312 子供自身の大切な価値観
312 子供自身の大切な価値観
子供に物事の決断をさせる、自由に選ばせる、という子育て方法は、いざ親になってみると、難しい場合があります。
なぜなら、親として、子供に失敗させたくない、という思いがある場合があるからです。
躾に関しても、親は、躾けなければならない、躾をしたら常識的な良い子になる。
しっかり躾けをしない事は、親として非常識なのだ、と思っていました。
ふと疑問に思うのは、親自身も世界観がとても狭い中で、自分の知っている狭い世界に子供をとどまらせることは、果たして正解なのか?
親が、自分もこう育ったのだから!と信じ込んでいる子育て法は、果たして本当に良い子育て法なのか?
それを見極めるのは現在の子供の姿なのではないのでしょうか。
子供が親切で、前向きで良い子で子供らしい子であれば、きっとその方法は良い方法だし、子供が反抗的だったり、自信がなく、チャレンジ精神に乏しいのであれば、今の子育て方法を一度見直してみると良いのかな?と思うようになりました。
「私だって子供時代はこうだった!」
「私だって我慢してきたのだから!」
と、我慢の強制をし、過度な躾けをする事は、子供を委縮させ、本来その子が持っている力を出すチャンスを奪ってしまうのではないか、その子の本当の、本来の姿を引き出すには、親の持っている価値観を押し付けるなんて絶対にしてはいけない事なのだ、と今は思います。
私の中にその気持ちが生まれると、子供に声を掛ける事にためらいが出るようになっていきました。
私のこの言葉が、子供の価値観にどう影響を及ぼすのか、そんな事を考えるようになったのです。
私の言葉で、子供たちが本来持っている、その子オリジナルの価値観を変えたくない、そんな気持ちです。
子供のことを、非難したり、否定したりはせず、気持ちに寄り添う事ができたら、子供は安心して何がしたいかを選ぶことができ、親に喜ばれる事ではなく、子供が本当にやりたい事を見つけられるのではないか。
好きにさせる、自由にさせておく、というのは、甘やかしの過保護と言う訳でも、ほったらかしの放任育児でもなく、子供が、親や指導者に、その大人たちの先入観や価値観を刻み込まれるのではなく、自分で体験し、経験し、自分で答えを見つけていく手伝いを、周りの大人が温かい気持ちで、こっそりと支えていく、そんな事なのかな?と思っています。
特に幼い子供たちの身近な見本は親です。
子供たちの中にある、当たり前の大人の姿が良いものになるように、親が良い見本を見せていく必要があるのだと思います。
それでも、自分自身に染み付いた、良くない習慣から抜け出す事はとても難しく、感情、体調にも左右され、私はなかなか良い親にはなる事ができないのです。