めました。
その時は、よし、頑張ろう!と思えても、感情に負けてしまう事が多かったです。
309 ちゃんとする事
309 ちゃんとする事
私の子育てを苦しめていた事は【ちゃんとする】事だと思います。
ちゃんと学校に行く
ちゃんと集合時間に間に合わせる
ちゃんと宿題をする
ちゃんと挨拶をする
ちゃんと爪を切っている
ちゃんと時間になったら寝る
ちゃんと自分で何でもできる
・・・
子供が周りの大人から見て、ちゃんとしている親に育てられた、ちゃんとした子、と思われるように、と私は無意識のうちに、自分がしっかり母親をしている、と評価されるために頑張っていたのではないか、と今は思います。
周りからの評価を気にする事をやめ、私の中に当たり前にあった、自分が【ちゃんとする事】子供を【ちゃんとさせる事】を手放すと、子育ては一気に楽になりました。
・・・
子供に、ちゃんとする事を迫るというのは、見方を変えると、周りのペースに合わせて自分を殺せと強要している事かも知れません。
そんなふうに思うと、私はずいぶん、子供の自主性を無視して、自尊心を損わせてしまっていたのでは、と考えるようになりました。
厳しく接する必要はなく、もっと子供に寄り添う姿勢が自分にあったら良かったのに、と思うようになりました。
・・・
不登校以来、私の中に、疑問が生まれています。
周りの大多数が良い、としている事が果たして本当に良い事なのか、実は、みんな同調圧力の、間違った良い事をしていて、周りがみんなしているから、とそれを【良い】と信じ込み、子供に押し付けていないのか?
子供が納得する、明確な理由も説明できず、こうゆうものだから、やるべきことだから、みんなやっているのだからと思い込んではいないのか?
子供の本当の気持ちはしっかり聞いてもらえているのか?
果たして、先生を手こずらせない、ちゃんとした子が本当の良い子なのか?
・・・
以前の私ならば、
「みんなできるのに、何でうちの子は出来ないのだろう」
「やりたくないからやらないなんて事は許されるの?」
と、思ってしまいそうな、次男の運動会不参加宣言も、
みんながみんな同じように、やらなければいけないのか?
きっとそんな事はないはず。
心の準備が整っていない子は、自分のペースで、いずれ参加できる日がくると、周りの大人が信じて、プレッシャーを掛けることなく待ってあげてほしい。
殻を破る準備が出来ていない子供の心を、教員に理解してほしい。
子供のペースに寄り添ってほしい、そんな事を強く思うようになっていきました。
308 信じる事
308 信じる事
2022年10月
落ち着いている事も多くなってきた次男ですが、穏やかに遊んでいてもゲームを始めると、お風呂、食事、宿題でゲームを中断すると、暴言気味になったり、癇癪のように泣きじゃくる事が多かったです。
M先生からは、とげとげしい言葉遣いは子供の心の悲鳴ですよ、と言われてはいましたが、毎日の事なので、疲れるな、というのが本音でした。
子供たちの学校では、10月中旬に運動会があるのですが、次男は、
「僕は、運動会はやらないよ、行かないよ、休む」
と無表情で、当たり前かのように宣言していました。
入学当初からの、学校や家での次男の様子、長男の不登校の経験から、私の中に、なぜこの子は他の子のように出来ないのだろう?みんなのように、ちゃんとやってほしい、頑張ってほしいという思いはありませんでした。
学校に行っているだけで、良し。
と思っていたので、運動会をやらない、という次男の宣言に動揺する事はありませんでした。
学校に行く事もそうですが、出来る限り様々な事を次男本人がどうしたいのか、本人に決めてもらう事にしていました。
自分で決めた事には文句を言わないだろう、と私は思っていました。M先生はそんな私の次男への接し方を、
「子供の主体性が高まり、自分への責任感とドライブ感が持てる」
「お母さんが子供を尊重している事も子供に伝わりとても良い関り方ですよ」
「お母さんはまだ、子供が学校に行きたくない事を気にしていますが、義務教育の9年間、引きこもりの子でも、自分を発揮できる場を見つけて、凄い活動をしている子はたくさんいます」
「お母さんは、子供にとって一番大事な、子供を信じることをキチンとやって下さい」
「お母さんからの誠意は必ず子供たちに伝わります」
「信じる事だけは、キチンとやって下さいね」
と言っていました。
今思うと、私は次男を信じ、次男を尊重し丁寧に関わるように心掛けていた、というよりも、学校嫌いで、毎日クソつまらない、と言い、行き渋り、遅刻欠席の多い次男に対し、兄のように心をこわし、大暴れされたくない、そうなる前に嫌がる事を無理やり頑張らせるのはやめよう、という思いが強かったと思います。
この子は大丈夫!この子を信じよう!
という心の余裕はありませんでした。
307
307
2022年10月
長男は、家族が寝静まると、毎晩リビングでゲームをしていました。
下の子たちを寝かしに行く時、私がどんなに眠くても、長男は毎晩、
「お母さん起きてくる?起きてきて!」
と言いました。
なるべく付き合うようにはしていたのですが、どうしても眠たい時があり、
「今日しっかり寝て、明日からまた夜中遊んでーごめんー」
と言うと、以前だと不機嫌になる事も多かった長男が、
「いいよいいよ、眠いよね」
と相手を気遣う言葉が出るようになっていました。
この頃になると、長男はとても穏やかで優しい事が多く、優しい長男の姿を見ると、この子の本来の姿はこれなのだろうな、今までは気持ちに余裕がなく、自分の本来の優しい姿を出す事が出来ず、その姿を見た私からは、わがままだ、面倒な子だ、と言われ続け、辛かっただろうな、申し訳ないな、と私は思うようになりました。
・・・
次男の学校嫌いと無気力な感じは相変わらずですが、次男は最近【ありがとう】と私の目を真っすぐ見ながら伝えてくれる事が増えました。
寝る前に私に沢山話をしてくれるようになり、
「幼稚園の時は遠足が大好きだったけど、僕、学校の遠足は行きたくないんだ」
と、気持ちを伝えてくれる日が多くなっていきました。
私は子供たちの、マイナスな発言や話にも、
「そうなんだね、そう思うんだね」
とただただ聞き、内容を否定をしたり、子供を納得させるような話し方は絶対にしない、と心に決めて話を聞くようにしていました。
・・・
【勇気づけの子育て】で子供の悪い部分に目を向けず、相手を尊重する事、良い部分に目を向ける事だけに集中し続けると、子供たちと、とても良い関係が築けるようになっていったのです。
M先生からは、
「信頼関係はすぐに崩れてしまいます」
「お母さんは、誠実に、ひたむきに、一生、今の接し方で子供たちと関わって下さい」
「相手を心から信頼し続けて下さい」
と言われていました。
私は内心、思った事を言葉を選ばず子供たちに伝えてしまうような、デリカシーのない私に、そんなことできるのかな、と自信がありませんでしたが、がみがみ口うるさく、上から叱りつけ、子供との関係が良くなかった以前よりも、【勇気づけの子育て】を試すようになってからの方が、毎日気分が良く、子育ても楽になってきたように感じていました。
306 外の空気を吸い始める
306 外の空気を吸い始める
2022年10月8日
この日は、年少になった娘の運動会でした。
相変わらず、昼夜逆転の長男でしたが、この日は朝起きていて、娘の運動会に誘うと、
「うん、見に行きたい!」
と言いついてきました。
朝9時に、沢山の人がいる娘の運動会に長男が行くと言ったのです。
・・・
娘の幼稚園の運動場には、長男の同級生も沢山いて、長男は数人に会ったのですが平気で話をしていました。
この1年、長男が同級生と関わる事が出来る日が来るなんて、想像する事も出来ないほどの日々を過ごしていたので、私はとても驚いていました。
午後からは近所の子供たちが沢山いる公園で遊ぶと言い、走り回って元気に遊んでいました。
【勇気づけの子育て】をはじめてから、長男はみるみる元気になっているように見えました。
それと同時に、長男は食事も摂れるようになっていき、がりがりに瘦せていた体から、少しずつ体型が元の姿に戻っていきました。
訳のわからないような無理難題を言う事もありましたが、その回数が驚くほど減っていったのです。
心が回復しているように感じ、とても嬉しかったです。
長男は次の日も、お昼から雨の中外で走り回り、私不在で、私のママ友と外食をしていました。
まさに、メキメキ元気になってきた、そんな感じでした。
その日の夜には、突然、
「ボールであそぼー」
と言い、庭で静かにキャッチボールを始め、インラインスケートも、
「もっとうまく滑れるようになりたい!」
と何度も動画を見ながらコツを研究し、練習していました。
そんな話をしているとM先生は、
「体を動かし始めたら最終段階ですよ」
「とても良い兆候だと思います」
と教えてくれました。
長男が元気になると同時に、私も心の底からエネルギーが沸き上がるように元気になっていきました。
305 友達
305 友達
2022年9月末
入学した4月から、誰とも会話をせず、関わらなかった次男は、夏休みが明けても同じクラスの誰とも会話をする事はありませんでした。
「次男は友達がいないんです」
「放課は、先生が机にいると先生には、寄って行くみたいです」
と私がM先生に話すと、先生は、
「お母さんが、次男は友達がいない、と決めつけている認識そのものが問題なのです」
「今、次男くんに友達がいないように見えていても、本当に友達がいないわけではありません」
「放課に先生の所に近づいていくのならば、その場合は『先生が友達』そう考えるのです」
「次男君は今、自信がなくて、他者と積極的に関わろうとしていない、友達がいないのではない、という考えを持ってください」
「嘘でも、次男君には、『本当は友達作りの名人だもんね』『友達ができると良いね、きっと、良い友達ができるからね』とポジティブワードを言い続けて下さい」
と捉え方を変えるアドバイスをもらいました。
その当時私は、これほど人と関われない次男に友達が出来るはずがない、次男が望んで1人で居たいのならば、それはそれで良いんじゃないのか?と思っていましたが、1年後、驚くほどに生まれ変わった次男は、本当に友達作りの名人になるのです。
304 私の内面的な変化
304 私の内面的な変化
M先生から【勇気づけの子育て】を教えてもらい、実践していくと、初めは怒りや苛立ちの感情を抑え込む作業が多く、子供を立ち直らせるために【耐える】【我慢する】という感覚が多かったのですが、子供が目に見えて落ち着いてくると、私自身の、子育てに対する、根本的な考え方が徐々に変化していきました。
・・・
子供を叱るのをやめ、この子の気持ちを尊重しよう、と努力していると、それを上手くできなかった時に、【なんか嫌だな】という不快感が、心の中に気持ち悪く残るようなっていきました。
今までは、子供が何かを要求する度に、望みを叶えようなどという気持ちは1ミリもなく、
「あー面倒だな、この子をどう諦めさせよう」
と思っていた事でも、
「今、この要求に応えないのは私が面倒だからなのか、本当に聞く事のできない要求だからなのか」
と一旦頭で考え、子供に諦めさせる事を出来る限りさせたくない、と思うようになっていったのです。
・・・
以前のように、遅刻、欠席をさせて甘やかしてはいけない、と思ったり、通学団に遅れる事で、人に迷惑をかけないように、と子供を怒鳴りつけ、イライラしながら子供の心を傷つけるのは間違った子育てだ、と思うようになり、支度が遅くても、私が子供を待てるようになっていきました。
・・・
次男はよく、
「学校が終わる時間に迎えに来てよ!歩いて帰りたくない!絶対だよ!」
と言っていましたが、次男に対して、
「みんな歩いて帰るのに、自分だけ歩いて帰らない甘ったれだな」
などと思ったりはせず、
「最後まで学校にいようとしてるんだな!頑張ろうとしてるんだな!素晴らしいな!」
と自然に思えるようになっていきました。
・・・
私が子供に対して不満や不安を言うたびに、M先生から、
「お母さんは物事の捉え方を変え、出来ている部分だけに目を向けるようにしましょう!」
と何度もアドバイスされ続けたことで、私は少しずつ、イライラせず、子供が頑張っている姿だけをしっかり見る事が出来るようになっていきました。
あれもできていない、これもできていない、と不満ばかりだった私の思考は、子供の頑張っている部分に目を向け、子供の頑張りを理解していくうちに、心の底から子供が可愛い、愛おしい、と思えるようになっていったのです。
303 天才脳の作り方
303 天才脳の作り方
M先生から教えてもらった天才脳の作り方。
・・・
天才脳を作りたかったら、子供が夢中になっている事を、途中でやめさせない事、とにかく中断させない事!それが天才脳を作るコツです。
子供がご飯を食べるのも忘れて集中しているのに、親が、
「ご飯の時間」「お風呂の時間」「もう寝る時間」
などと、規則正しい生活をさせよう、躾けよう、と子供が夢中になって集中している事を中断させるから、子供は、無気力になっていくのです。
子供が自ら「やーめた」となるまでは声もかけず、徹底的にやらせることが、伸ばす教育です。
ほとんどの親がその真逆の縮める教育をしているように思います。
と教えてもらいました。
・・・
M先生の話を聞いていて、「夢見る小学校」というドキュメンタリー映画を見た時も、脳科学者の先生が、
「内容がなんであれ、例えゲームだとしても、子供が集中して、夢中になっている時に一番脳が育つので、とにかく好きにやらせておくと良い!」
みたいな事を言っていたな、と思い出しました。
・・・
長男はとても自由な幼稚園に通っていたのですが、
「幼稚園の時に、夢中で砂場で遊んでいるのに、お茶を飲まされるのが嫌だった」
「学校も、『さー、やる気出てきたーっ』て時に給食とかを食べるのが嫌だった」
と、よく言っていて、彼の中には、自分のペースや納得いくタイミングが常にあり、こだわりが強く、ペースを乱され、中断させられる事をとても嫌がる傾向がありました。
私はそんな長男を、面倒だな、難しいな、マイペースが過ぎるな、協調性がないな、何でこの子は他の子と違うのだろう?と思っていたように感じます。
M先生や映画の中の脳科学者の先生の話を聞き、私は、長男はめちゃくちゃ集中力があるし、好きな事に没頭する子だ!
好きな事を、好きなだけやらせて良いのだ!と知り、親として自信を持って、本人のペースで好きなだけやらせられる!と、気持ちがとても楽になりました。
子育ては、正しい知識と親が子供を信じぬく強い気持ちさえあれば、とてもシンプルなのではないか、と思うようになっていきました。
302 次男の祖母への失礼な態度
302 次男の祖母への失礼な態度
私の母は、孫にとても優しくしてくれる親切で優しいおばあちゃんです。
長男はそんなおばあちゃんの事が大好きで、とても懐いているのですが、次男はなかなか懐きませんでした。
少し前に母に留守番を頼んだ時に、学校から帰ってきて、汗だくの次男を無理矢理シャワーさせたからか、特にこの時期、次男は母を拒否するようになっていました。私が、
「おばあちゃんが次男の好きなお菓子くれたよ」
と言えば、
「いらない、あんな人」
と言い、食べようとしませんでした。
・・・
小さな頃から、次男はあまり人に懐きませんでしたが、長男が不登校になってから、更に人に対して心を閉ざすようになりました。
夏休みに、主人の実家へ行った時もそうでしたが、以前は大丈夫だった私の実家に行っても丸2日間、出された食事を「汚い」と言って食べず、お腹が空いた、コンビニに連れて行って、と、当たり前のように言う事もありました。
母は、次男が私が作った物しか食べない事を理解していて、
「おばあちゃんじゃなくて、お母さんが作ったよ!と言って出してね」
と言ってくれて、私が、
「お母さんが作ったよ」
と言って食事を出しても、このお皿は使った事がないから、食べられない、汚い、と言い食べませんでした。
母が次男が好きだから、とわざわざ前日から買い物に行き作ってくれている事を知っているので、私はとても心が痛んでいました。
・・・
別の日、母が我が家に来て作ってくれた料理も「汚い」と言い、一切食べませんでした。
一生懸命作ってくれた人にそんな事を言う次男を、私は理解する事が出来ませんでした。
母は我が子たちの特性を理解しており、次男の失礼な態度に対して、気にしないでね、と言ってくれていましたが、 母に対し、凄く失礼で申し訳ない、そんな気持ちがいつもありました。
この子の、人に対して極めて失礼な態度は、いつか治るのだろうか?そんな事を心配していると、M先生からは、
次男君のそんな態度は、今の【勇気づけの子育て】を続けていれば、必ず消えてなくなるので、お母さんは、いちいち悲しい気持ちになる必要はありません。
次男君のこれまでの幼少期の苦難を考えてみて下さい、次男君の不適切な態度にお母さんが悲しい気持ちになるべきではないですよ、ずっと悲しかったのは、次男君本人ではありませんか?
と言われ、次男は今まで、長男にずっと、
「お前は汚い、お前が使ったスプーンは使わない」
と言われ、ただそこにいるだけで、「汚い汚い」と何かにつけて言われていた事を思い出し、次男は自分が今まで長男に言われてきた事を、一通り相手を変えて言いたいのかな、と私は思うようになりました。
・・・
M先生は、例えて言うならば、次男君は、今はまだ、鳥の雛なのですよ。
口を開いて、親鳥が餌を運んでくれるのを待ち侘びているのです。
他の子に取られないように、思いっきり口を開いているけど、目も見えていない。
それでも、してもらった事を、必ず、次の世代に繋げる親になります。
親鳥は、雛が育つと信じて餌を何度も何度もただ、ひたすら運ぶのです。
きっと今、次男君の内面では色々な事が起こっています。
目に見える表面には、良い面と悪い面が同時に出ますが、子供たちの様子を聞いていると、とても良い流れが出来ていると思いますよ。
【この子は大丈夫に決まっている!】とまずはお母さんが子供たちを信じて、今を生きて下さい!
おばあちゃんへの失礼な言動も、子供はいずれ、何を言って良いのか、ダメなのか、学びます。
お婆ちゃんに、悪いなぁ、と思う気持ちを整理するのは、次男君の人生の課題ではなく、お母さん自身の課題ですよ。
大人が我慢すれば良いのです。
周りの大人みんなで子供を支え、子供の心が豊かになる事を、みんなで喜びましょう。
子供の心理を理解すれば、表面的に起こる不適切行動に、大らかに対応できるようになります。
お母さんが、子供の不適切行動に、いちいち悲しがったり、失望しているうちは、まだ、子供の心に寄り添えていないという事です。
【勇気づけの子育て】を続け、子供の心が癒えて、子供たちが少しずつ、自分を出せるようになって、わがままも聞いてもらえるようになっていくと、どんどん、その子本来の素晴らしい姿を、外に出せるようになるのです。
お母さんが自分自身の心を良く整えて、子供たちが大人に試し行為などをしなくても、心底安心して過ごせるようになる日まで、待ってあげて下さい。
とにかく、この子は大丈夫だ、と信じてあげて下さい。
と教えてもらいました。
これほど失礼な事ですら、注意しなくていいのかな・・・と思う気持ちもありましたが、注意したところで次男は直すわけでもなく、良くない行動である事は、彼自身も分かっているだろうな、という気持ちもあり、私は母に対する失礼な態度に対して、次男に何も言う事はありませんでした。
301 次男のゲーム依存
301 次男のゲーム依存
2022年9月末
最近だいぶ元気になってきた長男を連れて、家族で少し遠くへ行く事になりました。高速道路を使って1時間半ほどかかる場所でした。
娘が飛び跳ねてお出かけを楽しみにしていましたが、出発するまで、長男は本当に行くのか、起きられるのか、私はそんな心配ばかりをしていました。
結局、出発の時間になり、連れ出すのに困ったのは、長男ではなく7歳の次男でした。
夏休みも45日間朝から晩までゲーム漬けで何もせず、学校から帰ってからも、土日も、ゲームしかしていないのに、それでもまだ次男は外出する事でゲームの時間が減る事を嫌がりました。
まず家をでる瞬間から、
「行きたくない」
「家でゲームをしていたいのに!何で行かなきゃダメなんだ!!」
「お休みの日に何で僕の時間を奪うんだ!」
と泣き叫んでいました。私はなんとかプラスの言葉に変えようと、
「お母さんは次男が来てくれたら嬉しいけど、一人で待てるなら来なくても大丈夫だよ」
と言うと、次男は、
「1人で待てるわけないだろ!」
と言い、長男は車に乗りまだ出発しないのか、と言っているし、娘は嬉しくて飛び跳ねているし、結局次男が納得しないまま、なんとか次男を車に乗せて出発しました。
車中も次男は、
「勝手に連れてこられた」
「行きたくない」
と食ってかかりながら叫び続けていましたが、私が、
「ゲームをしていたいのに来てくれてありがとうねー」
「お母さん、嬉しいよー」
「みんな、今日は次男を楽しませた人が勝ちね!」
などと次男の怒りの言葉をかわしながら、車中はなんとか過ごしていました。
・・・
到着すると、次男は車から降りず、私に向かって、
「行くな!」
「行くなって言ってるだろう!!!」
と叫びながら泣いていました。
小さな子供を連れて、家族で楽しくお出かけしたいだけなのに、なんなんだ、この子は?と私は内心イライラしていました。
主人は何も言わず、ただ黙って私に全てを任せていました。
何とか次男をなだめよう、と頑張りましたが、あまりにもしつこく「行きたくない」と言い続けるので、私はもう頑張れず、次男に対し、
「もー、行かなくていい」
「お母さんと車で待っていよ」
とうんざりした雰囲気で次男に言うと、次男は急に、
「行く!行くって言ってるだろうが!行けよ!」
と、今度は行かない事に怒ってくる・・・
あーーー、本当に疲れるな、もううんざり、どこにこんな7歳児がいるんだ、そんな気分でした。
結局家族全員で入場し、みんなが遊び出すと、次男は少しずつ顔が和らぎ、自ら遊びはじめました。
・・・
プールに入って遊ぶと、帰り際には、
「明日は来れないの?」
と聞いてくれた事がとても嬉しかったです。
長男は、出発時は元気でしたが、しばらく遊ぶと疲れたのか、遊び場ではない場所で「ボー」っと1人で座っていて、昔のような長男らしい活発さはありませんでした。
元気がないな、もう帰った方がいいんだろうな、と心配していたのですが、車に乗り、ゲームを始めると一気に元気を取り戻していました。
家の中で元気になっていても、やはり外ではあまり元気がないな、外出はあまりしたくないんだな、と私は感じてました。
外出中も、私はいつも長男の情緒が不安定になってきていないか、と長男の様子ばかり心の中で気になってしまう癖がなかなか抜けませんでした。
常に、長男が機嫌が悪くなりませんように、とその事だけに神経を集中させ、怯えていたように思います。
300 子供の心理
300 子供の心理
2022年9月末
この時期の次男は、朝食が気に入らず、暴言を吐いて暴れ、学校に遅刻する事がよくありました。
朝ご飯を作っても、気に入るメニューじゃなければ食べず、目の前に朝食が置いてあるにも関わらず、私に向かって、
「今日の朝ご飯なに?」
「ねー、早くご飯ちょうだいよ」
「朝ご飯なしかよ!」
と神経を逆なでするような事ばかり言ってきました。
・・・
別の日は、主人が次男にチャーハンを作ると、出来上がった食事を見もせずに、
「絶対まずいから食べない」
と言っていたのですが、文句を言いながらも出来上がったチャーハンを見に来たので
「見るだけ見てくれたんだねー」
「嬉しいなーありがと」
と夫婦で言い、その後は次男に何も言いませんでした。
すると次男は、何も言わず、不貞腐れたまま、チャーハンを食べ始めました。
・・・
偏食の酷い次男の、毎日の朝食の用意がとてもストレスになり、夜のうちに、朝ご飯を決めてもらう事にすると、スムーズに朝食をとれる日が以前よりは増えました。
・・・
この時期の次男は、朝は通学団では登校せず、起きた瞬間から不機嫌で、朝食も文句ばかり言う。
遅刻をしているのに、給食を食べたら帰りたい、と言い早退をする。
家に帰ってからは返事もせずにゲームばかりしている、そんな次男の姿に、この子はどうなるのだろう?と将来に不安を感じない日はありませんでした。
・・・
私は、上手く感情を抑える事が出来る日もあれば、苛立ちが顔に出てしまう日もありましたが、何とか挑発にのらないように、と頑張っていました。
内心は「ふざけんなよ!」と思いながら、なんとか耐えている事もよくありましたが、私が感情を抑え優しく対応すれば、良い事が起こる頻度も増えていきました。
例えば、長男の友人におやつを作り、出そうとしていると、次男が、
「ずるい、みんなにばっかり」
と言い怒り出し、私が、
「次男が全部食べていいんだよ」
「次男が優先!次男が食べて、お腹いっぱいになって友達にもあげられるならあげたらいいよ」
と言うと、「友達にあげてね」と一言も言っていないのに、自分は食べずに友人の所へおやつも持って行ってくれました。
・・・
子どもの言動は理解不能で、予測すらできないと苛立ってばかりの日々の中で、時折、打てば響く、と感じる瞬間も、少しずつですが増えてきたように思います。
以前の私は、子供がどうしてほしいのか、どんな気持ちでいるのか、と子供の心に寄り添う姿勢はもてず、子供をどう納得させよう、どうやって言うことを聞かせよう、ということばかり考えていたことに気が付き始めていました。
そんな中、私だってコツさえつかめば、子供とうまくやれるかもしれない、という期待感が、自分の心の中に芽生えてきたようにも感じていました。
299 子供の気持ちを受け入れる事
299 子供の気持ちを受け入れる事
夏休みが明けてから特に次男は、
「学校は知ってる事しかしない、詰まらない、意味がない」
と言っていました、そんな次男に、私は、
「学校がつまらないのは悪い事じゃないと思うよ」
「詰まらないものは詰まらない、嫌いなものは嫌いでよいんじゃないかな」
「自分に合う学校を探すのは大賛成だから、別の学校の体験とかいってみようね」
と言っていました。
・・・
夏休みが明けると、次男の学校での様子は明らかにおかしく、課外学習で学校で出されたお弁当には一口も手を付けず、そのまま家に持ち帰ってきたり、5時間目に教卓下で爆睡していたり、立ち歩きも酷くなっていました。
家では寝る前に、「明日学校行きたくない」 と言う事が以前より増えていました、
・・・
先日は、行き渋るけれど、休みたいとは言わない次男に、
「次男が行きたいタイミングで、お母さんと学校に行こうね」
と次男に伝え、通学団では行かず、出発時間を次男が決めて出発していました。
この日は正門で、給食を食べたら帰りたい、と言うので給食後にお迎えに行きました。
学校をとても嫌がる様になってきた次男でしたが、家庭では以前よりも落ち着いていました。
次男と話をしていると、娘がやきもちを焼き、邪魔をしてくる事がよくあり、私が娘に
「今次男とお話ししてるから、待ってくれる?」
と言っても、娘は「やだー」と嫌がる事が多く、以前だと次男は妹に、
「わがままだな!」
と怒っていたのですが、最近は、
「お母さん、いいんだよ、〇〇ちゃん先にどぅぞ」
と言ってくれる日が増えていました。
よく考えるとここ数日以前の様に、
「おい、お前!」とか「クソババア!」
と私に向かって暴言を吐く日が明らかに減ってきていました。
次男に、
「お母さん、昔よく怒っていたのに、最近怒らないよね、何で怒らないの?」
と言われるようになり、そんな次男の話を聞いていた長男は、
「お母さんが口うるさく言わない事に僕は気付いてる、だから僕も頑張らなくちゃって思ってはいるんだよ」
と言っていました。
子供たちは私の子育てスタイルの変化に気が付いているようでした。
不思議な事に、子供を良くしよう!と厳しく子供を叱ったり、躾けたりをしなくなったのに、子供は自発的に、どんどん良い子になっていったのです。
M先生からは、
「子供たちは、自分の主張が、ちゃんと受け入れられている、という実感が生まれてきたのだと思います」
「子供にとっては、受け入れられる体験が何よりも大切です」
「心の交流を、どんどん深めてくださいね」
「受容される喜びを知った子は、自信を深めていきます。そしてそれが、子供の心の成長にはとても重要な事なのですよ」
と教えてもらいました。
298 ルール決め
298 ルール決め
9歳、7歳、3歳、の子の子育てをしていましたが、長男の疲れた心を回復させる為、生活のほとんど全てを子供たちの望むペースで進めていて、生活の中に秩序はほとんどなくなっていました。
やりたくない事は一切せず、好きな時に、好きな事をしている。
食べたいときに食べたいものを食べ、食べたくないものは食べない。
長男の心が穏やかになり、大切にされていると信じてもらうため、出来る限り、その子が今望んでいる事を叶える。
長男の回復の為なので、長男だけにその対応をしたいのですが、下の子は上の子をマネし、自分たちの事も同じように大切にするのか、と試してくるため、私は全員に同じ対応をせざるを得ませんでした。
M先生には、
「今の状態があまりに酷いと思うのであれば、子供が守れるルールを、子供と話し合いをして、決めると良いです」
「子供がルールを守れないのは、そのルール自体が守れないルールだからです、発想を広げて工夫をして、守れるルールを、知恵を出して決め、家族全員が守りましょう」
「今、とても子供が言う事を聞かない、という状態なのであれば、各自の状態が安定したあとに、また、すこしずつ秩序を作っていけばよいのですよ」
「焦らず、少しずつ家族を良くしていきましょう」
と言われていましたが、守れる!と自分たちでルールを決めても子供はルールを守らず、子供がルールを守らないと
「こんなに緩いルールですら守れないのか」
と私は少しずつ強い口調になり、その口調で子供が怒り出し、負の連鎖が始まるのです。
私は子供たちと子供たちの守れるルール決めをする事がとても苦手でした。
全て放棄して好きにさせておく方が私には楽でしたが、好き放題な子供を見ると、この子たちはこの先、どうなるのかな?と不安になっていました。
297 前を向き始める姿
297 前を向き始める姿
2022年9月末
「僕なんてどうせ」
「僕なんてクズだから」
などどマイナス発言を連発し、ランチに誘っても、
「学校に行ってない僕がおいしいものなんて食べなくていい」
と言い、お誕生日だね、とお祝いしても、
「9歳になるのに、僕は学校に行ってない」
とお祝いされる事さえ拒絶し、誕生日、新学期などの区切りがある度に落ち込み、部屋に閉じこもっていた長男が、少しずつ自己肯定をする言葉を発するようになっていました。
どこかへ出かけたりインラインスケートで1日遊んだ後、とても嬉しそうに、
「僕、体力落ちてないかも、戻ったかも、疲れてない!」
と自信を取り戻せるかもしれない、と自分自身に問いかけるかのように言う日が増え、
「外に行きたいな!」
「やっぱり運動楽しいな!」
と進んで外の空気を吸いに行くようになったのです。
小学生の帰宅時間でも、以前のように怯え、家の中に急いで帰って来る事も減っていきました。
私はいつも、本来の、本当のこの子の姿を見つけられずにいました。
長男が元気になれば私が元気になり、些細なきっかけで落ち込めば一緒に落ち込んでしまう。
表面的には明るくしているつもりでも、心のどこかが苦しくて、些細な事にイライラしてしまうのです。
何でこんなに私はイライラしているのだろう?と考えると、それはいつも長男の気持ちの浮き沈みが関係していました。
不登校以来特に、私はどうしても、自分の心を、安定させられずにいました。
296 決めつけ
296 決めつけ
2022年9月末
ゲーム機を与えてからの、長男次男のゲームへののめり込み方は異常で、特に次男は学校でも誰とも関わる事が出来ずに、ただただ、何とか学校へ行き、帰って来てゲームをする事だけが楽しみで生きているかのように私には映っていました。
子供らしく外で元気に遊ぶ、目をキラキラさせ「あれしたい!これしたい!」と好奇心を持って何かをやりたがる、という事は皆無でした。
そんな次男をとても心配していた私への、M先生からのアドバイスは、
母親が次男はやらない子、できない子と決めつけ、幾度となく次男の貢献の機会を、奪ってきている可能性があります。
子供は本当はできるのに、親がこの子はどうせ出来ないだろうと諦めていませんか?
子供が何もしないというならば、その子は本当は出来るのに、やらないと決心しているだけではありませんか?
いつもはやるべき事をやらない子供が、少しでも何かを自分でやれた時に、それを見逃すことなく、良く認め、出来たことを一緒に喜んであげる。
自分の事や、家の小さなお手伝いを、母親が遊びに付き合ってもらう感覚で、上手くリードしてあげて下さい。
子供は、何事に対しても、遊び感覚があれば、惹きつけられるので、うまく、役割を与えて、巻き込み、子供が家庭内で活躍できる場を沢山作り、他者貢献を沢山経験させてあげて下さい。
お母さんが工夫をしても全て上手くいかない事もあるけれど、良い時を少しずつ増やしていきましょう。
親は試行錯誤し、その子はどの誘い方が一番反応するのかを、工夫すること。
そんな事を繰り返し、親子の絆が深まると、全ての事が良い方向へ向かいます。
何もしない、ゲームしかしない、と思うのは、お母さんが子供をそうゆう目で見ているからですよ。
ゲームをしている時間、お兄ちゃんと楽しくコミュニケーションを取れていれば、それだけでも、とても素晴らしい事です。
ゲームは悪い事ではありません。
ゲームをする事で、人と豊かにコミュニケーションをとれるきっかけになるのであれば、その子にとってゲームはとても良いことです。
この子はこうゆう子だから、と決めつけるその考えをお母さんはまず、捨てて下さい。
と言われ、特に1年前から人と上手く関われなくなっていた次男は、長男以外の友人とも、ゲームを通しては活き活きとしながら関わっているな、という事に私は気が付いたのです。
親がまず、子供を見る角度を変え、捉え方を変える事がとても重要だと思いました。
何をしているかよりも、その子が今心から楽しんでいるか、ワクワクしているか、そこに視点を合わせられていなかったのかな、と思ったのです。
295 心を温める事
295 心を温める事
上手くやれない私がもらったアドバイス②
永遠に続くかのように感じる子供との時間は本当はほんのわずかしかなく、子供と深く関われる子育て期間は、子供が中学校に入るまで、その後は、もう、親はなかなか相手にされず、共に過ごす時間は少なくなります。
お母さんが、元気で明るくて、優しくて、親切なら、家庭は全て、自動的に良くなります。
まずはお母さんが自己否定をやめ、明るく過ごして下さい。
子は親の鏡なので、親が良いものを見せて、親が良い人生を歩む姿を見せていれば、子供は親という鏡に反射するように、良い状態になっていきます。
子供は叱られない事で、失敗も恐れなくなり、心から信頼される事で、愛されている、と実感していきます。
長期に渡り、柔らかな子供の感性を痛めつけるように育て、困難な子育てから自分の子育て法が間違っていた事に親がやっと気が付いた。
親は間違いを改めやり方を変えたのに、子供が全然良くならない、何ですぐに良い子にならないのか、なんて事は思うべきではありません。
今まで子供が自信を失うほど、心を傷つけてきたのだから、これからはこの子の心が温まるように接しよう、という思いや、今までの子育てへの反省が足らない人は【まだ】良くならない、と焦りが生じるのです。
子供に向き合う前に、まず、自分の心としっかり向き合い、【やる】と心に決めて進んでください。
【勇気づけの子育て】を粘り強く続けていれば、昨日より今日、今日より明日、良い場面が、増えてきて、気が付けば悪いことが少しずつ減っている。
自然と良い状態を、少しずつ長く保てるようになるです。
親がやり方を変えたからと言って、子供が突然不適切な言動が皆無になる事など、ありえないので、親はいちいち、子供の不適切な言動に落ち込まず、自分がこのやり方だ!と決めた子育て法をぶれずにやり続けて下さい。
不適切な行動は、子供の最後の抵抗なのだと、親が乗り越えるべき壁なのだと、温かく受け止めてあげて下さい。
・・・
いじけまくっている子供は、良い子にしていても注目してもらえなかった経験から、騒いで騒いで注目を得ようと行動しています。
注目をされず、愛されている確信が持てず、不安な子供は、大暴れしてでも、注目を得ようとするのです。
最優先順位として、長男を立ち直らせ、それに大きな影響を受けて必ず次男が良くなっていきます。
不登校中の子は、本当に挫けやすく、とても自尊感情が低いので、油断せず、しっかり愛を注いでください。
不登校児は自己中と言いますが、自己中は、わがままという意味ではなく、認めてほしいという渇望が肥大化し、承認欲求が、強い事です。 とにかく子供を認めてあげて下さい。
幼少期に親から承認されるという経験が十分に満たされていないのですよ。
自分が大事な存在なのだ、大切にされているのだ、愛されているのだ、という実感を持っている子は、集団での適応が高いです。
沢山愛を注ぎ、自己受容が出来るようになると、不安が消え、どんな場面でも適応能力が上がっていきます。
とにかく愛されているのだ、大切にされているのだ、という実感が持てるよう、粘り強く愛を与え続けて下さい。
294 伝え方
294 伝え方
上手くやれない私がもらったアドバイス。
【ありがとう】という言葉はただ言えば良いのではなく、心から【ありがとう】と子供に感謝し、気持ちを込めて、あなたの存在は、有難い、とても価値のあるものだ、という気持ちでいることが相手に伝わってこそ心の奥深くに刺さります。
子供が良い状態になってほしいという下心の元、上辺だけで【ありがとう】と言っていても相手には伝わりません。
生まれてきてくれて、ありがとう。
私の子供に生まれてきてくれて、ありがとう。
そんな言葉を心の底から、魂を込めて、言ってあげて下さい。
今まで親が上から目線だったのに、急に違うやり方をすると、言い方がぎこちなくなってしまうかもしれませんが、だんだん、上手になります。
人間なのだから、何事も器用に全て上手くできる訳ではなく、親も、子供も少しずつ成長したら良いのです。
293 大丈夫という言葉
293 大丈夫という言葉
次男が暴言を吐くと、私はイライラする気持ちと、この子はこんなふうで大丈夫なの?という不安と、不適切な行動に対して、私は親として何を伝え、どう対応したらよいのか分からず、抑え込めないほど苛立ちの感情と、対応を考え思考を巡らせることで、頭の中も心の中もいっぱいいっぱいで、精神的に疲れてしまいがちでした。
それでも、今この苛立ちの感情に負け、子供に酷い事を言ったところで、私が一瞬すっきりしたとしても、後に罪悪感にさいなまれ、誰も幸せにならない。
良い言葉が見つからなければ、とにかく黙って耐えよう、と思いながら日々を過ごしていました。
次男が訳の分からない事を言い始めると「わがまま言わないでよ」と言いたい気持ちを抑え、
「気持ちを教えてくれてありがとう」
と伝えるように心がける。毎回は出来ないけれど、そんな事を続けて行くうちに、次男が、
「お母さんにわがままを言っても怒らないんだ、僕はわがままを言っても良いのだ」
と、安心感を膨らませてほしいという気持ちがありました。
私は、その繰り返しが信頼関係を生むと思っていたのです。M先生の、
「人が人を信頼するのに理由は不要で、信頼を寄せる人を傷つけ、裏切り続ける事ほど辛いことはないはずです」
という言葉から、不登校になるまでの長男と次男の姿を思い返し、私がいかに、息子たちを信頼せずに育ててきたのか、という事を考えさせられていました。
・・・
今、我が家が子供たちにしている子育てを見て、主人は、
「ここまで子供に何も言わずに、自由でいいのか?」
とよく言っていましたが、今のやり方に変えてからの子供たちを見て、以前よりは確実に家族間の関係性が良く、次男の暴言は激減し、長男がとても優しくなったので、もう割り切って1年間は無心で【勇気づけの子育て】を頑張ろう、と言っていました。
・・・
次男の情緒の波が激しく、私は心が折れそうになるのですが、厳しく叱ったりはせず、優しく接していると、暴言や癇癪は以前のようには長引かず、私も頭に血が上るような感情を抱くことが減り、以前のように頭も心ももやもやと苦しくなる頻度が減っていきました。
M先生からは、
「不登校の子供に限らず、大人でも『君ならやれる!あなただったら大丈夫』と信じてもらえると、初めは不安でも、頑張ってみよう!となると思いますよ」
「子供たちには前向きな言葉をかけ続けて下さい」
と幾度となく言われていました。
私自身が、話をする相手が私の気持ちに共感し、
「どーなっちゃうんだろね、不安でたまらないね」
と言われれば、不安になり、信頼している人に「大丈夫、大丈夫」と言われれば、大丈夫な気がしてきて頑張れる、感覚がありました。
それでも、言われる相手が大切で、不登校や次男の不適切行動に対して悩んでいる時は、同じような経験をしていない人や、他人事だからと、無責任に「大丈夫大丈夫」と言われると、何となくもやもやし、不快感を抱くこともありました。
292 頼み方
292 頼み方
長男は不登校から1年経ち、【勇気づけの子育て】を実践し始めると、家族に対する言葉がけがとても丁寧になり、私に食事を頼む時も、
「お母さん、無理ならいいけど、ご飯いいかな」
と聞いてくれるようになりました。私も長男に対して、
「もし無理なら大丈夫だけど、8時30分に下の子が寝る部屋に行った後は、ゲーム機を寝る部屋に持ってこないでほしい、次男が寝る部屋で折り紙とかして遊んでいるから、いいかな?」
とお願いベースで頼むと、
「オーケーオーケー!大丈夫だよ!任せて!」
と快く返事をしてくれるようになり、下の子を寝かし、私が起きていき、長男とゲームを始めると、
「お母さんいつも来てくれてありがとう!ごめんね」
と言う事が増えました。
土日には妹をお風呂に入れてくれる日もありました。
1人で待つことが出来ない次男の帰宅時間に私が不在な事があり、長男に、
「明日、お母さんいないから次男が帰ってくる時間、リビングにいてもらっても良いかな?」とお願いすると、長男は、
「大丈夫だよ、僕に任せてね!お母さんにも事情があるもんね」
と私を助けてくれるようになっていったのです。
・・・
M先生からは、子供にお願いをする時は、相手が断れるようにお願いをするように言われていました。
相手が断れるような頼み方をし、断られたら潔く諦める。
こんな接し方をすることがなぜ必要な理由は、子供との上下のない人間関係を作るためです。
そういう上下関係のない状態では、親だからといって、子供を思いのままにして良いわけではありません。
上から命令され、意に沿わないことを強要されたら、子供は、自分が親から大切な存在として扱ってもらえていない、また、その価値もない、と悟ります。
貢献感という以前に、自分には価値があり、親は、自分を大切にしてくれている、という実感を抱かせてあげる事は、とても大事なのです。
子供に助けてもらう事で、お母さんは助かり、子供たちは、貢献できて、自信を持つ。
そんなふうに、助け合う家族というのは、全ての方面でとても良いのですよ。と教えてくれました。
・・・
相変わらずゲームを中断する時に、酷い暴言を言いがちな次男には、寝室に行く前に、
「今日は次男、お母さんと遊んでくれるかなー、楽しみだなぁ」
とか言いながら、娘と先に寝室に行くと、
「あー、この妖怪倒してからいくね、少し待っててね」
とゲームにキリをつけて、寝室に来る日が増えていきました。
・・・
それでも私は、そんな【お願いベース】のやり方を自然体でしている、というよりも、とても意識してやらないと、元々持っている雑で相手に配慮のない子育て法にすぐに戻ってしまう気がしていて、何とかこのやり方が自然に出来るようになりますように、と願っていました。
291
291
我が家の場合は、不登校初期、長男はギリギリ生きている、という状態まで気持ちが落ち込み、学校も習い事も、食事、お風呂、歯磨き、などの日常生活すら全て放棄した状態に陥ったため、もう失うものは何もなく、今までの子育てを全てリセットせざるを得ませんでした。
それは、悪い事ばかりではなく、手放すものさえなくなり、失うものがない、というのはある意味強みだな、と私は今でも思っています。
・・・
次男は、長男が不登校初期に荒れ狂った様子をしっかり見て、聞いて、1年過ぎた頃、次男自身が同じ事をして、親の反応を見てるようでした。次男の酷く不適切な行動に私が注意をすると、次男は、
「どうして長男だけいいの?」
「なんで、僕はダメなの?」
と聞く事が増えていました。
・・・
毎日繰り広げられる、訳の分からない子供の理不尽な言動に私はいつも挑発され、争いの土俵に上がっていましたが、自分の感情に負けないように頑張らなければ、と思っていました。
それでも、お風呂、歯磨き、起きる、寝る、ご飯を食べる、トイレに行く、その全てのアクションで、突然切れて暴言を吐き、癇癪を起す次男に心穏やかに接する事は、すぐに感情的になる私には至難の業で、なかなか上手くやる事ができませんでした。
そんな私の悩みに、M先生が、
「暴言を吐いたりする子供の言動は、不安の表れなので言葉通りに受け取らず、この子は今何か不安なのだな、と気持ちに寄り添う声掛けをし、心を温めてあげて下さい」
「叱りつけたら何も解決しないどころか、あー、お母さんは僕の辛さを理解してくれない、と信頼関係が崩れていくだけです」
「ネガティブな要素は全廃し、常にプラスの声掛けをして下さい」
「学校に行きたかったらいつでも行けるよ、あなたはどんな事でも出来るよと子供が安心するような声掛けを続けて下さい」
「不安な気持ちも、母親からの、大好きだよ、あなたが大切だよ、あなたならできるよ、あなたがいてくれてよかった、そんな声掛けを続けていれば、薄らいでいき、少しずつ自己受容が出来るようになり、失敗を恐れなくなっていきます」
「良い子たちなので、失敗を恐れなくなれば、とても良い方向へ向かっていきますよ」
「学校に行かせなければならない!などと考えなくて大丈夫です、学校は遊ぶところ、という認識でよいのですよ」
「子供はどの子も本来のとても素晴らしいものを持っています、その持ち味を取り戻す事が出来るように、まずお母さん自身が、ご自身の良さを取り戻して下さい」
「それが最も重要な事なのです」
「子供はどんなにやり方が悪くても、愛があるとそれなりにまとまりますよ」
「無意味に将来の心配をしなくても、どうせ何とかなるに決まっているのだから、しっかりスキンシップを取って、今を大切にすることです」
「とにかく、子供たちを沢山抱きしめてあげて下さい」
「小さい子にとっては、お母さんの温もりが一番の癒しで励ましになるけれど、幼少期母親が温もりを与える事をさぼり、子供の気持ちが満足していないと自立が遅れます」
「もういらない、と拒絶されるほど、沢山抱きしめ、愛を与えて下さいね」
「母親にキツく抱きしめられた子だけが、本物の愛情を知るのですよ」
と、アドバイスをしてくれました。
290 子供の本当の姿?
290 子供の本当の姿?
2022年9月末
長男の情緒が安定し、今まで見た事のないような長男の姿に私が驚き、M先生に、
「長男は、怒りスイッチが入っていない、本来の長男の姿が見えた時に、人に対しての言葉選びが素晴らしく、とても親切で、妹と遊ぶ時も9歳の子がこんなに上手に妹と関われるのか?と思う事があります」
「今まで私が育てにくい、面倒な子だ、と思い込んでいた長男の姿は何だったのか?と思うほどです」
「自分の子供を褒めるのは良くないのかもしれませんが、育てにくいと思っていた長男はとても優しい良い子でした」
と話すと、先生は、
「今、自分の子供を自慢できない親が多すぎますよ、悪口しか言っていません」
「子供があれが出来ない、これが出来ない、ここが気に入らない、そんなふうに子供の文句ばかり言っているのは毒親です」
「親こそが子供を褒めてあげて下さい」
「親が子供に文句ばかり言っている家庭は、遅かれ早かれ、本当に地獄をみますよ」
と教えてくれました。
・・・
私は今までの親主導のやり方を変え、子供を正論で正す事をやめ、子供の気持ちを受け止め、その子が出来ている良い事に着目するよう努力するようになってから、子供の深い部分の胸の内をしっかり見るようになりました。
子供に厳しくする事は良くないと知り、それを止めました。
そして、寄り添う、の本当の意味が少しずつ分かるようになっていきました。
幸せになってほしいと、あれこれ習い事をさせ、何かを出来る様にさせる事を頑張るのではなく、子供が毎日幸せを感じられるよう、その瞬間瞬間、その子の欲してる事を察知しよう、それに全集中しよう、という考え方に変わっていったのです。
・・・
M先生には、
「子供はみんな、持って生まれた素晴らしいものがあります。親の役目は、子供をただただ、愛する事です」
「それだけで十分なのに、親や教師が、ああしろ、こうしろ、これはダメ、あれはダメ、と子供からチャレンジする機会を奪い、気力を奪い、色々なスイッチを切り、やる気やその子自身の考える力を奪い続けた結果、子供は自分自身の人生を生きる事を諦め、無気力になってしまうのですよ」
と教えてもらいました。
289 自己受容
289 自己受容
M先生から、こんなアドバイスをいただいたことがあります。
親が子供に与える影響は大きく、大人になってからも、子育ての現場にそれが引き継がれます。
親自身が、親から受けた影響から脱する事は、人格が変わるほどの苦しみが伴い物凄いエネルギーが必要です。
それでも、自身が今持っている子育てイメージが正しくない、と気が付く事ができたのであれば、ご自身の中で当たり前になっている子育て法を変えるしかないのです。
親が一生懸命頑張っていても、それが必ずしも子供に良い影響を及ぼすわけではなく、親としては悪気などなく、一生懸命、子供のためと思い込んでいても、子供は辛い事があるのです。
親も自分が育てられたやり方しか分からず、育てられたようにしか我が子を育てられません。
やり方を変えるのは、決意と、納得してやれる方法の両方がないと難しいです。
親は、やる、と覚悟を決めて、自身の中に刻み込まれている子育てのやり方を変えるのですよ。
という先生の言葉に、
私は自分が育てられたように、無意識に上から目線で、親主導で子供を育てていたけれど、子育てが困難になった時に、自分が自己受容をして生きているのか?幸せを感じながら生きているのか?と考えた時に、答えはNOでした。
私の今の子育て法では、私のような思考を持った子供が育つのかな、と思うと、それは絶対に嫌だ、と思いました。
長男の不登校から1年ほど経った頃、私はようやく、本当の意味で自分自身に向き合うという事をしました。
私は自己受容が全く出来ておらず、自信がなく不安がとても強い事に気が付いたのです。
何かを決断する事も、自発的に何かをする事も苦手で、常に受け身でした。常に自分の意見に自信がないのです。
その事に気が付いてから、何とか自分を好きになる事が出来るよう、マインドを変えたいと強く思うようになっていきました。
今まで、こうゆうものだから、と何も考えずに、何となく生きてきた中で感じていた不快感が、実は生き辛さだった事も、自分自身が自己受容が全く出来ていなかった事すらも気が付かずに母親になり、気持ちに余裕のないまま子育てをしていたのだと思います。
・・・
M先生には、子育てには、これなら良い、という、ゴールは無く、その時その時の子供の反応を見て、今が最高な状態になる様に、親は常に子供の状況に合わせて子育て方法を更新していくのです。と教えてもらいました。
288 約束
288 約束
長男は完全不登校になってからしばらくの間、家族と特定の親族以外は会う事が出来ず、家からも一歩も出ませんでした。
少しずつ心の安定を取り戻してからも、外出の約束をする事はとても困難で、私は長男と家族以外の人が約束をする事に、とても神経を使っていました。
長男が引きこもり気味になってから1年ほど経過した2022年の9月の時点では、家ではとても元気になっており、笑顔も増え、外出できるかのように見えるのですが、人とどこかへ行く約束をする事が困難な状況は変わっていませんでした。
・・・
長男は昔から私の父が大好きで、2人はよくお出かけをしていました。
先日、長男が祖父に「僕、金閣寺に行きたい!なるべく早く行きたい!」
と、話したようで、姉から「いつなら長男が京都へ行けるのか?」と尋ねられました。
不登校以来長男の睡眠サイクルはぐちゃぐちゃで、旅行を計画しようとしている1か月後に、長男が何時なら起きているのか、私には分かりませんでした。
長男が行くか行かないか、出発時間に起きられるか起きられないのか、それは当日、その時間にならないと分からないのです。
長男は、基本的には自分がどうしたいかよりも、気遣いをして、相手が望んでいる返事をする傾向があるように私は感じており、長男が本当に行きたがっているのか正直分かりませんでした。
姉は、私が事情を話し約束する事を躊躇っていると、
「当日朝起きられなかったら、やめればいいだけの話じゃない?」
と言ってくれるのですが、私は物事を簡単に考える事ができず、いつも、あーなったらどうしよう、こうなったらどうしよう、と長男の情緒の心配と約束した相手に迷惑を掛けたくない気持ちで、心がざわざわしている事が多かったです。
どんなに私が長男に何度も確認してから約束事をしても、長男は当日気分が乗らないと、
「お母さんが勝手に決めた!」
と言い出すので、私は姉に、全て直接長男と祖父で計画を立ててほしいとお願いしました。
・・・
先日も長男は、幼馴染と外出する約束をしていました。
誘われた時には「行きたい」と言っていたのに、約束の時間になり起こすと長男は起きて来ませんでした。
私が「中止にする?」と聞くと寝ぼけながら「行く」と言うのですが起きては来ない、そんな事の繰り返しでした。
友人が約束通りに我が家へ長男を迎えに来てくれている為、長男を叩き起こすべきなのか、幼馴染に事情を説明し、約束はやめにするのか。
友人に合わせ、無理矢理長男を外出させる事によって長男が疲れてしまわないか、という心配や、楽しみに待ってくれている友人に申し訳ないな、という罪悪感にとても神経を使い、約束事をする事がとても嫌でした。
今思うと、不登校が始まった当初、インターホンが鳴るたびに布団に潜り込み、体を震わせて怯え、誰とも会う事の出来なかった長男が、人と約束をしよう、外出をしてみよう、と思えた事はとても嬉しい出来事と捉えるべきなのに、その時の私はまだ、長男の出来ていない事や心配ごとばかりに着目していました。
そんな私の「長男が起きれないかもしれない」「約束を守れないかもしれない」と心配し「この子はきっと大丈夫」と長男を信じていなかった事こそが、長年に渡り、幾度も幾度も彼から自信を奪い続けていたのではないかと思います。
・・・
私は、長男がしんどいから、今の姿になっているのだ、今は無理をさせない様に、という思考を持っているつもりなのに、無意識のうちに、根底の部分では長男の行いが周りの迷惑にならないように、なんとか長男が約束した日は正常でいてほしいと、結局長男の味方ではなかったのではないかと思います。
・・・
長男の本当の気持ちは、今でも私には分かりませんが、この時期長男は、出かけるほどの元気はないけれど、出かけられない自分が嫌で、周りに失望されないように、私に失望されないように「出かけたい」と約束をする。
出かけられる自分になりたいから、約束をするのだけど、当日、その瞬間になると、やはり体が動かない、そしてまた出来なかった自分に失望する、そんな事を繰り返していたのかな、と思います。
287 子供たちの発達障害は本当なのか
287 息子たちの発達障害は本当なのか
【勇気づけの子育て】を始めてから、子供たちの良い変化は目まぐるしく、私は日に日に、
児童精神科での診断名に疑問を抱くようになりました。
以前は、この子たちは自閉スペクトラム症なのだから、仕方がない、と思っていましたが、良い方向へ変わっていく息子たちを見ていると、2人共自閉スペクトラム症と診断名を付けられたけれど、この子たちは本当にそうなのだろうか?
と思うようになったのです。
そう思うようになった1番のきっかけは、長男のこだわり行動です。
長男は小さな頃からこだわりが強く【こうがいい!】という思いの強い子でしたが、ここ最近、それが明らかに緩まっていました。
助手席にしか絶対に座らなかった長男が、後部座席で次男の横に座る。2人で笑いながらゲームをしている。そんな事は我が家では考えられない事でした。
長男の以前のさまざまなこだわり行動は、実はこだわり行動ではなく、
「お母さんに僕の主張を聞いてほしい!」
「そっちが聞かないなら、こっちも聞かないぞ!」
というアピールだったのかもしれない、そう思う時がありました。
・・・
以前長男は、次男の触った物は汚いと言い、ふれる事も嫌がるほど次男を拒絶していた時期がありました。
そんな長男がある日、次男の残した物を「これ食べて良い?」と食べた事があり、それを見た時の私の衝撃は相当なものでした。
・・・
児童精神科は子供の【発育歴】や【現状】の不適切な行動だけを見て、この子は発達障害です、と診断名を付ける医師がいるけれど、本来大人が考えなければならない事は、【なぜ】子供が今の姿になっているのか、どんな【目的】のために今の不適切な行動をしているのか、そこを考えていく必要があるのではないか?と思うようになりました。
以前M先生が、次男は小さな頃から兄からバカにされ続け、酷くいじめられていた影響で、不安が強く、自信のない子になっているだけ、と言った事と繋がる気がしました。
もし、今の姿が、恐怖心や不安からくるものであれば、この子から恐怖心を取り除き、心底安心できる環境で生活させたら、この子は全く違う姿に生まれ変わるのではないか、その姿を見た医師は、発達障害とは診断しないのではないか?と思うようになったのです。
286 科学館
286 科学館
2022年9月14日
行き渋りが酷く、学校に行きたがらない次男と何とか楽しい時間を過ごそうと、この日は市の科学館へ行く事にしました。
学校をお休みする事を決めると、次男は一気にご機嫌になり、朝から妹の着替えを手伝い、トイレにも付いて行き、おしり丸出しで走り回る妹のパンツを持って妹を楽しそうに追いかけ回していました。
次男は娘が幼稚園に行くまで、とても優しい声掛けで、一緒に遊んでくれていました。
・・・
科学館に着くと、すれ違った係員さんにとても大きな声で元気に「こんにちは」と言っていて、次男は見るからに気分が良さそうでした。
次男は帰りの車の中でもずっとハイテンションで喋り続けていました。
そんな子供らしい次男の姿を見て私は、この子は環境さえ整えば、今私がこの子に持っている、臆病な子供のイメージは消え、明るく、活発な子になるのではないか?と思うようになりました。
この日科学館に行き、弾けるような笑顔で過ごす次男を見て、私は、次に次男が休みたいと言った時はどこにいこうかな!と次男が「休む」日が少し楽しみになりました。
285 発育歴が及ぼす子供への影響
285 発育歴が及ぼす子供への影響
2022年9月中旬
夏休み明けから、次男の授業中の不適切行動は酷くなり、担任の先生から、 次男は授業中、先生の教卓下でずっと寝そべっていたり、先生の近くから離れない日が多いと言われていました。
先生は次男のペースを崩すことなく関わって下さり、次男が先生のそばにいると安心する事は分かっていましたが、
「教卓下で寝そべっています」
という連絡がきた時は、胃の下辺りがキリキリし、これ以上、私はどうしたらいいの?これ以上学校に迷惑を掛けたくない、と思ってしまいました。
・・・
M先生に、次男の暴言が酷い、学校でも全然人と関わらない、と次男の不適切行動について相談していると、先生は、
「次男君、生後4か月からお兄ちゃんから、暴言暴力を受けていたのですよね?」
「そのまま、気持ちが休まる事もなく、今の年齢になったのですよね?」
「お母さん、一度次男君の今までの気持ちを想像してみて下さい、お母さんだったらどうですか?」
「世の中が恐怖になりませんか?人と積極的に関われますか?」
「次男君は生まれてからずっと、小さくなって生活していたはずですよ、まともになるはずがないですよ」
と次男の今の姿は発育歴から考えたら当たり前では?と言われ、私は今まで、自分の子育ての大変さばかりに目を向けていたけれど、幼い次男からしたら、安心安全である家庭で暴力を振るわれていたのだから、世の中が怖くて当たり前かもしれない!とやっと気がつく事ができたのです。
先生は次男の暴言に対しても、
「子どもが悪いことをしたら、ちゃんと叱ってください」
とは一言も言わず、
「小さな子供が威勢を張って怯えているのですよ、可哀想ですよ」
と言っていて、いつも子供の味方でした。
そんな先生の指導から、物事は表面だけをみて判断してはいけない、という事を学びました。
284 心無いママ友の言葉
284 心無いママ友の言葉
長男が不登校で、次男は集団になじめず立ち歩きがある事を知っているママ友からラインが来ました。そのママは私に、
「あー、夏休みやっと終わったねー、やっと子供学校行ってくれるねー」
「もうぐったりだよね、夏休み」
と言い、私は、
「そうだね、お疲れ様」
とだけ返事をしました。
内心、我が家は長男が不登校なのに、なぜそんなラインをわざわざ送ってくるのかな、と思った記憶があります。
・・・
別の日は次男の件で、
「〇〇君は立ち歩きするから、一緒にいると悪い子と思われるよ」
「次男君ママ、心配しなくていいよ、次男君の事は皆が理解してるから、授業妨害もしてないし、大丈夫だよ」
「誰も次男君を嫌がっていないよ、次男くんより、〇〇君の方がたちが悪くて迷惑だって噂になってるよ」
「〇〇ちゃん(私)は頑張ってて、良いお母さんに見えたのに色々あるんだね」
と言われ、不登校児と立ち歩きの次男を抱えた私に、このママは、このラインで何を伝えたいのだろう?と考えてしまいました。
きっと悪気のないそのメッセージに、傷付いたり、悲しんだり、というよりも、なぜ私にそんな事を伝えるのかな?と不思議な気持ちでした。
しばらく考えていると以前話をした克服ママが、「
「我が子が不登校になって一番良かったのは人の断捨離が出来た事」
「人の本性が見える」
「本当に困難にぶち当たった時にその人の本性が見えて、どんな人かが見えるよ」
と言っていた事を思い出し、あー、こうゆう事なのかな、と思いました。
・・・
人の家の深い事情や、親や当事者の困難を知ろうともせず、表面ばかりを見て、有る事無い事言っている人は勝手に言わせておこう。
でも、助ける事が出来るような助言ができないのであれば、せめて黙っていてほしいな。
と私は思ったのです。
・・・
我が家は親が手をかけれる年齢の時に困難になって良かったのかもしれないな、大人になってからじゃ助けれないかもしれない。
小さいうちに分かりやすい形で親を困らせてくれている息子たちに感謝して、なんとか立て直そう!と思い、周りは理解してくれない、と嘆くことはやめよう!と思った出来事でした。
283 捉え方
283 捉え方
2022年9月
完全不登校以来「家のお風呂は卒業します」という宣言と共に我が家のお風呂に入らない長男をできる限り2週間に1回は近くの銭湯へ連れて行くようにしていました。
その日は銭湯に誘うと長男は「行く」と言いついてきたのですが、着いてお風呂に入り終わるとすぐに帰りたがりました。
その事を私は、残念そうにM先生に報告していると、
「お母さんは気が付いていないかもしれませんが、その【すぐに帰りたがった】事に着目する思考がダメです」
「『銭湯に誘ったら、なんと一緒に来てくれた!嬉しい!』そんなふうに、良かった事に着目する癖をつけて下さい」
「『早く帰りたがったんです』は悪い面への着目ですからね」
と言われ、私は、そうか、私はやっぱりまだ、出来ていない事、心配な事ばかりに目がいくな・・・と再認識しました。
・・・
そんなふうに何度も先生に【良い面に着目するように】と言われていても、昼夜逆転し、ゲームか動画を片時も手から離さず無気力にずっと布団の中にいる9歳の息子を見ると、どうしてもこの先、この子はどうなるのだろう?と思ってしまう自分がいました。
282 ゲームばかりの次男
282 ゲームばかりの次男
2022年9月
否定はせず、注意もせず子供たちと過ごす日々の中、次男は以前よりは表情が良い日が増えましたが、ゲーム依存からは抜け出せず、学校に行っている以外の時間はゲームしかしませんでした。
娘と公園に出かけると、1人で家で待つことのできない次男は必ず暴言を吐いて公園に行く事を嫌がり、渋々ついてきても、1分置きに、
「いつ帰る?いつ帰る?」
と私に聞いていました。
「ゲームがやりたいから帰りたい」
と言い、他の子供が元気よく走り回る中、次男は私にしがみついて離れませんでした。私が、
「お父さんに迎えに来てもらうから、帰ったら?」
と聞いても、次男は、
「嫌だ、お母さんと今すぐ帰りたい」
としか言いませんでした。
・・・
次男は1年生になってからずっと、学校内の誰とも遊ばず、誰とも話さず学校で1人で過ごしていました。
私はこの子は周りと関われない子と決めつけており、人と関われないから、この子はゲームの世界に行きたいのだ、と信じて疑いませんでした。
人と関われない子なのだから、関わらなくても良い環境に置いておこう、そんな考え方だったと思います。
・・・
その前の週は、次男の帰宅時間に私が不在で、1人では待てないと癇癪を起す次男のために、実家の母に来てもらいました。
とても暑い日で、汗だくで帰ってきた次男に、母が次男の意思確認をせずに帰って直ぐにシャワーを浴びさせたらしく、次男はその事をとても怒っていました。
次男は夜寝る前に泣きながら、
「僕は大嫌いな学校に頑張って行って、やっと帰って来て、帰ってからゲームをする事だけが楽しみなのに、おばあちゃんが無理やりシャワーを浴びさせた」
「ゲームの時間が減った」
と涙ながらに訴えてきて、その出来事以降、次男は数日間、母と口を聞こうとしませんでした。
以前の私ならば、
「おばあちゃんは次男の事を思ってやってくれたのに、そんな事言わないよ」
と正論を述べていたと思いますが、私は次男に嫌な気持ちを話してくれた事に沢山感謝をし、次から次男の意思を聞いてからにしてね、とおばあちゃんに言っておくね、と次男に伝えると、安心し、
「僕も、本当は酷い事をおばあちゃんに言ってはいけない事は知っているし、言っている時も僕は嫌な気分だよ」
と教えてくれました。
・・・
私はなぜか、家の中に大人が私だけで、1人で子供の面倒を見ている時は【勇気づけの子育て】をうまくやる事ができるのですが、土日に主人がいたり、他に大人がいると気が抜けてしまうのか、上手くやれない事がありました。
それに対するM先生のアドバイスは、
「全部を全部、うまくやる事は難しいので、とにかく【子供の悪い面を見ない】これだけは、集中してやれるように頑張って下さい」
でした。
「次男が家に帰りたいと言い続けたり、祖母にシャワーをさせられたのが嫌だった、と訴えた事も、わがままと捉えるのではなく、母親に自分の気持ちを素直に伝えられるようになったという事は、喜ばしい、とても良い兆候であると捉えて下さい」
と言われ、この先生がいつも他の大人と物事を見る角度が違うな、捉え方が全然違う、と改めて感じた事を覚えています。
281 次男の気持ちに寄り添う
281 次男の気持ちに寄り添う
2022年9月
【勇気づけの子育て】を始めてから、行き渋りは酷くても、少しずつ穏やかな雰囲気も出てきた次男に、
「次男最近明るくて、優しくて、お母さん嬉しいよ」
「妹に優しくしてくれるのも、とても助かっているよ」
と、前向きな言葉ばかりをかけるよう心掛けると、子供はこんなにも単純なのか?と思うほどに、次男はメキメキと私の言った言葉通りの好ましい行動が増えていきました。
好ましい行動が増えた分、不適切な行動が減っていったのです。
・・・
この日は次男が、
「僕、2日間学校頑張ったから休むー」
っと笑いながら、私の反応を試すかのような言い方で言ってきたので、私は、
「2日間頑張ったもんね!嫌だったらすぐに帰っておいでー!」
と言うと、次男は2時間で帰りたいと言いました。私はその場で学校に電話をし、本人が2時間で帰りたがっているので時間になったら迎えに行きます、と伝え、次男は本当に2時間で帰ってきました。
こんな要望、言われる度に聞いちゃっていいの?
学校をさぼる事が癖にならないの?
毎日こんな感じに帰って来るって言い出さないの?
と内心冷や冷やし、心配していましたが、M先生が、
「お母さんの、その対応は素晴らしいですよ、おかげで、次男君は今後、リラックスして学校に行けますね」
「辛くても、いつでも帰って来れる、お母さんはそんな気持ちを理解して許してくれる、そんな事が子供の心を強くします」
「次男君には、早く帰ってきた事を否定や注意をしたりはせず、2時間は行った事に注目するのです」
「『お母さんは、次男が頑張ってる姿を見ると、とても気分がいいよ、今日はとっても良い気分、ありがとう』と言ってあげて下さいね」
とアドバイスを受け、先生が私の次男への対応を肯定してくれたことで、休まなければならない理由もなく、ただ帰りたい!と言う子供の要望を聞いて良いのか、私は甘やかしすぎてはいないのか?と心配だった私の気持ちが軽くなった事を覚えています。
M先生はいつもいつも、何度も何度も、不安の強い私に、繰り返し繰り返し、
「良い流れができています、お母さんは自信をもって、大丈夫ですよ」
と励まし続けてくれていました。
その言葉が【これで良いのか?】と不安になったり【こんな事もう嫌だ、うんざりだ!】と投げやりになりそうになる私の気持ちを何とか頑張らせてくれていたように今、強く思います。
280 信頼の貯金
280 信頼の貯金
【勇気づけの子育て】をしていると、長男は以前は見せる事のなかった様なニコニコした顔で、私を冗談で蹴ったり叩いたり、嬉しそうにチョッカイをかけてくるようになりました。私は、長男から嬉しいオーラが出ているように感じていました。
そんなふうに子供が落ち着いている日が増えましたが、私は自分自身の感情に振り回され、長男が不安定になると私もつられて不安定になり、自分の不安を吐き出すかのように、長男が悲しくなってしまう言い方をしてしまう事がありました。
・・・
長男はよく私に、
「僕が小さい頃、お母さんは沢山外に連れて行ってくれたし、それはとても楽しかったけれど、お母さんはいつも弟の横にいたよね、いつもいつも弟の横にいて、僕とは遊んでない」
「毎日が楽しくても、お母さんと遊べなかったことは凄く寂しかった」
と言ってました。私は今となっては謝る事しかできない長男のその訴えに、どう対応したらよいか困っていましたが、M先生は、
「過ぎてしまった事を悔いたところで、もうどうしようもありません、どうする事も出来ない過去を後悔している時間は勿体ないので、今からどう子供と向き合うか、それがとても重要です」
と言っていました。
「子供は、あの手この手で何度も何度も親に試し行為をします」
「今までとは何だか違う、親の優しく理解のある姿が本物なのか、親が本気で変わろうとしているのかを、試し行為をする事で確認しているのです」
「仕方のない事なのですよ」
「子供は親に本当に愛されているのか確信が持てず、試し行為をしなければならないほどに、愛に飢えているという事なのです」
「傷ついて、乾ききっている子供の気持ちを、沢山、ゆっくり、癒してあげて下さい」
「お母さんが感情や不安に振り回され、子供の試し行為に対して同じ土俵に上がり、以前と同じような対応を子供にしてしまえば、今頑張って意識を変え、時間をかけて少しずつ少しずつ溜まってきた信頼の貯金は、完全に0になります」
「信頼の貯金は【少し減る】のではありませんよ」
「お母さんが何かしくじれば、信頼貯金は毎回ゼロリセットされ、1から再スタートになるのですよ」
と言われ、私は感情に振り回され、上手くやれない自分に改めてうんざりするのでした。
279 お兄ちゃん強化月間の成果?
279 お兄ちゃん強化月間の成果?
2022年9月
先生に言われた通り、お兄ちゃん強化月間を頑張っていました。
特に気を付けていた事は、悪い点には一切着目せず、その子の良い面にのみ着目する事、長男を最優先にする事です。
一生懸命にそれをしていると、少しずつ兄弟の関係性に変化が現れ始めました。
長男が次男に、
「おい!ゲーム入りたいなら、入っていいぞ」
と言うようになったのです。
人数の関係で次男がゲームに入れない日には、長男が次男に、
「おー、ごめんな、これ人数制限があって入れない、入れる時は言うから少し待っててね」
と声を掛けていて、遊びに来ている長男の友人が、長男の次男に対するその発言にびっくりし、
「えーーー‼️遂に弟に優しくなったのかー!すげー!!!」
と驚いていました。次男も、
「自分も入りたい!」
と、絶対に言えなかったのですが、優しい雰囲気の長男に少しずつ心を開き、
「僕も入っていいの?」
と聞けるようなっていったのです。
・・・
それ以外にも、今までは、次男に絶対に貸そうとしなかったゲームカセットを自ら次男に貸し、操作方法を教えてあげていました。
・・・
お兄ちゃん強化月間の成果なのか、長男は以前よりも良く笑うようになり、次男に沢山譲れるようになり、娘にも物腰柔らかに話すようになりました。
・・・
主人がくたくたで帰ってくると、
「お父さん大丈夫?お疲れ様、疲れは取れた?心配しているよ、ゆっくり休んでね」
と優しい声掛けをするようになったのです。
・・・
そんな長男の姿を見て私は、子育てって何なのだろう?と思うようになりました。
今まで私の中に当たり前に刷り込まれていた子育てのスタイルは一体何だったのだろう?
良い子にしよう、非常識にならないように!ちゃんとした子にする為にはちゃんと教えなければ、と一生懸命育てていれば子供は反発し親子関係は崩れていく。
注意したい部分には目を向けず、出来ている事だけを認めていると、子供はどんどん温かい良い子になっていく。
私の今までの子育ての価値観は一体何だったのだろう?と深く考えるようになっていったのです。
278 お兄ちゃん強化月間
278 お兄ちゃん強化月間
2022年9月
M先生に初めて相談に行ってから、1か月ほど経ちました。
長男は、不安定な日があるものの、この時期、家では落ち着いている事が多く、私は長男よりも毎日ゲームにのめり込んで、他者と全然関わろうとしない次男の事をとても心配していました。すると先生は、私に、
「今日から、お兄ちゃん強化月間にしましょう!」
「お兄ちゃんを重点的にケアして、とにかく、お兄ちゃんを、立ち直らせよう!」
「お兄ちゃん重点型子育てをやってください!きっと弟に物凄い良い効果が及ぶから」
と兄を最優先する子育て法を提案されました。そんな事を言うM先生に私は、
「私の中では、今は次男の方が心配です」
「次男の暴言や反抗的な態度、ゲーム漬けの日々、長男は不登校だけど、長男の方がまだましかな、とも思えるくらいです」
と伝えましたが、先生は、
「表面的にはそう見えても、弟は、割と軽症かもしれませんよ」
「お兄ちゃんが安定したら今度は、弟の本音が出てくるはずなので、そこで、もうひと頑張りですよ」
と言っていました。
・・・
私の目には次男の状態は重症に見え、完全に子供らしさを失っている、ととても心配していました。
長男は人との関わりがとても上手くどこへ行っても人気者でした。
次男は人と関われず、いつも孤立しており、
「何か嫌な事を言われるくらいなら、1人でいた方が良い」
とよく言っていました。そんな話をM先生にすると、先生は、
「そんな弟の状態も、お兄ちゃんが立ち直ると、変わってくるので、とにかく、第一優先事項はお兄ちゃんにして、今弟は、後回しで大丈夫です」
「お兄ちゃんが立ち直ると、お母さんにかなり余裕がうまれるはずです」
「弟の事を心配しすぎるから、兄がいじけるのですよ、その連鎖をまず、すぐに断ち切って下さい」
「今、確実に良い流れは出来つつあるのだから、とにかくもっとお兄ちゃんに愛を与えて下さい」
と言うので、私は納得できない部分があり、先生に、
「長男ばかり構っていると、次男が『どうせ長男が大事なんでしょ』と何度か泣いてしまいました」
「友人関係でも、いつも長男の周りには沢山の友人がいて、次男は孤立していているので、次男の情緒が気になります」
と先生に言うと、
「それは、次男に試されているので、第二優先で可愛がれば大丈夫ですよ、友達が多いとか少ないとかもそうですが、何事においても、長男、次男を比較してはいけません」
とご指導いただきました。
・・・
その時期、私は「長男ばっかり!」といじける次男とは、毎日寝る前、1時間以上横で話したり抱きしめたりしてコミュニケーションを多くとる様に心がけている事を先生に話すと、
「次男とのコミュニケーションはそれで良いのです」
「今は、お兄ちゃん強化月間を成功させ、兄の情緒がしっかりすると、それが弟に伝染し、弟の情緒が安定します」
「とにかくお兄ちゃんを重点的に、第一優先に構って下さい!」
とぶれることなく先生は私に言い続け、下の子にとても手がかかるけれど、できる限り長男優先を頑張ろう!と思っていました。
277 構う事
277 構う事
2022年9月
私に、「構ってほしい、構ってほしい」と自分ばかり構ってもらおうと、わがままを言う長男に疲れていた時、M先生が、私に、
「弟が生まれてからの長男の気持ちをよく想像してみることです」
「お兄ちゃんは、弟が生まれてからこれまで、どれほど、自分が優先される日を待っていたことか」
「子供が要望を言った場合、大人はその要望を聞いてあげる側ですよね?無力な子供たちは、ひたすら親が自分の要望を聞いてくれるのを待つしかないのです」
「子供が何かをしてほしい、という気持ちが満たされるかどうかは、親の気分次第なのです」
「親が子供の要望に応じないのは、とてもかわいそうなのですよ」
そう先生は私に教えてくれました。私の中に今までそんな考えはありませんでした。
言われてみれば、確かに、子供は親が要望に応えなければ望みを叶える力はまだなく、待つか諦めるしかない。
・・・
今までの、私の長男に対するイメージは、私に寄って来ないドライな子で、ねこっ可愛がりするのが苦手な私には、長男にべたべたされない事は楽でした。
長男は私から構われたくても「どうせ、お母さんに話しても聞いてはもらえない、構ってはもらえない」と諦めていただけなのかもしれない、と思うようになりました。
長男は甘えたい、愛されたい気持ちを、弟をいじめる事で私に伝えていたのかもしれません。先生には、
「子供がまだ幼いうちに気が付いて良かったのですよ、そんな、子供の心が温まらない子育てを続けていたら、どんな将来が待っていたのか、と想像するだけで恐ろしいです」
と言われました。
「親は、恨まれ、文句を言われているうちは、まだ良いのです」
「親を諦めた子供は、親に対して無関心を装い、それが当たり前となると、親の存在に対して、無関心となり、無感情となり、視界に入れる事も不快となり、死ぬまで、愛情が取り戻されることはありません」
「親はそこにたどり着くまでに、怒られるだけの事をしたのだから、自業自得で、子供の親に対する怒りはごもっともなのです」
「恨みは深く、こころは冷えて、虚しさだけが心の奥底に凝り固まっている、そんな親子も世の中にはいるのです」
「それこそが、本当の地獄です」
「貴方は今の生活は地獄、だと言うけれど、怒りでも暴言でも、子供が親に言ってくるうちはまだ良いのです」
「今お母さんは、3人の子供全員がお母さんに「構ってほしい!」といじけまくってくる事が「私1人じゃ手が足りない!」と大変で困っているけれど、子供が構って構ってと素直にアピールできている事、子供が『お母さんに構ってほしい!』と思っている事、これ以上の事があるのか、少し冷静になって考えてみると良いです」
と言われ、子供が親に「こうしたい!こうしてほしい!僕を優先してよ!」と希望を言えている事は、親子間の風通しが良く、良い事なのかもしれない、と私の中で、また一つ子育ての価値観が動いた気がしました。
276 自己中とは。
276 自己中とは。
私は次男が生まれてから、長男が不登校になるまで、子育てをとても大変な事だと思っており、愛情が欲しいと飢えている子供たちの気持ちには気が付いておらず、私は愛情を掛けていると思い込んでいました。
「私だって大変なんだから分かってよ!」
そんな気持ちで幼い子供たちを、私から醸し出される雰囲気で威嚇し、甘える事を我慢させていたと思います。
私の中では、愛情があるからこそ、毎日大変でも面倒を見たり、良い子になるようにと叱っており、子供に親の愛が伝わっていないなどと、想像した事すらありませんでした。
そんな話をM先生にしていると、
「それは、親がとても自己中だからですよ、親が、自己中心的なら、子供もそうなります」
「自己中の子は、社会適応が良くなく、不登校になりやすいのです」
「なぜ自己中だと、不登校になるか、分かりますか?」
という先生の問いに、私が、
「自分の気に入らない事はやりたくないから、できない事全てを、周りが悪いと思っているから?」
と答えると、先生は、
「それは、結果論です」
「不登校児を自己中と言う訳は、学校にも行かず、自分の殻に閉じこもっている間、閉じこもっているその世界では、自分は王様でいられる」
「だから自己中な子は王様でいられる家に閉じこもり、不登校児になるのです」
「自己中の逆で、もしも親が常に、上手に子供にゆずったり、どんな時も人に対して思いやりが深く、温かく接して、献身的であると、それが、子供にも感染します」
「家族に親切である親を見て、誰かに親切にする事が、楽しく、気分の良い事だと、子供は学んでいきます」
と言いました、私は自分が育ててもらった時に、
「子供の言う通りになどしていたら、我慢できない子供に育って、将来大変な事になる、子供の言いなりになんてなっちゃダメ」
と教えられた気がする、と先生に話すと先生は、
「【親切にする】と【甘やかしまくる】のとは、全然意味が違いますよ。
甘やかすとは、子供が自分でやれる事を親が奪い、子供ができるのに親が代わりにやってしまうことで、子供が他者に貢献するチャンスを奪うことです。
親は、子供に対しても、
「お願いできますか?」
「、、、してくれたら助かります」
とお願いし、断られたら
「それなら今日はお母さん頑張りまーす」
とすんなり引き下がり、やってくれたら、
「ありがとう、あなたのお陰で助かった!」
そんなふうに、子供に接する。
子供に何かを頼まれたら、嫌な顔をせず、親切にする。
それを一生やるのですよ。
子供の教育は、それだけで、十分なのですよ。
もし今、自分の子供が自己中な嫌なやつならば、それは、親がそう育てたのです。
子供が自己中を脱却し、他者貢献味まで覚えたら、子供の可能性は一気に広がります。
社会適応が安定し、どんな、コミュニティにもフィットできるようになります。
でも親が、学校に行く事がゴールと決めているうちは、まだまだダメですよ。
学校に行く事はゴールではありません。
そもそも学校はそんなに良い場所ではありません、行きたければ行けば良いし、行きたくなければ行かなくても良いのです。
学校に行こうが、行くまいが、みんなに親切な子になる事がゴールなのです。
子育てのゴールはそこです。
親切な子になったと思えたら、不登校だろうが、なんだろうが、大物になりますから、楽しみしかありませんよ。
子供が自己中を脱却するには、十分に信頼される尊重される経験が必要なのです。
親は子供がそうなるよう、【勇気づけの子育て】を全力でやるのです。
275 好き放題に見える子供たちの行動
275 好き放題に見える子供たちの行動
2022年9月
「【勇気づけの子育て法】に切り替えてから、子供たちが本当に好き放題なんです」
と、今の緩い子育て法で良いのかと不安な私が、M先生に相談すると、先生は、
「子供たちが、お母さんに今まで言わなかったようなわがままを言い始めた、という事は、子供たちに【お母さんが、自分達と本気で向き合ってくれそう】と理解されてる証拠です」
「今こそ、子供たちとの関係を修復するチャンスなのです」
とM先生に言われ、私は、
「子供たちは、私にはわがままを言って良い、と気を許し始めてるという事ですか?」
と聞くと、先生は、
「今までは、わがままだと突っぱねられていたのに、最近構ってもらえる、聞いてもらえる、そんな事が子供たちは嬉しいのですよ」
「『でも、これって本当なの?本当にこのまま、わがままを聞いてもらえるの?』『でももしかしたら、もっと、もっと、お願いできるかも』と子供は思っているかもしれません」
と先生に言われました。
・・・
この日、長男はいつも通りの昼夜逆転で14時に起床し、次男は無気力に12時間もぶっ続けでゲームをしており、主人と私は、
「ここまで子供がぐちゃぐちゃになってしまうような育て方したっけ?」
「沢山関わって、可愛がってきたよね」
と2人で泣きそうになっていましたが、先生は、
「子供が、家で安心してる証拠ですよ」
「今までは、いつも、何を言われるのかと、ビクビクしていませんでしたか?」
と私に尋ねました。
先生のその言葉を聞いた時に、子供たちは今まで、何をするにでも、背中で私の視線を感じながら、様子を伺いながら、我慢しながら過ごしていたのかな、と今までの子育てを振り返り、子供たちに対して罪悪感のような気持が生まれました。
私たち夫婦から見たら、ダラケ過ぎているような、もうどうしようもないように映る我が家の2人の息子の様子を、先生は、全く違う目線で、
「良い反応が出て来ているからね」
「しっかり受け入れてあげて」
「今が、一番大切な時で、信頼関係を取り戻せるチャンスなのだから」
と言いました。
それでも私はまだ不安で、長男はいつまでこのままなのだろう、次男も長男の真似をして学校に行かないと言い出している、と半泣きになっていると、私は先生に、
「これまでのやり方に戻して、修正してみますか?」
「厳しくビシバシやりますか?」
「果たして、以前の子育て法に戻して、今より子供たちの情緒は良くなりますか?」
と聞かれ、私は「はっ」とし、
「正直、今のこんな甘い感じで正解なのかは分からないけれど、前のやり方に戻したら、親子関係は地獄なので、少しでも子供が落ちつく子育て法で育てたい」
「長男ばかりに手がかかり、次男の事をちゃんと見ていなかったけれど、次男は生まれてからずっと長男に馬鹿にされ、私に叱られ、闇の中で生活していたような気がするから、次男の今までの苦しみを思えば、何を言われても、とにかく愛情をかけて、凍り付いているであろう次男の心を溶かしていくしかないと思っています」
と私は先生に伝えました、先生は、
「子供は、親が本当に自分を愛しているのか、ありのままの自分を本気で受け入れてくれるのか、という事を100万回試しますからね」
「子供たちが親に対して不適切な行動をしてきても、全て、あー今、試されているのだな、と捉え、動揺しないで下さい」
「お母さんが今までの自分の価値観を押し付けるようなやり方を変えて、子どもたちは、やっとリラックスができてきました」
「やっと、嫌な事を嫌だと言える環境になってきたのです」
「お父さんと、お母さん、2人で温めて下さい」
「必ず成功しますよ」
「このやり方以外にないのです」
「親はもう、良い意味で開き直って、本気で、今のやり方を続けてください」
とアドバイスをもらいました。
そんな先生の励ましを聞くたびに、不安に押しつ潰されそうになっていた私は、また頑張る勇気が出たのです。
274 この子はいつか立ち直るのか?という不安
274 この子はいつか立ち直るのか?という不安
私はいつもM先生に、
「子供達は立ち直るんでしょうか?」
「私の精神はもつのでしょうか?」
そんな答えのない答えを聞き続けていました。
なぜそんな事を聞いていたかと言うと私は信頼している人に【絶対に大丈夫】と言われるだけで、現状が何も変わっていなくても安心するからです。
・・・
私は心配性で、すぐに、大丈夫かな、大丈夫かな、と思ってしまい、
【きっと大丈夫】【大丈夫にきまっている】
という価値観をもっていませんでした。
この先ずっと引きこもりだったらどうしよう・・・
そんな先の事しか考えていませんでした。
先生はいつも、
「立ち直るに決まっていますよ」
「子供の不適切な行動は、親が子供に試されているだけの話なのですよ」
と、ぶれることなく私を励ましてくれていました。
・・・
我が家は、子供の幼少期、キャンプや旅行、虫取りなどにも沢山連れて行っており、親としては沢山愛情をかけてきたつもりでした。
それなのに、なぜ、長男はこんなふうになってしまったのか?
周りには私とは比べ物にならないほど、子供をコントロールし、酷い事を言っている親も、子供をほったらかしの親も沢山いるのに、なぜうちの子だけがここまで酷い状態になってしまったのか、と思う事がありました。
先生は、
「傷つけた側は、私、そんな悪いことした?という感覚なんですよ。でも、やられた側は、恨みが深いのです」
「今まで、だいぶ、痛めつけたり、踏みつけたので、簡単に子供の心の傷は癒えません」
「普通、一度でも酷い事をされたら、もう許せないのです」
「でも親子だから、子供は親を許してくれるのです」
と言っていました。
・・・
長男はよく私に、
「お母さんは歩けない次男を抱っこして僕をほったらかしだった」
と言っていました。
「とにかく僕に構わなかったよね」
そればかりを私に訴えていたのです。
私は毎日長男が楽しく過ごせますように、と一生懸命に子育てをしていたけれど、長男の心が満足する接し方ではなかったのだと思いました。
結局長男は私に構ってほしくて仕方なかったのだと思います。
273 プール
273 プール
長男は幼い頃、プールが大好きな子でした。
週末に家族がそろったので昼間に長男をプールに誘うと、
「夕方なら行く」
と言いました。私は長男がプールに行こう!と思ってくれた事が嬉しくて、
「今すぐにでも行きたい!」
とプールを楽しみにしていた次男と娘を、夕方まで我慢させ、夕方にプールに出発しようとすると、長男は、
「やっぱり行かない」
と言い出しました。
次男が両親とプールに行きたがったので私が長男に留守番を頼むと、長男は、
「嫌だ、ふざけるな、僕は1人で置いて行かれるのは寂しい、だから誰か残って」
と言いました。
次男は父親か母親のどちらかが行かないのなら、行きたくない、と言い、娘はもう水着に着替えて無邪気にプールを楽しみに待っていました。
結局、長男を1人で置いて行く事が出来ず、娘と私だけでプールに行きました。
この時期、何となく前よりは元気になってきたように見える長男を、何とか大好きなプールに連れて行きたい、外の空気を吸わせたいと、両親はよくプールに誘っていましたが、大体断られ、長男1人を置いてプールから帰ってくると、真暗闇の中、1人で布団の中でゲームをしている長男を見て、なんだかいつも心が晴れなかった事を覚えています。
272 声のかけ方
272 声のかけ方
長男はこの時期、どうしても欲しいゲームのコントローラーがあったらしく、私に買ってほしい、とせがんでいました。
不登校になってから一通り欲しがったゲーム関係の物は買っており、私はこれ以上欲しがったからと言って全て買い与えて良いのかと、とても悩んでいました。
・・・
「欲しいと言われたものを全て買えるほど、我が家はお金持ちじゃないよ!」
と、購入を快諾していなかった私に対して、長男は攻撃的になり、家族でプールに行こうとすると、
「プールに行くお金があるならコントローラ買えるじゃん!」
「お金がないって言うならプールに行けないはずだろ!行くなよ!」
と涙目で言っていました。私は、なるべく共感しなければ、と思い、
「対戦で勝ちやすくなるなら、そりゃほしいねー」
と、共感しているふうで話すのですが、長男は支離滅裂に怒り始めました。
・・・
買い与えすぎる事に悩みに悩んでも結論を出せず、またM先生に相談すると、
「お兄ちゃんはいつも妹と弟のお世話をしてくれるから、お母さんにコントローラーをプレゼントさせてくれる?」
と聞いてみてくださいと言われました。
私はそのアドバイスを聞いたときに一瞬、
え!買ってあげるにしても、そんなに下手に出る感じでいいの?
と思いましたが、今までこの先生のアドバイス通りに子供に接して、失敗した事がなかったので、長男にその言葉を言ってみました。すると長男は、
「え、僕、弟妹の面倒ちゃんと見れてる?そう?そっかー、じゃあこれからもっと頑張って面倒見なくちゃな!」
「お母さん、買ってくれてありがとう!」
と言い、次男と仲良く遊び始めました。
この時も、親の声のかけ方1つで、こんなにも子供の表情は変わるんだ・・・と痛感した記憶があります。
M先生からは、
「【自分の良さ】というものは、人に言われて初めて気が付くので、子供たちに【その子たちの良さ】を沢山教えてあげて下さい」
と教えてもらいました。
そういえば、私は今まで、あなたのここが素敵だよ、と伝えた事はなかったな・・・
ここを直しなさい、それがだめ、と悪い事を直す事に全集中していたな、と今までの子育てを振り返ったのです。
271 愛を伝える事
271 愛を伝える事
【勇気づけの子育て】を頑張っていたある日、次男が私に、
「お母さんは本当に僕を好きなの 」
と聞いてきました。私は、この子を産んでから毎日愛情をかけて育ててきたつもりなのに、この子には愛が伝わっていないのだな、と驚きましたが、
「お母さんが次男の事が、世界一好きで、宝物だよ」
と答え、その場で次男を抱きしめました。
・・・
そんな可愛い事を聞いてくる次男ですが、行き渋りは相変わらずで、私はこのまま次男も学校へ行かなくなるのかな・・・と不安になっていると、M先生から、
「お母さん自体が不安がとても強いのです」
「お母さんは、子供が困ったときに頼りになる安全地帯なのですよ」
「子供を自分の理想通りにしたいと思うからイライラしたり、不安になったりするのです」
「うまく行かない事を恐れて生きているなんて、とても勿体ないです」
「お母さんの不安を、子供は解決出来ません、もう貴方は大人なので、自分自身でその不安を何とかするしかないですよ」
「子どもの人生がうまく行かなくなっても、それは、子どもの問題であり、お母さんにはあんまり関係がないのです」
「お母さんは、子供を思いきり愛するくらいの事しかできませんよ」
と言われました。
・・・
アドバイスを聞き、それならば愛する事を全力で頑張ろう!と次男に優しく接していると、朝起きてきた次男が、
「お母さん大好き」
と抱き着いてきました。
朝ご飯に作っておいたサンドイッチは食べたがらず、ホットケーキとお肉ご飯が食べたいと言うので、
「そっか、食べたいものを教えてくれてありがとうね、簡単なのばっかで良かった!」
と快諾し、新たに朝食を作っていると、次男が、
「ありがとう!おいしいよ!」
と言いながら食べ、ご機嫌で学校へ出かけていきました。
こんなわがまま聞いてて良いのかな?
作ってもらった食事をいらない、と言うのは失礼だよね・・・
という気持ちは正直ありましたが、この接し方だと子供が優しくなるな、という実感があったのでしばらく今のやり方を頑張ろう、と思っていました。
270 今を大切に生きる事
270 今を大切に生きる事
2022年9月
子育てが上手くできない私が、過去の【我慢させる、甘やかさない子育て法】を悔いていると、M先生は、下手な子育てを叱りはせず、
人間は過去を生きられません。
未来を生きることもできません。
今を生きるのです。
今を大切にする。
それだけですよ。
子供と過ごす時間なんて、あるようで、本当はとても短いのです。
今のうちに、たくさん、人の温かみを教えておきましょう。
本当に大切な今を、愛の溢れる時間にして下さい。
未来を心配するなんて無用です。
と励まして下さいました。
・・・
私はこれからは【勇気づけの子育て】をする事で、長男や次男の中から不安が抜けて、彼らが彼ら自身の行いに自信を持ち、人の評価を気にしない子にいつかなってくれたら、と思っていました。
【勇気づけの子育て】で次男は夏休み中、とても明るく、優しくなり私は喜んでいました。
夏休みが終わり、学校が始まると、朝からぐだぐだし、帰宅後も休日もゲームばかりで反抗的な次男を見て、私は、
あー【まだまだ】この子は全然根柢の部分が良くなっていないんだな・・・
と気分が落ちてしまうのです。
それでも学校から帰ってきた時に顔が明るく、私を見てニッコリ笑う日があると、とても嬉しかった事を覚えています。
M先生からは、
【まだまだ】というのは、親の勝手な理想と比べて、というだけです。
内面的な変化は、目を見張るほどのもののはずです。
親の描くあるべき子供の姿って、本当に、それが、子どもの理想の姿なの?
【まだまだ】なのは、親である自分自身です。
人格に、年齢は関係ないです。
と教えて下さいました。
私は、なるほど、私の中に長男と次男の理想の姿があり、その姿でなければ【まだまだ】と思っているのだな、そんな私が、今まで子供たちを苦しめてきたのだろうな、と先生の言葉に妙に納得しました。
とても不安の強い私は、将来この子たちはどうなってしまうのだろう?
ずっとこのまま、無気力で引きこもりなの?
などと、先の事ばかりをマイナスに考え、不安になっていましたが、先生の言葉を聞き、一日一日、丁寧に、温かく子供と接していれば、未来はきっと明るいはず、と思える日が増えていきました。
269 夏休み明け次男の反発
269
夏休み明け次男の反発
2022年9月
ある日、外はもう暗いのに、次男がリビングの電気を付けずにゲームをしていたので、私が電気をつけると、
「あー、ゲーム見にくい!消せよ!」
と怒っていました。
私は言う事を聞き、しばらくの間、暗くても電気をつける事が出来ませんでした。
今回の次男の人に対して失礼な態度は、注意しなくてもいいのかな?
何も言わずに、聞き流しておくべきなのかな?
と、ぐったりした気分になり、子供っていったい何様なんだよ!と思ってしまいました。
・・・
その日次男はすでに12時間以上ゲームをしていたので、私が次男に、
「8時半までに寝る部屋いこっか!」
と誘うと、
「いかねーわ!うるせー!黙れ!」
と、【勇気づけの子育て法】を実践する前のような、失礼な態度で私に反発してきました。
・・・
長男は安定している日が多いものの基本的には昼夜逆転のゲーム三昧。
そんな2人の姿を見て、この子達はどんな子になるのだろう、何だか怖いな、と感じていました。
6歳と9歳の、まだ幼い子供がここまで親に反発し、ここまで言う事を聞かない事があるのだろうか?
周りの小学生の不登校の子たちは、ただ学校に行かないだけで、昼夜逆転もせず、反抗もせず、私から見ると、長男のように精神が病んでいる様子の子はいませんでした。
なぜ、我が子だけ・・・
そんな思いが浮かばない日はなく、手を掛けて育て、可愛がっていたのに、何がそんなに間違っていたのだろうか?
私はそんなにダメな親なのだろうか?
何がどんなふうにダメなのだろうか?
そんな事を考えない日はありませんでした。
268 浮き沈みする気持ち
268 浮き沈みする気持ち
2022年9月
長男が穏やかに生活しているなーと喜んでいたある日、私が娘と仲良く遊んでいると、長男が、
「妹の声しか聞こえないのかよ!」
と怒り出し、自分の部屋の扉を閉め切り、ドアを何度も何度も蹴り始めました。
・・・
長男は基本的に、私が長男を優先しないと嫌がり、自分以外の弟妹が可愛がられる事をとても嫌がる子でした。
・・・
怖がりな次男は私が同じ部屋にいないと発狂して、
「お母さん!お母さん!お母さん!お母さん!お母さん!お母さん!!!」
私に異常に執着し、探し回り、返事をするまで泣いて呼び続けることもよくありました。
私が次男の視界からいなくなると癇癪を起すので、トイレにも、お風呂にも、買い物にも行く事が出来ませんでした。
夏休みは1人でトイレに行けていたのに、学校が始まると1人でトイレに行けなくなったのです。
私が忙しかったり、『もー!自分で行ってよ!』とついて行かないと、その場で漏らしてしまう事もありました。
休日になると朝起きた瞬間からご飯も食べずゲームしかしてない次男と2時になっても起きてこない長男を見て困難な子育てに心が折れそうになる事がありました。
次男は夏休み明けで疲れているのか、
「平日5日間全部学校に行くなんてありえない!」
と言い、行き渋る日が増えていました。
次男と長男の関係がとても良くなっているので、家に長男がいるのに、学校には行きたくない!と言う日もありました。
・・・
私は次男の要望もどこまで聞けばよいのか、どれくらい休みたがったら休ませればよいのか、線引きがとても難しく悩んでいました。
・・・
私は元の性格が、優しく穏やかに子どもと会話をする方ではないので、頑張って言葉を選び、表情を柔らかくするようにし、優しいお母さんを演じており、気を抜く瞬間がないのでとても疲れました。
今頑張って演じている母親像を当たり前にするのには最低でも1年は同じことを頑張ってね、と、M先生に言われていました。
頑張っていても、
「あー、今日は長男の顔をこれ以上見たくない!」
と思ってしまう日もあり、主人がいる時には、さり気なく部屋を離れ1人になれる場所へ逃げる時もありました。
267 担任の先生との関わり
267 夏休み明けの長男
2022年9月はじめ
夏休みが終り新学期が始まっても長男の昼夜逆転、ゲーム動画三昧な生活は変わりませんでしたが、表情がとても明るく、家族にも優しく穏やかに毎日をすごしていました。
9月の中旬になると担任の先生が下校後に学校に来ませんか?と誘って下さり、長男も「行く」と元気に言っていました。
長男はこの時期、穏やかではありますが、学習をしたり、学校へ行きたいと言ったりすることはなく、
気持ちが落ち着いているのに、昼夜逆転が直らないな、規則正しい生活を強制しても良い方向には向かうはずもなく、今の生活で定着してしまうのかな?
と思う事がありました。
長男に会った担任の先生は、
「長男さんの表情が良く、声も穏やかで確実に前進しているように見えますね、学校に来た際には小数の学習を頑張っていました、学習はびっくりするほどのみ込みが早いので復学してもすぐに後れを取り戻すと思いますよ、とにかく本人ペースで頑張りましょう!」
と嬉しそうに話してくれました。
・・・
家庭では学習以外の事がメキメキと出来るようになり、特に次男との関係性は見違えるほど良くなっていました。
1年前、同じ部屋にいる事さえも難しかった関係とは思えないほどに仲良く、2人でゲームで盛り上がっている事がよくありました。
長男は学校にはいかないものの私には精神状態はとても安定しているように見えました。
266 良い時 悪い時
266 良い時、悪い時
息子たち2人は気分のムラが激しく、とても安定している時、逆にとても不安定な時がありました。
・・・
今日は息子の調子が良かったのですよ、とM先生に話をすると、
「調子が良いとか悪いとか一喜一憂しない」
「大人だって色々な時があるでしょう」
「目に見える、表面的な変化がなくても、あたらしい子育て法が上手くいっていれば、子供たちの内面は少しずつ良い方へ変化していますよ」
「長い目で見て下さいね」
「数年後の子供たちは必ず今よりも良くなっていると、まずはお母さんが子供たちを信じてあげて下さい」
と励ましてもらいました。
そっか・・・
・・・
子供の要望を可能な限り快く聞くようになると、子供たちどうしの喧嘩が減り、私からの要求もスムーズに聞いてくれることが増えました。
私がほんの少しでも、機嫌が悪かったり疲れた雰囲気を出すと子供たちは一気に情緒が乱れました。
周りからは、子供たちが私に何でも要望を叶えてもらえることに慣れ、聞いてもらえない時に堪えられない子になっているんじゃないの?と言われる事もありました。
私の中で同じ心配がなかった訳ではありません。
それでも、以前の私の【我慢させる子育て法】よりも、今の【勇気づけの子育て法】の方が明らかに子供との関係が良いので、私は後者の子育て法を頑張る事に決めていました。
265 優しさの連鎖
265 優しさの連鎖
2022年9月
長男に、「気分の浮き沈みが激しく、癇癪を起す次男へどう接する事が正解なのか分からない」と私の悩みを相談しました。
この頃、次男は3DSの新しいカセットをいくつもいくつも連続で欲しがりました。
購入しないと癇癪を起し、暴言を吐きました。
3DSは昔のゲームでメルカリなどのフリーマーケットで購入すれば、1000円前後で購入できます。
金額的には購入できるのですが、次男に「欲しい」と要求された物を全て買い与えて良いのか、そんな事をしていたら我慢の出来ない子になるのではないか、と私は購入をためらっていました。
私が長男に、
「お母さん、家族と平和に、幸せに暮らしたいだけなんだよね」
「だから3人の子供の気持ちにできる限り応えたいと思っているんだけど・・・」
「次男が最近連続して3DSのカセットを買ってと言ってきて、お金のかかる事も全部『いいよ』って言って良いのかな・・・って悩んでいるんだよね」
「次男の要求、どこまで聞いていいのかな・・・」
「次男は『お年玉で買う』って言っているし、次男のお金だし、好きにしたら良いのかなって思うんだけどね・・・」
と、私はゲームをする長男の横でぶつぶつと呟くように相談を始めました。私が、
「長男の方が次男に年齢が近いから、お母さんよりも次男の気持ちが分かると思うんだよね」
と言うと、長男は、
「お母さん、僕が弟に話をしてあげるよ」
と言い出しました。長男は次男に、
「ねー、またカセット欲しいんだって?」
「あれ、面白そうだから、そりゃ欲しくなるよね」
「でも、あれ凄い難しいよ!」
「お前できる?」
と聞いています。次男が、
「分からないけど・・・でもお兄ちゃんがやってて楽しそうだから僕も欲しい」
と言いました。長男は、
「そうか!なかなか高度だぞ!でもまー、俺が教えてやる!」
と言い出しました。
・・・
長男は1年前、次男が3DS本体を購入する事さえ許しませんでした。
1年前は些細なきっかけを見つけては馬乗りになって次男を殴り倒していたのです。
殴られる次男は、体中いつも青あざだらけで、顔も傷だらけでした。
1年前私がこっそり次男に3DSを買い与えた時も、長男は私に激怒していました。
次男を毛嫌いし、どんな時でも、どんな事でも、次男が自分と同じ事をする事を拒絶していたのです。
そんな長男が『次男にゲームを教えてあげる!』と得意気に優しく話かけていました。
そのやり取りを見ていた私が長男に、
「本当に助かったよ、ありがとうね!」
と感謝をすると、長男は、
「もう、次男に嫌な事を言うのをやめようかな」
「次男に、『お前は出来るぞ』『大丈夫だぞ』って言葉をかけてみようかな」
「もしかして、次男は僕が優しい声をかければ優しくなるんじゃないか?」
「次男が妹を叩くのも、僕が次男を叩く時があるからじゃない?」
「僕、ダメじゃん・・・次男をいじめないように頑張らなくちゃ」
「この家の平和は僕に、かかっているよね、お母さん」
と言われました。
私は、
「家族皆が長男の事を大好きだから、特に次男は長男に憧れているから、全部マネするんだと思うよ」
と言うと、長男が、
「よし!僕、お父さん、お母さんで次男に自信をつけさすか!」
「次男を褒めよう!」
と提案してくれました。
その提案通りに家族で次男を全力で励まし、優しく接していると、娘が泣いている時に次男が、急いで自分のおやつを持ってきて、
「〇〇ちゃん(娘の名前)僕のおやつ何でも選んでいいんだよ」
「悲しかったの?」
「2つあげるよ」
「どれがいい?」
「泣かないで」
と必死で泣きやまそうと頑張ってくれていました。
目に見えて兄弟間の優しさの連鎖が始まったのです。
それ以外にも次男は以前、
「こんなもの食べられるかよ!」
と食事を投げつける事があったのに、私に、
「ご飯を作ってくれてありがとう」
「お腹いっぱいだから残すけどごめんね」
「お母さん、おいしかったよ、ありがとう」
など、以前は聞くことのできなかった、平和で幸せな言葉を沢山かけてくれるようになりました。
264 私の気持ち
264 私の気持ち
情緒が不安定なのは子供だけではありませんでした。
私自身が、気持ちが前を向いていて穏やかに過ごせる時と、幼い2人の息子たちの現状と将来を悲観し、不安になり、どっと落ち込んでしまう時とがありました。
私の元気がなくなると、子供は鏡のように情緒が不安定になりました。
自分では不機嫌を態度に出しているつもりはないのですが、子供たちは私の心の中に渦巻く不安な気持ちを感じ取っていたのだと思います。
特に長男は私の気分に大きく影響されているようでした。
私が元気でいる事がとても大切である事は理解していて、元気に明るく子供たちの要求に応える事を心がけてはいるのですが、根本的に私はそれが苦手でした。
・・・
下の2人を寝かしつけようとすると、長男が、
「お母さん!2人が眠ったら起きてきてよ!」
と毎日言いました。
下の子を寝かしつけた後に夜中までゲームに付き合う事は私にとってはとても苦痛でした。
私は電子的な事がとても苦手で、ゲームやゲームの音が大嫌いでした。
その音や画像を一日中リビングで見て、聞いていて、やっと子供が寝静まって静かになった夜中に、再びその音を聞く事がとても嫌でした。
子供と離れ1人になりたい。
もう眠りたい。
長男が楽しそうに話してくるゲームの内容を何一つ理解できず、気持ちに共感できない。
あー、今日も疲れるな・・・
あー、5分でいいから一人になりたいな・・・
あー、いつまでこんな生活が続くのだろうな・・・
と思いながら毎日を過ごしていました。
それでも、長男を立ち直らせるためには要望にできる限り応える事、私が明るく過ごす事、を頑張らなくちゃいけない、頑張ろう!と自分ができる事はさぼらないように頑張っているつもりでした。
263 【当たり前】を疑ってみる
263 【当たり前】を疑ってみる
2022年9月
次男が学校へ行きたくないと言う時、私は、
「頑張ろうね」
と次男を何とか学校へ行かせよう!などと励ましたりはしませんでした。
「行きたくないんだね、それでも起きてきてくれてありがとうね」
と次男に声をかけるようにしていました。
M先生から教えてもらった【勇気づけの子育て法】を意識している事もありましたが、長男のように自分の精神の限界まで頑張り、家庭が機能しなくなるほど心を壊してしまうのであれば、そうなる前に対策しておきたい、という気持ちがとても強かったです。
長男は不登校初期に、気が狂ったように暴れました。
私は、次男まで同じようになってしまったらどうしようと怯えていました。
次男が不登校になる事よりも、心を壊し、長男のように暴れ回ったら、私自身が、精神的にもう持たないかもしれない・・・。
当時の私は、次男の些細な問題行動にも過敏に反応し、次男の気分の浮き沈みに一喜一憂する日々を送っていました。
次男が、
「今日は半日で帰って来たい!」
と言えば、
「半日は行こうとしてるんだね!」
と出来ている事に目を向け、本人が気が付いていない今現在出来ている、彼の素晴らしい部分を本人に伝えるように心がけていました。
私の心に不安がなかったわけではありませんが、なんとかその不安な感情は押し殺し子供たちの気持ちに寄り添うようにしていました。
そんな対応をしていると、癇癪を起している次男もキョトンとして怒りの熱が下がり、気持ちが落ち着いていく日が増えていきました。
・・・
世間一般的には【親が甘い!】【世の中そんなに甘くない!】【理想像だ!】と非難されそうで、こんな緩い対応で本当に良いのか、子供たちはだらしのない子供にならないのか、と私の中では常に迷いがありました。
それでも以前のように、子供が怒り出したら同じ土俵に上がり、子供に負けてはいけないのだ!と意地になって子育てをしていた時よりも気持ちはとても楽でした。
早々と戦いの土俵から降りてしまう事で私の心は以前よりも穏やかになったのです。
・・・
不安が強く心配症な私は、私の今の子育て法が合っているのかをM先生に相談しました。すると先生は、
「情緒が不安定な次男を、本人が行きたくないと言っている学校へ無理やり行かせる事の方が問題ではありませんか?」
「嫌がる学校へ無理やり行かせる、なんて事をしていたら折角築き始めた親子間の絆を壊してしまいますよ」
「学校は行きたければ行けば良いけれど、行かなくても良いのですよ」
「楽しくて良い所なら、子供は自ら進んで行きますからね」
「好奇心旺盛な大切な子供時代に、嫌な学校へ行き退屈な時間を過ごす事よりも、お母さんと愛のある触れ合いを沢山経験し絆を深める事の方が遥かに大事です」
「息子さんが学校へ行く事を嫌がったら、『ずっと一緒にいようね』と言ってあげて下さいね」
「息子さんが心からお母さんに愛されている!と思えるように沢山愛を注いでくださいね」
と助言していただきました。
・・・
私は学校は行くもの、義務教育なのだからそれが【当たり前】みんなそうしているのだから、と思っていました。
時には【当たり前】を疑ってみる。
果たしてみんながやっていることが正しいのか?
子育ての最終目標は何なのか。
学校へ行ってほしいのも、厳しく躾けをするのも、何かができるようになると良い!と習い事に通わせるのも、全て子供に幸せに生きていてほしいから。
最終目的地は【我が子が『幸せだよ』と自立して暮らしている事】
幸せの形は本人が決めるしかなく、『幸せだよ』と胸を張って言える大人になる為に私が今できる事は、何なのだろう?と思うようになりました。
262 不安とは
262 不安とは
私の目には長男も次男もとても不安が強い子に見えていました。その事をM先生に伝え、
「我が子達は、不安が強いせいで学校生活が辛いのではないか?」
と質問しました。先生は、
大人でも、子供でも、皆何をするにしても、新しい事を始めるのには、不安が先立つのです。
それが人間というものなのです。
子供は特に、自信がないので、不安が強いのです。
親は、
『どんな時でも、どんなことでも大丈夫!お母さんが付いてるからね』
『あなたなら絶対にできるよ』
と、後ろから何回でも声を掛けて励ましてあげて下さい。
子供に、
あー、失敗しても、死ぬわけじゃないな。
どんな失敗も、お母さんは受け止めてくれるんだ!
と思わせてください。
そんな温かい経験を沢山して、子供は心が強くなります。
どんな事にも興味を持って、取り敢えずやってみる、という生き方ができるようになります。
・・・
生まれたばかりの赤ちゃんは、皆恐れを知らず、何にでも興味を持って、自由にやっています。
それなのに親が、あれはだめ、これはだめ、ああしろ、こうしろ、危ない!あなたには無理!と言い、子供が失敗したら失敗した事を責め、親の思い通りにしていないと罰を与える。
そんなまずい育て方のせいで、子供たちは不安の強い、自信のない子になってしまうのですよ。
不登校は、子供が勇気をくじかれている状態と考えましょう。
子供の心を育み【失敗は成功のもと】を合言葉にして励まし続ける必要があります。
子供は親の愛情が心の奥にまでしっかり届いていれば、失敗を恐れずに、色々な事に進んで挑戦していくようになります。
家庭が楽しい雰囲気である事、それが何よりも大切です。
とにかく子供を愛してください。
愛される経験、【失敗は成功のもと】と思える事が失敗を恐れない精神を生むのです。
と教えていただきました。
261 以前の私→変わりつつある私
261 以前の私→変わりつつある私
長男が生まれてから次男が生まれる前まで、私はとても穏やかに子育てをしていました。
友人から、
「かわいいの押し売り半端ないよね」
と笑われるほど長男の事をかわいい!かわいい!と言いながら育てていました。
・・・
次男が生まれ、寂しさからか長男が暴力的になりました。
寂しい!という長男の深層心理を考えもせず、目に見えている長男の不適切な行動を、長男がそれを止めるまで厳しく注意し続けました。
どうしてこんなに私を困らせるの!
大変なんだから困らせないでよ!
という私の苛立ちが、長い年月をかけて親子間の絆の歯車を少しずつ狂わせていったのだと思います。
・・・
長男が成長し私に対して暴言を吐くと、私は長男に向かって、
「お前、本当に性格悪いよね」
「本当に嫌い!」
と傷つけてしまう事もありました。そんな私に対し、長男は泣いたり甘えたりはせず、
「うるせー!」
と歯向かってきました。私はその言葉に真正面から反応し、
「お前がうるせーわ!」
と襟ぐりを掴んでソファで取っ組み合いの喧嘩になる、不登校直前の夏休み、長男と私はそんな事を毎日のようにやっていました。
・・・
最近私は、なぜあんなにも向きになって長男を叱っていたのだろう?と考えました。
向きになっていた理由を思い返すと、私は本当は長男の不適切な行動に対し、別にどうでもいいやと思っている事も多かったけれど、
【子供の言う事を全部聞いてはいけない】
【厳しくしなければいけない】
【親が負けてはいけない】
と思い込んでいたのです。
私が全て言う事を聞いていたら、子供は全てが自分の思い通りになる!と勘違いし自分勝手な子になってしまう。
我慢させなければ。
我慢する事に慣らさなければ。
叱らなければ。
叱られる事に慣らさなければ。
自分が育てられた環境もあり、疑うことなく、子育てとは【そういうもの】なのだとずっと思っていました。
私は長男を産んでからずっと、頑張って頑張って、愛を持って子供たちを我慢させていたのです。
・・・
長男が不登校になり、どこに行っても解決策を見つけ出せず八方塞がりでした。
長男の不登校が定着して1年近く経った頃、私はM先生に出逢い【勇気づけの子育て法】を教えていただきました。
先生に【注意しなくていい】と教えていただいてからは、頑張って優しい言葉をかけるよう努力していました。
子供に負ける事に抵抗がなくなり、少しずつ自然と優しい言葉が出る事が増えていきました。
優しい態度と言葉で子供たちと関わった後に見られる子供たちの笑顔と、子供からの優しい言葉に幸せを感じるようになっていったのです。
私の中で、子育ての景色が少しずつ確実に変わっていきました。
子供たちの優しい姿を見るたびに、私は、今まで子供たちの何を見てきたのだろう・・・と反省しました。
長男の心を満たす事が出来ず、満たされない長男が次男を激しくいじめ、次男の情緒の発育に大きな影を落としたこと。
子供時代の、楽しい時間だけで良い時期に、子供たちに苦しみを与え続けていたこと。
今更ながら自分の罪の重さに気が付き、
「今この気持ちで、長男を生んだあの日からやり直したい!」
と思うようになりました。
260 主人に対しての気持ち
260 主人に対しての気持ち
オンラインゲームに関して主人とは、
「まだ、長男は9歳なのだから、通常のゲーム時間や昼夜逆転のコントロールはもう今更無理だとしても、オンラインゲームだけは22時に自動で切断されるように設定したほうが良くない?」
と話をしていました。
主人と私の、意味のない、熱意のない話し合いは結局まとまる事はなく、ある日、23時に帰ってきた主人がその場で長男のオンラインゲームの回線をつなぎました。
以前私が長男に、
「オンラインゲームは年齢制限があり、どんなに遅くても22時とか0時とかで切断されるからね」
と話をすると、長男も、
「全然それでいいよっ」
と納得していたのに、約束事を作らないまま無制限でオンラインゲームができる環境を作る主人に、私は心の中で、
「あー、また先の事を考えずに接続したんだな」
「子供の事全然考えてないじゃん」
「不登校問題で、私に協力してくれないどころか、邪魔してるじゃん!」
と、不快感を抱いたことを覚えています。
・・・
私が主人に、
「不登校児にはこうした方が良いみたいだよ!」
と伝えると、興味なさそうにその場にいて、話を聞いてくれることもありました。
主人は、私の聞いてきた不登校対策を疑う事はせず、彼自身はどう思うのか、という意思表示もせずに、私のする提案に、
「分かった」
と言うだけ。私が、読んで共感できた本を主人に見せ、
「こんな本があるから読んでみてほしい」
と言っても読まない。
「今度一緒に相談所に行ってみる?」
と聞いても、主人は、
「絶対行かないし、嫌だよ」
と言う。
M先生に教えてもらった大切なポイントや子供の状態をラインで伝えても全て既読スルーされていました。
主人から、
「長男みたいな不登校児にはこんな対応が良いみたいだよ!」
という提案をしてもらった事は一度もありませんでした。私は、
なぜこの人は父親として自分がどうすれば、どう変われば子供が立ち直るのかを学ぼうとしないのか?
なぜ、自分の子供の事なのに、こんなに受け身なのか?
といつも思っていました。
必死に不登校を学ぼうとしない主人の事が私は不思議で仕方がなく、彼に対して不信感しかありませんでした。
259 夏休み明けの長男
259 夏休み明けの長男
2022年9月
行き渋りから1年経ちました。
・・・
夏休み明け、長男は私が少しでも家を留守にすると、激しく嫌がりました。
買い物に行く事すら嫌がり私が出かけようとすると、
「どこ行くの?」
「寂しい」
「早くっ帰って来て」
と何度も何度も言いました。私は、
「一緒に来る?」
と買い物に誘いましたが長男は、ついてきませんでした。
・・・
行き渋りが始まってからの1年間、長男はほとんど体を動かそうとはしませんでした。
そんな長男が、ある時期から体を動かしたがり、インラインスケートをするようになりました。
家の庭先で、夜1時間以上、転んでも転んでも立ち上がり、夢中になって昔のような笑顔で練習をしていました。
もともと身体能力の高い長男はすぐにコツを掴み、楽しそうに滑っていました。
・・・
長男は好き放題にゲームをしている事に後ろめたさがあるのか、もしくは私が本当はオンラインゲームを快く思っていないと察しているのか、オンラインゲームを始める前に必ず、
「オンラインは2時間だけにしようかな」
「夜の8時までって決めようかな」
「早く寝るようにしようかな」
と私に聞こえるようにぶつぶつと呟いていました。
M先生に、
「子供を親の理想通りにしようとせず、世間の常識に当てはめず、本人に任せて好きなようにやらせて下さいね」
「この子は大丈夫、と信じてあげてください」
と言われていました。
先生に言われたことを、理解しよう理解しよう、長男が何をしていても気にしないでおこう、と一生懸命一生懸命頭で考えるように頑張っていました。
長男の心さえ立ち直ればゲーム漬けからも抜け出すのだから!
ゲーム中毒を恐れなくても良いのだから!
大丈夫!
大丈夫!
この子は大丈夫!
と自分に何度も何度も言い聞かせていました。
どれだけ頑張って頭で考え、自分に言い聞かせていても、私の心はずっと息子の将来が不安で苦しいままでした。
・・・
一つの事に夢中になると同じ事を永遠にやっている長男がオンラインゲームにのめり込むのではないか?
のめり込み過ぎて、昼夜逆転が酷くなり、どんどん不摂生が悪化してしまうのではないか?
この子はまだ9歳なのに、体や脳や心がぐんぐん育つ時期なのに、
と不安な気持ちを拭い去る事がどうしても、どうしてもできないのです。
ぐるぐるぐるぐる思考が巡り、マイナス面ばかりに目が行き、
「あーなったらどうしよう」
「こーなったらどうしよう」
と、私にとっての最悪な事態ばかりを考えてしまうのです。
自分の脳みそを一旦外に取り出して、水で洗い流したい!と毎日毎日本気で思っていました。
258 ゲームしかしない次男
258 ゲームしかしない次男
2022年9月11日(休日)
夏休みに引き続き、次男はずっとゲームにのめり込んでいました。
「子供をコントロールしないように」とM先生に言われていても、次男のゲームへののめり込み方を、私はとても心配していました。
・・・
夏休み明けの休日、次男は朝食も取らず、起きた瞬間からゲームをしていました。
朝食を食べない事は指摘せず見守りました。
お昼ごろに私が優しい口調で、
「そろそろご飯食べたらー?」
と声をかけると、
「うっせーな」
「だまれ」
と言われました。
何でそんな話し方なの?
と気分を害されるような返事しか返ってきませんでした。
・・・
数日前に次男の幼稚園時代のママと公園で遊ぶ約束をし、次男と娘を連れて公園へ行きました。
次男は友人とは遊ばず、詰まらなそうにずっと芝生の上に座っていました。
私の横から一度も離れず、30秒毎に、
「帰りたい」
「あと何分で帰る?」
と公園にいる間ずっと私に言っていました。
次男が少しも遊ぼうとしないので、私が娘と遊ぼうとすると、
「ダメ!」
「行かないで!」
「遊ばないで!」
「帰りたい!」
と、とてもしつこく言い続けました。
私は娘とも遊ばせてもらえませんでした。
気持ちの良い青空の下、次男はこちらがうんざりするような言葉を言い続け、私はとても不快で苦痛でした。
・・・
次男は学校が始まってから、私が娘をお風呂に入れているだけで、
「勝手に風呂入ってんじゃねー!!!」
と怒鳴ることもありました。
・・・
以前の過干渉な子育て法を手放し【勇気づけの子育て法】を始めてしばらくして、『次男が落ち着き始めた!』と喜んでいましたが、学校が始まるとすぐに以前のように酷い暴言を吐く日が増えました。
・・・
次男は宿題もやりませんでした。
私は宿題を出さない事を次男に指摘しませんでした。
宿題を提出しなくても何とも思っていない次男を見ると、この子は将来どんな子になるのだろう・・・?
嫌な事はやらない、と言って生きていくのかな?
社会に通用するのかな?
私が今子供たちにしている教育は正解なのかな?
と疑問に思う事がありました。
・・・
9月に入ってから、次男は休日の全ての時間をゲームに使いました。
目覚めた朝8時から眠りにつく10時までノンストップです。
一度も休憩はしません。
たまにトイレに行き、たまにゲームをしながら食べ物をつまむくらいでした。
のめり込み方が酷いので、ゲームの時間を決めた方が良いのでは・・・?と思う事もありましたが、我が子たちを規制する事は本当に不可能でした。
次男にゲームの時間を決めさせ、守らせようとすると次男は死んだような顔で私に、
「暇、暇、暇、暇、暇、暇、暇、暇」
「ねー、お母さん、何かすることない?」
とずっと言ってきます。
その姿は私を極度にイラつかせました。
自分で考える事の出来ない【無気力な子】に見えてくるのです。
ほんの1,2時間ゲームの時間を短くするために規制する事で、これほど私が次男の態度にイラつくのならば、無制限の方がお互いの心の健康の為だ、と思い規制はすぐに諦めました。
・・・
それでも、【勇気づけの子育て法】を始めてからの次男の態度は以前よりも【まし】でした。
私はそんな子供たちを育てる事にとても疲れており、幸せを感じる事はありませんでした。
主人は好き放題、自分勝手に生活している子供たちを見て、
「子供たちは家族でご飯を食べようと呼んでも来ない」
「しつこく言えば暴言を吐き反発してくる」
「おかしいだろ、、、」
「この子達、どんな子になるの?怖いんだけど・・・」
「悲しくなってくる・・・」
「この子たちが、ここまで酷くなるような子育てはしてない」
「泣きたくなる」
「悲しすぎる」
「残念でしかない」
「こんな年齢でここまでの子達がいると思えない」
「こんな子供、見た事も聞いたこともない」
「家庭が成立してない」
「もう・・・家庭が辛い」
と言う日がありました。
私たち夫婦は2人とも、光の見えない、苦しい子育てにぐったりしていました。
257 9月初めの次男の様子
257 9月初めの次男の様子
頻繁に暴言を吐く次男に、
「みんなに嫌な言葉を叫んでいる時、どんな気持ちなの?」
と聞くと、次男は、
「嫌な気持ちだよ」
と言っていました。私は次男の暴言には反応せず、
「次男の気が済むまで言っていていいよ」
「お母さんは悲しい気持ちだけど、今まで次男はお兄ちゃんに言われても我慢してたんだもんね」
と繰り返し伝えていました。
M先生に暴言を注意しなくても大丈夫と教えていただいてからは子供を注意しない事に不安がなくなり気持ちが楽でした。
・・・
2022年9月5日
次男はこの日も「学校に行かない」と言いました。私が、
「いいよー」
と言うと、少しキョトンとしながら考えて、
「まー、行こうかな・・・」
「でも学校は嫌い」
「詰まらないし疲れる」
と言い、1時間ほど遅刻をして学校へ向かいました。
・・・
その日、次男が学校から帰ると兄とその友人が来ていました。
その仲間に入りたそうにしているのに、なかなか入っていかない次男に、
「どうして遊びたいなら『遊びに入れて』って自分で言わないの?」
と聞くと、次男は、
「絶対にお兄ちゃんに嫌な事を言われるから」
「何か嫌な事を言われるくらいなら『入れて』とお願いしたくない」
と理由を話してくれました。
・・・
【勇気づけの子育て法】を始めてから次男は以前よりも穏やかな日が増えていました。
寝る時間にもすんなり寝室に来る日が増えていました。
それでも、ゲームを始めると別人のようでした。
暴言を吐いたり、ゲームを切り上げた直後は特に気持ちの切り替えが上手くできないようでした。
楽しい事を途中で中断させられた怒りを一通り私にぶつけるのです。
時間と共に少しずつ穏やかになるのですが、しばらくの間私に激しく反発する事が多かったです。
・・・
2022年9月6日
担任の先生から、
「次男の学校での表情が柔らかくなり、立ち歩きも少しずつ減っている気がします」
「僕に話しかけてくる回数が少し増えました」
と連絡をもらいました。
その日の夜、次男が、
「お母さん、今日担任の先生が『1番奥のクラス(特別支援学級)行ってみる?』って僕に聞いてきたんだよ」
「でも僕は嫌だから行かなかった」
と言いました。私は次男に、
「あのクラスは、少ない人数で勉強するし、パソコンで勉強したり自由に自分の好きなペースで勉強できる場所だよ」
と伝えましたが、次男は、
「いつもの教室がいい」
「他の子は言われてない」
「どうして僕だけ言われるの?」
と聞くので、
「次男は授業中よく歩いているから、自由に歩きたいなら奥のクラスの方が楽しく勉強できるよって先生が思ったんじゃない?」
と伝えると、次男が、
「僕今日はそんなに歩いてないよ」
と言いました。
・・・
2022年9月9日
次男はこの日も「学校に行かない」と言いました。
「僕、水曜日と木曜日頑張ったもん!2日間も頑張ったから行かない!」
と泣いていました。私は、
「そうか、頑張ったもんね、じゃー、もし行きたくなったら行こう」
と言いました。しばらくすると次男は、
「さっきは頼んだゲームソフトがまだ届かない事が嫌で怒っちゃったけど、今から学校へ行く」
と言い、遅刻して学校へ行きました。
私は、毎朝学校行くのか、行かないのかと迷い、嫌々学校へ向かう次男は、遠くない未来、兄のように不登校になるのだろうな、と思っていました。
256 夏休み明け2日目の次男
256 夏休み明け2日目の次男
2022年9月2日
夏休み明け2日目。
次男は「行かない」と決心している様子で、全く身動きをせず学校をお休みしました。次男は、
「昨日学校行ったから、今日は行かない」
と言いました。
その時私は、
「あー、どいつもこいつも!」
「うちには怠け者しかいない・・・」
「もー、不登校になるならなればいいや」
と「もーいーや」という投げやりな気持ちと、「この子も不登校になるのか・・・」ととても心配な気持ちがごちゃ混ぜでした。
・・・
不登校の本を読むと、兄弟間の不登校連鎖は頻繁に発生し、特に年齢が近く上の子が不登校、さらに同性だと不登校連鎖が起きやすいと書いてありました。
・・・
まさに、うちだな。
私はこの1年、あの手この手で頑張る事、子供たちの心配ばかりしている事に疲れ果てていました。
そんな気持ちでいると、次男が、
「お休みするのは今日だけだよ、月曜日は行くからね」
「お休みしたから、3時まではゲームやめておこうかな・・・」
「お母さんと今からここでお勉強しようかな」
と言い、休んだことに引け目があるのか、私の顔色をうかがっているようでした。
・・・
休んだ日の夕方、次男の担任の先生から登校初日の次男の様子の報告がありました。担任の先生は、
「次男さん、心配していましたが教室内で比較的落ち着いていました」
と言っていました。
・・・
次男は、お休みした日の昼間は落ち着いていて、いつも通りにゲームをしていました。
夕方になり食事を出すと、むすっとして食事はせずに、
「いらない」
と言い、私に向かって箸を投げつけてきました。
私は悲しい、イライラする、そんな感情よりも、
躾けなくていいの?
叱らなくていいの?
こんな事を許してどんな大人になるの?
という不安が大きく膨らみました。
それでも以前、M先生に、
「子供はお母さんが突然優しくなり、その優しさが本物なのか?と何度も何度も親を困らせる【試し行為】をしてきます」
「そんな時こそ、お母さんは冷静に、自分は今試されているのだ、と怒りの感情をぐっとこらえ、優しく対応して下さい」
と言われたことを思い出し、叱る事はせず、次男に、
「ご飯いらないんだね」
「でも、どんな気持ちで箸投げてるの?」
とだけ聞きました。
私は次男の不適切な行動に、
こんなに可愛がってるのにな・・・
でも、私の気を引こうとしているのかも!
きっと、試し行為だ!
とにかく可愛がろう!
と感情を抑え、優しい声がけを頑張っていました。
255 長男に言われた事
255 長男に言われた事
2022年9月
とても穏やかで元気になってきた長男ですが、夏休み明けも学校へは行きませんでした。
そんな長男がある日、私にこう言いました。
「お母さん、僕がお母さんに【クソババア】とか【きもい】とか言うのは、お母さんがお父さんを冗談でからかってるのと同じだよ」
「愛情表現」
「僕がお母さんの事を好きじゃないはずがない」
「僕に対しての声掛けも、ウダウダ色々言われるよりも、『はい!行くよ!』くらいだと 僕は『あ、行こっかね』って思う」
「とにかく余計な事をウダウダと言わないで」
「弟もその方がきっとやる事を自分で進んでやると、僕は思うよ」
「僕たちはね、言われなきゃ動くんだよ、言われなきゃ自分でやります」
「お母さんが何か言ったら動かない」
「やりたくなくなるんだ」
「お母さん余計な一言が多いからね、それ言わないでほしい」
「さらっと流す感じで自然に話してほしいんだよ」
「じゃないと、『お母さんに言われた』って事に意識が向くから、従って動いてるみたいでやる気がなくなるんだ」
「だから、言われれば言われるほど、僕はやらない」
と言われました。
・・・
当時次男が兄が間違えて2つ買ってしまった3DSのカセットを欲しがっていて、兄はそれを弟にあげる事を嫌がっていました。私が長男に、
「次男に1つあげてよー」
と言うと、長男は、
「弟が欲しがってる3DSのカセットの事だけど、お母さんは999%余計な一言を弟に言うから」
「だから色々上手くいかないんだよ」
「カセットの件は僕に任せて」
「僕が上手く弟と話をするから」
と言われました。
・・・
しばらくすると、長男は次男にカセットを渡したらしく、
「〇〇(次男の名前」)どう?」
「楽しい?」
と長男が優しく話しかけ、次男が、
「うん、楽しいよ」と答えると長男は嬉しそうに、
「おー、良かったね!」
と微笑みました。次男はそんな長男に向かって下を向いて照れながら、
「ありがとう・・・」
と呟きました。
一般家庭では普通の会話かもしれませんが、今までの我が家では奇跡の会話です。
254 夏休み明け、次男の行き渋り
254 夏休み明け、次男の行き渋り
2022年9月1日
M先生に8月頭に【勇気づけの子育て法】を教えてもらい、実践し、家庭内では劇的に表情が良くなってきた次男ですが、夏休み明け初日の登校日、9月1日、学校へ行き渋りました。
朝起こしても布団から動こうとせず、夏休み中に取り戻しつつあった明るい笑顔が消え、以前の無機質な雰囲気に戻っていました。
私は次男は心が病んでいる、とは思っておらず、
「お兄ちゃんが行かないから、だらけてるんだな」
「ゲームしたいから行きたくないんだ!」
と思っていました。
・・・
次男のペースに合わせようと、私は玄関に座って次男が来るのを待っていました。
集合時間から30分ほど過ぎた頃、足をずるずる引きずりながら、私をにらみつけるように見て玄関までなんとか歩いてきました。
玄関に着くと背中を丸めて座り込み、膝と膝の間に頭を入れて動きませんでした。
それでも何とか立ち上がらせ、自分で歩こうとしない次男の手を引いて電動自転車に乗せ、その日は何とか学校へ向かいました。
次男は泣き叫んで学校へ行く事を嫌がるわけではなく、私の目には、長男ほど情緒が不安には映りませんでした。
この子に学校を休ませるべきなのか、頑張らせ学校へ向かわせるのか、とても悩みました。
内心は、学校に行かない事で夏休み同様、
一日中ゲームしかしないのではないか・・・
と思っていて、休ませることが嫌でした。
正門に近づくと、次男同様に行き渋り、母親と教員に説得されている子供が数名地べたに座り込んでいました。
「あー、他にも行き渋る子いるんだなー」
「他のお母さんはどんなふうに子供と向き合っているのかな?」
と思いました。
私はいつも、自分がしている子供への対応が正しいのか自信がありませんでした。
253 長男への相談
253 長男への相談
2022年8月31日 夏休み最終日
長男に、
「次男が凄く嫌な言葉言うんだよね」
「お母さんどう接したら良いのか分からないんだよね」
と相談すると、
長男は、
「お母さんは子供が自信を失くすような言葉を言うから」
「それをできる限り言わなくして」
「弟を褒めてみてよ」
と言われました。
「僕も弟にそうしてみるからね」
「お母さん、また悩みがあったらいつでも相談してね」
「僕、いつでも話を聞くよ」
「今日は話してくれてありがとう」
「嬉しかったよ」
と言いました。
それ以外にも、
「お母さんがこの前、僕に言ったあの言葉は嫌だったよ」
「お母さんは昔、弟ばかりで僕を無視したよね」
「全然構ってもらえなかった」
と言うので私が、
「ごめんね、今からでも取り戻せるかな」
と言うと、長男は、
「それは、あなた次第です」
と言いました。
・・・
長男は以前よりも色々な気持ちを話してくれるようになりました。
長男の事を、難しい、育てにくい子と思っていましたが、この子は優しくて、繊細で賢い子だな・・・と長男に対する印象がどんどん変わっていきました。
252 次男の暴言への返し方
252 次男の暴言への返し方
次男に【勇気づけの子育て法】を実践するようになってから、次男の様子は家庭内で見違えるように良い方へ変わっていきました。
・・・
私は、今まで次男が暴言を吐いてきた時に、
「何でそんなこと言うの!」
「もー、感じ悪すぎる!」
と子供が暴言をやめるまでしつこく注意していました。
暴言なんて許していいわけない!
躾けなければ!
という親としての思いもありましたが、ただ単純に感情的になり、
可愛くない!
イライラする!
と、次男を叱りつけている事もありました。
・・・
M先生に次男の暴言の話をすると、
「お母さん、今後子供たちに不適切な言葉を言われたら、僕がこれから教える声掛けをしてみて下さい」
と言われ次男に、
「次男は今までお兄ちゃんに沢山嫌な事言われてきたから、お母さんに嫌な事言っちゃうんだよね」
「お兄ちゃんにも、お母さんにも嫌な事沢山言われたもんね」
「嫌だったよね」
「次男の気が済むまで、今まで言われてきた分の仕返しが終わるまで、お母さんに嫌な事言い続けていいからね」
と私が言うと、次男は不思議そうに困った様子で、
「お母さんは今までどれくらい僕を怒った?」
と聞いてきました。私は、
「沢山怒っちゃったよね・・・ごめんね」
と謝りました。
・・・
しばらくすると、次男が、
「お母さん、学校に【言われて嬉しい言葉】と【言われて嫌な言葉】が貼ってあるんだよ」
「言われて嬉しい言葉は・・」
「ありがとう」
「すごいね」
「大好き」
とか
「言われて嫌な言葉は・・・」
「あっちいけ」
「遊んであげない」
「嫌い」
とか
「無視する」
とかなんだよ、と色々と教えてくれました。
寝る前に寝室で次男と沢山話をすると、次男が、
「お母さん、沢山話を聞いてくれてありがとう」
と照れながら笑いました。
次男から醸し出される、この1年間とは全然違う穏やかな雰囲気に、私は嬉しくて胸が熱くなりました。
その日は寝室に来る前にも、長男、次男、娘の3人で30分ほど警察ごっこをしていました。
1年前、同じ家で暮らす事が困難だった家族とは思えないほど平和な日でした。
仲良く遊ぶ3人の姿は私の心を温かくしてくれました。
・・・
長男のオンラインゲームもエンドレスにやり続けるのではないか、と心配していました。
長男はこの時期も昼夜逆転したままで、早い時間に寝る事はありませんでした。
没頭してしまうのではないかと、とても心配していたオンラインゲームをしていても、家族が寝室へ行く時間になると親が声をかけなくても自分でゲームを消し、一緒に寝室に行き家族のいる空間で動画を見ている事が増えました。
251 長男に言われた事
251 長男に言われた事
2022年8月24日
M先生からは、
「長男君は幼少期、弟が生まれた事で『心が満たされない』と感じていたのだから、我慢させてしまった事を謝りましょう」
と言われていました。
・・・
ある日、娘と遊んでいた長男に私が、
「小さい時、しっかり遊べなくてごめんね」
というと、長男が冗談交じりに、
「そーだそーだ」
「ずっと寂しかったのに」
「弟ばっかりと遊んで、僕は置いてけぼり」
「だから弟をずっと殺してやると思っていたんだ」
「あいつがいなければ遊んでもらえると思ってたんだ」
「我慢我慢、ずっと我慢」
「だから僕は我慢には慣れてる」
「ずっと我慢してたんだ」
「知らないやつ(弟)が突然家にきて、お母さんはそいつ(弟)とばっかり遊んでた」
「僕は今でもお母さんと遊びたい」
と長男は淡々と私に教えてくれました。
それを聞いた私は、長男の言葉が心に染み、私が想像している以上にこの子はとても寂しかったのだなと、気持ちを満たせなかった申し訳なさで心が苦しくなりました。
・・・
長男に、
「世界で1番長男が大好きで、世界で1番大切だよー」
と、伝えると、長男は、
「本当かな」
「本当かなー」
「そう言いながらお母さんは次男とばかり遊ぶからな」
と言いました。
・・・
私は、育て難くこだわりの強い長男をいつも優先していると思っていました。
次男には生まれてからずっと我慢させてばかりいる、申し訳ないな、と思っていたのです。
私のそんな思いとは真逆に、長男の目には全く違う景色が映っていた事に私は驚きました。
250 次男の担任の先生にお願いしていた事
250 次男の担任の先生にお願いしていた事
私がM先生からの指導を受け、【勇気づけの子育て法】を実践するようになってから、3週間ほど経ちました。
この3週間で、家庭内で明るい表情が増えてきた次男ですが、夏休みの出校日前日になると腹痛、足の痛みを訴え、
「明日の学校が緊張して寝れない」
「行きたくない」
「面倒くさい」
と言い出しました。
そんな次男の姿を見いると、夏休み明けから次男も不登校なのかな・・・と不安に感じました。
そんな次男の姿をみて、やっぱりこの子は特別支援学級で集団から離れて学んだ方が良いのだ、と私は勝手に決めつけていたように感じます。
学校側からは、
「特別支援学級と言っても、学校にいる全ての時間をそこで過ごすわけではありません」
「主要教科だけ個別で学び、給食、学活などはクラスで学びます」
「今のまま立ち歩きが酷いと、学習遅れが出ないか心配です」
「あくまでも、本人主体で考えていきましょう」
と、言われていました。
・・・
次男の担任の先生は、次男に厳しい注意をしないようにしてくれていましたが、
「次男さんが僕に構ってほしいような雰囲気を感じるのですが、他の子供たちの事もあり、業務が忙しいので次男さんにあまり構えないのが現状です」
と言っていました。
私はそれを理解しており、不満もありませんでした。
・・・
夏休み明けは、担任の先生に発達凸凹塾の先生からもらうレポートを渡し特性を理解してもらうよう再度お願いしました。
「次男の問題行動は何か【目的】がある、もしくは構われたくてやっているのでスルーしてほしい」
「立ち歩きの多い次男が着席したら、『座っているね』だけで良いので『頑張っている事を見てもらえている!』と本人が気付くような声掛けをしてほしい」
先生に、座って授業を受ける事ができた時は、その時間割表に〇印を付けていただけないかとお願いしました。
座って授業を受けるという些細なことでも、その時間割表を私と次男で見直して、頑張った事を振り返ったら、次男の励みになるかもしれないと思ったからです。
とお願いし、私が〇付けノートを作成し先生に渡しました。
・・・
次男は常に、
「自分は何も上手くできない」
「どうせ僕なんて」
と言い、何事にもチャレンジせず自己肯定感の低い子でした。
そんな次男をただただ自由にさせて、注意をやめていても、自己肯定感が下がらずとも上がらない。
【勇気づけの子育て法】を知った私はそう感じるようになりました。
M先生の指導を受けた後、私がM先生に出会う前の1年間に頑張ってきたことは、自己肯定感が下がらないだけの子育て法だった事に気が付きました。
1年間自己肯定感を下げない子育てをしてきた我が家に今必要なのは、自己肯定感を上げていく接し方、M先生の教えてくれた【勇気づけの子育て法】なのだ!と思うようになったのです。
〇付け表は1月からつけてもらいました。
夏休み明け時点での記録はありませんが、添付写真の1月時よりもかなり悪い状態でした。
〇付けの仕方・・・担任の先生には、
全て座れた(はなまる)
20分座れた◎(にじゅうまる)
10分座れた〇(まる)
で記入をお願いしていました。
表を見ると、身体測定と一度国語で花まるが付いた以外は10分座れた時に付く〇マークがほとんどでした。
10分も座る事ができず△マーク(ほぼ授業参加していない)も多いです。
1年生の時の次男は、それほどに授業に参加する事の出来ない子でした。
249 変わっていく子供たちと私の気持ち
249 変わっていく子供たちと私の気持ち
2022年夏休み終盤
次男・・・
夏休み中、次男はずっとゲームばかりをしており、私はそんな次男をとても心配していました。
M先生に教えてもらい、子供への接し方を変えていくと子供たちに大きな変化が現れました。
寝る前に私が娘と折り紙をしていると、以前は見向きもしなかった次男が自然に参加して色々作ってくれました。
「お母さん、ハサミいる?僕のどうぞ」
と優しく相手を思いやる姿が見れました。
少し前まで無表情でゲームしかしなかった子なので、ゲーム以外に気持ちが向いているだけでとても嬉しかったです。
・・・
別の日、20時30分に寝室へ行くアラームが鳴り私が寝室へ行く支度を始めると、次男は突然怒り出し、
「この部屋に誰も居なくなったら怖い!行くな!」
と、私に向かって叫び地団駄を踏んで泣き出しました。
私が、
「お母さんと一緒に寝る部屋に行ってくれるの?」
「嬉しいなー」
「ありがとねー」
「キリが付くまで待っているから大丈夫だよ」
と言うと、
アラームが鳴り終わる前に次男は、
「お母さん、あと1分でキリがつくからね」
「そしたらゲーム終わるからね」
と伝えてくれました。
・・・
長男にも次男にも以前、
「お母さんは僕の言う事を聞いてくれない」
「僕の話を聞いてくれない人の話を何で聞かなきゃいけないの?不公平だ!」
と、言われていました。
・・・
長男には、
「お兄ちゃん、次男が呼んでるぅ」
「お母さんにはこのゲームどうやるか分からない」
「助けてもらえたらありがたい!」
と抱きつきながらお願いすると、長男は表情が緩み、次男のゲームをのぞき込み、
「どこだ、それか、貸してみろ!」
と、毎回断らずに次男を助けてくれるようになりました。
・・・
長男は、相変わらず些細なきっかけで次男に対し「馬鹿」「アホ」と傷付ける事もあるけれど、今まで私が思っていた「わがままな子、難しい子」という印象から、「優しい子、親切な子、繊細に相手を思いやれる子」という印象に変わっていきました。
大人が子供に接する声掛けを変えるだけで、目まぐるしく穏やかになっていく子供たちを見て、私は今まで子供たちの何を見てきたのだろう?
育てにくい子達、なんでうちの子達は、と思っていたけれど、私が難しい子を作り出していたのではないか?
私が丁寧に子供たちに接したら、この子達はどんな姿になるのだろう?と思うようになりました。
・・・
次男の情緒が不安定になったのは、明らかに長男の不登校後からでした。
次男の特別支援学級に関しても、私が次男を通常クラスではできない子!と枠にはめているのではないか?
私は、この子はできないんです!こうゆう子なんです!と先生たちに固定観念を植え付けていないのか?
私が次男の可能性を奪っているのではないか?
と思うようになっていきました。
248
248
私はM先生の子育て方法に出会うまで、克服ママに言われた通りに子供たちをただただ好きにさせていました。
子供たちに対して気になる事があっても、何も言わずに放置するように頑張っていました。
私は当時、うるさい事を言わなければ、子供の心が疲れず、傷付いた心の傷が癒え本来の元気な姿にいつか自然と戻ると考えていたのだと思います。
先生に【勇気づけの子育て法】を学んでからは、長男と次男の家族への貢献に目を向け、子供たちの不適切な行動にも注意をしないようにしていました。
・・・
長男が不登校になり、荒れ狂う日々から長男の気持ちが少しずつ落ち着きだした頃、長男は私に、
「僕、いつもお母さんに話しかける時、どう話したら言い返されないか、どう話したら『あなたはそう思うんだね』って聞いてもらえるか、いつも考えて考えて話しかけていたんだ」
「でもどんなに考えて考えて話しかけても、『だって』とか『でも』とか絶対にすんなり聞いてくれなかった」
「あー、お母さんには考えて話しても無駄なんだって思ったことがある」
「お母さん、今は聞いてくれるようになったよね」
「聞いてもらえない時、僕凄く嫌だった」
と言われたことがありました。
・・・
私は聞き上手な方ではありませんでした。
不登校後からは、子供が話しかけてきた時は、内容に関わらず相槌をうち、傾聴する事を心がけていました。
・・・
子供たちの情緒に波はあるけれど、次男の変化は劇的でした。
例えば・・・
今までお風呂に入る時に地団駄を踏んで、
「さっさとしろ!時間が無駄になる!ゲームが出来なくなる!早く出る!」
と基本的に不機嫌で暴言ばかり吐かれていました。
私はそんな次男に、
「そんなに文句があるなら一人で入りなよ」
「ゲームばっかりしてるから、何にもしたくなくなるんだわ!」
と次男を攻めるような言い方をしていました。
M先生のアドバイス後、私は次男にどれほどお風呂で待たされても、
「わーい、来てくれたー嬉しいー」
と不機嫌にお風呂場に来る次男に言うようにすると、次男は指をイイね!としながら笑って、
「来てやったぜぃ」
と冗談を言う日もありました。
・・・
次男は、夏休みに入った頃とは別人の様に明るい日が増えました。
私は子供たちに、とにかく、【ありがとう】を言い続けました。
「片付けてくれてありがとう」
「助かった」
「ご飯自分でよそったんだね!お母さん嬉しい!助かる!」
私は元々の寄り添い下手な性格もあり、いちいち感謝の気持ちを伝えるのは疲れる時がありました。
疲れる時もあるけれど、子供との関係は目に見えて良くなっていきました。
【ありがとう】を言い続けていると、言う事が癖になっていきました。
・・・
M先生の言う通り、子供を自分の思い通りにしよう!という気持ちを捨てると、子供と衝突する日が減っていくような気がしました。
寄り添う子育てを知らない頃は、子供の言いなりになってはいけないと、頑張って意見を聞かないようにしていました。
子供と衝突しない日常は、私も、子供たちもお互いに心が健康で楽でした。
247 プールにて
247 プールにて
2022年8月夏休み後半、家族でプールへ行きました。
家から10分ほどの距離にある市営の小さなプールで、夕方6時ごろに行くといつもガラガラで貸し切りでした。
人に会う事を嫌がる長男に、プールに人が全然いない事を話すと長男は、
「それなら、僕もついて行こうかな!」
とプールに一緒に行くと言い出しました。
・・・
長男は昔からプールが大好きで、入る時にきらっきらな笑顔になるので、主人はいつも、
「長男がプールに入る瞬間の、本当に嬉しそうな顔が大好き」
と言っていました。
・・・
長男は不登校以来、誘ってもプールに全然行きたがりませんでした。
私は、長男がプールに行きたいな!と思ってくれた事が凄く嬉しかった事を覚えています。
・・・
夕方はいつも空いているのですが、その日は4時ごろに行く事になりました。
プールに着くと夏休みで、同じくらいの年齢の子達が沢山おり普段は行われていないプール教室が開催されていました。
家を出る時は、プールを楽しみにしていて、着いてからもしばらくは楽しそうに泳いでいた長男ですが、人が増えるにつれて落ち着きがなくなり、無表情になり、様子がおかしくなりました。
着いたばかりで次男と娘は楽しく遊んでいました。
長男はそのままプールにいる事は難しく、私と長男だけ先に帰りました。
私にいてほしい、と言う下の子達を置いて帰るのは心苦しかったです。
・・・
プールの帰り道、私は長男に、
「夏休み明け学校どうしたい?」
と聞くと、
「少しずつ行きたいなーとは思ってるけど・・・」
「あくまでも・・・予定・・・」
「行くかは決めてない・・・」
「給食のデザートのじゃんけんはしない」
と下を向きながら、元気なく私に言いました。
・・・
それでも、長男は基本的に家庭内ではとても元気でした。
・・・
その日の私の日記には、
今から1年焦らずにいこう
ひたすらありがとう、助かったを伝えよう
大好き、素晴らしいを伝えよう
スキンシップを沢山していこう
と書いてありました。
246 新たな子育て法
246 新たな子育て法
私は長男が不登校になってから、先生の【勇気づけの子育て法】をプラスするまで、克服ママに教えてもらった【過保護にする】ことを徹底していました。
私は、
【過保護にする】=言われた要望に全て答える=言いなりになる、と勘違いしていたように思います。
その子が「今こうしたい!」という気持ちに寄り添う事ができていませんでした。
息子の、愛情に飢え、乾ききっている心を満たそうとはしておらず、
「全部言う事聞いてるじゃん!」
「でも、動き出さないじゃん!」
「全然良くならないじゃん!」
という気持ちがいつもどこかにありました。
・・・
克服ママに、
「欲しがる物も全て買い与えて大丈夫なの?」
「怖いんだけど・・・」
と聞くと、
「大丈夫、気持ちが満たされれば節度が出てくるよ」
「全て言う事を聞いていて、エスカレートしないのか、わがままな子にならないのかと心配になると思う」
「私も、そうだったよ。でも徹底して要望に応えてあげた方が良いと思うよ」
「子供の気持ちが満たされてくると、親が応える事が難しい要望は、子供に『どうしたらいいかな?』と相談できるようになっていくからね」
「そんな、子供の気持ちを大切にする接し方を継続していくうちに、『お母さんは、僕の気持ちを分かってくれてる!』『大切にされてる』と思い、少しずつこちらの都合も考えてくれるようになるよ」
と、アドバイスをもらいました。
私は1年弱それを実践し、長男の荒れた心が落ち着く所までは持っていけたと思っていました。
・・・
するとM先生は【勇気づけの子育て法】を教えてくれました。
先生は、全てを投げ出している不登校児の親は、
①子供のありのままの姿に対して、敬意の気持ちを持ち、生きていてくれてありがとう、と言う気持ちで接しましょう。
②子供の良い面や、家族への小さな貢献に着目し、心からありがとう、という感謝の気持ちを素直に伝えていきましょう。
③上から目線で褒めたり、叱ったりするのはやめて、楽しい時間を共に過ごすようにしましょう。
①~③を続けていると、必ず子供の言動や態度に、劇的な変化が現れます。
上から目線の躾けは、当面お休みにして、ただただ、子供を慈しみ、愛して、心も体も、抱きしめてあげて下さい。
ただし、自分でやれる事は、代わりにやってあげることのないようにして下さい。
その子の折角の家族への貢献のチャンスを奪う事につながるからです。
もしも、子供が自分でやれる事であっても、お願いしてきた場合は、やれる範囲で親切にしてあげて下さい。
何が何でも、全ての要望を受け入れなければならない、と考えるとストレスが溜まります。
できる範囲で、大いに親切にしてあげて下さい。
ありがとうは、一日何回でも言ってあげて下さい。
この勇気づけの子育てを最低でも、1か月は続けて下さい。
子供が変わります。
なので、子育てが楽しくなりますよ。
張り切っていきましょう。
と教えてもらいました。
・・・
私は、今までの子供のダメな事ばかりに目を向け、叱ったり、絶望したりして過ごしてきました。
私はそれをやめてしまい、この【勇気づけの子育て】を、とことんやってみようと心に決めました。
・・・
例えば・・・
昼夜逆転している長男と、家族が一緒に食卓を囲めたら、
「お兄ちゃんが起きていてくれて家族で食事ができて嬉しい、ありがとう」
「食器を運んでくれてお母さん助かったよ、ありがとう」
「妹のお世話をしてくれて嬉しかったよ、ありがとう」
「弟にゲームを教えてくれて、お母さんも弟も嬉しいよ、ありがとう」
「お兄ちゃんは、教え方が上手だね、凄い子だね」
「人に話しかける時の声掛けが本当に優しい子だよね、お母さん嬉しい!」
「友達にとても親切にゲームを教えているね、優しい子だね!お母さん嬉しい!優しい子に育ってくれてありがとうね」
長男が私の言い方が気に入らず、文句を言ってきたら、
「お兄ちゃんは嫌な気分になったんだね、お母さん気が付いていなかったから教えてもらえて本当に嬉しい」
「直していくからこれからも教えてね、教えてくれてありがとうね」
「お兄ちゃんが教えてくれるお陰で、素敵なお母さんになれるかも!」
「ゲームしたいのに、お母さんに買ってほしいと言えず、友達の話についていけない事をずっと我慢していたんだよね、辛かったよね、ごめんね」
「弟が生まれて、お母さんを取られたみたいで寂しかったよね、お兄ちゃんのお陰で弟のお世話ができたよ」
「よく今まで我慢してくれたね、ありがとうね」
私はそんなふうに、小さな【ありがとう】を見つけては、子供たちに言い続けました。
245 不登校の原因は何?
245 不登校の原因は何?
長男が不登校になって以来、私は長男の不登校の一番の原因は何だろうと、ずっと考えていました。
行き渋り始めた頃、息子は、
「女子がいなければ行ける」
「音楽の授業がない日なら行ける」
「給食を食べなくていいなら行ける」
と、色々な理由を言っていました。
私は長男の発する言葉を言葉の通りに受け取り、
「音楽の授業は教室にいていいよ」
「給食はお弁当にする?」
「女の子は・・・どうしようね・・・」
と、長男の学校生活での不満を排除し、気持ちが学校へ向く方法を担任の先生と模索していました。
・・・
発達障害だから、感覚が過敏だから、平均的な子より難しい子だから、小学校に入学してから今までずっと我慢してきたんだ!この子は我慢の限界に達したんだ、よく2年半も我慢した!
そんなふうに思っていました。
・・・
発達凸凹塾では、
「繊細な子なので学校は苦しいですよ」
「本人が行きたがっても、週に1回にして下さい」
と、言われていました。
児童精神科の先生には、
「自閉症児は不安が強く一般的な子供よりも環境に適応するまでに時間がかかり、とても疲れやすいです」
「発達障害を治す事は出来ないので、周りがその子が疲れない環境を整え、配慮する以外に方法はありませんよ」
と、言われていました。
私はそれらの助言を聞き、長男のように、
【自分はこうしたい!】
【自分のペースで進めたい】
【完璧にやりたい】
という性格の子に、学校生活はとても辛いのだろう。
あんな場所に行かせていたら可哀そうだ!
この子には自分のペースで自分の好きな事をして過ごせるフリースクールが合っているのだ!
自由な環境ならば喜んで通うはず!
環境が合わないのだ!
そう決めつけていました。
・・・
そんな事を思いながら、私はM先生に、不登校の原因は何なのだろう?と相談しました。先生は、
不登校は、原因を追究してそれを取り除けば解決する訳ではありません。
不登校になった原因ではなく、子供が不登校でいる目的を探るのです。
不登校の目的は無気力を装う事で親を失望させたり、親の言う事は聞かないぞ!という意思を示すためにやっていると考えるのです。
育てられる過程で、自分の価値を否定されたり、価値がないと思われた、という思いが子供にはあるのです。
この子は厄介だ、育てにくい、イライラする、という親の心の声を感じ取った子供は、心を閉ざします。
と教えてくれました。
学校が合わない、やり方が合わない、発達障害、繊細な子、そんな原因ばかり考えていた私は、【原因】ではなく、【目的がある】と言われ、今までとは全く違う角度から、不登校児を見るようになったのです。
244 なぜ、ゲームばかりの生活が不安なのか
244 なぜ、ゲームばかりの生活が不安なのか
私は、長男がゲームばかりしている事が気になり、先生に、この子はゲームばかりしていますが、大丈夫なのでしょうか?と相談しました。
すると先生は、
「お母さんは、どうしてゲームばかりでいいのだろうか?と考えるのですか?」
と私に質問しました。
私は、
ゲームをしている息子にむかついているのではありませんでした。
ゲームしかしない息子の将来はどうなってしまうのだろう?
この子はいつかゲームを止め、学校へ行く日がくるのだろうか?
ゲームをしていたら楽で楽しい、そんな日々に満足し、頑張る事をしなくなるのではないか? と不安でした。
子供がどんな気持ちでいるのかよりも、このままゲームしかしない人生だったらどうしよう、と自分が不安に感じる事で苦しんでいたのです。
もしも、神様が、ゲームしかしない日々は1年間です、2年間ですと言い、
「将来この子は必ず自立するのですよ、今だけですよ、大丈夫ですよ」
と明るい未来を約束していれば、私はゲームしかしない息子を見ていても、何も思わなかったと思います。
今は、ゲームでエネルギーを溜めているのだ、思う存分やったらいい!そんな気持ちになったと思います。
私はゲーム自体が嫌なのではありませんでした。
このままこの子はここから抜け出さないのではないか、と不安でした。
・・・
オンラインゲームは、ゲームに全く興味のない私には知らない世界でした。
メディアが騒ぐ、子供がオンラインゲーム中毒になる、抜けられなくなる、そんなマイナスな情報ばかりに目が行き、怖い事!と思い込んでいました。
オンラインゲームが何なのか調べる事もせず、ただただ漠然と自分の中にある恐怖のイメージで、子供にオンラインゲームをさせたくありませんでした。
この子はオンラインゲームを始めたら、絶対にのめり込むに決まっている。
そんな事になったら大変。
絶対にやらせたくない!
不安要素のある事は取り入れたくない!排除!排除!そんな感じでした。
起こってもいない私にとっての最悪な事態を想像し、不安になるのです。
私はただただ、見えない未来が不安だったのです。
243 次男の特別支援学級
243 次男の特別支援学級
次男は学力、知的障害などの問題はありませんが、立ち歩き、プールなどの授業不参加、集団不適合、スムーズに指示が通らない、などがあり、学校側と夏休み明けから、週1で特別支援学級を試す事になっていました。
・・・
私は、次男を特別支援学級に移すかどうか、とても悩んでいました。
次男は、一対一で学習すると、すんなり理解し、環境に慣れてくると、色々な事がちゃんとできる子でした。
集団が苦手なのだから、個別の特別支援学級に行った方が伸びるのではないか、と学校側も言っているし・・・
どうしよう・・・
・・・
姉から紹介してもらった先生からは、
特別支援学級で学習するのか、普通級で学習するのか、決めるのは本人です。
親が悩む必要などありません
本人の希望に従って下さい。
今の子育て法をしていたら、問題行動は必ずなくなりますよ。
たくさん可愛がれば、学校生活への適応も、見違えるほど良くなります。
全ては家庭環境次第なのです。
児童精神科の自閉症診断は誤診ですから。
子供に必要なのは、愛情だけです。
親が心から楽しみながら、子供と沢山遊んでください。
そんな関りの中で、色々な事が楽しい!と思える感性が生まれていきます。
と言われました。
・・・
学校の先生方は、次男はまだ幼いので、自分で決めるのは無理だろう、親の判断に従います、という意見でしたが、姉の紹介してくれた先生は、当たり前のように「子供が選べばいい」と言ってくれました。
基本的に、学校側は、こうすると良いですよ!という提案ではなく、親が望むのであれば、意向に従いますよ、という受け身の姿勢でした。
担任の先生に、通級に通わせたいです、とお願いしたのも、特別支援学級の方が次男に合っているのではないか、と相談したのも私からでした。
・・・
夏休み明け、次男は、結局特別支援学級の体験には行きませんでした。
先生方が何度か声をかけて下さったようですが、本人が断固拒否したようです。
担任の先生や、通級の先生が、何度も何度も特別支援学級の体験学習に誘うと、次男は、最終的に泣き出してしまった、と聞き、私は、これ以上は誘わない方が良いのかな、と思いました。
特別支援学級の先生と、担任の先生と、私との話合いの結果、特別支援学級の体験はなくなりました。
242 声掛け
242 声掛け
長男の不登校前まで、私は子供に注意ばかりしていました。
姉に紹介してもらった先生から指導を受け、少しずつ意識を変え、良い面に着目するようになってから、子供にかけていた言葉の一例です。
・・・
ゲームしかしない長男と次男にかけていた言葉
「思う存分、納得いくまでゲームできるといいね」
「集中力凄いね」
「楽しい?何やってるの?」
と子供のしている事に興味を示す。
・・・
ゲームが得意な長男には、
「お母さん、ゲームが苦手だから弟に教えてもらえると、嬉しい」
「お兄ちゃん、上手いもんね!」
「助かる!」
と頼る。
・・・
ゲームのクリア方法で、助けを求められても、面倒くさそうに反応したり、相手にしていなかったり、お母さんに聞かないでよ、と嫌そうにあしらっていた事に、
「お母さんに聞いてくれるの?」
「ありがとう!」
「うれしー!」
と快く助ける。
・・・
次男が、映画を観に行って、すぐに、不機嫌になり、
「帰りたい!帰りたい!」
と言っても、
「映画きてくれて嬉しかった!」
「一緒に出かけられて楽しかった!」
「ありがとう」
と言い続ける。
・・・
キャンプ中、ずっと室内でゲームばかりしていても、
「家族でキャンプに行けて嬉しかった、ありがとうね」
と言い続ける。
・・・
長男、次男が暴言を吐いていたり、下の子をいじめても、
「今までされてきて嫌だったんだね」
「よく我慢してくれたね」
「凄い子だね」
と言い続ける。
・・・
子供たちが、
「お母さんの言葉が嬉しい!大切にされている!」
と感じるられるように接する。
・・・
こんな当たり前の事を、私は、今まで全然できていませんでした。
私自身もそんなふうにされた経験がありません。
親の愛が、子供に伝わらない、などど考えた事はありませんでした。
親は子供が欲しくて生んだのだから、大切に決まっている。
大切だ、大好きだ、なんて、伝える必要はない。
大切じゃなければ、子供の面倒なんて見ていない。
私は、無意識にそう思っていたのだと思います。
しかし子供は、親に本当に愛されているのかが常に不安なのだと思います。
・・・
ある時、滅多に叱った事のない娘に、ほんの少しだけ注意をしました。
確か、おにぎりを「いらない」と遠くへ投げた、とかそんな些細な理由だったと思います。私は、
「食べ物を投げちゃいけないよ」
と教えるために注意したのですが、言い方がきつかったのだと思います。
その時、泣いた娘が、
「お母さんは、〇〇ちゃんが嫌いだから、怒ったんだ」
「〇〇ちゃんの事が嫌いなんだ」
と泣き出しました。
その時に、私は、
「ずっと怒られてきた長男次男は、私が2人の事を嫌いだと、思っているかもしれない」
と思ったのです。
親は、大切だから、の気持ちで叱っていても、子供はそう受け止めていないのかもしれません、
子供が、心底安心するまで、心温まる言葉を伝え続ける事が大切なのだと思いました。
私は家族と話すときに、言葉選びや話し方の配慮が足らず、相手を傷付けているのだと思います。
・・・
次男の暴言をスルーし続け、親切にしていると、次男は暴言を吐いた後に、上目使いに私を見て苦笑いし、
「お母さん大好きー」
と言い、抱き着いてくるようになりました。
私が子供たちに対する、接し方、発言を変えると、子供たちも言動が変わっていったのです。
・・・
少し前まで、暴言ばかりで、無表情だった次男がどんどん明るくなり、私に手紙をくれました。
ごはんつくってくれて、ありがと
と書いてありました。
↓
241 妖怪ウォッチ
241 妖怪ウオッチ
次男が3DSで妖怪ウォッチをやっていると、クリアの仕方が分からず、私に携帯で調べるようにお願いしてきます。
長男の機嫌が良い時は良いのですが、機嫌が悪いと、私に聞かなくても何でも出来てしまう長男は次男に、
「お前はバカ」
「調べないと何もできない」
「俺は調べずにできた」
「お前なんかやる価値なし」
「そんな事も自力で、できないのか」
と言い続け、ゲームを楽しんでいる次男の顔が一気に曇りました。
以前の私なら、長男に、
「あんた、本当に性格悪いよね、年齢が違うんだから仕方ないじゃん!」
「何で、そんな意地悪を言うの!」
と言ってしまいそうですが、私は、次男の表情が気になりながらも、
「長男、調べずにクリアできて凄いよね!」
と言うように、頑張っていました。
それでも、長男は次男に対し、酷い言葉を一向に止めないときがありました。
・・・
機嫌が良い時は良いのです。
機嫌が良い時は、次男にクリアの仕方を教えてあげていました。
そもそも次男が3DSを買う事を長男はとても嫌がっていました。
「マネするな!」
と言うのです。
次男が3DSを持ち始めた頃は、次男に対して、傷付く言葉を言う事が多かったです。
次男は隠れるように、ゲームをしていました。
私は、内心は「もう黙ってよ!」と言いたい気持ちが強くありましたが、その感情は、なんとか我慢しました。
悪い言動を全てスルーし、長男に、
「長男すごいよね!調べなくても、難なくクリアできるもんね」
と、声をかけるように心がけました。
そんな事を続けていると、長男が少しずつ、次男にクリアの方法を教えてくれる日が増えていったのです。
・・・
2022年8月30日
長男が夕方からよるの9時まで、体動かしたい、外で遊びたい、と外を走り回って外で遊んでいました。
「あー、俺、体力無くないかもー」
と言い、家でずっと、ジャンプをしていました。
長男の本来の姿が、少しずつ戻ってきているような気がして、嬉しかったです。
長男に頼まれ、夜中にゲーム中の妖怪の出現場所を必死に探してると、長男が、
「探してくれて、ありがとう」
「身体動かしたら腹ペコ、ご飯ありがとう」
と、にこにこ話しかけてきてくれました。
こんな会話、今まであったっけ・・・?
なんだか心が温まりました。
240 一人で待てない次男
240 一人で待てない次男
家で一人で待てない次男は、私が娘の夏季保育の送迎で5分ほど留守にする事も嫌がりました。
「何で、送っていくんだ!」
「僕は1人では待てない!」
「淋しい!」
「でも幼稚園に付いて行くのは嫌だ!」
「妹を休ませろ!」
「何で妹が優先なんだ!」
「僕の意見を聞け!」
と夏季保育のある朝、毎日泣きわめき、私を叩きました。
もーーー!!!どうすりゃいいの!
と苛立っている気持ちを抑え、私は、
「次男、今まで、ずっと我慢してきたもんね」
「ずっと優先できなくて、ごめんね」
と根気よく謝りました。
「これからも嫌な事、悲しい事はなんでも教えてね」
「絶対怒らないからね」
「次男の気持ちが知れてお母さん嬉しいよ」
「ありがとうね」
「意見を聞ける様に、できる限り頑張ります」
と、根気よく伝え続けると、少しずつ落ちつき、車で付いてきてくれました。
根気がいるし、イライラもするけれど、叱って押さえつけるより気分がいいな!と思いました。
頭ごなしに怒らないようになると、頭に血が上るほどイライラする、という感覚が消えていきました。
少しずつ、そんな声掛けに慣れていきました。
239 夏休み明けの目標(長男)
239 夏休み明けの目標(長男)
私は夏休み中、毎日、必要以上に子供たちに抱き着いたり、話しかけたりしていました。
長男がゲームで勝って喜んでいたら、大げさに抱き着いて、一緒に喜びました。
私は、子供に触る事が苦手でした。
苦手、というよりも、日々、家の事や、子供のお世話をする事で精いっぱいで、ゆっくり穏やかな気持ちで、子供に触れ合う事に、意識を向けた事がありませんでした。
子供が寄って来なかったら、ラッキー、家事ができる!そんなふうに思っていました。
子供が楽しそうに、何かをして遊んでいれば、「よしよし」と思い、私から抱きしめに行ったり、膝に入れてテレビを見るような事をしていませんでした。
子供たちが安心するような、ぬくもりを与えられていなかったのだと思います。
長男とは、手を繋いで歩いた記憶もあまりありません。
長男は、小さな頃から、自分から抱きしめて!と言う子ではありませんでした。
私は、子供を外で遊ばせる事ばかりに一生懸命でした。
長男を抱きしめ、ゆったりと過ごす機会が少ないまま、次男が生まれました。
次男が生まれた後、長男が抱っこしてほしがっても、長男の要望にはあまり答えず、次男を優先していたと思います。
そんなふうに、長男と触れ合う事が今まで少なかったのですが、触れ合う事の大切さを知り、子供たちとのスキンシップを意識して、増やしていました。
・・・
夏休み後半、長男は体を動かしたくなってきているようでした。
毎日家に来るゲーム友達に、ゲームを中断し、
「今から外行こー!」
と、誘っていました。
全く部屋から出たくなかった長男が、体を動かしたい、とよく言うようになったのです。
・・・
それ以外にも、以前は自信がなく、マイナスな発言ばかりでしたが、
オンラインゲームで良い結果をだすと、
「俺天才かも」
とか言う日もありました。
明らかに、前よりも前向きな発言が増えていました。
・・・
私は、この子は、もしかしたら夏休み明け、学校へ行くのかな?
もし行きたがったら、私は、何をしたらいいんだろう?
と考えていました。
長男が夏休み日誌に、書いた目標。
↓
238 ゲーム依存を心配する
238 ゲーム依存を心配する
私は、毎日毎日15時間以上、ゲームしかしない長男、次男がゲーム依存にならないのか、と心配していました。
そして、また、いつもの先生に相談をしました。
「親が今までしてきた子育ての結果が、今の子供の状態を生み出したのです」
「親が、今まで、子供の気持ちに寄り添わず、親の身勝手な方法で子育てをしてしまった、子供に申し訳ない、という意識が、低ければ低いほど、現状は変わりません」
「ゲーム依存になっている子供は、ろくでもない、と親が考えているから、ゲームばかりしている我が子を罰したり、制限するという事しか、頭にないのです」
「ゲーム依存は、下手な子育ての結果です」
「子育てを変えれば、子の見方が変わります」
「子供への眼差しや、子供が興味を持ち、楽しんで、夢中になっている事への内容に、温かい眼差しが向けられます」
「子供の心を傷つけ、親子関係を悪くし、穏やかな生活を台無しにしたのは、親ですよ」
「自分の、今までの間違った子供への接し方を、これから、どう変えていくのか、それを考え、実行する事が、親の成長です」
「子供がゲーム依存になったらどうしよう、というのは、極めて、的外れですよ」
「自分の子供にしてきた、間違った子育てを棚に上げて、今目の前にいる子供の、悪い面にだけ、注意を向けています」
「子は、親次第です」
「親が、子供にとって良い親に変われば、不登校なんて、すぐ終わりますよ」
「不登校の親は、子供に、居場所を作ってあげたい、と言います」
「 親が、子供の居場所を奪っている事に、気がついていないのです」
「居場所を作ってあげる、と言うのは、上から目線です」
「上から目線である事に、気がついていません」
「だから不登校になります」
「ダメな親に限って、不登校の原因を外に求めます」
「学校が悪い」
「友達が悪い」
「世間が悪い」
「不登校は、時間だけでは、解決しません」
「親が変わらなければ、解決しません」
「親は、独りよがりをやめる」
「子供の気持ちを思いやる」
「子供の喜ぶことを進んでやる」
「これを心がけると幸せになります」
なるほど・・・
237 自立の早い子
237 自立の早い子
私は長男の不登校前、子供は、甘やかさず、1人で何でもやらせると自立する、と考えていました。
手伝ってはいけない、と思っていたのです。
「お母さん手伝って」
の言葉にも、
「できるでしょー、自分でやってね」
と返さなければいけない、と思っていました。
・・・
私がやれば早いけど、やれない子になってしまう、そんな気持ちで突き放していました。
転んで痛い、と泣いてきても、共感せず、
「大丈夫、大丈夫」
「泣かない、泣かない」
とするのが、良い母だと思っていたのです。
・・・
先生から教えてもらった事・・・
子供を抱きしめることが出来るのは、小学生まで。
ちゃんと愛情に満たされると、自立が早い。
愛情に飢えた子は、仕上がりが遅くて、手間がかかる。
ひねて、いじけて、自己中で、嫌われ者になります。
本当は、その子には、愛が足りないだけで、可哀想な子なのです。
沢山抱きしめて、子供の心の声に、共感しましょう。
236 長男が次男をいじめる理由
236 長男が次男をいじめる理由
長男は、次男に、嫌い、汚い、などと言い傷つけました。
長男の次男嫌いの原因は、次男に母親の愛情を略奪された恨みのようでした。
長男に、
「小さい時、淋しかったよね、ごめんね」
と、何度か言いました。長男は、
「淋しかった」
「次男がうちにがいるから、お母さんが僕と遊ばないと思ってた」
「だから、次男を、殺してやるーと思ってた」
と話してくれました。私が、
「今からでも沢山遊ぼうね!」
と言うと、長男は、笑いながら、
「まー、いーよ」
と言いました。
・・・
私は、長男が幼稚園に入る前、毎日、お弁当を持って、朝から晩まで外に連れて行って遊んでいました。
長男は楽しく過ごしている、と疑ったことはありませんでしたが、何かがズレていたのだな、と思いました。
・・・
そんな長男には、こんな声掛けをアドバイスされました。
「お母さんは、お兄ちゃんが我慢してくれたおかげで、随分と助かったんだよー。ありがとうねー」
「でも、辛かったよね、わかってあげられなくて、ごめんねー」
「長男に、1万回謝って、出し惜しみした愛情を今からきちんと与えて下さい」
「とにかく、愛を!」
235
235 キャンプ場にて
2022年8月20日
夏休み後半。
この頃の長男を、家に1人で置いて家族が出かけると「さみしい」と嫌がりました。
家族が家にいないのは寂しい、でも、自分は外出せずに家にいたい。
下の子達と私が出かけて帰ってくると、
「僕も行きたかったのに」
「寂しかった」
と言います。
昼夜逆転なので家族の出かける時間には絶対に起きておらず、起こしても、
「行かない」
と言いました。
娘はまだ3歳で、どこかへお出かけしたい。
次男は朝から起きているけれど、ゲームをしていたい。
次男は、ほんのわずかな時間、10分でも、1人で部屋にいる事ができないので、私と娘だけで出かけられない。
長男が家族以外を嫌がるので、人を家に呼べない。
という状態でした。
結果、平日は家族全員で部屋にこもる以外、選択肢がありませんでした。
・・・
私は、今までのように、必死にちゃんと子育てをする事を止め、何とか力を抜けるように、と過ごしていました。
子供たちの寝る時間、だらだらゲームをしている事、食事の時間に食事をしない事なども、何も言わないようになりました。
抜く努力を頑張りました。
・・・
主人に全然下の子を遊ばせられない、どこかへ行こうと相談し、近場のキャンプ場に行く事になりました。
長男にキャンプに行こう!と誘うと、のりのりではありませんでしたが、
「いいよ」
と言いました。
近場のキャンプ場だったので、長男が帰りたいと言ってもすぐに帰れるように、2台で出発しました。
キャンプ場に着いても、長男と次男はバンガローにこもり、ゲームをしていました。
それでも、バンガローの目の前を流れている河川敷に行き、笑顔で話をしている長男を見て、とても嬉しかった記憶があります。
ずっとゲームは手から放しませんが、表情が明るくなったな、と感じていました。
長男よりも、次男の方が、表情がなく、元気がありませんでした。
・・・
次の日、長男は、なぜか、朝8時に起きてきました。
近くの公園までの散歩に付いてきてくれました。
とてもご機嫌で、妹と沢山遊んでいました。
・・・
朝はとても元気に見えたのに、帰り道の車の中で、とても機嫌が悪くなりました。
娘が元気に歌を歌っていると、
「うるさい」
「黙っていて」
「小さいからって何で、皆、妹が可愛いんだ」
「かわいくない」
「嫌い」
と車内が凍り付くような言い方で言いました。
娘は状況は理解していませんが、次男はまた、凍り付いていました。
私は、どう対応したら良いかのか分からず、
「うるさいの、嫌なんだね」
「疲れちゃったかな」
「ごめんねー」
と言い、それ以上は黙っていました。
長男の機嫌によって、家族が左右されました。
・・・
今の対応をしていれば、こんな事が自然と消えていき、平和になるのだろうか?
その事を先生に話すと、私が、物事の捉え方を変えるよう言われました。
「悪い面に着目しない」
「お兄ちゃんが一緒に来てくれて、良かった」
「家族でお出かけできて良かった」
「良い面だけに、着目してください」
「お兄ちゃんが、冷たい言葉で楽しい雰囲気を凍らせる、その言葉の使い方や態度や姿勢も、誰かの真似をしているだけです」
「誰かがやっているのを見て、自分もして良い、と考えるようになるんです」
「良い流れが出来て、いつも優しい思いやりに包まれた雰囲気の中で育った子は、穏やかで親切です」
「環境を変えると、子供は影響を受けやすいので、どんどん変わってきます」
「劇的に変えたかったら、劇的に変えるのです」
と先生が言い、私が、
「長男が、波が凄いです」
と伝えると、先生は、
「波がある、ということは、良い波がある、というふうに捉えます」
「悪い波は、子が親を試している時です」
・・・
次男は凄く調子良いかと思えば、こちらが、とても謙虚に接していても暴言気味な受け答えが多く、とにかく、ふてくされていました。暴言を吐かれた時は、
「お母さんは、そうゆういい方されると悲しいな」
と一言だけ言い、あとは、切り替えて楽しい話をする様に心がけていました。
注意して、正さなければ、の気持ちがなくなり、子育てがずいぶん楽になっていました。
このまま頑張ろう、と思い、子供たちに何かを頼むときは、
「お願いできますか?」
「やってくれると助かります」
と言い、やってもらえなかったらスルーする事をできる範囲で頑張っていました。先生からは、
「良い流れが出来てきているので、焦らなくて良いです」
「子育てに、手遅れなんて事はないのです」
「必ず、修正できます」
「信念を持って」
「子供たちの良い面は、生まれつきです」
「元々あるのです」
次男の暴言の時は、別の話をして気をそらしたり、ごまかしたりはせず、
「辛かったんだね」
「よく我慢してくれたね」
「凄い子だね」
と伝え、しっかり抱きしめるように。
「辛い気持ちに寄り添い、共感することで、心からのなぐさめになります」
「暴言を吐いている本人が1番辛いのだ、と考えて下さい」
と教えていただきました。
「長男には、弟に優しくした時に、たくさんありがとうを!伝えるように」
「子供たちは、『僕は、ちゃんとやっても、良い部分を、ろくに見てもらえなかった』悪い事をしたらお母さんが注目する、悪い事をする事で、お母さんに構ってもらうという癖がついています」
「そもそも、子供にずっと辛い思いをさせてきたのです」
「子供たちが愛に満ち溢れれば、ゲームにしか興味がない生活ではなくなります」
「愛が足りてくると、色々な事が輝いて見えてくるのです」
「今のやり方を続けていれば、自然と、よくなりますよ」
「常に、深い愛を与えましょう」
と教えてもらいました。
234 過保護の意味
234 過保護の意味
夏休みに入ると、長男は、
「運動したいな!縄跳びしたいな!」
など、体を動かしたがることが増えました。
家の中で、すれ違う時に、私に抱き着いてくることも増え、関係は良好でした。
オンラインの件で、信頼の貯金をなくしたような気がしていましたが、今はオンラインも繋ぎ平和になりました。
先生からは、何度も、
「息子さんは、お母さんに、甘えたいのです」
「それが、足りていませんよ」
「今までの、子育ての手抜きを、ちゃんと穴埋めするチャンスです」
「大事な事を手抜きすると、必ず、ツケが回ってきます」
「不登校になったのが、早い時期で良かったのですよ」
「しっかり構ってあげて、乳離れを緩やかにさせてあげましょう」
と言われていました。
・・・
この日は、機嫌の良い長男が、
「お母さん、チャーハンの作り方を教えて」
と言い、一緒に作りました。
・・・
不登校当初、私は根本的に【過保護】の意味をはき違えていたと思います。
【過保護にする】=好き勝手にさせる、規制をしない、自由にさせる
そう思っていました。
言い換えれば【構わないでおく】そんな感じでした。
・・・
長男が不登校になってすぐ、克服ママに相談し、【過保護】にするように言われていました。
自由にしているのに、長男の情緒が乱れると、私は心の中で、
「何でも言う事聞いてるじゃん」
「まだ、何が気に入らないの?」
という思いが、頭の片隅にありました。
【自由にさせて、心を満たそう】と思っていたつもりでしたが、【この子の心を温めよう】【心の傷を癒そう】という気持ちがなかったのかもしれません。
心を温めて、幸せになってほしい!という気持ちよりも、好き放題にさせておけば、回復するのかな?
なんとか、私も、家族も、この地獄から抜け出したい、そんな下心がありました。
その結果、些細なきっかけで長男とぶつかりそうになると、
「こんなに好きにさせてるのに、何の文句があるの?」
と言ってしまう事がありました。
それが、長男をまた、負の世界に引き戻すだろうと分かっているのです。
それでも、私はどうしても、自分の感情を優先させてしまう時がありました。
「今まで頑張ってきた全てをぶち壊してしまう!」
そう思いながら、ストレス感情に負け、長男の傷つくことを、本人の目の前で言ってしまうのです。
私のストレス発散のために、何か月もかかって積み上げてきた信頼の貯金は崩れ、その後の家庭の雰囲気が悪くなるのです。
そんな私を叱り、注意する人はいませんでした。
主人は、見ていても、指摘をしてくる事はありませんでした。
・・・
そんな中途半端な心持ちで長男に接していても、1年間の取り組みで長男に、だいぶ変化がありました。
家の中ではとても穏やかで、弟妹とも争う事はあまりなくなりました。
その後、私は、先生の指導法に出会い、教えていただいた【ありがとう】を言いまくり【貢献】に感謝を伝え続けると、長男はすれ違う時に、私に、抱き着いてくるようになりました。
先生の事細かな指導により、上手く、心から、子供たちに関わる事ができるようになっていきました。
・・・
好き放題にさせておけば良いいんでしょ!と思っていた私が、【ありがとう】と【貢献】への感謝をプラスする事で、子供の表情は一気に明るくなったのです。
233 親の在り方
233 親の在り方
・子供に、問題が起こったら、お父さんも巻き込んで、家族で話し合う雰囲気を常につくりましょう
・不登校に関しても、なんとなく不安、と、感情的なこじれを作るのは、時間の無駄です
・子供は、話を聞いてもらえる、という体験から、自分が、大切にされている、と実感できます
・不登校の今は、親にとってのチャンスの時ですよ!
・話も聞かず、頭ごなしで、問答無用の親に、子供は心を開きません
・まず、大人が、聞く姿勢を取ってください
・次に、子供が、その姿勢を真似します
・逆の順番は、無理です
・親が賢いこと
・優しいこと
・思いやりがあること
・やる気に満ちあふれていること
・人を受け入れていること
・積極的なこと
・失敗を恐れないこと
・礼儀正しいこと
・相手の立場を重んじる姿勢をもつこと
・良い見本をみせましょう
・自制心のある親なら、子供にもそれがおのずから備わっていきます
・常に、良い見本を見せる
・人間なので、失敗はつきものです
・他人の失敗をとやかく言わず、許す、受け入れる
・失敗は成功のもとを合言葉に、チャレンジを大切にする
・子供のやりたい、の気持ちを最優先に
・いつも励まして、たくさん、【ありがとう】って言ってあげて下さい
・そんなふうに、育ててもらって、不登校を続けている子供はいません
・逆ばかり、徹底的にやられた子が、不登校です
・勇気をくじかれ、自分に自信が持てないのです
・他人の評価が、自分の存在の意味を決めていると勘違いして、いじけまくるのが、不登校の子供です
・そうではないのだ、あなたは、今のあなたで良いのだ!
・あなたは、あなたらしく
・その価値を、私は疑ったことなどありませんよ、というのが親の役目です
・やらないで欲しいことばかり、たくさんやりました
・子供の事をたくさん、愛して下さい
・可愛い子どもたちと、今、この時を、思いっきり楽しんでください
・子供は、ただ、ただ、愛すれば良いのです、あとは全部、余分なことです
・人にやられて、嫌なことは、親でも、しない!
・人にされて嬉しいことは、どんどん自分からやる
・全部、自分にも、子孫にも返ってきます
・そうやって、日々を、愛に満ちた時間にするのです
・行動が、幸福を呼ぶのです
・良いことは近くで見つかる。悪いことを見付けたら、遠くを見よう。
・今日もいい日。明日もきっといい日
232 先生へオンラインゲームの相談
232 先生へ、オンラインゲームの相談
オンラインまで自由にやらせていいのか?と相談すると、先生からは、
「まだ、子どもをコントロールしているのですか?」
「なんでも、子供の好きにやらせて下さい」
「どうなろうと、本人の問題です」
「ほっといて、自分で報いを受ける」
「転ばぬ先の杖が、1番人間をダメにします」
「ありがとう活動をきちんと続けて、愛と絆の確信を得られていった先は、ちゃんと、自分で決めて頑張れる子になります」
「親がとやかく決めて、言うことを聞かせて、あー、いい子だなぁ、よかったよかった、って、そんな事やってばかりいるから、ろくな事が起きないんです」
「子供には、【ありがとう】を伝え、愛情とスキンシップを沢山与えて下さい」
と言われました。
そう言われても、私は、9歳で昼夜逆転している子に、オンラインを規制せず、約束も一切なしにするのは不安と恐怖がありました。
私にとっては、脳が震えるほどの恐怖でした。その事を伝えると、
「お母さんは、不登校児には、どんなルールが必要で、守らせたいと考えますか?」
「不登校は、どうやったら治ると考えますか?」
「ゲームをやめ、生活のリズムができると、不登校は終わると思いますか?」
「ルールをきちんと決め、厳密に守らせ、守られなければ罰を与えて、学校復帰を目指すのですか?」
と聞かれました。私は、
・不登校が終わるのは、心が、今の自分のままで良いのだと、本人が、自分自身に自信を持てた時だと思っている事
・生活リズムも、無理矢理起こしても無駄な事
・そんな思いから、この1年ずっと、長男を自由にさせてきた事
・先生に言われるまでは、ありがとう作戦はしていなかった事
・ただただ好きにさせて、頼まれた事を快諾していた事
・長男の不登校の原因は、次男が生まれてから母親に見捨てられるのではないか、母親は僕を嫌いなのではないか、という不安から。不登校解決は、その不安を取り除く事だろう。
と答えました。
先生が、
「僕もそう思います、不登校の原因はそのことだけ、と決めましょう」
「愛されていないのではないか、という不安を取り除き、安心したら、どんなにオンラインが楽しくても自制します」
「安心感を得て、自分自身に自信がつけば、他にもやりたい事がたくさん出てきます」
「不登校の原因を、親子関係の問題と捉えて、しっかりフォローして下さい」
「親子関係は改善しますし、行動性もかなり変化してきます」
「小さい子でも、きちんと信頼してあげれば、それに答えようとします」
「子どもは、信頼された時に、成長します」
「子供が、親にとって、耳の痛いことを言っているときは、親自身が、自分を振り返るチャンスです」
「子供は、お母さんに、しっかり愛してもらって、抱きしめてもらって、信頼してもらって」
「人として、すっごく大切な、安心感、安らぎを体験すると、本来の良さが、どんどん引き出されてきます」
「ゲームしか楽しみがない子になったら、どうしよう。と、心配する必要はありません」
「学校に行くのか、行かないのか、自分で決められます」
「自分で決めて、いろんな不安も、自分で乗り越える自信が出てきます」
「出てこないかもしれません。でも、少しずつ、少しずつ、受け入れられるようになるのです」
「自分を、受け入れてもらえた体験が、何より大事なのです」
「その体験を経て、他者も受け入れられるような器ができてきます」
「親が、自分を受け入れてくれないと思っている子は、他の仲間を受け入れられません」
・・・
それでも、なお、私が、今の長男の生活に、オンラインゲームは不安と恐怖がある事を伝えると、先生は、
「不登校も、ゲームに埋没してしまうのも、それ自体が悪いことではありません」
「お母さんは、子供を自分の思い通りしたいだけですよ」
「思い通りにコントロールできないことに不安を覚えています」
「子供に対して『私の言うとおりにしなさい!でないと、不安だ!』と思っています」
「子供は、親の言う通りになんてなりません」
「子供は、親を10,000回試します」
「痛いところばかりを攻撃してきて、親は何度も、試されます」
「親がその都度、その攻撃に対し、切れて、信頼の貯金を使い果たすのではありませんか?」
「子供の悪い面に着目するのはやめて、子供の良い面、家族への貢献に着目してください」
「やりたい放題やっていても、それが、とても熱中していたり、兄弟仲良く取り組んでいたり、こころから楽しんでいるとか、それなら、良いのです」
「それを続けていくと、子供は、自己受容感をたくさん、味わっていきます」
「理解され、受け入れられる、という体験を、たくさんできます」
「感謝されて、自分の存在の価値に気が付きます」
「割とイケてる自分を、好きになれるでしょう」
「それが、人間の本質的な強さになります」
「今まで、他の人に何か言われる度に、絶望していた生き方が、変わってくるのです」
「自分が、好きになれる」
「誰かに、本当に好きになってもらえて、はじめて、自分の良さに気がつけるんですよ」
「子供たちをとにかく抱きしめて下さい」
「心から、安心できるように、スキンシップを取ってください」
そうアドバイスをもらいました。
自分の不安を取り除くために子供をコントロールしている、と気が付き、私は長男とオンラインゲームを繋ぐ約束をしました。
231 オンラインゲームについて
231 オンラインゲームについて
2022年8月18日
いつもは我が家に友人が来てゲームをしていますが、この日は、珍しく、長男がいつも遊んでいる友人の家に行きました。
そこで、オンラインゲームの話になったようです。
迎えに行くと突然長男が、
「お母さん、僕、オンラインやりたい」
と言い始めました。
長男は、やりたい事を我慢する事が苦手です。
長男は【大乱闘スマッシュブラザーズ】が大好きで、それをオンラインでやりたい!と言い出しました。
私はゲームの知識が全くなく、オンラインは怖い!というイメージがありました。
その時期、長男は少しずつ誰もいない校舎に入れるようになったり、学習に取り組んだり、私の目には回復しているように見えていました。
もともとハマると、長男は、何時間もぶっ遠しでゲームをしていました。
私は、
「対戦相手が永遠にいるなんて、信じられない、怖すぎる!」
と恐怖心しかありませんでした。
長男は、サッカーそろばんの習い事へ行っても、なぜか、最後の一人になるまで帰る事の出来ない子でした。
オンラインなんて始めたら、永遠に対戦相手がいて、折角回復してきた長男が、またゲーム三昧の日に舞い戻ってしまう。
私はそんな不安を抱えていました。
そして、オンラインをやりたいと言う長男に、
「は?何言ってるの?まだ4年生には早い!」
と、話も聞かずに、即答しました。
説得する力がないので、嫌そうな雰囲気で、怒って相手を諦めさせるのです。
すると長男は、話も聞かずに、NOと言う私に対して、
「お母さんは、僕の気持ちがわからない!」
「お母さんはいつもそうだ!」
「お母さんに言うだけ無駄なんだ!」
と言って泣いて怒っています。私が、
「友達、オンライン繋いでるの?」
と聞くと、
「繋いでない!でも、よその家は関係ない!」
「僕がやりたいの!」
と言います。
「他の子は我慢できるんでしょ、親がダメって言ったら我慢できるのに、なんであんたは我慢できないの?」
「何でもかんでも思い通りじゃん!」
「今だって、どれだけ自由な生活してるの?」
そんな事を、私は長男に言ったような気がします。そして長男が、
「お母さんは僕を信用していない!」と言い、私は、
「今の生活でどうやったら信用できるの!できる訳ないでしょう!」
と言い、一気に長男との関係が険悪になりました。
そして私は、ほらね、何か一つでも注意したら、すぐに関係がおかしくなる。
この子は思い通りにさせておけばいい子だけど、思い通りにならなければ、すぐ怒る!
と、長男を【我慢しない子】【わがままな子】と決めつけていました。
・・・
主人に相談すると、
「今の生活にオンラインなんて、エスカレートするからやめた方がいい」
と反対していました。
姉たちに相談しても、
「今は怖いよねー、オンラインはハマるっていうよね」
「まだ小さいし・・・」
「折角、学校にも少し行けるしね・・・」
とやはり反対でした。
どんなに考えても、どうする事が良いのか分かりませんでした。
長男は、その後も、ずっと、
「オンラインを繋いで」
と、言ってきて、その度に私と険悪になりました。
私は困り果て、自分では解決できず、また姉から紹介してもらった先生に相談したのです。
230 子供たちの変化の仕方
230 子供たちの変化の仕方
2022年夏休み
姉から紹介された先生からの指導された後、私は子供に対する受け答えの仕方を180度変えました。
例えば・・・
次男は1時間半かかる、祖母の家に行く道中、今までは、
「まだ?長い!気持ち悪い!早く!」
そんな文句を、ふてくされながら、5分おきに言っていました。そんな次男に私は、
「仕方ないじゃん、遠いんだから!文句言うなら付いて来ないでよ!」
と言っていましたが、その日は、
「遠いよね、そりゃ疲れるわ!長い時間、車で一緒に来てくれてありがとう」
と言うと、次男が一瞬キョトンとした後、
「運転・・・お疲れ様・・・」
と言いました。
その日は一度も暴言を吐かれませんでした。
・・・
次男の反応を見ていると、こちらの言った言葉、話し方で相手の返事が変わるのは、明らかでした。
先生から指導を受け、対応を変えてから、まだ1週間しか経っていません。
あまりにも効果が出ており、私は驚いていました。先生に話すと、
「子供の素質が良いと、効果も早く、劇的に変化します」
と言われました。
・・・
しかし、良い事ばかりは続きません。
次男が劇的に変化し、喜んでいましたが、そんな日々も長くは続かず、また暴言を吐き始めました。
私は、子供たちの暴言や、生意気な態度は指導に従い、スルーしていました。
前ほどは暴言も無気力な雰囲気も酷くありませんでした。
自分で決めたゲームのルールも、
「今日は破って、明日は守るからね」
と次男自身で決めていました。
・・・
長男は以前よりは穏やかになりました。
相変わらず不機嫌スイッチが入ると、次男を必要以上に馬鹿にしています。
・ゲームのキャラが見つけれない
・野菜ジュースを残した
・肉しか食べない
次男の行動に全てケチをつけ、何をしても文句を言われるため、次男の動きが止まる事もありました。
長男に対しても注意はしませんでしたが、何も言い返さない次男の情緒が心配でした。
そんな次男は、傷つけられても、長男に言い返しませんでした。
年齢が上がるにつれ、何かの拍子に次男が長男に切れると、大人が止めるのも大変な程、長男を殴り、2人で取っ組み合いの喧嘩になるようになりました。
夏休み中、次男は、私と娘と次男で寝室に行き、寝る前に1時間、大笑いしてみっちり遊ぶことを楽しみにするようになりました。
それ以外はゲームと動画しかしませんでした。
長男はその輪には入らず、私と良い関りができていませんでした。
長男が来ると、次男はのびのび遊ばなくなります。
表情が一気に暗くなり、動きも止まりました。
私は、常に、どちらの子を優先すべきか、よく分からず、常にどちらともの子が気になり、胃が痛くなる、そんな日々でした。
・・・
私は長男に、
【ありがとう】
【助かった】
【さすが】
等の言葉をかけ【家族に貢献してくれてありがとう!】を伝えたいのですが、
ゲームばかりの長男に、良い言葉がけをする機会がなかなかありませんでした。
そんな我が家の状態を先生に伝えました。すると、
「一年間、今の状態で大丈夫です」
「新しい取り組みが家族の当たり前の常識になるまで、多分、すごく時間が掛かります」
「家族の当たり前の常識になった時に、知らない間に、いろんな事が勝手に解決していく感覚です」
「お母さんのこれまでのやり方に、何年も大いに馴染んだ結果が、現在の症状を生みました」
「同じ時間以上かけて、もっと良い状況を生みます」
「これまでに、すっかり馴染んで愛着すらある現環境を、直ぐに変更できると考えたら、そんな甘い事があるわけないです」
「新しいやり方の方が、以前より遥かに良い、との認識が得られれば、お母さんは、悪いやり方にこだわる意味が無くなります」
「きっと、そのうち必ず、良い事が起こります」
「お話を聞いていると、良い事が起こり始めています」
「壮絶な覚悟は不要です」
「壮絶な決意も不要です」
「良い環境があれば、結果は自ずと現れてきます」
「結果を生み出そうと力んでも、うまくいかないのです」
「良い取り組みが、良い結果に自然とつながっていく、という事ですよ」
「良い子に育って、幸せになってほしいです」
「まずは、お母さんが心を軽くし、人生を楽しんで下さい」
「心が軽くなければ、人に優しくできませんよ」
「焦らず、ありがとう作戦をワンパターンに続けてください」
「子供たちは、必ず、活発な姿に戻ります」
「子供たちを信じて下さい」
と、先生は私に、私が未来へ期待できるような【希望の光】を伝えてくれました。
先生の伝えてくれる【希望の光】が、辛い状況の中で、私が頑張る支えになりました。
229 弱いものいじめ
229 弱いものいじめ
2022年夏休み
私の目には、主人はいつも、長男にばかり話しかけている感じがしていました。
「ゲームしよう」
「テレビ見よう」
そんな会話をする時も、主人はいつも長男を主語にして話します。
私が一度、
「なんで、次男の名前を呼ばないの?」
「次男は、父親が、自分の名前を呼ばない事、気が付いているよ」
と言うと、主人が、
「だって、返事しないじゃん」
と言いました。
長男の情緒が不安定な時、長男は、次男がご飯を食べていても、漫画を読んでいても、何をしていても、頭ごなしに馬鹿にし、傷付けました。
次男が傷付いている姿を、何度も何度も見ているのに、なぜ、いつも主人は長男ばかりに気を配るのか、私には理解ができませんでした。
・・・
次男はいつも、長男の顔色をうかがいながら、小さくなって生活しているように見えました。
・・・
姉の紹介してくれた先生からは、
「今から1年間、お母さんは、子供を注意する事、ダメ出しする事を一切やめて下さい」
「子供たちのやりたいように、子供たちを勝手にさせておいて下さい」
「それでわがままになったり、困る日が来たら、そこから、いくらでも軌道修正ができます」
「今息子さんたちは、気持ちが【かつかつ】です」
「注意は一切しないで下さい」
「何一つ注意しないように!」
と言われていました。
・・・
次男の良くない行動や、暴言をスルーする事はできていました。
しかし、長男が次男をいじめると、私はどうしても長男に対し、負の感情が生まれました、
頭で分かっていても、感情が付いて行きません。
先生に、
「4月の、次男の入学式の日の前日、長男から『学校へ行きたい』と言われた日以来、任務完了のように、寄り添い下手になりました」
と言うと、先生は、
「それは、下心があって優しくしていたからですよ」
「魂で子供に幸せになって欲しいのなら、そうはならない」
「子供が幸せならそれでいい、という思いだけで動けば良いのです」
「優しい気持ちになる【本】を沢山読んであげて下さい」
「【優しい本】から、子供は優しさを学びます」
「お母さんは、子育てには、何が大切なのか、ほぼ核心をついています」
「それは、間違っていませんよ」
「自分の怒りの感情をどうするか、それが問題です」
「感情に負けてしまうのです」
「親として、下の子をいじめられたら、ムカつくのは当たり前です」
「上の子は、今までのお母さんの子育てから【弱いものいじめ】をして良いと学んでいます」
「親が、子供に酷いことをしてきたから、子供は相手が自分よりも弱ければ、理不尽な事をして良いと学ぶ」
「だからお兄ちゃんは、弟をいじめるのですよ」
そう言われ、妙に納得し、何も言い返せませんでした。
228 不登校前の私の子育て
228 不登校前の私の子育て
私は、子供が思い通りにならないと、子供が傷つく、感情的な叱り方をし【子供がもうこれ以上傷つきたくないから、もうやらない!】と思うような叱り方をしていました。
もー!こっちの気持ちを分かってよ!
そんな感情です。
正しい叱り方を知りませんでした。
叱り方を知らない私は、子供を傷つけ、責めるのです。
あなたなんて、全然かわいくない!
そんな雰囲気を醸し出しながら、傷付け、脅していたのだと思います。
怒り出すと【教える】【叱る】【躾ける】というよりも、頭に血が上り【おこる】【いかる】そんな感情で長男に接していたと思います。
・・・
子どもを産んでから、親の仕事は悪い面を訂正する事だと信じ切って子育てをしていました。
子育てはそういうものだと、信じて疑いませんでした。
周りに、注意をしない、子供に甘いお母さん、と思われる事も嫌でした。
周りから、自分が「ちゃんとしたお母さん」と評価されるために厳しくしていたかもしれません。
・・・
長男の不登校、次男の立ち歩きなどの集団不適合を知る前までは、私は厳しい親だったと思います。
子供を甘やかしてはいけない。
子供を大切にし過ぎてはいけない。
そんな精神で、子供の気持ちをそっちのけでした。
先生に対しても、
「びしばしやってください」
と、言える親でなければならない。
過保護にしてはいけない。
子供の意見を聞き過ぎてはいけない。
我慢させなければいけない。
ちゃんと子供を我慢させれる親。
子供に厳しくできる親。
自分の子供よりも他者を優先する事のできる親。
そんなふうに
【こうゆう親であるべき】
という形があり、そこにのみ、焦点を当てていました。
子供が今何を望んでいるのか、そんな事を考えた事がなかったような気がします。
我慢をさせれば、我慢のできる子になる。
叱れば叱られ慣れて、叱られる事に耐えられる子になる。
いつも人に譲る癖をつければ、人を優先できる子になる。
いつも、迷わず我が子を我慢させ、人前で自分の子を褒める事もしませんでした。
「どうしたいの?」
そんな言葉をかけた記憶がありません。
人生は大変なので、大変な事に慣れさせよう。
無意識のうちに、そんな気持ちで子育てをしていたのではないかと思います。
そんなふうに、心に寄り添う子育てはできていませんでしたが、
キャンプへ連れて行く
何時まででも、外遊びにとことん付き合う
旅行へ沢山連れて行く
沢山経験してほしいと、とにかく外出し、そこら中に子供と出かける事には全力でした。
そんな事ばかりに力を入れていました。
227 少しずつ、私の心が動いていく
227 少しずつ、私の心が動いていく
我が家が幸せになるキーは長男が幸せになる事。
そうしたら全てがうまく回り出すような気がする・・・
そんな事を思う中姉から紹介してもらった先生から、またアドバイスをいただきました。
・・・
子供は、たくさん褒めてあげたら、どんどん自信がつきます。
失敗は成功のもと、という図太さが身に付いたら、学校も恐れずに行くようになります。
お兄ちゃんのステキのところ、たくさんあるでしょ。
それを、徹夜で話してあげて下さい。
あの時、こんなことしてくれたよね。
わたしの子として生まれてきてくれて、ありがとう。
魂の言葉をお願いします。
言葉に出して、たくさん、言い続けて!
「頑張ったねーっ」て、言い方は、上から目線です。
あの時の、あなたのこれこれが、とてもステキだと思ったよ。
お母さん、あなたのこういうところが本当に好き。
️子供の負の側面を引き出す必要なんてありません。
子どもの良い面を見てあげるだけで、十分です。
寄り添う視線を向けられているだけで、子供はどんどん、心を開いてきます。
こんな簡単な事だったのか・・・ってくらいですよ。
心から安心できるまで、たくさん言ってあげてください。
見違えるほどよくなります。
本当にやるべき事なんて、そんなにたくさんあるわけないです。
お母さんの子で良かった、と言ってもらえますよ。
目を離せ!
心を離すな!
やるべき事をやらずに、やるべきでない事を重ねた愚かさに、何故気が付かなかったのか。
どんなに学校に文句を言っても、不幸を誰かのせいにしても、何も戻りません。
親が、親子関係に歪みがあったことに気が付くことでしか、事態は変わらないのです。
親が、不登校は自分の問題だ、との認識に立った時、もう、障壁は無くなったと考えて良いんです。
不登校がなくなった時に、どの親御さんも言うのです。
「こんなに良い子だったのに、私はなぜ、それを知らなかったんだろう」って。
苦しんで、苦しんで、復讐され、嘆き悲しんで、絶望の淵に自分自身が立たされて、初めて、子供の苦しみを自分の苦しみとして実感できると、そこから、謙虚さが生まれるのかもしれません。
子供なんて、躾がどうとか、関係ないのです。
ただ、ただ、愛してあげるだけでいいの。
それが、家庭の役割なの。
それは、お母さんにしかできないことです。
他の人にできることは、他の人に任せれば良いのです。
人を信じる心、人を幸せにしたいと思う心は、愛され、大切にされた人にしかできませんから。
一番良いのは、人としてあるべき姿を、親が見せてあげることなのです。
無条件に信じる。
そんな姿を見せるだけで良いのです。
子供に本物の愛情を与えて下さい。
親の役目が何かを明確に意識する事ができると、子育ての仕方が変わります。
親の役目とは、何か。
子供を自立した大人にすることです。
物事の良し悪しを、自分で考えて行動できる。
自分以外の誰かのために、力を尽くす事に意義を感じることができる。
深い愛情をもって、他者と良い関係を構築できる。
そういう子になっていれば、良い親です。
なっていなれば、どんな言い訳をしたとしても、毒親です。
親子関係の絆も大事です。
友好的なら、この上ないです。
その上で、お父さんも、お母さんも働き者なら、もう、完璧です。
・・・
そんな魂のこもったアドバイスを先生は私に下さいました。
今まで、どの相談所でも、相談所以外で相談した誰からも言われた事のない言葉です。
先生から教えられる一文一文を、読み返し、読み返し、不登校問題をどうこうしようと、子供の心を動かそうとする前に、私の心が動いていったのです。
226 子供たちの変化
226 子供たちの変化
2022年8月中旬
私は、次男が娘をいじめても、いじめた事を指摘せず、良い部分だけを褒めました。
長男が次男に何かを言っても、その事には反応せず、すかさず良い部分を褒めていました。
3人の子供全員に、
「ありがとう」
「嬉しい」
「助かります」
「お願いします」
と、丁寧な言葉をかけ続ける事を頑張っていました。
慣れない作業なため、あー、疲れるな・・・
とは思うのですが、反発がなく、ぶつかる事が格段に減りました。
頭に血が上り、自分を見失うような苦しさが激減したのです。
正さなければ、直させなければ、というプレッシャーがなく、子育てが少し楽になりました。
・・・
そんなふうに、子供が落ち着いてきたある日、子供たちと私で中華料理屋へ行きました。
お店に着く前まで、長男と次男は、とても仲が良く、平和に店内へ入りました。
次男は偏食が酷く、野菜を一切食べません。
次男が頼んだチャーハンに、野菜が入っていました。
野菜を入れないよう頼んだのですが、少量の野菜が入っており、次男は、
「無理、食べれない」
と一気にテンションが低くなりました。
私ができる限り野菜をよけたのですが、次男は手を付けませんでした。
それを見ていた長男が怒り出し、次男に対し、
「わがままだ!」
「人間のくずだ!」
「お前は自分勝手すぎる!」
「食うな!」
と必要以上に激しく次男を責めました。
次男はお店に来ることを、とても楽しみにしていました。
こんな時、次男は一言も長男に言い返さず、目に涙を溜めて黙っています。私が、
「楽しみにして来たもんね」
「次男は気にしなくていいんだよ」
「お母さんがお店の人に言い忘れただけだよ」
「新しいの頼むね」
と言い、新しいチャーハンを注文しました。
それでも次男は、何も言わず固まって一点を見つめていました。
・・・
長男が食べ終わる頃に、次男の食事が運ばれてきました。
次男は長男に怯え、食事に手を付ける事ができませんでした。
私は長男に、
「先に車に戻っていて」
とお願いし、次男が食事を始めました。
・・・
そんなふうに次男が固まってしまうほどの酷い言葉を投げかける事もあるのですが、
子供たちに対し【ありがとう】 を沢山言い【良くない行動はスルーして指摘しない】で対応するようになってから、2人は以前に比べ仲が良い時間が増えていきました。
・・・
他にも、目に見える変化が見られました。
「次男にお風呂に入ろうよ」
と言うと、次男が、
「はーい」
と、快く返事をし、お風呂場へ来ました。
今までの次男では考えられない行動です。
以前は地団太を踏み、扉を乱暴に開け、怒りの感情を私にぶつけてくる。
そもそも、お風呂に呼んでいても、お風呂場に来ませんでした。
この日、次男は、お風呂から上がった妹の体を拭き、服を着させ、頭を撫でていました。
ありえない・・・
信じられない・・・
そこに長男が来ました。長男が次男に向かって、
「早く来い!早く遊ぶぞ!」
「ボタンは俺がやってやる!」
そう言って2人で協力し、娘の服を着せてくれました。
偶然なのだろうか?
たまたまなのかな?
・・・
その日も私は、ひたすら感謝の言葉を子供たちに言い、子供たちの要望を快く聞き続けていました。
偶然ではないような気がする。
次男が、びっくりするほど、表情が良くなっていました。
死んだような顔をしていた次男が、寝る前に音楽に合わせて何度も何度も歌を歌っているのです。
ゲームの注意もしませんでしたが、寝る時間になると、私が何も言わなくても寝室に来て、
「もう寝る」
と言います。
やっぱり、叱られない事で子供たちは委縮せず、褒められることで自ら進んでお手伝いをするようになっているのではないか?
そう思い、
「この接し方をし続ければ、子供たちは良い方向へ向くはず!」
そう思うようになりました。
・・・
長男は自ら、
「僕、今から勉強をする」
と言い出しました。
こんなに効果があるの?
え?
偶然かなぁ?
やっぱり優しく接するのがいいんだな。
そんな事を思っていました。
225 子供をコントロールしないという覚悟
225 子供をコントロールしないという覚悟
2022年8月
長男の不登校克服のため、我が家は不登校当初から、克服ママの【過保護にする】【好きにさせる】を守り、長男の行動には口出しせずに子育てをしていました。
昼夜逆転していても、ゲームしかしなくても、食事をしなくても、お風呂に入らなくても、何一つ注意はしませんでした。
しかし、次男に対しては、
「この子は不登校ではないのに、やりたい放題にしていいのか?」
「7歳の子が好き放題で良いのか?」
と、迷いがありました。
・・・
親は次男を思い、好き放題にしてはいけない、と寝る時間やゲームの時間なども厳しすぎない程度に声掛けをしていました。
親の思いに対し、次男の捉え方は違いました。次男は、
「お母さんは、長男だけが好きだから、長男の言う事だけ聞くんだ!」
「何で長男だけ!」
「何で僕はダメなんだ!」
そんなことを何度も言われました。
・・・
長男は心の回復のため、ストレスが掛からないように長男のペースで生活させている。
でも次男の心は壊れていない。
同じように好き放題にさせる事に抵抗がありました。
・・・
元々、主人の父親も、主人も、とてもゲーム、IT系の事が好きです。
その遺伝子を持って生まれた我が子達もゲームを与えると、のめり込む様に夢中になりました。
主人は昔、
「俺の脳みそだとしたら、ゲームを与えたらそれしかしなくなるだろうから、まだ与えなくていい」
と言っていた事があります。
・・・
長男は不登校という形でしっかりと問題が表面化していたものの、私はまだ、次男の心の問題に気が付いていませんでした。
次男は長男の真似をして反抗しているだけ。
元々の発達障害もあり、今の状態なのだ、と、次男の心の不調など疑っていませんでした。
次男は元々コミュニケーション能力が低く、人と上手く関われず、集団が苦手で、人に心を開かず、1人で過ごす事を好み、新しい場所、人が苦手な困難を多く抱えた子、【そうゆう子】と私は疑うことなく、思っていました。
・・・
姉に紹介してもらった先生に相談した後、私は次男のゲームに対しても何も言わなくなりました。
先生は、
「好きなようにやらせて下さい」
と言いました。私は、
「7歳でもですか?」
と聞いても、その解答は変わりませんでした。
私の中で「この先生は、他の先生と何かが違う」と思っていたこともあり、この先生が言うなら大丈夫だろう!と次男に対して何も言わなくなりました。
すると、次男は本当に一日中ゲームをする様になりました。
それでも、私は何も言いませんでした。
注意をしないので、親子間でもめる事はなくなりました。
もめないのは楽なのです。
でも私は、この子はこのままゲームしかしない子にならないの?
ゲーム障害にならないの?
子供らしさを、どこへおいてきてしまったの?
と、とても不安な気持ちでいた事を覚えています。
そんな不安な気持ちを抱きながらも、私はその先生の指導に従う決心をし、信じる決心をし、次男の事もコントロールしないと覚悟を決めたのです。
224 不登校になる過程
224 不登校になる過程
教育動画(添付資料)の中で不登校になる子の過程が説明されていました。
以下資料引用
・・・
子供が、好ましくない行動をとるときの目的、大人からみて、子供の行動が、「好ましくない」と見えるときは多々あります。
子供の「良くない」行動を見つけたとき、その子供の行動の「目的」を知ると、その「対策」も立てやすくなります。
子供が「好ましくない」行動を取るときでさえ、子供の中には、何かしらの「目的」があります。
つ まり、何かの「目的」があって、好ましくない「行動」を取るのです。
子供の「好ましくない行動」の「目的」は、次の4つのパターンに集約できます。
①から順に進み、 どんどんとエスカレートして④まで進みます。
【第1目的】親の注目を引く
【第2目的】力を誇示する(親に主導権争いを挑む)
【第3目的】復讐する
【第4目的】無気力・無能さを示す
問題行動に対する対処方法 【親の注目を引く】ために問題行動をしている場合 子供の好ましくない行動に、関心を示さないようにしましょう。
子供の好ましい言動に、関心を向け ます。
「いつも注目の的でないと不安だ。」というのは間違った考え方なので、子供がそのように思い込 むことのないようにしましょう。
・・・
【力を誇示する(親に主導権争いを挑む)】ために問題行動をしている場合 子供が闘いを挑んでいたとき、親は、その闘いから、降りてしまいましょう。
力で押さえつけて親が 勝っても、「やっぱり力があるのがいいのだ。」と子供は思うだけです。
子供は、自分の能力を認めて欲 しいのですから、その能力を認めてしまえば、問題は解決します。
家庭の中のすべてのことを決めて、 指図するのをやめて、子供にもルールの決定に参加してもらい、家庭の中の仕事を手伝ってもらうよう にしましょう。
手助けをお願いするのです。
「貢献するのは、喜ばれることだし、気分の良いものだ」と いうことを体験してもらうのです。
そのことで、子供は自己評価を高めますので、好ましくない言動は 不必要になります。
・・・
【復讐する】ために問題行動をしている場合 第一に、親が「傷つけられた」と思わないことです。
思っても言わないことです。
そのような素振り を子供に示すと、子供が「目的を達成した」と気付くからです。
次に、子供は「自分が愛されていない」 と思い込んでいますから、たくさんの機会を捉えて「そうではない」ことを伝えなければなりません。
子供が「自分は愛されている」ことを確信できないと、この段階は解決できません。
・・・
【無気力・無能さを示す】ために問題行動をしている場合 まず、周りの者が、批判的な言動を、一切、やめることです。
同時に、どんな些細なことであっても、 子供が貢献したり、建設的に行動したりしたことに関心を示し、それを認めて、勇気付ける必要があり ます。
短所や欠点も指摘せず、逆に、長所や、できていることにだけ、関心を向けます。
この段階の子供は、とても「くじけやすい」ので、少しでも批判を受けると、この段階に留まってし まいます。めちゃくちゃにたくさんの勇気付けが必要なのです。
・・・
私はこの資料を読み、今までの長男との関係で、思い当たる節がありました。
どこかの段階で、親が自分たちの間違った子育て、子供のsosに気が付き教育方針、子供への接し方を変えていれば、最終段階の【不登校・引きこもり】までいかないのだと思います。
我が家は、最終段階の不登校になるまで、親が変わろうとしなかったため、長男は不登校になったのだろう。
子供が自信がないのも、不安が強いのも、今まで親に、全ての行動において、「あーしろこーしろ」と指示をされてきているから。
言われた事に従って行動してきたため、自分の行動に自信がなく、不安が強くなる傾向があるそうです。
子供は親からの指示に従い続けることに疲れ切り、最終手段として、
「僕は無能です」
と訴える。
それが【不登校】と説明していました。
・・・
その先生は、親にできる事は、
「過去にやってしまった事を子供に平謝りする」
「親の気持ちを子供に理解させようとしない」
「いい行動を見落とさない様に、見張っていて、すかさずほめる」
「【ありがとう】を伝えて」
「【感謝】をつたえて」
「それ素敵、そうゆうの好き、あなたが好き」
「表面的にではなく、魂の言葉をご自身のお子様に浴びせて下さい」
「本来、自分の子供が、どれだけいい子か、お母さんは気が付いているはずです」
とおっしゃいました。
・・・
その先生の話を聞いていると、私はいかに大切な部分を欠落させた子育てをいていたのだろう・・・と思うようになりました。
手を掛ける、心配する、正しい事を教える、間違えを注意する、そうでなければ、私は親をさぼっている、そう思いながら子育てをしてきました。
もっとサボって子育てをしたほうが良かったのかもしれない。
頑張ればできる事を、やらない自分を許せなかったのはなぜだろう?
さぼってしまったら、私がこの家族の中にいる意味はないと思っていました。
私は、やめ方、休み方、手の抜き方、諦め方がよく分かりません。
どこまでやったら、やめていいのか。
どこまでやったら、休んでいいのか。
どの部分の手を抜いていいのか。
子供の、どの行動は見逃していいのか。
何を教え、何を教えなくていいのか。
その加減が分からず、永遠に頑張ってしまう傾向がありました。
ちょっと頑張ればできる、そんな事に対し【やらない】という選択肢を持てませんでした。
常に、我慢をして頑張るべき、そう信じて疑った事はありません。
3人の子供に対しても【無理】【できない】と上手く伝える事ができませんでした。
きっと無意識のうちに、子供にも同じ事を求めていたのではないかと思います。
張りつめて、疲れて生きている私をみて、子供も張りつめて生きていたのではないか?
「少し頑張ればできる!」
そんな事を繰り返し、物理的には出来るけれど、心がキャパオーバーになると、快く子供の要望に応える事ができませんでした。
その積み重なりで、子供に何かを言われた瞬間に、イラっとし、
「もう!お母さんばっかり呼ばないでよ!」
そんなふうに思うようになっていきました。
そして、その感情をそのまま子供にぶつけていました。
手は抜かない、家事もサボらない、そんな事ばかりにこだわり、不機嫌に子供たちのお世話をしていたと思います。
子供にとって一番必要であろう、心を満たす関わりをしていませんでした。
223 先生により、意見が違う
223 先生により、意見が違う
私は、長男の不登校を機に色々な専門家の先生と話をする機会を持ちました。
同じ不登校児に対してでも、先生方によって考え方は様々、誰一人同じ方向性を示す先生はいないような気がしていました。
・・・
例えば・・・
発達凸凹塾の先生は、長男の事を、
「人が80パーセントでこなす事を、長男さんは150パーセント位の力を出さないと適応できない」
「毎日学校へ行くのは、とてもしんどいはず」
「本人が『学校へ行く』と言っても、頑張りすぎている可能性があるので、週1日位にさせてほしい」
「塾に来ている子達の多くは、『学校へは、もう行かない』と決めている子が多い」
「義務教育中に学校へ行かなくても、何も問題はありません」
「得意を見つけ、合う環境をゆっくり探していきましょう」
と、学校にこだわらない、という考えでした。
・・・
公立小学校の先生は、受け持っていただく担任の先生にもよりますが、長男の場合、
「少しずつ、できる事をやっていきましょう」
「無理はさせないように」
「でも、生活リズムは整うと良いですね」
「給食だけでも、1時間だけでも、来られると良いですね」
「本人の意思を尊重しましょう」
「好きな授業だけでも受けますか?」
「オンラインはどうですか?」
「無理はしないように、無理はしないように」
と気遣ってくれていましたが、何に対して無理をしているのかは理解していないように感じました。
「学校へ行くのが苦しいから学校へ来ない」
なぜ苦しいか?という点までは考えていないようでした。
・・・
姉に紹介してもらった先生で印象的だった事は、発言に迷いがない事です。
「まー、そうだね・・・」
とか
「多分・・・」
とか
「きっと・・・」
とか
「分からないけど・・・」
と、曖昧で自信のなさそうな言葉は一切使わず、迷わず言い切ってくれます。
「どんな子も、必ず心が強くなれば学校いけます」
「必ず楽しんで学校いくようになります」
「お母さん、お子さんを信じて下さい」
と、迷わずに言ってくれました。
・・・
発達凸凹塾の先生の、
「特性に合わせて環境を整えていく」
という意見。
姉から紹介してもらった先生の、
「発達障害だから、何かができないのは仕方ない、と諦めるのは早計です」
「心の根っこの部分を強くしたら、必ず楽しんで学校へ行きますから」
「今子供は自信を失っているだけです」
という意見。
発達凸凹塾の先生の意見と、姉に紹介してもらった先生の意見のどちらが正しいのか、どちらが長男の場合はあてはまるのか、私には分かりませんでした。
・・・
以前相談した、不登校児を克服させたママは、姉の紹介してくれた先生の意見と近いものがありました。
克服ママも、
「好きにさせる、愛を与える、満たされる、そして心が強くなり動き出すよ」
「好きなようにさせたらいい、どん底まで落ちた子の方が回復できるから」
「とても時間がかかるけど、少しずつ、少しずつ子供が変わりだすからね」
と言っていました。
・・・
特性上学校が辛い子なのだ、学校は諦めよう、と接するよりも、過保護にし、愛を与え、満たされていない根っこの部分を満たすことで、その子自身を強くする事が正解なのかな?
と、なんとなく思っていました。
222 叱らない子育て
222 叱らない子育て
先生の作成したアドラー流教育動画を見ていました。
・子供は親が自分の悪い行動に反応(注意など)すると、その行動で親が反応する、と学ぶ。
・注目されたい欲求がある子は、暴言を吐いて親に叱られると、暴言を吐けば親が注目してくれる、と学ぶ。
・褒められる、叱られる、は関係なく、子供は親に注目されたい願望がある。
完璧に次男だな・・・。
構っても構っても我が子達は構われ足りないようでした。
暴言が酷く気持ちを逆なでされるため、次男と穏やかに関わるのは難しいな・・・
そんな中、相談へ行った日の先生からのアドバイスと、アドラー流教育動画から、子供たちへの対応のヒントを見つけました。
ある日、私は次男を1日中褒め、良くない行動に全く反応しませんでした。
子供の行動に目を見張り、些細な出来事にも【ありがとう】を言い続けました。
注意、指示などを一切しませんでした。
すると夜、次男が私に、
「お母さん優しいね」
「大好き」
と言いました。
一般的な家族では当たり前の会話なのかもしれませんが、毎日、
「黙れ、くそばばぁ!」
「うるせー!」
と覇気のない、無表情の次男に言われていた私にとっては、驚くような言葉でした。
次男は私に「優しいね」と言うと同時に、娘をいじめ、叩きました。
私の反応を見ているのかもしれない、そう感じ、私は、その問題行動をスルーしました。
愛情をしっかりかけ、あなたの良いところに気付いているよ、というサインを出し、注意をやめ、躾けもやめました。
次男は相変わらず、9割はこちらが不快になるような言動が多かったですが、以前は全く出なかった、優しい言葉が出るようになりました。
・・・
同じように長男にも接していると、長男にも変化が現れました。
今まで次男をゲームの仲間に絶対に入れなかった長男が、次男がゲームに入れるよう、友人にさり気なく働きかけてくれていました。
長男に、
【ありがとう!】【助かる!】
を言いまくっていると、妹の面倒を進んで見始めました。
「何か手伝うことないの?」
と私に聞き、色々助けてくれる日もありました。
・・・
この数日だけでも、明らかに目に見える効果がありました。
これだ!子供たちのこの好転!絶対偶然じゃない!
きっと、この方法が正解なんだ!
否定や注意をやめ、【ありがとう】【助かります】を言いまくる。
そんなふうに親子の関係を続けて行けば、きっと子供たちは良い方向へ行くはず!
ひたすら【ありがとう】を言いまくろう!
・・・
問題は、私の性格でした。
元々、子供にワーワー色々要望を言われると、いっぱいいっぱいになりやすく、イライラしがちでした。
子供たちのマイナス行動も気になり、
「注意をしなければ!教えなければ!」
といちいち指摘してしまうのです。
そんな私が、子供に注意をせず、いつも明るく褒め続ける事は、簡単ではないだろうな。
と、感じていました。
姉には、
「やるとなったらストイックで完璧にやらないと気が済まない方だから、疲れすぎて爆発したら意味ないよ!」
「完璧にやろうとしなくていいよ!」
と言われていました。
・・・
叱らない育児を始めると、子供とぶつかる機会が少なくなり、頭に血が上る、イライラする、などが減り、子育てが楽になり始めました。
221 8月7日相談日
221 8月7日相談日
2022年8月7日
旅行帰り、実家から1時間ほど車を走らせ、先生の家付近に到着しました。
到着したことを連絡すると、すぐに先生は外に出てきてくれました。
ラフな服装で、ゆったりとした足取りで、私の方へ向かってきます。
先生は、とても柔らかい雰囲気で、にこにこ笑いながら私を出迎えてくれました。
第一印象から、他の相談機関とは全く異なりました。
堅苦しさのないその先生の雰囲気で、私は緊張がほぐれ、私の言葉で、自分らしく話をする事ができたように思います。
・・・
ラインの長文で、既にある程度我が家の状況を把握している先生は、私が話を始めると、たまに私に質問をするものの、基本的には、
「へー」
「そうなんだね」
「ふーん」
「子供さん、いじめられてたの?」
「いじめはなかったんだ」
「へー」
と、話を聞いてくれました。
今までの相談所の様に、形式ばっておらず、メモも取らず、世間話をするかの様に、先生は私の話を、相槌を打ちながら聞き続けてくれました。
女の子に羽交い絞めされた話、荒れ狂った話、担任の先生が嫌いだった話もしました。
ある程度我が家の話をすると、先生は先生自身が、今までに、どのようなケースの子供たちを立ち直らせてきたのか、お話をしてくれました。
12歳まで発語のなかった自閉症児が、先生と関わった後1年で発語があった事。
白米しか食べなかった子に、畑で野菜を育てる事から食育し、その子は白米以外を食べるようになった事。
週に何度もてんかんの発作を起こす生徒の生活環境を変えさせ、何年も発作が起きなくなった事。
児童精神科、病院、専門機関、そして親でさえも【この子はこんなもんだ】と諦め、見捨ててしまっている子供たちの秘めた可能性を、先生だけは決して諦めず、再生してきた、というお話をしてくれました。先生は、
「机上の空論は一切信じません!」
「発達障害なんて、くそくらえなんですよ」
「やるんですよ」
「やると決めて、やるんです」
「とにかく諦めない」
そう言っていました。
・・・
不登校に関しては、
「不登校の原因は、親です」
「親が変わり、子が変わる」
「学校にも、楽しく行くようになりますから」
と言っていました。
・・・
今まで、散々、ありとあらゆる相談所に行き、言われ続けていた言葉、
「お母さんのせいではありませんよ」
「ご自分を責めない様に」
「大変ですね、大丈夫ですか?」
「このケースはどう対応していいのか分かりませんね・・・」
「様子を見ましょう」
そんな保身的な事は一切言わず、
「不登校の原因は親です」
と言い切る先生に、私は
「この先生だけは、本物なのだろう」
と、思いました。
他の相談機関は、当たり障りのない事を言い、保護者を刺激しないように、保護者に厳しく指導する事で自分が悪者にならないように、と言葉を選びながら話し、解決策を教えてはくれませんでした。
「この先生は、子供を立ち直らせたい、その信念の元、親よりも子供の可能性を信じている」
そんなふうに感じました。
・・・
先生は私に、
「とにかく子供を取り締る事をやめて下さい」
「注意は一切しないで下さい」
「躾なんて、上から目線でやるから、全て失敗です」
「上から目線をやめて」
「負けるが勝ち」
「譲るが勝ちです」
「常に子供の良いところを見張るのです」
「良いところを見つけ、感謝し【ありがとう】を伝えて下さい」
「【ありがとう】を言い続けて下さい」
「良いところが必ずあるはずです」
「悪いところを探して、見張っている自分がいないか」
「それを気を付けて下さい」
そう教えてくれました。
・・・
その日は2時間ほどで相談は終わりました。
・・・
帰り際、先生は私に、
「まぁ、〇〇さん(我が家)の所はね、もうそんなに時間はかかりませんよ」
「お母さんは、もう、だいぶ核心に近づいていますよ」
「大丈夫、もういい事は始まっている」
「僕の所に来た時点で、もう良い事が始まっているんですよ」
と、自信をもって、私にそう言って下さいました。
先生の言葉を聞いていると、なんだか本当に我が家は大丈夫なんだ、と心が軽くなり、心が強くました。