221 8月7日相談日
221 8月7日相談日
2022年8月7日
旅行帰り、実家から1時間ほど車を走らせ、先生の家付近に到着しました。
到着したことを連絡すると、すぐに先生は外に出てきてくれました。
ラフな服装で、ゆったりとした足取りで、私の方へ向かってきます。
先生は、とても柔らかい雰囲気で、にこにこ笑いながら私を出迎えてくれました。
第一印象から、他の相談機関とは全く異なりました。
堅苦しさのないその先生の雰囲気で、私は緊張がほぐれ、私の言葉で、自分らしく話をする事ができたように思います。
・・・
ラインの長文で、既にある程度我が家の状況を把握している先生は、私が話を始めると、たまに私に質問をするものの、基本的には、
「へー」
「そうなんだね」
「ふーん」
「子供さん、いじめられてたの?」
「いじめはなかったんだ」
「へー」
と、話を聞いてくれました。
今までの相談所の様に、形式ばっておらず、メモも取らず、世間話をするかの様に、先生は私の話を、相槌を打ちながら聞き続けてくれました。
女の子に羽交い絞めされた話、荒れ狂った話、担任の先生が嫌いだった話もしました。
ある程度我が家の話をすると、先生は先生自身が、今までに、どのようなケースの子供たちを立ち直らせてきたのか、お話をしてくれました。
12歳まで発語のなかった自閉症児が、先生と関わった後1年で発語があった事。
白米しか食べなかった子に、畑で野菜を育てる事から食育し、その子は白米以外を食べるようになった事。
週に何度もてんかんの発作を起こす生徒の生活環境を変えさせ、何年も発作が起きなくなった事。
児童精神科、病院、専門機関、そして親でさえも【この子はこんなもんだ】と諦め、見捨ててしまっている子供たちの秘めた可能性を、先生だけは決して諦めず、再生してきた、というお話をしてくれました。先生は、
「机上の空論は一切信じません!」
「発達障害なんて、くそくらえなんですよ」
「やるんですよ」
「やると決めて、やるんです」
「とにかく諦めない」
そう言っていました。
・・・
不登校に関しては、
「不登校の原因は、親です」
「親が変わり、子が変わる」
「学校にも、楽しく行くようになりますから」
と言っていました。
・・・
今まで、散々、ありとあらゆる相談所に行き、言われ続けていた言葉、
「お母さんのせいではありませんよ」
「ご自分を責めない様に」
「大変ですね、大丈夫ですか?」
「このケースはどう対応していいのか分かりませんね・・・」
「様子を見ましょう」
そんな保身的な事は一切言わず、
「不登校の原因は親です」
と言い切る先生に、私は
「この先生だけは、本物なのだろう」
と、思いました。
他の相談機関は、当たり障りのない事を言い、保護者を刺激しないように、保護者に厳しく指導する事で自分が悪者にならないように、と言葉を選びながら話し、解決策を教えてはくれませんでした。
「この先生は、子供を立ち直らせたい、その信念の元、親よりも子供の可能性を信じている」
そんなふうに感じました。
・・・
先生は私に、
「とにかく子供を取り締る事をやめて下さい」
「注意は一切しないで下さい」
「躾なんて、上から目線でやるから、全て失敗です」
「上から目線をやめて」
「負けるが勝ち」
「譲るが勝ちです」
「常に子供の良いところを見張るのです」
「良いところを見つけ、感謝し【ありがとう】を伝えて下さい」
「【ありがとう】を言い続けて下さい」
「良いところが必ずあるはずです」
「悪いところを探して、見張っている自分がいないか」
「それを気を付けて下さい」
そう教えてくれました。
・・・
その日は2時間ほどで相談は終わりました。
・・・
帰り際、先生は私に、
「まぁ、〇〇さん(我が家)の所はね、もうそんなに時間はかかりませんよ」
「お母さんは、もう、だいぶ核心に近づいていますよ」
「大丈夫、もういい事は始まっている」
「僕の所に来た時点で、もう良い事が始まっているんですよ」
と、自信をもって、私にそう言って下さいました。
先生の言葉を聞いていると、なんだか本当に我が家は大丈夫なんだ、と心が軽くなり、心が強くました。