229 弱いものいじめ
229 弱いものいじめ
2022年夏休み
私の目には、主人はいつも、長男にばかり話しかけている感じがしていました。
「ゲームしよう」
「テレビ見よう」
そんな会話をする時も、主人はいつも長男を主語にして話します。
私が一度、
「なんで、次男の名前を呼ばないの?」
「次男は、父親が、自分の名前を呼ばない事、気が付いているよ」
と言うと、主人が、
「だって、返事しないじゃん」
と言いました。
長男の情緒が不安定な時、長男は、次男がご飯を食べていても、漫画を読んでいても、何をしていても、頭ごなしに馬鹿にし、傷付けました。
次男が傷付いている姿を、何度も何度も見ているのに、なぜ、いつも主人は長男ばかりに気を配るのか、私には理解ができませんでした。
・・・
次男はいつも、長男の顔色をうかがいながら、小さくなって生活しているように見えました。
・・・
姉の紹介してくれた先生からは、
「今から1年間、お母さんは、子供を注意する事、ダメ出しする事を一切やめて下さい」
「子供たちのやりたいように、子供たちを勝手にさせておいて下さい」
「それでわがままになったり、困る日が来たら、そこから、いくらでも軌道修正ができます」
「今息子さんたちは、気持ちが【かつかつ】です」
「注意は一切しないで下さい」
「何一つ注意しないように!」
と言われていました。
・・・
次男の良くない行動や、暴言をスルーする事はできていました。
しかし、長男が次男をいじめると、私はどうしても長男に対し、負の感情が生まれました、
頭で分かっていても、感情が付いて行きません。
先生に、
「4月の、次男の入学式の日の前日、長男から『学校へ行きたい』と言われた日以来、任務完了のように、寄り添い下手になりました」
と言うと、先生は、
「それは、下心があって優しくしていたからですよ」
「魂で子供に幸せになって欲しいのなら、そうはならない」
「子供が幸せならそれでいい、という思いだけで動けば良いのです」
「優しい気持ちになる【本】を沢山読んであげて下さい」
「【優しい本】から、子供は優しさを学びます」
「お母さんは、子育てには、何が大切なのか、ほぼ核心をついています」
「それは、間違っていませんよ」
「自分の怒りの感情をどうするか、それが問題です」
「感情に負けてしまうのです」
「親として、下の子をいじめられたら、ムカつくのは当たり前です」
「上の子は、今までのお母さんの子育てから【弱いものいじめ】をして良いと学んでいます」
「親が、子供に酷いことをしてきたから、子供は相手が自分よりも弱ければ、理不尽な事をして良いと学ぶ」
「だからお兄ちゃんは、弟をいじめるのですよ」
そう言われ、妙に納得し、何も言い返せませんでした。