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不登校復活の道(ブログ)

320 次男を癒す事

320 次男を癒す事 

 

2022年10月 

 

この時期、娘と公園に行く時に、遊びたい盛りであろう7歳の次男を誘っても、一緒に来ることはありませんでした。 

 

「何で公園にいくの?」 

 

「公園に行く事に、なんか意味あるの?」 

 

そう言い、ゲームの画面だけを見ているだけでした。返事が返ってこればまだましで、基本的には無反応で無視されていました。 

 

・・・

 

夏休みから引き続き、次男は本当に、ご飯も食べず、「お風呂入ろう!」と声をかけても一向に来ず、ただただ取りつかれたかのように家にいる間中、ゲームをしていました。 

 

我が家でのその風景はもう、当たり前になっていましたが、私は、定期的に、その姿を見る事が強烈に耐え難くなる時がありました。 

 

主人も、次男の状態があまりにも酷いので、 

 

「次男、廃人化してるよね、このまま注意しないのは、本当に適切なのか?」 

 

と不安を口にするようになっていました。 

 

次男の状態を知っているM先生には、 

 

「次男君は、今は親に試し行為をしている、と捉えて下さい」 

 

「親は子供に、何度も、何度も、一万回試されます」 

 

「親は本当に、僕の気持ちに寄り添う覚悟をしているのか、どんな姿の自分に対しても、変わらず愛を注いでくれるのか、本当に大切にしてもらえるのか、そんな事を何度も何度も、心の傷付いた、愛されている実感がない子供は試すのです」 

 

「親は、根負けせず、そんな時こそ、愛を注ぎ続けて下さい」 

 

と粘り強く、私に言っていました。 

 

私の目には、次男は、私を試していると言うよりも、ただただゲームが楽しいから、ゲームに支配され、それ以外の事が何もできなくなっているように映っていました。 

 

私はM先生に、その事を伝えると、先生は、 

 

「お母さんは、次男君の、悪い面だけに捉われているから、【ゲームしかしない】という発想になるのですよ」 

 

「何度も言っていますが、とにかく、次男くんの良い面を見つけ、その子の良い面だけを見て下さい」 

 

「次男君の今までの、7年間の発育環境をしっかり振り返って下さい」 

 

「お兄ちゃんからの精神的、肉体的攻撃により、次男君は、相当、今まで精神的に辛さを味わってきているはずです」 

 

「お兄ちゃんに邪魔され、おっぱいも好きなだけ飲めず、抱っこもしてもらえなかったけど、次男君なりに幸福感が薄いまま、踏ん張って生きてきたのではないでしょうか?」 

 

「幼いのに、お兄ちゃんに、執拗なまでにいじめられても、耐え忍んできたなんて、とてもけなげで、ふびんだとは思いませんか?」 

 

「生まれ出てから今までの、最も親からの愛が必要で、幸せである時期に、本来ならばしなくても良い我慢を、嫌というほどしているのですよ」 

 

「耐性のある大人でも耐えられないような状況だったのではありませんか?それをお母さんは、次男君が満足するまで、フォローしていましたか?」 

 

「本来ならば、次男君は、もっとグダグダになっていても、文句言えないと思います」 

 

「今、次男君は、今までの辛い状態から逃避し、セーフティゾーンに逃げ込んでいると見て良いと思います」 

 

「ゲーム以外の事をしていると、不安になってしまう状態なのではありませんか?」 

 

「親が、子供が満足するほどの愛情や安心感を与え、次男君が、ここも、あそこも、実は安心で、自分の居場所は、至る所にあるのだ、と心から納得できるよう、お母さんは今、頑張って下さい」 

 

「そうしたらそのうち、本来の子供らしい姿を必ず取り戻します」  

 

「不登校前に、お母さんが、長男君と喧嘩を繰り返す姿を見せていた事も、幼い子供にとっては極めて大きな負担なのです」 

 

「次男君の発育環境が、何年もかけて、じわりじわりと、次男君から子供らしい活力を奪い取ってしまったのです」 

 

「こちらが間違った子育て法に気が付き、子育て法を変え、上手くやり始めたのに、何でこの子は、すぐに良い子にならないんだ?、というのは、むしろ、むしがよすぎませんか?」 

 

「大人でもそんなに簡単に思考や行動を切り替える事はできません」 

 

「人はみんな、さまざまな環境に自分を適応させて、今現在の姿になっているのです」 

 

「次男君には、今、とにかく癒しが必要なのです」

 

「生まれてから7歳になるまで、ずっと兄に酷い暴言や暴力を受けていた事、それに対して心を癒してもらうような、適切なフォローもしてもらえなかった事、そんな日々の苦しみを数日では癒す事はできません」

 

と言われました。

 

私は至る所に相談に行っていましたが、M先生のような目線で指導を受けた事はありません。

 

ほとんどの相談所は「困りましたね、秩序が保たれるよう約束事を決めましょう」と、それが出来ずに困っている、という事を理解してもらえませんでした。

 

親は、目に見える【不登校】という形で問題行動を起こしている長男ばかりに気が向いていたけれど、次男も、ずっと幸福感の少ない幼少期を過ごしてきたんだな、傷だらけなんだな、申し訳ないな、という気持ちで胸が締め付けられたのです。 

 

子供の今の状態だけを見て、おかしい、わがままだ、異常だ、と嘆くのではなく、なぜ、この子は今こうなのか?今の姿になるに至った過程は何なのか?と親はしっかりと自分の今までの行いに目を向ける必要がある、と、私は感じました。

 

 

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319 奴隷化?

319 奴隷化?

 

2022年10月 

 

この時期、私は、ただただ子供たちの要望に応え、奴隷化していれば揉める事はなく、子供との関係性が崩れない、と感じていました。 

 

私が少しでも何かを言えば、子供は不機嫌になる。 

 

要望を叶えなければ、関係が悪くなる。 

 

子供たちの言う事さえ聞いていれば、揉め事が起きない。 

 

そう、思い込んでいたのです。 

 

その事をM先生に話すと、先生は、 

 

「奴隷はだめですよ、あくまで、仲間、対等な関係を築くのです」 

 

「上から目線はやめて、対等な関係です」 

 

「親であっても、嫌な事は嫌と伝えたら良いです」 

 

「どうしようもなく嫌な時は、お母さんは嫌だよ、もし、あなたが、同じことをされたらどんな気持ち?」 

 

「お母さんは今、嫌な気持ちだよ」 

 

「なぜなら、こうだからだよ」 

 

「あなたは、こうすると良いよ」 

 

そんな関わり方で子供たちと接するように、と助言してもらいました。 

 

・・・

 

その当時、私は、子供の要望を叶える、心を満たす、に集中し過ぎていて、過剰に子供の言う事を聞いていたように思います。 

 

今振り返ると、私はまだこの時、本当の意味での【勇気づけの子育て】【子供の心を満たす事】を全然理解していませんでした。 

 

何でも言う事を聞き、あなたたちの思い通りにしていたら、心が満たされるんでしょ、と冷めた感じで思い、これだけ言う事を聞いているのに、何が不満なんだよ、と、結局は子供に不満を抱いていたように思います。 

 

今この子たちに何をしたら、どんな声掛けをしたら、心が温まるのだろう、この子は今、どうしてほしいんだろう、なんて思考はなかったのかもしれません。 

 

私が本当にするべきだった事は、子供たちが、 

 

お母さんは、僕の気持ちを大切に尊重してくれる、僕の願いが叶う事で、僕の心が満たされるように、僕の気持ちが温まる様に、と頑張ってくれている【僕は大切にされているんだ!】と、心底感じるような接し方なのだと思います。

 

それを私は何でも言う事を聞いて、言いなりになる、と勘違いしていました。 

 

例えば・・・ 

 

子供: 

 

「お腹すいた、焼きうどん!」 

 

 私: 

 

「はい」 

 

子供:  

 

「水」 

 

私: 

 

 「はい」 

 

 私: 

 

「お風呂はいろー」 

 

子供: 

 

「無視」 

 

 私: 

 

「ご飯できたよー、置いておくねー」 

 

子供: 

 

「無視」 

 

次男が自分で寝ると決めた時間になって 

 

「時間だよー」 

 

と私が声を掛けても、基本的には無視で、返事が返ってきたとしても「うるせー」と無感情に言われるだけでした。 

 

M先生は、それでも、子供を諦めるような事は一切言わず、粘り強く私に、 

 

「今、お母さんがやられていることは、本当に酷い仕打ちだと思います」 

 

「それでも、諦めずに、子供を信じて頑張りましょう」 

 

「子供には、こうしてくれるとお母さんは嬉しいな、と伝え、無視されたら、潔く引き下がる」 

 

「地道に、ただただ、それを温かい気持ちで続けて下さい」 

 

「奴隷になるのでも、親だからと言って、上から目線になるのでもなく、対等に、丁寧に子供と関わり続けて下さい」 

 

と言われていました。 

 

・・・

 

私が子供の心を満たす事に過度に集中し、奴隷のように言う事を聞いていた時、一時的に子供たちの状態が良くなっても、私の深層心理にある子供たちへの不満や不安に子供が気が付くと、結局また、親子間の感情の糸が複雑に絡み合い、すぐに良い関係は崩れてしまいました。 

 

結局私は、自分自身の、コントロールできない感情に支配され、なかなかうまく子供の心を温める子育てができませんでした。 

 

結局は、子供の気持ちを温めよう、理解しよう、という気持ちよりも、私の大変さを分かってよ、理解してよ、こんなにやってるじゃん!という気持ちの方が強かったのかもしれません。

 

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318 子は親の鏡

318 子は親の鏡

 

2022年10月17日 

 

私は頑張っていた【勇気づけの子育て】をどうしても頑張れない日がありました。 

 

私が【勇気づけの子育て】を頑張れず、とげとげしくなれば、子供の状態は親の状態を鏡で反射して映すかのように好ましくない方へ向きました。 

 

私は、子供が好ましくない状態になると、私には【勇気づけの子育て】を続ける事は、無理なのかなぁ・・・と落ち込み、良い子育て法を継続する自信をなくしてしまうのです。 

 

私の自信のなさ、元気のなさは、家族を負の連鎖に巻き込みます。 

 

【お母さんが元気で笑顔でいれば、家庭は明るい、全てうまくいく】そんな言葉を何度も何度も見かけるたびに、私は「ふざけんな!」何で母親ばかりが、と、うんざりするようなマイナスな気持ちと、私さえ頑張れば子供たちを立て直せるの?それならば、私が頑張らなくちゃ、と、前向きに頑張ろうという2つの複雑な気持ちが混ざり合っていました。 

 

私は、特にM先生に【勇気づけの子育て】を教えてもらってからは、子供たちをコントロールしたり、指図したりする事を一切やめ、子供との苦手なスキンシップを意識して頑張り、子供たちと向き合い、できた事を認める事を、毎日必死でやっていました。 

 

 ・・・ 

 

その当時、9歳と6歳の息子たちは、基本的に、起きた瞬間から寝るまでゲームをしてました。

 

長男はそんな生活をもう、1年していました。

 

次男は学校へ行ってはいるものの、それ以外の時間は、ご飯も食べず、ゲームをしている事もよくありました。

 

それでも、私は、 

 
きっと今はこの姿だけれど、【勇気づけの子育て】をしていれば、変わっていくはず、

 

という前向きな期待と、

 

このままだったら、この子たちはどうなってしまうのか・・・

 

というマイナス感情で、私自身の気持ちが浮き沈みしていました。 

 

・・・ 

 

この日、ゲームをしていた次男が、ゲームに集中しすぎてか、おしっこを漏らしてしまいました。 

 

リビングで寝転びながらゲームをしていたのですが、ジャージャーとおしっこを漏らし、次男の寝転んでいるそのエリアはおしっこの水溜りが出来ていました。 

 

私は、内心、え・・・ありえない・・・と思ったのですが、まだ、6歳だし、そうゆうこともあるな、と気持ちを切り替えようとしましたが、その後の次男の態度が私を苛立たせました。

 

次男は、私に声を掛ける事も、水浸しになった場所を気に留める事もせず、おしっこで濡れた足のまま歩き回り、無表情でズボンを履き替え、何もなかったかのように、ゲームを再開したのです。

 

現場はおしっこの水溜り、次男が歩いた場所はおしっこで作られた水の足跡になっているのです。 

 

この子は、今、何も感じていないのかな?と私はただ、とても不思議な気持ちでした。

 

・・・

 

同じ日、長男は、友人とオンライン対戦をしたくて、友人が一生懸命ビデオ通話で、オンラインの接続方法を長男に説明してくれていましました。

 

その友人は長男の為に頑張って説明してくれているのに、長男は、

 

「僕はやり方分からないから」

 

と言い、主人に全て丸投げし、友達がビデオ通話で話している間中、自分とは無関係、と言わんばかりに、ずっとスマホを見ていました。

 

ああ・・・、この子は、友達と一緒に考えよう、とも、自分で試してみよう、ともしないんだな。 

 

と思い、私は、長男次男の態度に心底うんざりした事を覚えています。 

 

何でうちの子たちはこんなにも相手を思いやる行動が出来ないのだろう、と強く感じてしまい、日々頑張っている【勇気づけの子育て】を頑張る気力がなくなってしまいました。 

 

言葉に出して、子供に注意をしたり、文句を言ったりしなくても、私のそんな子供への不満の気持ちは、私の態度から、子供たちに伝わっていたのだと思います。 

 

私の気持ちが落ちて、子供たちへの不満が、私の態度から醸し出されると、私が言葉を発さなくとも、子供たちと私との間に、負のループが始まるのです。

 

そうやって、いつも、私の心の状態を、鏡の様に子供たちが反射して見せてくるのです。 

 

 

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317 良い傾向

317 良い傾向 

 

2022年10月 

 

長男にも次男にも注意をせず、暴言を吐いても、まずは聴く事を心がけ、次男が、学校に遅刻したり、時間に遅れそうな時でも、とにかく話を聴くことを優先するようにしていました。 

 

子供のペースに合わせ【待つ】事が大前提なので、効率重視で、せっかちな私には、なかなか難しい時もありましたが、【ちゃんとする】という感覚を捨てると、割と楽に出来るようになっていきました。 

 

そんなふうに子供たちに接していると、長男からも次男からも優しい言葉が出る事が増えていきました。 

 

長男は、ゲームで知りたい事があり、主人に聞きたかった様子でしたが、 

 

「お父さんのお休みの日でいいよっ、おやすみー」 

 

と言い、夜中に親を叩き起こしてでも自分の要求を伝えていた子が、相手を思いやる発言をする様になりました。 

 

こだわりが強く、自分の持ち物を誰かに触られる事を極端に嫌がる子でしたが、先日は、私に一番お気に入りのゲームのコントローラーを貸してくれて、自分はやりにくいコントローラーでゲームをしてくれていました。 

 

私が【こだわり行動だ】【面倒臭い】と思っていた長男の振る舞いは、【こだわり】と言うよりも、何事も、いい加減にやらない、一生懸命な子なのではないか、と思うようになりました。 

 

次男は主人に対しても、あまりニコニコと話す事はありませんでしたが、その日、主人が帰宅すると、 

 

「お父さん、お帰り!お仕事お疲れ様。働いてきてくれてありがとう」

 

と言っていました。 

 

今までとは、声のトーンが全然違うのです。

 

朝も、朝食を残すと、 

 

「お母ちゃん、残してすみません!」 

 

と面白おかしく、ふざけながら私に言い、笑っていました。 

 

子供たちが明らかに良い方向に向かい出している、という確信が私にはありました。

 

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316 声掛け

316 声掛け 

 

私は思った事を口に出してしまう事が多く、いつも余計な一言を言ってしまうので、それをやめたい、と思っていました。 

 

それでも、なかなかやめることはできず、ついつい余計な一言を言ってしまうのです。 

 

子供に発するその余計な一言は、大体決定打になるような、良くない言葉で、子供が傷つき、不快になっている事が多いな、と感じていました。 

 

M先生は、 

 

「子供に、何かをお願いしたり伝えたりするときに、お母さんは複数回同じことを子供に言っていませんか?」 

 

「どうしても、何回も言ってしまいそうなときは、まず、一回、心の中で言い、それから声に出して言う、そうしたら、子供はお母さんの言葉を一回聞くだけで済みます」 

 

とアドバイスしてくれました。 

 

試してはみましたが、せっかちな私は、子供がすぐに返事をしないと、同じことを何回も聞いてしまったりする癖がなかなか抜けませんでした。 

 

そして子供は、私の言葉に、 

 

「分かってるって!もううるさい!」 

 

「今、考えてるって!」 

 

と言う事が多かったです。 

 

親のペースに子供を引き込んでも、親子間で良い関係は生まれません。 

 

かといって、子供のペースに合わせているとなかなか事が進みません。

 

それでもなるべく、子供と過ごす時は、せっかちにならず、ゆっくり、ゆったり子供のペースで【待つ】子育てをしてあげると良いのだろうな、と思っています。 

 

 

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315 長男が不登校のなった時に感じた事

315 長男が不登校になった時に感じた事 

 

私は、全然教育熱心ではなく、子供に「勉強しなさい」と言った事も、思った事も、一度もありませんでした。 

 

子供が遊びたい、と遊んでいれば制限する事もなく、好きなように遊ばせ、服を泥だらけにしても、破って来てもむしろ褒め、自由に伸び伸びと、愛情を掛けて育てているつもりでした。

 

長男が不登校になった時に、それなのに、なぜ?という思いが正直ありました。 

 

M先生にその事を話していると、先生は、 

 

「お母さんは、子供が失敗したときに、失敗をなじっていませんでしたか?」 

 

「うまくやっていないことに、きつい言葉を投げかけてはいませんでしたか?」 

 

「弟をいじめる長男に、どんな言葉をかけていましたか?」 

 

「子供の心がくじけてしまうような、そんな酷い言葉を掛けていたのではありませんか?」 

 

と言われ、私には思い当たる節がいくつもありました。 

 

私は今あなたに怒っているよ、苛立っているよ、子供が「お母さんが怒らないようにやめよう!」と思うような無言の圧力を、子供たちにかけていたように思います。M先生は、 

 

「たとえ、子供が上手くできない事があっても、できない事は、悪い事ではなく、むしろ失敗する事は、学びになり、素敵なことだよと伝えていましたか?」 

 

「子供には『お母さんも、失敗ばっかりだけど、みんなが許してくれるから、頑張れるんだよ』と失敗を恐れない心を作れるような、声掛けをしましょう」 

 

「失敗がいつでも歓迎されるという事を、子供が骨身に染みて分かるまで、伝え続けて下さい」 

 

と言っていました。 

 

・・・

 

私は、あー面倒くさいな、と思う事があると、上手くやれない子供に、イライラしながら失敗をなじっていたように思います。 

 

些細な事の積み重ねだったとは思いますが、長男はそんな普段の声掛けから、自分が何かをできない事は許されない、と思い、失敗する事を恐れ、不安が強くなっていったのかもしれないな、と思いました。 

 

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314 習字教室

314 習字教室 

 

2022年10月はじめ 

 

次男は、いつも、 

 

「僕はばかだから、何をしたって上手くできないから」 

 

「できなくて、馬鹿にされるのが嫌だから」 

 

と何事にもチャレンジしたがりませんでした。 

 

・・・

 

始めは行く事を躊躇っていた発達凸凹塾に通うようになると、その先生が次男のペース、特性に合わせ、強要をせず、出来ていることだけを見つけ続け、「素晴らしい、素晴らしい」と褒めてくれるので、次男は少しずつ人と関わる事が楽しみになり、私に、 

 

「他の習い事もしてみたい」 

 

「僕、色々やってみたい」 

 

と前向きな発言をするようになりました。 

 

「僕、字が上手くなりたいから習字に行ってみたい」 

 

と次男が言うので、私は知人が通っている、のんびりしている、という習字教室の体験予約をしました。 

 

その頃次男は、まだ、学校でも他の友人とは会話をする事もなく、孤立していたので、私は、習字の先生に、

 

次男は慣れるまでに時間がかかる子なので、初めからビシバシと指導をしないでほしい、信頼関係が築けると、指示が通りやすくなるので、ゆっくり関わってほしい

 

と伝えていました。 

 

私は、次男が少しずつ、人と関わる事に慣れてくるといいな、という思いでした。字が上手くなってほしいとか、そんな気持ちはありませんでした。 

 

次男の様子を説明し、その先生自体もお孫さんが自閉症児で発達障害児さんの扱いには慣れている、と聞いていたのですが、先生は初めから次男に、 

 

「姿勢が悪いよ」 

 

「そっちから書き始めてはだめ」 

 

「枠から字をはみ出さないで」 

 

「頭を上げで」 

 

「返事は?」 

 

と座って字を書き始めた次男に、一つも褒めず、出来ていない事を指摘していました。 

 

私は、とても嫌な予感を抱きながら、横に黙って座っていたのですが、次男は、うつむき、字を書く姿勢のまま、頭を上げませんでした。 

 

動かないな、と思って横で様子を見ていると、次男の指先が震えだし、強く指導された時の姿勢のままで、涙をぽとぽと流し始めました。 

 

次男の目から出た涙が、硬筆の用紙に落ちても、次男は完全にフリーズしていて、その姿勢から、少しも動くことができませんでした。 

 

私は、内心、 

 

「だから、最初は指導はせずに、信頼関係を作ってほしいと、あれほど頼んだのにな・・・」 

 

と思っていましたが、一般的な子は、初めから強く指導されても問題なく通えるのだろうな、と思い、次男の背中をさすりながら、 

 

「どうしたい?もう帰ろうか?」 

 

と言うと、次男は、魔法が溶けたかのように、ガチガチに固まっていた体の力が抜け、ひーひーと声を出して泣き出し、腕で涙を何度も何度も拭いていました。 

 

先生は優しく、 

 

「ごめんね、ごめんね」 

 

と言っていましたが、次男は先生の話を聞くことはなく、その日は帰宅しました。 

 

車に乗ると次男は、 

 

「怖い、怖い、嫌だ、やりたくない」 

 

と泣きながら言ったので、その習い事をするのは止めました。 

 

・・・

 

少しの事で怯えてしまう次男の弱さは理解していますが、信頼関係が出来れば、指示が通るようになるのにな、初めに特性のある子です、とお願いしたのにな、上手くやってくれないな、理解がないな、というのが私の感想でした。 

 

やっぱり発達障害塾の先生はプロだな、上手いな、と改めて思いました。 

 

指導者が、その子その子の個性に合わせ、指導方法を変える事が出来たら、困難のある子も、今よりもきっと、その子の個性が伸びていくのではないかな?と私は思っています。 

 


 

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313 心の土台

313 心の土台 

 

何となく、私は子育ての本質を理解し始めてはいましたが、一体、どう子供に接したらよいのか、親切と甘やかしの区別もなかなかつかず、迷う事が多かったです。M先生は、 

 

子供が良い子になるように、と見返りを求める子育てではなく、お母さんは、いつでも自然体で、のんびりしていて下さい。  

 

子供たちは誰しもが、良いものをたくさん持って生まれてきています。  

 

持って生まれた良さを、自由に発揮できるように、周りの大人が環境を整えてあげましょう。  

 

その子に合う環境を整えれば、自然に、何もかもが輝き出すのです。 

 

大人が、子供にあれこれ指図し、右向け、左向けと細かく操っても、まともな子供は育ちません。  

 

子供が迷ったときに、あなたは絶対に大丈夫、うまくいってるよ!何も心配ないよ!  

 

と、言ってあげるだけで子供は十分心が強くなります。   

 

お母さんは毎日次男君と共に登校していますが、 

 

「面倒臭い、何でうちの子だけ」 

 

などとは思わずに、次男君との今だけの、貴重な時間を大切にして下さい。 

 

次男君にとって、お母さんと通った小学校への道は、どんな意味があるのか。 

 

お母さんにそんなふうに関わってもらえた次男君は、どんな父親になるのか、楽しみだと思いませんか?

 

この先何年も、そんな日常の、お母さんとの触れ合いを心の土台にして、子供たちは生きていけると思いますよ。 

 

親との、信頼関係のある温かな触れ合い経験がある子と、ない子では、心の安定に、大きな差がでます。 

 

幼少期に満足する愛情を掛けられていない子供は、大人になっても情緒が熟さないので、ずっと気持ちが乾いたまま、幸せを感じていない事が多いです。 

 

未成熟の親は、寄り添い方を知らず、子供に上手く寄り添う事ができません。 

 

子育てには、親の心の成熟度がとても大切です。 

 

人は、物事の捉え方を変えて、良い事に目を向けるようになれば、いつでも、すぐに幸せになれるのです。 

 

これまで生きづらいと感じていた風景も環境も、自分の価値観が変わるだけで輝いて見える。 

 

うまく子育てをやっている家庭は、意識せずに、とても自然に子育てをしています。 

 

そんな家庭で育った子どもは、みんなマイペースでのんびり、自然体で好きな事を集中してやれています。  

 

お母さんは、良い子になるように、厳しくしなければ、躾けなければ、などと考えたりはせず、子供の良い所だけを見る、と物事の捉え方を変えて、お母さん自身が幸せな人生を生きましょう。 

 

私はM先生に、沢山の事を教えてもらっていますが、なぜかこの時教えてもらった、

 

次男君にとって、お母さんと通った小学校への道は、どんな意味があるのか。 

 

お母さんにそんなふうに関わってもらえた次男君は、どんな父親になるのか、楽しみだと思いませんか?

 

という教えが、どんな時でも心に深く染み渡り、思い出すたびに、あ、もう一度頑張ってみよう、と思う事ができました。


 

 

 

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312 子供自身の大切な価値観

312 子供自身の大切な価値観

 

子供に物事の決断をさせる、自由に選ばせる、という子育て方法は、いざ親になってみると、難しい場合があります。

 

 なぜなら、親として、子供に失敗させたくない、という思いがある場合があるからです。

 

躾に関しても、親は、躾けなければならない、躾をしたら常識的な良い子になる。

 

しっかり躾けをしない事は、親として非常識なのだ、と思っていました。 

 

ふと疑問に思うのは、親自身も世界観がとても狭い中で、自分の知っている狭い世界に子供をとどまらせることは、果たして正解なのか?

 

親が、自分もこう育ったのだから!と信じ込んでいる子育て法は、果たして本当に良い子育て法なのか? 

 

それを見極めるのは現在の子供の姿なのではないのでしょうか。 

 

子供が親切で、前向きで良い子で子供らしい子であれば、きっとその方法は良い方法だし、子供が反抗的だったり、自信がなく、チャレンジ精神に乏しいのであれば、今の子育て方法を一度見直してみると良いのかな?と思うようになりました。 

 

「私だって子供時代はこうだった!」 

 

「私だって我慢してきたのだから!」 

 

と、我慢の強制をし、過度な躾けをする事は、子供を委縮させ、本来その子が持っている力を出すチャンスを奪ってしまうのではないか、その子の本当の、本来の姿を引き出すには、親の持っている価値観を押し付けるなんて絶対にしてはいけない事なのだ、と今は思います。 

 

私の中にその気持ちが生まれると、子供に声を掛ける事にためらいが出るようになっていきました。 

 

私のこの言葉が、子供の価値観にどう影響を及ぼすのか、そんな事を考えるようになったのです。 

 

私の言葉で、子供たちが本来持っている、その子オリジナルの価値観を変えたくない、そんな気持ちです。 

 

子供のことを、非難したり、否定したりはせず、気持ちに寄り添う事ができたら、子供は安心して何がしたいかを選ぶことができ、親に喜ばれる事ではなく、子供が本当にやりたい事を見つけられるのではないか。

 

好きにさせる、自由にさせておく、というのは、甘やかしの過保護と言う訳でも、ほったらかしの放任育児でもなく、子供が、親や指導者に、その大人たちの先入観や価値観を刻み込まれるのではなく、自分で体験し、経験し、自分で答えを見つけていく手伝いを、周りの大人が温かい気持ちで、こっそりと支えていく、そんな事なのかな?と思っています。 

 

特に幼い子供たちの身近な見本は親です。 

 

子供たちの中にある、当たり前の大人の姿が良いものになるように、親が良い見本を見せていく必要があるのだと思います。 

 

それでも、自分自身に染み付いた、良くない習慣から抜け出す事はとても難しく、感情、体調にも左右され、私はなかなか良い親にはなる事ができないのです。

 

 

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311 運動会

311 運動会 

2022年10月15日

 

この日は小学校の運動会でした。 

 

長男は欠席をし続けていますが、次男は、

 

「僕は運動会に行かないよ」 

 

と宣言していたので、次男は、行くのかな?行かないのかな?と当日まで、私には分かりませんでしたが、次男は自分で行くと決め、学校へ向かいました。 

 

開会式、次男の姿を探すと、帽子を目深くかぶり、みんながマスクを取っている中、自分の顔を隠すかのようにマスクをしたまま、次男は開会式に参加していました。 

 

・・・

 

担任の先生から、

 

「次男さんは踊りの発表には参加したくない、と言っています、付き添える教員がいないので、お母さんが付き添っていてください」 

 

と頼まれていて、本来、保護者の入れない生徒たちの待機場所で、次男のクラスの発表の間、私は次男と待つことになりました。 

 

次男は、ふらふらふらふらと歩き回ったり、ブランコに乗りながら自分のクラスの発表を見て、 

 

「僕、できないんじゃないよ、やりたくないだけ」 

 

と言っていました。私は、 

 

「そんなんだね」 

 

と返事をしたと思います。 

 

・・・

 

この学校は2年生はリレーではなく、徒競走をするのですが、私は次男が参加するかどうかは分かりませんでした。 

 

次男は運動神経も良く、足も速いのですが、 

 

「僕は遅いから、負けるから」 

 

とネガティブな事ばかり言っていました。

 

それでも、運動会が近づくと、家の前の道で一生懸命走る練習をしていた事を私は知っていました。 

 

本当は走りたい気持ちがあるのだろうな、と私は思っていました。 

 

徒競走が始まり、次男の番になると、相変わらずマスクをつけたままの次男が列に並んでいました。 

 

いつもはかかとを踏んでいる靴を、走る直前に、自分のタイミングで履きなおし、彼なりに頑張って走ろうとしている事が、遠方からでも伝わってきました。 

 

次男の番になり、「よーい、どん!」と先生が言うと、次男は、皆より少しだけ遅れてスタートし、それでも一生懸命ゴールまで全力で走りぬきました。 

 

子供がただ、徒競走で走っただけの事なのですが、私はとても嬉しくて、溢れ出す涙を止める事ができませんでした。 

 

ふと振り返ると、別の場所で見ていた主人も目を真っ赤にして泣いていました。 

 

「子供が、ただ徒競走で走っただけなのにね」 

 

「でも、なんか、毎日の姿見てるから、嬉しいね」 

 

「次男、靴も履きなおして、頑張ってたね」 

 

「感動しちゃった」 

 

と話をしたことを覚えています。 

 

その後、先生の話を聞く際にも、皆が椅子に座る中、次男は先生にべったりくっついていましたが、閉会式にも加配の先生なしで参加していました。 

 

運動会の途中、もう、暑いし、お母さんと帰る、と言っていましたが、本当には帰らず、先生と一緒に教室に戻っていきました。 

 

・・・

 

次男は、先日まで運動会に参加しないと言っていたのに参加したし、普段は体操服に着替えないのに着替えていたし、いつも靴のかかとを踏んでいるのに、かかとを踏まずに靴を履いていたし、全て自分で頑張ろう、と決めて運動会に参加したのだろうなと、とても感慨深く、強制せずに寄り添ってくれた先生にも感謝の気持ちでいっぱいでした。 

 

・・・ 

 

長男の学年リレーの時には、長男の友達が何人も何人も、 

 

「長男元気ー?」 

 

「いつ学校くるーーー?」

 

と私に手を振ってくれました。 

 

私は、この中に長男の姿を見たかったなーという思いはありましたが、小さな頃から知っている子供たちが、成長し、力いっぱい走っている姿は、ただただ、とても感動的でした。 

 

・・・ 

 

「行かない、参加しない」 

 

と言い続けていた次男に、 

 

「何を言っているの?頑張りなさい、やりなさい」 

 

と一言も言わなくて、良かったな、と心底思えた運動会でした。 

 

 

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310 失敗

310 失敗

 

2022年10月はじめ

 

ここ数週間、私なりに【勇気づけの子育て】を頑張っていました。 

 

次男からの挑発には乗らず、暴言だろうと暴力だろうと何食わぬ顔で受け止め、次男が頑張っている事や、些細な良い行いを見逃さないように声がけをしていました。 

 

学校も、集合時間に間に合わなければ、気分よく遅刻させ、給食後に帰りたがれば一つ返事で迎えに行き、親子で楽しく過ごしていました。 

 

そんなふうに過ごしていると、次男はどんどん暴言が減り、良い表情が増えていきました。 

 

それでも、私が少しでも気を抜くと、今のお母さんは嫌だ、怖かったと言い、泣き出して甘えることもありました。 

 

担任の先生からも、 

 

「立ち歩きや教卓下をゴロゴロしたり、先生にべったりなのは相変わらずだけれど、目を見張るほど、良い方に変化しています」 

 

「給食を手伝う、掃除をしっかりする、そんな日が増え、会話も増えてきました」 

 

「友人とはまだ関わらないけれど、とても良い感じに成長しているように思います」 

 

と連絡をもらっていました。 

 

・・・ 

 

そんな落ち着き始めた日々の中、この日は、朝からの暴言、無理難題が酷く、私はそれにもスルーし、私なりに優しく接していましたが、次男が、 

 

「通学団で行きたい、でもゲームのセーブが出来ていない、もう間に合わない、でも通学団で行きたい」 

 

と泣き、ギリギリ間に合いそうな時刻に走って玄関に行くと、 

 

「この服は嫌だ!」 

 

と激しく泣き始めました。 

 

外では通学団の団長さんが雨の中待ってくれていました。 

 

他の子を雨の中待たせてしまっている事も、私をイライラさせました。 

 

私は、次男は学校に行きたくない気持ちを素直に言えないのかな?と決めつけ、 

 

「学校行きたくないなら、休んでいいんだよ」 

 

と言うと、次男は泣き出し、 

 

「勝手に決めるな!クソが!早く連れてけ!」 

 

と訳の分からない事ばかりを叫び、そんな次男に私はイライラし、次男の気持ちを優しく受け止める事が出来なくなってしまいました。 

 

次男はそのまま、1時間ほど、無言で泣きながら玄関に座っていました。 

 

私も何も言わず、次男から離れていると、次男が、「学校へ行く」と言うので遅刻して、一緒に登校しました。 

 

・・・ 

 

【勇気づけの子育て】のやり方は分かっているのに、自分の感情が邪魔して上手くできない、どうしても、感情的になってしまう、そんな事をM先生に相談すると、先生は、 

 

子供はゆっくり成長し、まだ、自分の気持ちがコントロール出来ません。 

 

少しずつ上手くなるのです。 

 

お母さんは、今何かをできていない子供の姿に、焦る意味も、怒る意味もありません。 

 

子供にとって大切な事は、自分を認めてくれる、自分を信じてくれるという親の眼差しです。 

 

学校に行こうが、行くまいが、そのこと自体はどうでも良い事なのですよ。 

 

子供が学校へ行くか、行かないか、その事に親が無関心で、どうでもよい事、と言っているのではありません。 

 

親は、子供が、自分で決めて、行こう!と前向きに挑戦してしようとしている姿を認め、温かい眼差しと共に、エールを送り続けて下さい。 

 

そんな視線が子供の勇気になります。 

 

子供の心が強くなるのですよ。 

 

お母さんは、今日、上手く、次男に優しくできなかった、と悔やんでいますが、人間は、死ぬまで、ずっと成長し続けるのです。 

 

成長の条件は失敗することです。 

 

失敗は、成功の一部で、失敗が無ければ成長など絶対にありません。 

 

今日のお母さんのしくじりを、悪いこと、と捉えたりはせずに、失敗したから、さらにパワーアップできるな、次は頑張ろう!と捉え、どんどん成長してくださいね。 

 

と、上手くやれない私を励ましてくれました。

 

私は、今日の失敗を、繰り返しませんように、どんな気持ちでいたら、どんな決意をしたら、同じ失敗をしないかな、と考え始めました。

 

その時は、よし、頑張ろう!と思えても、感情に負けてしまう事が多かったです。

 

 

 

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309 ちゃんとする事

309 ちゃんとする事 

 

私の子育てを苦しめていた事は【ちゃんとする】事だと思います。

 

ちゃんと学校に行く

 

ちゃんと集合時間に間に合わせる

 

ちゃんと宿題をする

 

ちゃんと挨拶をする

 

ちゃんと爪を切っている

 

ちゃんと時間になったら寝る

 

ちゃんと自分で何でもできる

 

・・・

 

子供が周りの大人から見て、ちゃんとしている親に育てられた、ちゃんとした子、と思われるように、と私は無意識のうちに、自分がしっかり母親をしている、と評価されるために頑張っていたのではないか、と今は思います。

 

周りからの評価を気にする事をやめ、私の中に当たり前にあった、自分が【ちゃんとする事】子供を【ちゃんとさせる事】を手放すと、子育ては一気に楽になりました。

 

・・・ 

 

子供に、ちゃんとする事を迫るというのは、見方を変えると、周りのペースに合わせて自分を殺せと強要している事かも知れません。

 

そんなふうに思うと、私はずいぶん、子供の自主性を無視して、自尊心を損わせてしまっていたのでは、と考えるようになりました。

 

厳しく接する必要はなく、もっと子供に寄り添う姿勢が自分にあったら良かったのに、と思うようになりました。

 

・・・ 

 

不登校以来、私の中に、疑問が生まれています。

 

周りの大多数が良い、としている事が果たして本当に良い事なのか、実は、みんな同調圧力の、間違った良い事をしていて、周りがみんなしているから、とそれを【良い】と信じ込み、子供に押し付けていないのか? 

 

子供が納得する、明確な理由も説明できず、こうゆうものだから、やるべきことだから、みんなやっているのだからと思い込んではいないのか? 

 

子供の本当の気持ちはしっかり聞いてもらえているのか?  

 

果たして、先生を手こずらせない、ちゃんとした子が本当の良い子なのか? 

 

・・・ 

 

以前の私ならば、

 

「みんなできるのに、何でうちの子は出来ないのだろう」

 

「やりたくないからやらないなんて事は許されるの?」

 

と、思ってしまいそうな、次男の運動会不参加宣言も、

 

みんながみんな同じように、やらなければいけないのか?

 

きっとそんな事はないはず。

 

心の準備が整っていない子は、自分のペースで、いずれ参加できる日がくると、周りの大人が信じて、プレッシャーを掛けることなく待ってあげてほしい。

 

殻を破る準備が出来ていない子供の心を、教員に理解してほしい。

 

子供のペースに寄り添ってほしい、そんな事を強く思うようになっていきました。  

 

 

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308 信じる事

308 信じる事

 

2022年10月 

 

落ち着いている事も多くなってきた次男ですが、穏やかに遊んでいてもゲームを始めると、お風呂、食事、宿題でゲームを中断すると、暴言気味になったり、癇癪のように泣きじゃくる事が多かったです。 

 

M先生からは、とげとげしい言葉遣いは子供の心の悲鳴ですよ、と言われてはいましたが、毎日の事なので、疲れるな、というのが本音でした。 

 

子供たちの学校では、10月中旬に運動会があるのですが、次男は、 

 

「僕は、運動会はやらないよ、行かないよ、休む」 

 

と無表情で、当たり前かのように宣言していました。 

 

入学当初からの、学校や家での次男の様子、長男の不登校の経験から、私の中に、なぜこの子は他の子のように出来ないのだろう?みんなのように、ちゃんとやってほしい、頑張ってほしいという思いはありませんでした。

 

学校に行っているだけで、良し。

 

と思っていたので、運動会をやらない、という次男の宣言に動揺する事はありませんでした。

 

学校に行く事もそうですが、出来る限り様々な事を次男本人がどうしたいのか、本人に決めてもらう事にしていました。

 

自分で決めた事には文句を言わないだろう、と私は思っていました。M先生はそんな私の次男への接し方を、 

 

 

「子供の主体性が高まり、自分への責任感とドライブ感が持てる」 

 

「お母さんが子供を尊重している事も子供に伝わりとても良い関り方ですよ」 

 

「お母さんはまだ、子供が学校に行きたくない事を気にしていますが、義務教育の9年間、引きこもりの子でも、自分を発揮できる場を見つけて、凄い活動をしている子はたくさんいます」 

 

「お母さんは、子供にとって一番大事な、子供を信じることをキチンとやって下さい」

 

「お母さんからの誠意は必ず子供たちに伝わります」 

 

「信じる事だけは、キチンとやって下さいね」 

 

と言っていました。 

 

今思うと、私は次男を信じ、次男を尊重し丁寧に関わるように心掛けていた、というよりも、学校嫌いで、毎日クソつまらない、と言い、行き渋り、遅刻欠席の多い次男に対し、兄のように心をこわし、大暴れされたくない、そうなる前に嫌がる事を無理やり頑張らせるのはやめよう、という思いが強かったと思います。

 

この子は大丈夫!この子を信じよう!

 

という心の余裕はありませんでした。

 

 

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307

307 

 

2022年10月 

 

長男は、家族が寝静まると、毎晩リビングでゲームをしていました。

 

下の子たちを寝かしに行く時、私がどんなに眠くても、長男は毎晩、

 

「お母さん起きてくる?起きてきて!」 

 

と言いました。 

 

なるべく付き合うようにはしていたのですが、どうしても眠たい時があり、 

 

「今日しっかり寝て、明日からまた夜中遊んでーごめんー」 

 

と言うと、以前だと不機嫌になる事も多かった長男が、 

 

「いいよいいよ、眠いよね」 

 

と相手を気遣う言葉が出るようになっていました。 

 

この頃になると、長男はとても穏やかで優しい事が多く、優しい長男の姿を見ると、この子の本来の姿はこれなのだろうな、今までは気持ちに余裕がなく、自分の本来の優しい姿を出す事が出来ず、その姿を見た私からは、わがままだ、面倒な子だ、と言われ続け、辛かっただろうな、申し訳ないな、と私は思うようになりました。 

 

・・・ 

 

次男の学校嫌いと無気力な感じは相変わらずですが、次男は最近【ありがとう】と私の目を真っすぐ見ながら伝えてくれる事が増えました。 

 

寝る前に私に沢山話をしてくれるようになり、 

 

「幼稚園の時は遠足が大好きだったけど、僕、学校の遠足は行きたくないんだ」 

 

と、気持ちを伝えてくれる日が多くなっていきました。 

 

私は子供たちの、マイナスな発言や話にも、 

 

「そうなんだね、そう思うんだね」 

 

とただただ聞き、内容を否定をしたり、子供を納得させるような話し方は絶対にしない、と心に決めて話を聞くようにしていました。 

 

・・・ 

 

【勇気づけの子育て】で子供の悪い部分に目を向けず、相手を尊重する事、良い部分に目を向ける事だけに集中し続けると、子供たちと、とても良い関係が築けるようになっていったのです。 

 

M先生からは、 

 

「信頼関係はすぐに崩れてしまいます」 

 

「お母さんは、誠実に、ひたむきに、一生、今の接し方で子供たちと関わって下さい」 

 

「相手を心から信頼し続けて下さい」 

 

と言われていました。 

 

私は内心、思った事を言葉を選ばず子供たちに伝えてしまうような、デリカシーのない私に、そんなことできるのかな、と自信がありませんでしたが、がみがみ口うるさく、上から叱りつけ、子供との関係が良くなかった以前よりも、【勇気づけの子育て】を試すようになってからの方が、毎日気分が良く、子育ても楽になってきたように感じていました。 
 

 

 

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306 外の空気を吸い始める

306 外の空気を吸い始める

 

2022年10月8日 

 

この日は、年少になった娘の運動会でした。 

 

相変わらず、昼夜逆転の長男でしたが、この日は朝起きていて、娘の運動会に誘うと、 

 

「うん、見に行きたい!」 

 

と言いついてきました。 

 

朝9時に、沢山の人がいる娘の運動会に長男が行くと言ったのです。 

 

・・・

 

娘の幼稚園の運動場には、長男の同級生も沢山いて、長男は数人に会ったのですが平気で話をしていました。 

 

この1年、長男が同級生と関わる事が出来る日が来るなんて、想像する事も出来ないほどの日々を過ごしていたので、私はとても驚いていました。 

 

午後からは近所の子供たちが沢山いる公園で遊ぶと言い、走り回って元気に遊んでいました。 

 

【勇気づけの子育て】をはじめてから、長男はみるみる元気になっているように見えました。 

 

それと同時に、長男は食事も摂れるようになっていき、がりがりに瘦せていた体から、少しずつ体型が元の姿に戻っていきました。 

 

訳のわからないような無理難題を言う事もありましたが、その回数が驚くほど減っていったのです。 

 

心が回復しているように感じ、とても嬉しかったです。 

 

長男は次の日も、お昼から雨の中外で走り回り、私不在で、私のママ友と外食をしていました。 

 

まさに、メキメキ元気になってきた、そんな感じでした。 

 

その日の夜には、突然、 

 

「ボールであそぼー」 

 

と言い、庭で静かにキャッチボールを始め、インラインスケートも、 

 

「もっとうまく滑れるようになりたい!」 

 

と何度も動画を見ながらコツを研究し、練習していました。 

 

そんな話をしているとM先生は、 

 

「体を動かし始めたら最終段階ですよ」 

 

「とても良い兆候だと思います」 

 

と教えてくれました。 

 

長男が元気になると同時に、私も心の底からエネルギーが沸き上がるように元気になっていきました。
 

 

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305 友達

305 友達 

 

2022年9月末 

 

入学した4月から、誰とも会話をせず、関わらなかった次男は、夏休みが明けても同じクラスの誰とも会話をする事はありませんでした。


「次男は友達がいないんです」 

 

「放課は、先生が机にいると先生には、寄って行くみたいです」 

 

と私がM先生に話すと、先生は、 

 

 「お母さんが、次男は友達がいない、と決めつけている認識そのものが問題なのです」 

 

「今、次男くんに友達がいないように見えていても、本当に友達がいないわけではありません」 

 

「放課に先生の所に近づいていくのならば、その場合は『先生が友達』そう考えるのです」 

 

「次男君は今、自信がなくて、他者と積極的に関わろうとしていない、友達がいないのではない、という考えを持ってください」 

 

「嘘でも、次男君には、『本当は友達作りの名人だもんね』『友達ができると良いね、きっと、良い友達ができるからね』とポジティブワードを言い続けて下さい」 

 

と捉え方を変えるアドバイスをもらいました。 

 

その当時私は、これほど人と関われない次男に友達が出来るはずがない、次男が望んで1人で居たいのならば、それはそれで良いんじゃないのか?と思っていましたが、1年後、驚くほどに生まれ変わった次男は、本当に友達作りの名人になるのです。 

 

 

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304 私の内面的な変化

304 私の内面的な変化 

 

M先生から【勇気づけの子育て】を教えてもらい、実践していくと、初めは怒りや苛立ちの感情を抑え込む作業が多く、子供を立ち直らせるために【耐える】【我慢する】という感覚が多かったのですが、子供が目に見えて落ち着いてくると、私自身の、子育てに対する、根本的な考え方が徐々に変化していきました。 

 

・・・ 

 

子供を叱るのをやめ、この子の気持ちを尊重しよう、と努力していると、それを上手くできなかった時に、【なんか嫌だな】という不快感が、心の中に気持ち悪く残るようなっていきました。 

 

今までは、子供が何かを要求する度に、望みを叶えようなどという気持ちは1ミリもなく、

 

「あー面倒だな、この子をどう諦めさせよう」

 

と思っていた事でも、

 

「今、この要求に応えないのは私が面倒だからなのか、本当に聞く事のできない要求だからなのか」

 

と一旦頭で考え、子供に諦めさせる事を出来る限りさせたくない、と思うようになっていったのです。 

 

・・・ 

 

以前のように、遅刻、欠席をさせて甘やかしてはいけない、と思ったり、通学団に遅れる事で、人に迷惑をかけないように、と子供を怒鳴りつけ、イライラしながら子供の心を傷つけるのは間違った子育てだ、と思うようになり、支度が遅くても、私が子供を待てるようになっていきました。 

 

・・・ 

 

次男はよく、 

 

「学校が終わる時間に迎えに来てよ!歩いて帰りたくない!絶対だよ!」 

 

と言っていましたが、次男に対して、 

 

「みんな歩いて帰るのに、自分だけ歩いて帰らない甘ったれだな」 

 

などと思ったりはせず、 

 

「最後まで学校にいようとしてるんだな!頑張ろうとしてるんだな!素晴らしいな!」 

 

と自然に思えるようになっていきました。 

 

・・・ 

 

私が子供に対して不満や不安を言うたびに、M先生から、 

 

「お母さんは物事の捉え方を変え、出来ている部分だけに目を向けるようにしましょう!」 

 

と何度もアドバイスされ続けたことで、私は少しずつ、イライラせず、子供が頑張っている姿だけをしっかり見る事が出来るようになっていきました。 

 

あれもできていない、これもできていない、と不満ばかりだった私の思考は、子供の頑張っている部分に目を向け、子供の頑張りを理解していくうちに、心の底から子供が可愛い、愛おしい、と思えるようになっていったのです。 

 

 

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303 天才脳の作り方

303 天才脳の作り方 

 

M先生から教えてもらった天才脳の作り方。 

 

・・・ 

 

天才脳を作りたかったら、子供が夢中になっている事を、途中でやめさせない事、とにかく中断させない事!それが天才脳を作るコツです。 

 

子供がご飯を食べるのも忘れて集中しているのに、親が、 

 

「ご飯の時間」「お風呂の時間」「もう寝る時間」 

 

などと、規則正しい生活をさせよう、躾けよう、と子供が夢中になって集中している事を中断させるから、子供は、無気力になっていくのです。 

 

子供が自ら「やーめた」となるまでは声もかけず、徹底的にやらせることが、伸ばす教育です。 

 

ほとんどの親がその真逆の縮める教育をしているように思います。 

 

と教えてもらいました。 

 

・・・ 

 

M先生の話を聞いていて、「夢見る小学校」というドキュメンタリー映画を見た時も、脳科学者の先生が、

 

「内容がなんであれ、例えゲームだとしても、子供が集中して、夢中になっている時に一番脳が育つので、とにかく好きにやらせておくと良い!」

 

みたいな事を言っていたな、と思い出しました。 

 

・・・ 

 

長男はとても自由な幼稚園に通っていたのですが、 

 

「幼稚園の時に、夢中で砂場で遊んでいるのに、お茶を飲まされるのが嫌だった」 

 

「学校も、『さー、やる気出てきたーっ』て時に給食とかを食べるのが嫌だった」 

 

と、よく言っていて、彼の中には、自分のペースや納得いくタイミングが常にあり、こだわりが強く、ペースを乱され、中断させられる事をとても嫌がる傾向がありました。 

 

私はそんな長男を、面倒だな、難しいな、マイペースが過ぎるな、協調性がないな、何でこの子は他の子と違うのだろう?と思っていたように感じます。 

 

M先生や映画の中の脳科学者の先生の話を聞き、私は、長男はめちゃくちゃ集中力があるし、好きな事に没頭する子だ! 

 

好きな事を、好きなだけやらせて良いのだ!と知り、親として自信を持って、本人のペースで好きなだけやらせられる!と、気持ちがとても楽になりました。

 

子育ては、正しい知識と親が子供を信じぬく強い気持ちさえあれば、とてもシンプルなのではないか、と思うようになっていきました。 

 

 

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302 次男の祖母への失礼な態度

302 次男の祖母への失礼な態度 

 

私の母は、孫にとても優しくしてくれる親切で優しいおばあちゃんです。 

 

長男はそんなおばあちゃんの事が大好きで、とても懐いているのですが、次男はなかなか懐きませんでした。 

 

少し前に母に留守番を頼んだ時に、学校から帰ってきて、汗だくの次男を無理矢理シャワーさせたからか、特にこの時期、次男は母を拒否するようになっていました。私が、 

 

「おばあちゃんが次男の好きなお菓子くれたよ」 

 

と言えば、 

 

「いらない、あんな人」 

 

と言い、食べようとしませんでした。 

 

・・・ 

 

小さな頃から、次男はあまり人に懐きませんでしたが、長男が不登校になってから、更に人に対して心を閉ざすようになりました。 

 

夏休みに、主人の実家へ行った時もそうでしたが、以前は大丈夫だった私の実家に行っても丸2日間、出された食事を「汚い」と言って食べず、お腹が空いた、コンビニに連れて行って、と、当たり前のように言う事もありました。 

 

母は、次男が私が作った物しか食べない事を理解していて、 

 

「おばあちゃんじゃなくて、お母さんが作ったよ!と言って出してね」 

 

と言ってくれて、私が、 

 

「お母さんが作ったよ」 

 

と言って食事を出しても、このお皿は使った事がないから、食べられない、汚い、と言い食べませんでした。 

 

母が次男が好きだから、とわざわざ前日から買い物に行き作ってくれている事を知っているので、私はとても心が痛んでいました。 

 

・・・ 

 

別の日、母が我が家に来て作ってくれた料理も「汚い」と言い、一切食べませんでした。 

 

一生懸命作ってくれた人にそんな事を言う次男を、私は理解する事が出来ませんでした。 

 

母は我が子たちの特性を理解しており、次男の失礼な態度に対して、気にしないでね、と言ってくれていましたが、 母に対し、凄く失礼で申し訳ない、そんな気持ちがいつもありました。 

 

この子の、人に対して極めて失礼な態度は、いつか治るのだろうか?そんな事を心配していると、M先生からは、 

 

次男君のそんな態度は、今の【勇気づけの子育て】を続けていれば、必ず消えてなくなるので、お母さんは、いちいち悲しい気持ちになる必要はありません。 

 

次男君のこれまでの幼少期の苦難を考えてみて下さい、次男君の不適切な態度にお母さんが悲しい気持ちになるべきではないですよ、ずっと悲しかったのは、次男君本人ではありませんか? 

 

と言われ、次男は今まで、長男にずっと、 

 

「お前は汚い、お前が使ったスプーンは使わない」 

 

と言われ、ただそこにいるだけで、「汚い汚い」と何かにつけて言われていた事を思い出し、次男は自分が今まで長男に言われてきた事を、一通り相手を変えて言いたいのかな、と私は思うようになりました。 

 

・・・

 

M先生は、例えて言うならば、次男君は、今はまだ、鳥の雛なのですよ。 

 

口を開いて、親鳥が餌を運んでくれるのを待ち侘びているのです。 

 

他の子に取られないように、思いっきり口を開いているけど、目も見えていない。 

 

それでも、してもらった事を、必ず、次の世代に繋げる親になります。 

 

親鳥は、雛が育つと信じて餌を何度も何度もただ、ひたすら運ぶのです。 

 

きっと今、次男君の内面では色々な事が起こっています。 

 

目に見える表面には、良い面と悪い面が同時に出ますが、子供たちの様子を聞いていると、とても良い流れが出来ていると思いますよ。 

 

【この子は大丈夫に決まっている!】とまずはお母さんが子供たちを信じて、今を生きて下さい! 

 

おばあちゃんへの失礼な言動も、子供はいずれ、何を言って良いのか、ダメなのか、学びます。 

 

お婆ちゃんに、悪いなぁ、と思う気持ちを整理するのは、次男君の人生の課題ではなく、お母さん自身の課題ですよ。

 

大人が我慢すれば良いのです。 

 

周りの大人みんなで子供を支え、子供の心が豊かになる事を、みんなで喜びましょう。 

 

子供の心理を理解すれば、表面的に起こる不適切行動に、大らかに対応できるようになります。 

 

お母さんが、子供の不適切行動に、いちいち悲しがったり、失望しているうちは、まだ、子供の心に寄り添えていないという事です。 

 

【勇気づけの子育て】を続け、子供の心が癒えて、子供たちが少しずつ、自分を出せるようになって、わがままも聞いてもらえるようになっていくと、どんどん、その子本来の素晴らしい姿を、外に出せるようになるのです。 

 

お母さんが自分自身の心を良く整えて、子供たちが大人に試し行為などをしなくても、心底安心して過ごせるようになる日まで、待ってあげて下さい。 

 

とにかく、この子は大丈夫だ、と信じてあげて下さい。 

 

と教えてもらいました。 

 

これほど失礼な事ですら、注意しなくていいのかな・・・と思う気持ちもありましたが、注意したところで次男は直すわけでもなく、良くない行動である事は、彼自身も分かっているだろうな、という気持ちもあり、私は母に対する失礼な態度に対して、次男に何も言う事はありませんでした。 

 

 

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301 次男のゲーム依存

301 次男のゲーム依存 

 

2022年9月末 

 

最近だいぶ元気になってきた長男を連れて、家族で少し遠くへ行く事になりました。高速道路を使って1時間半ほどかかる場所でした。 

 

娘が飛び跳ねてお出かけを楽しみにしていましたが、出発するまで、長男は本当に行くのか、起きられるのか、私はそんな心配ばかりをしていました。 

 

結局、出発の時間になり、連れ出すのに困ったのは、長男ではなく7歳の次男でした。 

 

夏休みも45日間朝から晩までゲーム漬けで何もせず、学校から帰ってからも、土日も、ゲームしかしていないのに、それでもまだ次男は外出する事でゲームの時間が減る事を嫌がりました。 

 

まず家をでる瞬間から、 

 

「行きたくない」 

 

「家でゲームをしていたいのに!何で行かなきゃダメなんだ!!」 

 

「お休みの日に何で僕の時間を奪うんだ!」 

 

と泣き叫んでいました。私はなんとかプラスの言葉に変えようと、 

 

「お母さんは次男が来てくれたら嬉しいけど、一人で待てるなら来なくても大丈夫だよ」 

 

と言うと、次男は、 

 

「1人で待てるわけないだろ!」 

 

と言い、長男は車に乗りまだ出発しないのか、と言っているし、娘は嬉しくて飛び跳ねているし、結局次男が納得しないまま、なんとか次男を車に乗せて出発しました。 

 

車中も次男は、 

 

「勝手に連れてこられた」 

 

「行きたくない」 

 

と食ってかかりながら叫び続けていましたが、私が、 

 

「ゲームをしていたいのに来てくれてありがとうねー」 

 

「お母さん、嬉しいよー」 

 

「みんな、今日は次男を楽しませた人が勝ちね!」 

 

などと次男の怒りの言葉をかわしながら、車中はなんとか過ごしていました。 

 

・・・

 

到着すると、次男は車から降りず、私に向かって、 

 

「行くな!」 

 

「行くなって言ってるだろう!!!」 

 

と叫びながら泣いていました。

 

小さな子供を連れて、家族で楽しくお出かけしたいだけなのに、なんなんだ、この子は?と私は内心イライラしていました。

 

主人は何も言わず、ただ黙って私に全てを任せていました。 

 

何とか次男をなだめよう、と頑張りましたが、あまりにもしつこく「行きたくない」と言い続けるので、私はもう頑張れず、次男に対し、 

 

「もー、行かなくていい」 

 

「お母さんと車で待っていよ」 

 

とうんざりした雰囲気で次男に言うと、次男は急に、 

 

「行く!行くって言ってるだろうが!行けよ!」 

 

と、今度は行かない事に怒ってくる・・・ 

 

あーーー、本当に疲れるな、もううんざり、どこにこんな7歳児がいるんだ、そんな気分でした。 

 

結局家族全員で入場し、みんなが遊び出すと、次男は少しずつ顔が和らぎ、自ら遊びはじめました。 

 

・・・

 

プールに入って遊ぶと、帰り際には、 

 

「明日は来れないの?」 

 

と聞いてくれた事がとても嬉しかったです。 

 

長男は、出発時は元気でしたが、しばらく遊ぶと疲れたのか、遊び場ではない場所で「ボー」っと1人で座っていて、昔のような長男らしい活発さはありませんでした。 

 

元気がないな、もう帰った方がいいんだろうな、と心配していたのですが、車に乗り、ゲームを始めると一気に元気を取り戻していました。 

 

家の中で元気になっていても、やはり外ではあまり元気がないな、外出はあまりしたくないんだな、と私は感じてました。 

 

外出中も、私はいつも長男の情緒が不安定になってきていないか、と長男の様子ばかり心の中で気になってしまう癖がなかなか抜けませんでした。 

 

常に、長男が機嫌が悪くなりませんように、とその事だけに神経を集中させ、怯えていたように思います。 

 

 

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300 子供の心理

300 子供の心理 

 

2022年9月末 

 

この時期の次男は、朝食が気に入らず、暴言を吐いて暴れ、学校に遅刻する事がよくありました。 

 

朝ご飯を作っても、気に入るメニューじゃなければ食べず、目の前に朝食が置いてあるにも関わらず、私に向かって、 

 

「今日の朝ご飯なに?」 

 

「ねー、早くご飯ちょうだいよ」 

 

「朝ご飯なしかよ!」 

 

と神経を逆なでするような事ばかり言ってきました。 

 

・・・

 

別の日は、主人が次男にチャーハンを作ると、出来上がった食事を見もせずに、 

 

「絶対まずいから食べない」 

 

と言っていたのですが、文句を言いながらも出来上がったチャーハンを見に来たので 

 

「見るだけ見てくれたんだねー」 

 

「嬉しいなーありがと」 

 

と夫婦で言い、その後は次男に何も言いませんでした。 

 

すると次男は、何も言わず、不貞腐れたまま、チャーハンを食べ始めました。 

 

・・・

 

偏食の酷い次男の、毎日の朝食の用意がとてもストレスになり、夜のうちに、朝ご飯を決めてもらう事にすると、スムーズに朝食をとれる日が以前よりは増えました。 

 

・・・

 

この時期の次男は、朝は通学団では登校せず、起きた瞬間から不機嫌で、朝食も文句ばかり言う。 

 

遅刻をしているのに、給食を食べたら帰りたい、と言い早退をする。 

 

家に帰ってからは返事もせずにゲームばかりしている、そんな次男の姿に、この子はどうなるのだろう?と将来に不安を感じない日はありませんでした。 

 

・・・

 

私は、上手く感情を抑える事が出来る日もあれば、苛立ちが顔に出てしまう日もありましたが、何とか挑発にのらないように、と頑張っていました。 

 

内心は「ふざけんなよ!」と思いながら、なんとか耐えている事もよくありましたが、私が感情を抑え優しく対応すれば、良い事が起こる頻度も増えていきました。 

 

例えば、長男の友人におやつを作り、出そうとしていると、次男が、 

 

「ずるい、みんなにばっかり」 

 

と言い怒り出し、私が、 

 

「次男が全部食べていいんだよ」 

 

「次男が優先!次男が食べて、お腹いっぱいになって友達にもあげられるならあげたらいいよ」 

 

と言うと、「友達にあげてね」と一言も言っていないのに、自分は食べずに友人の所へおやつも持って行ってくれました。 

 

・・・

 

子どもの言動は理解不能で、予測すらできないと苛立ってばかりの日々の中で、時折、打てば響く、と感じる瞬間も、少しずつですが増えてきたように思います。

 

以前の私は、子供がどうしてほしいのか、どんな気持ちでいるのか、と子供の心に寄り添う姿勢はもてず、子供をどう納得させよう、どうやって言うことを聞かせよう、ということばかり考えていたことに気が付き始めていました。

 

そんな中、私だってコツさえつかめば、子供とうまくやれるかもしれない、という期待感が、自分の心の中に芽生えてきたようにも感じていました。

 

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299 子供の気持ちを受け入れる事

299 子供の気持ちを受け入れる事

 

夏休みが明けてから特に次男は、

 

「学校は知ってる事しかしない、詰まらない、意味がない」

 

と言っていました、そんな次男に、私は、 

 

「学校がつまらないのは悪い事じゃないと思うよ」 

 

「詰まらないものは詰まらない、嫌いなものは嫌いでよいんじゃないかな」 

 

「自分に合う学校を探すのは大賛成だから、別の学校の体験とかいってみようね」 

 

と言っていました。 

 

・・・

 

夏休みが明けると、次男の学校での様子は明らかにおかしく、課外学習で学校で出されたお弁当には一口も手を付けず、そのまま家に持ち帰ってきたり、5時間目に教卓下で爆睡していたり、立ち歩きも酷くなっていました。 

 

家では寝る前に、「明日学校行きたくない」 と言う事が以前より増えていました、 

 

・・・

 

先日は、行き渋るけれど、休みたいとは言わない次男に、 

 

「次男が行きたいタイミングで、お母さんと学校に行こうね」 

 

と次男に伝え、通学団では行かず、出発時間を次男が決めて出発していました。 

 

この日は正門で、給食を食べたら帰りたい、と言うので給食後にお迎えに行きました。 

 

学校をとても嫌がる様になってきた次男でしたが、家庭では以前よりも落ち着いていました。 

 

次男と話をしていると、娘がやきもちを焼き、邪魔をしてくる事がよくあり、私が娘に 

 

「今次男とお話ししてるから、待ってくれる?」 

 

と言っても、娘は「やだー」と嫌がる事が多く、以前だと次男は妹に、 

 

「わがままだな!」 

 

と怒っていたのですが、最近は、 

 

「お母さん、いいんだよ、〇〇ちゃん先にどぅぞ」 

 

と言ってくれる日が増えていました。 

 

よく考えるとここ数日以前の様に、 

 

「おい、お前!」とか「クソババア!」 

 

と私に向かって暴言を吐く日が明らかに減ってきていました。 

 

次男に、 

 

「お母さん、昔よく怒っていたのに、最近怒らないよね、何で怒らないの?」 

 

と言われるようになり、そんな次男の話を聞いていた長男は、 

 

「お母さんが口うるさく言わない事に僕は気付いてる、だから僕も頑張らなくちゃって思ってはいるんだよ」 

 

と言っていました。 

 

子供たちは私の子育てスタイルの変化に気が付いているようでした。 

 

不思議な事に、子供を良くしよう!と厳しく子供を叱ったり、躾けたりをしなくなったのに、子供は自発的に、どんどん良い子になっていったのです。 

 

M先生からは、 

 

「子供たちは、自分の主張が、ちゃんと受け入れられている、という実感が生まれてきたのだと思います」 

 

「子供にとっては、受け入れられる体験が何よりも大切です」 

 

「心の交流を、どんどん深めてくださいね」 

 

「受容される喜びを知った子は、自信を深めていきます。そしてそれが、子供の心の成長にはとても重要な事なのですよ」 

 

と教えてもらいました。 

 

 

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298 ルール決め

298 ルール決め 

 

9歳、7歳、3歳、の子の子育てをしていましたが、長男の疲れた心を回復させる為、生活のほとんど全てを子供たちの望むペースで進めていて、生活の中に秩序はほとんどなくなっていました。 

 

やりたくない事は一切せず、好きな時に、好きな事をしている。 

 

食べたいときに食べたいものを食べ、食べたくないものは食べない。 

 

長男の心が穏やかになり、大切にされていると信じてもらうため、出来る限り、その子が今望んでいる事を叶える。 

 

長男の回復の為なので、長男だけにその対応をしたいのですが、下の子は上の子をマネし、自分たちの事も同じように大切にするのか、と試してくるため、私は全員に同じ対応をせざるを得ませんでした。

 

M先生には、 

 

「今の状態があまりに酷いと思うのであれば、子供が守れるルールを、子供と話し合いをして、決めると良いです」 

 

「子供がルールを守れないのは、そのルール自体が守れないルールだからです、発想を広げて工夫をして、守れるルールを、知恵を出して決め、家族全員が守りましょう」 

 

「今、とても子供が言う事を聞かない、という状態なのであれば、各自の状態が安定したあとに、また、すこしずつ秩序を作っていけばよいのですよ」 

 

「焦らず、少しずつ家族を良くしていきましょう」 

 

と言われていましたが、守れる!と自分たちでルールを決めても子供はルールを守らず、子供がルールを守らないと

 

「こんなに緩いルールですら守れないのか」

 

と私は少しずつ強い口調になり、その口調で子供が怒り出し、負の連鎖が始まるのです。 

 

私は子供たちと子供たちの守れるルール決めをする事がとても苦手でした。 

 

全て放棄して好きにさせておく方が私には楽でしたが、好き放題な子供を見ると、この子たちはこの先、どうなるのかな?と不安になっていました。

 

 

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297 前を向き始める姿

297 前を向き始める姿 

 

2022年9月末 

 

「僕なんてどうせ」 

 

「僕なんてクズだから」 

 

などどマイナス発言を連発し、ランチに誘っても、 

 

「学校に行ってない僕がおいしいものなんて食べなくていい」 

 

と言い、お誕生日だね、とお祝いしても、 

 

「9歳になるのに、僕は学校に行ってない」 

 

とお祝いされる事さえ拒絶し、誕生日、新学期などの区切りがある度に落ち込み、部屋に閉じこもっていた長男が、少しずつ自己肯定をする言葉を発するようになっていました。 

 

どこかへ出かけたりインラインスケートで1日遊んだ後、とても嬉しそうに、 

 

「僕、体力落ちてないかも、戻ったかも、疲れてない!」 

 

と自信を取り戻せるかもしれない、と自分自身に問いかけるかのように言う日が増え、 

 

「外に行きたいな!」 

 

「やっぱり運動楽しいな!」 

 

と進んで外の空気を吸いに行くようになったのです。 

 

小学生の帰宅時間でも、以前のように怯え、家の中に急いで帰って来る事も減っていきました。 

 

私はいつも、本来の、本当のこの子の姿を見つけられずにいました。 

 

長男が元気になれば私が元気になり、些細なきっかけで落ち込めば一緒に落ち込んでしまう。 

 

表面的には明るくしているつもりでも、心のどこかが苦しくて、些細な事にイライラしてしまうのです。 

 

何でこんなに私はイライラしているのだろう?と考えると、それはいつも長男の気持ちの浮き沈みが関係していました。 

 

不登校以来特に、私はどうしても、自分の心を、安定させられずにいました。 

 

 

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296 決めつけ

296 決めつけ 

 

2022年9月末 

 

ゲーム機を与えてからの、長男次男のゲームへののめり込み方は異常で、特に次男は学校でも誰とも関わる事が出来ずに、ただただ、何とか学校へ行き、帰って来てゲームをする事だけが楽しみで生きているかのように私には映っていました。 

 

子供らしく外で元気に遊ぶ、目をキラキラさせ「あれしたい!これしたい!」と好奇心を持って何かをやりたがる、という事は皆無でした。

 

そんな次男をとても心配していた私への、M先生からのアドバイスは、 

 

母親が次男はやらない子、できない子と決めつけ、幾度となく次男の貢献の機会を、奪ってきている可能性があります。 

 

子供は本当はできるのに、親がこの子はどうせ出来ないだろうと諦めていませんか? 

 

子供が何もしないというならば、その子は本当は出来るのに、やらないと決心しているだけではありませんか?

 

いつもはやるべき事をやらない子供が、少しでも何かを自分でやれた時に、それを見逃すことなく、良く認め、出来たことを一緒に喜んであげる。 

 

自分の事や、家の小さなお手伝いを、母親が遊びに付き合ってもらう感覚で、上手くリードしてあげて下さい。 

 

子供は、何事に対しても、遊び感覚があれば、惹きつけられるので、うまく、役割を与えて、巻き込み、子供が家庭内で活躍できる場を沢山作り、他者貢献を沢山経験させてあげて下さい。 

 

お母さんが工夫をしても全て上手くいかない事もあるけれど、良い時を少しずつ増やしていきましょう。 

 

親は試行錯誤し、その子はどの誘い方が一番反応するのかを、工夫すること。 

 

そんな事を繰り返し、親子の絆が深まると、全ての事が良い方向へ向かいます。 

 

何もしない、ゲームしかしない、と思うのは、お母さんが子供をそうゆう目で見ているからですよ。

 

ゲームをしている時間、お兄ちゃんと楽しくコミュニケーションを取れていれば、それだけでも、とても素晴らしい事です。 

 

ゲームは悪い事ではありません。 
ゲームをする事で、人と豊かにコミュニケーションをとれるきっかけになるのであれば、その子にとってゲームはとても良いことです。 

 

この子はこうゆう子だから、と決めつけるその考えをお母さんはまず、捨てて下さい。 

 

と言われ、特に1年前から人と上手く関われなくなっていた次男は、長男以外の友人とも、ゲームを通しては活き活きとしながら関わっているな、という事に私は気が付いたのです。 

 

親がまず、子供を見る角度を変え、捉え方を変える事がとても重要だと思いました。 

 

何をしているかよりも、その子が今心から楽しんでいるか、ワクワクしているか、そこに視点を合わせられていなかったのかな、と思ったのです。 

 

 

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295 心を温める事

295 心を温める事 

 

上手くやれない私がもらったアドバイス②

 

永遠に続くかのように感じる子供との時間は本当はほんのわずかしかなく、子供と深く関われる子育て期間は、子供が中学校に入るまで、その後は、もう、親はなかなか相手にされず、共に過ごす時間は少なくなります。 

 

お母さんが、元気で明るくて、優しくて、親切なら、家庭は全て、自動的に良くなります。 

 

まずはお母さんが自己否定をやめ、明るく過ごして下さい。 

 

子は親の鏡なので、親が良いものを見せて、親が良い人生を歩む姿を見せていれば、子供は親という鏡に反射するように、良い状態になっていきます。 

 

子供は叱られない事で、失敗も恐れなくなり、心から信頼される事で、愛されている、と実感していきます。 

 

長期に渡り、柔らかな子供の感性を痛めつけるように育て、困難な子育てから自分の子育て法が間違っていた事に親がやっと気が付いた。 

 

親は間違いを改めやり方を変えたのに、子供が全然良くならない、何ですぐに良い子にならないのか、なんて事は思うべきではありません。 

 

今まで子供が自信を失うほど、心を傷つけてきたのだから、これからはこの子の心が温まるように接しよう、という思いや、今までの子育てへの反省が足らない人は【まだ】良くならない、と焦りが生じるのです。 

 

子供に向き合う前に、まず、自分の心としっかり向き合い、【やる】と心に決めて進んでください。 

 

【勇気づけの子育て】を粘り強く続けていれば、昨日より今日、今日より明日、良い場面が、増えてきて、気が付けば悪いことが少しずつ減っている。 

 

自然と良い状態を、少しずつ長く保てるようになるです。 

 

親がやり方を変えたからと言って、子供が突然不適切な言動が皆無になる事など、ありえないので、親はいちいち、子供の不適切な言動に落ち込まず、自分がこのやり方だ!と決めた子育て法をぶれずにやり続けて下さい。 

 

不適切な行動は、子供の最後の抵抗なのだと、親が乗り越えるべき壁なのだと、温かく受け止めてあげて下さい。 

 

・・・ 

 

いじけまくっている子供は、良い子にしていても注目してもらえなかった経験から、騒いで騒いで注目を得ようと行動しています。

 

注目をされず、愛されている確信が持てず、不安な子供は、大暴れしてでも、注目を得ようとするのです。 

 

最優先順位として、長男を立ち直らせ、それに大きな影響を受けて必ず次男が良くなっていきます。 

 

不登校中の子は、本当に挫けやすく、とても自尊感情が低いので、油断せず、しっかり愛を注いでください。 

 

不登校児は自己中と言いますが、自己中は、わがままという意味ではなく、認めてほしいという渇望が肥大化し、承認欲求が、強い事です。 とにかく子供を認めてあげて下さい。

 

幼少期に親から承認されるという経験が十分に満たされていないのですよ。 

 

自分が大事な存在なのだ、大切にされているのだ、愛されているのだ、という実感を持っている子は、集団での適応が高いです。 

 

沢山愛を注ぎ、自己受容が出来るようになると、不安が消え、どんな場面でも適応能力が上がっていきます。 

 

とにかく愛されているのだ、大切にされているのだ、という実感が持てるよう、粘り強く愛を与え続けて下さい。 

 

 

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294 伝え方

294 伝え方

 

上手くやれない私がもらったアドバイス。

 

【ありがとう】という言葉はただ言えば良いのではなく、心から【ありがとう】と子供に感謝し、気持ちを込めて、あなたの存在は、有難い、とても価値のあるものだ、という気持ちでいることが相手に伝わってこそ心の奥深くに刺さります。

 

子供が良い状態になってほしいという下心の元、上辺だけで【ありがとう】と言っていても相手には伝わりません。

 

生まれてきてくれて、ありがとう。 

 

私の子供に生まれてきてくれて、ありがとう。 

 

そんな言葉を心の底から、魂を込めて、言ってあげて下さい。 

 

今まで親が上から目線だったのに、急に違うやり方をすると、言い方がぎこちなくなってしまうかもしれませんが、だんだん、上手になります。 

 

人間なのだから、何事も器用に全て上手くできる訳ではなく、親も、子供も少しずつ成長したら良いのです。 
 

 

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293 大丈夫という言葉

293 大丈夫という言葉

 

次男が暴言を吐くと、私はイライラする気持ちと、この子はこんなふうで大丈夫なの?という不安と、不適切な行動に対して、私は親として何を伝え、どう対応したらよいのか分からず、抑え込めないほど苛立ちの感情と、対応を考え思考を巡らせることで、頭の中も心の中もいっぱいいっぱいで、精神的に疲れてしまいがちでした。 

 

それでも、今この苛立ちの感情に負け、子供に酷い事を言ったところで、私が一瞬すっきりしたとしても、後に罪悪感にさいなまれ、誰も幸せにならない。

 

良い言葉が見つからなければ、とにかく黙って耐えよう、と思いながら日々を過ごしていました。 

 

次男が訳の分からない事を言い始めると「わがまま言わないでよ」と言いたい気持ちを抑え、 

 

「気持ちを教えてくれてありがとう」 

 

と伝えるように心がける。毎回は出来ないけれど、そんな事を続けて行くうちに、次男が、

 

「お母さんにわがままを言っても怒らないんだ、僕はわがままを言っても良いのだ」

 

と、安心感を膨らませてほしいという気持ちがありました。 

 

私は、その繰り返しが信頼関係を生むと思っていたのです。M先生の、 

 

「人が人を信頼するのに理由は不要で、信頼を寄せる人を傷つけ、裏切り続ける事ほど辛いことはないはずです」

 

という言葉から、不登校になるまでの長男と次男の姿を思い返し、私がいかに、息子たちを信頼せずに育ててきたのか、という事を考えさせられていました。 

 

・・・

 

今、我が家が子供たちにしている子育てを見て、主人は、 

 

「ここまで子供に何も言わずに、自由でいいのか?」 

 

とよく言っていましたが、今のやり方に変えてからの子供たちを見て、以前よりは確実に家族間の関係性が良く、次男の暴言は激減し、長男がとても優しくなったので、もう割り切って1年間は無心で【勇気づけの子育て】を頑張ろう、と言っていました。  

 

・・・

 

次男の情緒の波が激しく、私は心が折れそうになるのですが、厳しく叱ったりはせず、優しく接していると、暴言や癇癪は以前のようには長引かず、私も頭に血が上るような感情を抱くことが減り、以前のように頭も心ももやもやと苦しくなる頻度が減っていきました。 

 

M先生からは、

 

「不登校の子供に限らず、大人でも『君ならやれる!あなただったら大丈夫』と信じてもらえると、初めは不安でも、頑張ってみよう!となると思いますよ」

 

「子供たちには前向きな言葉をかけ続けて下さい」

 

と幾度となく言われていました。 

 

私自身が、話をする相手が私の気持ちに共感し、 

 

「どーなっちゃうんだろね、不安でたまらないね」 

 

と言われれば、不安になり、信頼している人に「大丈夫、大丈夫」と言われれば、大丈夫な気がしてきて頑張れる、感覚がありました。 

 

それでも、言われる相手が大切で、不登校や次男の不適切行動に対して悩んでいる時は、同じような経験をしていない人や、他人事だからと、無責任に「大丈夫大丈夫」と言われると、何となくもやもやし、不快感を抱くこともありました。

 

 

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292 頼み方

292 頼み方

 

長男は不登校から1年経ち、【勇気づけの子育て】を実践し始めると、家族に対する言葉がけがとても丁寧になり、私に食事を頼む時も、 

 

「お母さん、無理ならいいけど、ご飯いいかな」 

 

と聞いてくれるようになりました。私も長男に対して、 

 

 「もし無理なら大丈夫だけど、8時30分に下の子が寝る部屋に行った後は、ゲーム機を寝る部屋に持ってこないでほしい、次男が寝る部屋で折り紙とかして遊んでいるから、いいかな?」 

 

とお願いベースで頼むと、 

 

「オーケーオーケー!大丈夫だよ!任せて!」 

 

と快く返事をしてくれるようになり、下の子を寝かし、私が起きていき、長男とゲームを始めると、 

 

「お母さんいつも来てくれてありがとう!ごめんね」 

 

と言う事が増えました。 

 

土日には妹をお風呂に入れてくれる日もありました。 

 

1人で待つことが出来ない次男の帰宅時間に私が不在な事があり、長男に、 

 

「明日、お母さんいないから次男が帰ってくる時間、リビングにいてもらっても良いかな?」とお願いすると、長男は、 

 

「大丈夫だよ、僕に任せてね!お母さんにも事情があるもんね」 

 

と私を助けてくれるようになっていったのです。 

 

・・・

 

M先生からは、子供にお願いをする時は、相手が断れるようにお願いをするように言われていました。 

 

相手が断れるような頼み方をし、断られたら潔く諦める。

 

こんな接し方をすることがなぜ必要な理由は、子供との上下のない人間関係を作るためです。

 

そういう上下関係のない状態では、親だからといって、子供を思いのままにして良いわけではありません。

 

上から命令され、意に沿わないことを強要されたら、子供は、自分が親から大切な存在として扱ってもらえていない、また、その価値もない、と悟ります。

 

貢献感という以前に、自分には価値があり、親は、自分を大切にしてくれている、という実感を抱かせてあげる事は、とても大事なのです。

 

子供に助けてもらう事で、お母さんは助かり、子供たちは、貢献できて、自信を持つ。 

 

そんなふうに、助け合う家族というのは、全ての方面でとても良いのですよ。と教えてくれました。

 

・・・ 

 

相変わらずゲームを中断する時に、酷い暴言を言いがちな次男には、寝室に行く前に、 

 

「今日は次男、お母さんと遊んでくれるかなー、楽しみだなぁ」 

 

とか言いながら、娘と先に寝室に行くと、 

 

「あー、この妖怪倒してからいくね、少し待っててね」 

 

とゲームにキリをつけて、寝室に来る日が増えていきました。 

 

・・・

 

それでも私は、そんな【お願いベース】のやり方を自然体でしている、というよりも、とても意識してやらないと、元々持っている雑で相手に配慮のない子育て法にすぐに戻ってしまう気がしていて、何とかこのやり方が自然に出来るようになりますように、と願っていました。 

 

 

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我が家の場合は、不登校初期、長男はギリギリ生きている、という状態まで気持ちが落ち込み、学校も習い事も、食事、お風呂、歯磨き、などの日常生活すら全て放棄した状態に陥ったため、もう失うものは何もなく、今までの子育てを全てリセットせざるを得ませんでした。 

 

それは、悪い事ばかりではなく、手放すものさえなくなり、失うものがない、というのはある意味強みだな、と私は今でも思っています。 

 

・・・ 

 

次男は、長男が不登校初期に荒れ狂った様子をしっかり見て、聞いて、1年過ぎた頃、次男自身が同じ事をして、親の反応を見てるようでした。次男の酷く不適切な行動に私が注意をすると、次男は、 

 

「どうして長男だけいいの?」 

 

「なんで、僕はダメなの?」 

 

と聞く事が増えていました。 

 

・・・ 

 

毎日繰り広げられる、訳の分からない子供の理不尽な言動に私はいつも挑発され、争いの土俵に上がっていましたが、自分の感情に負けないように頑張らなければ、と思っていました。 

 

それでも、お風呂、歯磨き、起きる、寝る、ご飯を食べる、トイレに行く、その全てのアクションで、突然切れて暴言を吐き、癇癪を起す次男に心穏やかに接する事は、すぐに感情的になる私には至難の業で、なかなか上手くやる事ができませんでした。 

 

そんな私の悩みに、M先生が、 

 

「暴言を吐いたりする子供の言動は、不安の表れなので言葉通りに受け取らず、この子は今何か不安なのだな、と気持ちに寄り添う声掛けをし、心を温めてあげて下さい」 

 

「叱りつけたら何も解決しないどころか、あー、お母さんは僕の辛さを理解してくれない、と信頼関係が崩れていくだけです」 

 

「ネガティブな要素は全廃し、常にプラスの声掛けをして下さい」 

 

「学校に行きたかったらいつでも行けるよ、あなたはどんな事でも出来るよと子供が安心するような声掛けを続けて下さい」 

 

「不安な気持ちも、母親からの、大好きだよ、あなたが大切だよ、あなたならできるよ、あなたがいてくれてよかった、そんな声掛けを続けていれば、薄らいでいき、少しずつ自己受容が出来るようになり、失敗を恐れなくなっていきます」 

 

「良い子たちなので、失敗を恐れなくなれば、とても良い方向へ向かっていきますよ」 

 

「学校に行かせなければならない!などと考えなくて大丈夫です、学校は遊ぶところ、という認識でよいのですよ」 

 

「子供はどの子も本来のとても素晴らしいものを持っています、その持ち味を取り戻す事が出来るように、まずお母さん自身が、ご自身の良さを取り戻して下さい」 

 

「それが最も重要な事なのです」 

 

「子供はどんなにやり方が悪くても、愛があるとそれなりにまとまりますよ」 

 

「無意味に将来の心配をしなくても、どうせ何とかなるに決まっているのだから、しっかりスキンシップを取って、今を大切にすることです」 

 

「とにかく、子供たちを沢山抱きしめてあげて下さい」 

 

「小さい子にとっては、お母さんの温もりが一番の癒しで励ましになるけれど、幼少期母親が温もりを与える事をさぼり、子供の気持ちが満足していないと自立が遅れます」 

 

「もういらない、と拒絶されるほど、沢山抱きしめ、愛を与えて下さいね」 

 

「母親にキツく抱きしめられた子だけが、本物の愛情を知るのですよ」 

 

と、アドバイスをしてくれました。 

 

 

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290 子供の本当の姿?

290 子供の本当の姿?

 

2022年9月末

 

長男の情緒が安定し、今まで見た事のないような長男の姿に私が驚き、M先生に、 

 

「長男は、怒りスイッチが入っていない、本来の長男の姿が見えた時に、人に対しての言葉選びが素晴らしく、とても親切で、妹と遊ぶ時も9歳の子がこんなに上手に妹と関われるのか?と思う事があります」

 

「今まで私が育てにくい、面倒な子だ、と思い込んでいた長男の姿は何だったのか?と思うほどです」

 

「自分の子供を褒めるのは良くないのかもしれませんが、育てにくいと思っていた長男はとても優しい良い子でした」

 

と話すと、先生は、

 

「今、自分の子供を自慢できない親が多すぎますよ、悪口しか言っていません」

 

「子供があれが出来ない、これが出来ない、ここが気に入らない、そんなふうに子供の文句ばかり言っているのは毒親です」

 

「親こそが子供を褒めてあげて下さい」 

 

「親が子供に文句ばかり言っている家庭は、遅かれ早かれ、本当に地獄をみますよ」

 

と教えてくれました。 

 

・・・ 

 

私は今までの親主導のやり方を変え、子供を正論で正す事をやめ、子供の気持ちを受け止め、その子が出来ている良い事に着目するよう努力するようになってから、子供の深い部分の胸の内をしっかり見るようになりました。

 

子供に厳しくする事は良くないと知り、それを止めました。

 

そして、寄り添う、の本当の意味が少しずつ分かるようになっていきました。 

 

幸せになってほしいと、あれこれ習い事をさせ、何かを出来る様にさせる事を頑張るのではなく、子供が毎日幸せを感じられるよう、その瞬間瞬間、その子の欲してる事を察知しよう、それに全集中しよう、という考え方に変わっていったのです。 

 

・・・ 

 

M先生には、

 

「子供はみんな、持って生まれた素晴らしいものがあります。親の役目は、子供をただただ、愛する事です」

 

「それだけで十分なのに、親や教師が、ああしろ、こうしろ、これはダメ、あれはダメ、と子供からチャレンジする機会を奪い、気力を奪い、色々なスイッチを切り、やる気やその子自身の考える力を奪い続けた結果、子供は自分自身の人生を生きる事を諦め、無気力になってしまうのですよ」

 

と教えてもらいました。 

 
 

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289 自己受容

289 自己受容

 

M先生から、こんなアドバイスをいただいたことがあります。

 

親が子供に与える影響は大きく、大人になってからも、子育ての現場にそれが引き継がれます。

 

親自身が、親から受けた影響から脱する事は、人格が変わるほどの苦しみが伴い物凄いエネルギーが必要です。 

 

それでも、自身が今持っている子育てイメージが正しくない、と気が付く事ができたのであれば、ご自身の中で当たり前になっている子育て法を変えるしかないのです。 

 

親が一生懸命頑張っていても、それが必ずしも子供に良い影響を及ぼすわけではなく、親としては悪気などなく、一生懸命、子供のためと思い込んでいても、子供は辛い事があるのです。 

 

親も自分が育てられたやり方しか分からず、育てられたようにしか我が子を育てられません。 

 

やり方を変えるのは、決意と、納得してやれる方法の両方がないと難しいです。 

 

親は、やる、と覚悟を決めて、自身の中に刻み込まれている子育てのやり方を変えるのですよ。 

 

という先生の言葉に、 

 

私は自分が育てられたように、無意識に上から目線で、親主導で子供を育てていたけれど、子育てが困難になった時に、自分が自己受容をして生きているのか?幸せを感じながら生きているのか?と考えた時に、答えはNOでした。

 

私の今の子育て法では、私のような思考を持った子供が育つのかな、と思うと、それは絶対に嫌だ、と思いました。

 

長男の不登校から1年ほど経った頃、私はようやく、本当の意味で自分自身に向き合うという事をしました。

 

私は自己受容が全く出来ておらず、自信がなく不安がとても強い事に気が付いたのです。

 

何かを決断する事も、自発的に何かをする事も苦手で、常に受け身でした。常に自分の意見に自信がないのです。 

 

その事に気が付いてから、何とか自分を好きになる事が出来るよう、マインドを変えたいと強く思うようになっていきました。 

 

今まで、こうゆうものだから、と何も考えずに、何となく生きてきた中で感じていた不快感が、実は生き辛さだった事も、自分自身が自己受容が全く出来ていなかった事すらも気が付かずに母親になり、気持ちに余裕のないまま子育てをしていたのだと思います。 

 

・・・ 

 

M先生には、子育てには、これなら良い、という、ゴールは無く、その時その時の子供の反応を見て、今が最高な状態になる様に、親は常に子供の状況に合わせて子育て方法を更新していくのです。と教えてもらいました。 

 

 

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288 約束

288 約束 

 

長男は完全不登校になってからしばらくの間、家族と特定の親族以外は会う事が出来ず、家からも一歩も出ませんでした。

 

少しずつ心の安定を取り戻してからも、外出の約束をする事はとても困難で、私は長男と家族以外の人が約束をする事に、とても神経を使っていました。 

 

長男が引きこもり気味になってから1年ほど経過した2022年の9月の時点では、家ではとても元気になっており、笑顔も増え、外出できるかのように見えるのですが、人とどこかへ行く約束をする事が困難な状況は変わっていませんでした。 

 

・・・ 

 

長男は昔から私の父が大好きで、2人はよくお出かけをしていました。 

 

先日、長男が祖父に「僕、金閣寺に行きたい!なるべく早く行きたい!」

と、話したようで、姉から「いつなら長男が京都へ行けるのか?」と尋ねられました。

 

不登校以来長男の睡眠サイクルはぐちゃぐちゃで、旅行を計画しようとしている1か月後に、長男が何時なら起きているのか、私には分かりませんでした。 

 

長男が行くか行かないか、出発時間に起きられるか起きられないのか、それは当日、その時間にならないと分からないのです。 

 

長男は、基本的には自分がどうしたいかよりも、気遣いをして、相手が望んでいる返事をする傾向があるように私は感じており、長男が本当に行きたがっているのか正直分かりませんでした。 

 

姉は、私が事情を話し約束する事を躊躇っていると、 

 

「当日朝起きられなかったら、やめればいいだけの話じゃない?」 

 

と言ってくれるのですが、私は物事を簡単に考える事ができず、いつも、あーなったらどうしよう、こうなったらどうしよう、と長男の情緒の心配と約束した相手に迷惑を掛けたくない気持ちで、心がざわざわしている事が多かったです。 

 

どんなに私が長男に何度も確認してから約束事をしても、長男は当日気分が乗らないと、 

 

「お母さんが勝手に決めた!」 

 

と言い出すので、私は姉に、全て直接長男と祖父で計画を立ててほしいとお願いしました。

 

・・・ 

 

先日も長男は、幼馴染と外出する約束をしていました。

 

誘われた時には「行きたい」と言っていたのに、約束の時間になり起こすと長男は起きて来ませんでした。 

 

私が「中止にする?」と聞くと寝ぼけながら「行く」と言うのですが起きては来ない、そんな事の繰り返しでした。 

 

友人が約束通りに我が家へ長男を迎えに来てくれている為、長男を叩き起こすべきなのか、幼馴染に事情を説明し、約束はやめにするのか。 

 

友人に合わせ、無理矢理長男を外出させる事によって長男が疲れてしまわないか、という心配や、楽しみに待ってくれている友人に申し訳ないな、という罪悪感にとても神経を使い、約束事をする事がとても嫌でした。 

 

今思うと、不登校が始まった当初、インターホンが鳴るたびに布団に潜り込み、体を震わせて怯え、誰とも会う事の出来なかった長男が、人と約束をしよう、外出をしてみよう、と思えた事はとても嬉しい出来事と捉えるべきなのに、その時の私はまだ、長男の出来ていない事や心配ごとばかりに着目していました。 

 

そんな私の「長男が起きれないかもしれない」「約束を守れないかもしれない」と心配し「この子はきっと大丈夫」と長男を信じていなかった事こそが、長年に渡り、幾度も幾度も彼から自信を奪い続けていたのではないかと思います。 

 

・・・ 

 

私は、長男がしんどいから、今の姿になっているのだ、今は無理をさせない様に、という思考を持っているつもりなのに、無意識のうちに、根底の部分では長男の行いが周りの迷惑にならないように、なんとか長男が約束した日は正常でいてほしいと、結局長男の味方ではなかったのではないかと思います。

 

・・・ 

 

長男の本当の気持ちは、今でも私には分かりませんが、この時期長男は、出かけるほどの元気はないけれど、出かけられない自分が嫌で、周りに失望されないように、私に失望されないように「出かけたい」と約束をする。

 

出かけられる自分になりたいから、約束をするのだけど、当日、その瞬間になると、やはり体が動かない、そしてまた出来なかった自分に失望する、そんな事を繰り返していたのかな、と思います。 
 

 

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287 子供たちの発達障害は本当なのか

287 息子たちの発達障害は本当なのか 

 

【勇気づけの子育て】を始めてから、子供たちの良い変化は目まぐるしく、私は日に日に、 

 

児童精神科での診断名に疑問を抱くようになりました。 

 

以前は、この子たちは自閉スペクトラム症なのだから、仕方がない、と思っていましたが、良い方向へ変わっていく息子たちを見ていると、2人共自閉スペクトラム症と診断名を付けられたけれど、この子たちは本当にそうなのだろうか? 

 

と思うようになったのです。 

 

そう思うようになった1番のきっかけは、長男のこだわり行動です。 

 

長男は小さな頃からこだわりが強く【こうがいい!】という思いの強い子でしたが、ここ最近、それが明らかに緩まっていました。 

 

助手席にしか絶対に座らなかった長男が、後部座席で次男の横に座る。2人で笑いながらゲームをしている。そんな事は我が家では考えられない事でした。 

 

長男の以前のさまざまなこだわり行動は、実はこだわり行動ではなく、

 

「お母さんに僕の主張を聞いてほしい!」

 

「そっちが聞かないなら、こっちも聞かないぞ!」

 

というアピールだったのかもしれない、そう思う時がありました。 

 

・・・ 

 

以前長男は、次男の触った物は汚いと言い、ふれる事も嫌がるほど次男を拒絶していた時期がありました。 

 

そんな長男がある日、次男の残した物を「これ食べて良い?」と食べた事があり、それを見た時の私の衝撃は相当なものでした。 

 

・・・ 

 

児童精神科は子供の【発育歴】や【現状】の不適切な行動だけを見て、この子は発達障害です、と診断名を付ける医師がいるけれど、本来大人が考えなければならない事は、【なぜ】子供が今の姿になっているのか、どんな【目的】のために今の不適切な行動をしているのか、そこを考えていく必要があるのではないか?と思うようになりました。

 

以前M先生が、次男は小さな頃から兄からバカにされ続け、酷くいじめられていた影響で、不安が強く、自信のない子になっているだけ、と言った事と繋がる気がしました。

 

もし、今の姿が、恐怖心や不安からくるものであれば、この子から恐怖心を取り除き、心底安心できる環境で生活させたら、この子は全く違う姿に生まれ変わるのではないか、その姿を見た医師は、発達障害とは診断しないのではないか?と思うようになったのです。

 

 

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286 科学館

286 科学館 

 

2022年9月14日

 

行き渋りが酷く、学校に行きたがらない次男と何とか楽しい時間を過ごそうと、この日は市の科学館へ行く事にしました。 

 

学校をお休みする事を決めると、次男は一気にご機嫌になり、朝から妹の着替えを手伝い、トイレにも付いて行き、おしり丸出しで走り回る妹のパンツを持って妹を楽しそうに追いかけ回していました。

 

次男は娘が幼稚園に行くまで、とても優しい声掛けで、一緒に遊んでくれていました。 

 

・・・

 

科学館に着くと、すれ違った係員さんにとても大きな声で元気に「こんにちは」と言っていて、次男は見るからに気分が良さそうでした。

 

次男は帰りの車の中でもずっとハイテンションで喋り続けていました。

 

そんな子供らしい次男の姿を見て私は、この子は環境さえ整えば、今私がこの子に持っている、臆病な子供のイメージは消え、明るく、活発な子になるのではないか?と思うようになりました。 

 

この日科学館に行き、弾けるような笑顔で過ごす次男を見て、私は、次に次男が休みたいと言った時はどこにいこうかな!と次男が「休む」日が少し楽しみになりました。 
 

 

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285 発育歴が及ぼす子供への影響

285 発育歴が及ぼす子供への影響 

 

2022年9月中旬 

 

夏休み明けから、次男の授業中の不適切行動は酷くなり、担任の先生から、 次男は授業中、先生の教卓下でずっと寝そべっていたり、先生の近くから離れない日が多いと言われていました。

 

先生は次男のペースを崩すことなく関わって下さり、次男が先生のそばにいると安心する事は分かっていましたが、

 

「教卓下で寝そべっています」

 

という連絡がきた時は、胃の下辺りがキリキリし、これ以上、私はどうしたらいいの?これ以上学校に迷惑を掛けたくない、と思ってしまいました。 

 

・・・

 

M先生に、次男の暴言が酷い、学校でも全然人と関わらない、と次男の不適切行動について相談していると、先生は、 

 

「次男君、生後4か月からお兄ちゃんから、暴言暴力を受けていたのですよね?」 

 

「そのまま、気持ちが休まる事もなく、今の年齢になったのですよね?」 

 

「お母さん、一度次男君の今までの気持ちを想像してみて下さい、お母さんだったらどうですか?」 

 

「世の中が恐怖になりませんか?人と積極的に関われますか?」 

 

「次男君は生まれてからずっと、小さくなって生活していたはずですよ、まともになるはずがないですよ」 

 

と次男の今の姿は発育歴から考えたら当たり前では?と言われ、私は今まで、自分の子育ての大変さばかりに目を向けていたけれど、幼い次男からしたら、安心安全である家庭で暴力を振るわれていたのだから、世の中が怖くて当たり前かもしれない!とやっと気がつく事ができたのです。

 

先生は次男の暴言に対しても、 

 

「子どもが悪いことをしたら、ちゃんと叱ってください」

 

とは一言も言わず、 

 

「小さな子供が威勢を張って怯えているのですよ、可哀想ですよ」 

 

と言っていて、いつも子供の味方でした。 

 

そんな先生の指導から、物事は表面だけをみて判断してはいけない、という事を学びました。

 

 

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284 心無いママ友の言葉

284 心無いママ友の言葉 

 

長男が不登校で、次男は集団になじめず立ち歩きがある事を知っているママ友からラインが来ました。そのママは私に、 

 

「あー、夏休みやっと終わったねー、やっと子供学校行ってくれるねー」 

 

「もうぐったりだよね、夏休み」 

 

と言い、私は、 

 

「そうだね、お疲れ様」 

 

とだけ返事をしました。 

 

内心、我が家は長男が不登校なのに、なぜそんなラインをわざわざ送ってくるのかな、と思った記憶があります。 

 

・・・

 

別の日は次男の件で、 

 

「〇〇君は立ち歩きするから、一緒にいると悪い子と思われるよ」 

 

「次男君ママ、心配しなくていいよ、次男君の事は皆が理解してるから、授業妨害もしてないし、大丈夫だよ」 

 

「誰も次男君を嫌がっていないよ、次男くんより、〇〇君の方がたちが悪くて迷惑だって噂になってるよ」 

 

「〇〇ちゃん(私)は頑張ってて、良いお母さんに見えたのに色々あるんだね」 

 

と言われ、不登校児と立ち歩きの次男を抱えた私に、このママは、このラインで何を伝えたいのだろう?と考えてしまいました。 

 

きっと悪気のないそのメッセージに、傷付いたり、悲しんだり、というよりも、なぜ私にそんな事を伝えるのかな?と不思議な気持ちでした。 

 

しばらく考えていると以前話をした克服ママが、「

 

「我が子が不登校になって一番良かったのは人の断捨離が出来た事」 

 

「人の本性が見える」

 

「本当に困難にぶち当たった時にその人の本性が見えて、どんな人かが見えるよ」

 

と言っていた事を思い出し、あー、こうゆう事なのかな、と思いました。 

 

・・・ 

 

人の家の深い事情や、親や当事者の困難を知ろうともせず、表面ばかりを見て、有る事無い事言っている人は勝手に言わせておこう。 

 

でも、助ける事が出来るような助言ができないのであれば、せめて黙っていてほしいな。 

 

と私は思ったのです。 

 

・・・ 

 

我が家は親が手をかけれる年齢の時に困難になって良かったのかもしれないな、大人になってからじゃ助けれないかもしれない。 

 

小さいうちに分かりやすい形で親を困らせてくれている息子たちに感謝して、なんとか立て直そう!と思い、周りは理解してくれない、と嘆くことはやめよう!と思った出来事でした。
 

 

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283 捉え方

283 捉え方 

 

2022年9月 

 

完全不登校以来「家のお風呂は卒業します」という宣言と共に我が家のお風呂に入らない長男をできる限り2週間に1回は近くの銭湯へ連れて行くようにしていました。 

 

その日は銭湯に誘うと長男は「行く」と言いついてきたのですが、着いてお風呂に入り終わるとすぐに帰りたがりました。

 

その事を私は、残念そうにM先生に報告していると、 

 

「お母さんは気が付いていないかもしれませんが、その【すぐに帰りたがった】事に着目する思考がダメです」 

 

「『銭湯に誘ったら、なんと一緒に来てくれた!嬉しい!』そんなふうに、良かった事に着目する癖をつけて下さい」 

 

「『早く帰りたがったんです』は悪い面への着目ですからね」 

 

と言われ、私は、そうか、私はやっぱりまだ、出来ていない事、心配な事ばかりに目がいくな・・・と再認識しました。 

 

・・・ 

 

そんなふうに何度も先生に【良い面に着目するように】と言われていても、昼夜逆転し、ゲームか動画を片時も手から離さず無気力にずっと布団の中にいる9歳の息子を見ると、どうしてもこの先、この子はどうなるのだろう?と思ってしまう自分がいました。 

 

 

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282 ゲームばかりの次男

282 ゲームばかりの次男 

 

2022年9月 

 

否定はせず、注意もせず子供たちと過ごす日々の中、次男は以前よりは表情が良い日が増えましたが、ゲーム依存からは抜け出せず、学校に行っている以外の時間はゲームしかしませんでした。 

 

娘と公園に出かけると、1人で家で待つことのできない次男は必ず暴言を吐いて公園に行く事を嫌がり、渋々ついてきても、1分置きに、 

 

「いつ帰る?いつ帰る?」 

 

と私に聞いていました。 

 

「ゲームがやりたいから帰りたい」 

 

と言い、他の子供が元気よく走り回る中、次男は私にしがみついて離れませんでした。私が、 

 

「お父さんに迎えに来てもらうから、帰ったら?」 

 

と聞いても、次男は、 

 

「嫌だ、お母さんと今すぐ帰りたい」

 

としか言いませんでした。 

 

・・・

 

次男は1年生になってからずっと、学校内の誰とも遊ばず、誰とも話さず学校で1人で過ごしていました。

 

私はこの子は周りと関われない子と決めつけており、人と関われないから、この子はゲームの世界に行きたいのだ、と信じて疑いませんでした。 

 

人と関われない子なのだから、関わらなくても良い環境に置いておこう、そんな考え方だったと思います。

 

・・・

 

その前の週は、次男の帰宅時間に私が不在で、1人では待てないと癇癪を起す次男のために、実家の母に来てもらいました。

 

とても暑い日で、汗だくで帰ってきた次男に、母が次男の意思確認をせずに帰って直ぐにシャワーを浴びさせたらしく、次男はその事をとても怒っていました。 

 

次男は夜寝る前に泣きながら、 

 

「僕は大嫌いな学校に頑張って行って、やっと帰って来て、帰ってからゲームをする事だけが楽しみなのに、おばあちゃんが無理やりシャワーを浴びさせた」 

 

「ゲームの時間が減った」

 

と涙ながらに訴えてきて、その出来事以降、次男は数日間、母と口を聞こうとしませんでした。 

 

以前の私ならば、 

 

「おばあちゃんは次男の事を思ってやってくれたのに、そんな事言わないよ」 

 

と正論を述べていたと思いますが、私は次男に嫌な気持ちを話してくれた事に沢山感謝をし、次から次男の意思を聞いてからにしてね、とおばあちゃんに言っておくね、と次男に伝えると、安心し、 

 

「僕も、本当は酷い事をおばあちゃんに言ってはいけない事は知っているし、言っている時も僕は嫌な気分だよ」 

 

と教えてくれました。 

 

・・・ 

 

私はなぜか、家の中に大人が私だけで、1人で子供の面倒を見ている時は【勇気づけの子育て】をうまくやる事ができるのですが、土日に主人がいたり、他に大人がいると気が抜けてしまうのか、上手くやれない事がありました。

 

それに対するM先生のアドバイスは、 

 

「全部を全部、うまくやる事は難しいので、とにかく【子供の悪い面を見ない】これだけは、集中してやれるように頑張って下さい」 

 

でした。 

 

「次男が家に帰りたいと言い続けたり、祖母にシャワーをさせられたのが嫌だった、と訴えた事も、わがままと捉えるのではなく、母親に自分の気持ちを素直に伝えられるようになったという事は、喜ばしい、とても良い兆候であると捉えて下さい」 

 

と言われ、この先生がいつも他の大人と物事を見る角度が違うな、捉え方が全然違う、と改めて感じた事を覚えています。 

 

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281 次男の気持ちに寄り添う

281 次男の気持ちに寄り添う 

 

2022年9月

 

【勇気づけの子育て】を始めてから、行き渋りは酷くても、少しずつ穏やかな雰囲気も出てきた次男に、 

 

「次男最近明るくて、優しくて、お母さん嬉しいよ」 

 

「妹に優しくしてくれるのも、とても助かっているよ」 

 

と、前向きな言葉ばかりをかけるよう心掛けると、子供はこんなにも単純なのか?と思うほどに、次男はメキメキと私の言った言葉通りの好ましい行動が増えていきました。 

 

好ましい行動が増えた分、不適切な行動が減っていったのです。 

 

・・・

 

この日は次男が、 

 

「僕、2日間学校頑張ったから休むー」 

 

っと笑いながら、私の反応を試すかのような言い方で言ってきたので、私は、 

 

「2日間頑張ったもんね!嫌だったらすぐに帰っておいでー!」 

 

と言うと、次男は2時間で帰りたいと言いました。私はその場で学校に電話をし、本人が2時間で帰りたがっているので時間になったら迎えに行きます、と伝え、次男は本当に2時間で帰ってきました。 

 

こんな要望、言われる度に聞いちゃっていいの? 

 

学校をさぼる事が癖にならないの? 

 

毎日こんな感じに帰って来るって言い出さないの? 

 

と内心冷や冷やし、心配していましたが、M先生が、 

 

「お母さんの、その対応は素晴らしいですよ、おかげで、次男君は今後、リラックスして学校に行けますね」 

 

「辛くても、いつでも帰って来れる、お母さんはそんな気持ちを理解して許してくれる、そんな事が子供の心を強くします」 

 

「次男君には、早く帰ってきた事を否定や注意をしたりはせず、2時間は行った事に注目するのです」 

 

「『お母さんは、次男が頑張ってる姿を見ると、とても気分がいいよ、今日はとっても良い気分、ありがとう』と言ってあげて下さいね」 

 

とアドバイスを受け、先生が私の次男への対応を肯定してくれたことで、休まなければならない理由もなく、ただ帰りたい!と言う子供の要望を聞いて良いのか、私は甘やかしすぎてはいないのか?と心配だった私の気持ちが軽くなった事を覚えています。 

 

M先生はいつもいつも、何度も何度も、不安の強い私に、繰り返し繰り返し、 

 

「良い流れができています、お母さんは自信をもって、大丈夫ですよ」 

 

と励まし続けてくれていました。

 

その言葉が【これで良いのか?】と不安になったり【こんな事もう嫌だ、うんざりだ!】と投げやりになりそうになる私の気持ちを何とか頑張らせてくれていたように今、強く思います。 

 

 

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280 信頼の貯金

280 信頼の貯金

 

【勇気づけの子育て】をしていると、長男は以前は見せる事のなかった様なニコニコした顔で、私を冗談で蹴ったり叩いたり、嬉しそうにチョッカイをかけてくるようになりました。私は、長男から嬉しいオーラが出ているように感じていました。

 

そんなふうに子供が落ち着いている日が増えましたが、私は自分自身の感情に振り回され、長男が不安定になると私もつられて不安定になり、自分の不安を吐き出すかのように、長男が悲しくなってしまう言い方をしてしまう事がありました。 

 

・・・

 

長男はよく私に、 

 

「僕が小さい頃、お母さんは沢山外に連れて行ってくれたし、それはとても楽しかったけれど、お母さんはいつも弟の横にいたよね、いつもいつも弟の横にいて、僕とは遊んでない」 

 

「毎日が楽しくても、お母さんと遊べなかったことは凄く寂しかった」 

 

と言ってました。私は今となっては謝る事しかできない長男のその訴えに、どう対応したらよいか困っていましたが、M先生は、 

 

「過ぎてしまった事を悔いたところで、もうどうしようもありません、どうする事も出来ない過去を後悔している時間は勿体ないので、今からどう子供と向き合うか、それがとても重要です」 

 

と言っていました。 

 

「子供は、あの手この手で何度も何度も親に試し行為をします」 

 

「今までとは何だか違う、親の優しく理解のある姿が本物なのか、親が本気で変わろうとしているのかを、試し行為をする事で確認しているのです」 

 

「仕方のない事なのですよ」 

 

「子供は親に本当に愛されているのか確信が持てず、試し行為をしなければならないほどに、愛に飢えているという事なのです」 

 

「傷ついて、乾ききっている子供の気持ちを、沢山、ゆっくり、癒してあげて下さい」 

 

「お母さんが感情や不安に振り回され、子供の試し行為に対して同じ土俵に上がり、以前と同じような対応を子供にしてしまえば、今頑張って意識を変え、時間をかけて少しずつ少しずつ溜まってきた信頼の貯金は、完全に0になります」

 

「信頼の貯金は【少し減る】のではありませんよ」 

 

「お母さんが何かしくじれば、信頼貯金は毎回ゼロリセットされ、1から再スタートになるのですよ」 

 

と言われ、私は感情に振り回され、上手くやれない自分に改めてうんざりするのでした。 
 
 
 

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279 お兄ちゃん強化月間の成果?

279 お兄ちゃん強化月間の成果? 

 

2022年9月

 

先生に言われた通り、お兄ちゃん強化月間を頑張っていました。 

 

特に気を付けていた事は、悪い点には一切着目せず、その子の良い面にのみ着目する事、長男を最優先にする事です。 

 

一生懸命にそれをしていると、少しずつ兄弟の関係性に変化が現れ始めました。 

 

長男が次男に、 

 

「おい!ゲーム入りたいなら、入っていいぞ」 

 

と言うようになったのです。 

 

人数の関係で次男がゲームに入れない日には、長男が次男に、 

 

「おー、ごめんな、これ人数制限があって入れない、入れる時は言うから少し待っててね」 

 

と声を掛けていて、遊びに来ている長男の友人が、長男の次男に対するその発言にびっくりし、 

 

「えーーー‼️遂に弟に優しくなったのかー!すげー!!!」 

 

と驚いていました。次男も、 

 

「自分も入りたい!」 

 

と、絶対に言えなかったのですが、優しい雰囲気の長男に少しずつ心を開き、 

 

「僕も入っていいの?」 

 

と聞けるようなっていったのです。 

 

・・・

 

それ以外にも、今までは、次男に絶対に貸そうとしなかったゲームカセットを自ら次男に貸し、操作方法を教えてあげていました。 

 

・・・

 

お兄ちゃん強化月間の成果なのか、長男は以前よりも良く笑うようになり、次男に沢山譲れるようになり、娘にも物腰柔らかに話すようになりました。 

 

・・・

 

主人がくたくたで帰ってくると、 

 

「お父さん大丈夫?お疲れ様、疲れは取れた?心配しているよ、ゆっくり休んでね」 

 

と優しい声掛けをするようになったのです。 

 

・・・ 

 

そんな長男の姿を見て私は、子育てって何なのだろう?と思うようになりました。 

 

今まで私の中に当たり前に刷り込まれていた子育てのスタイルは一体何だったのだろう? 

 

良い子にしよう、非常識にならないように!ちゃんとした子にする為にはちゃんと教えなければ、と一生懸命育てていれば子供は反発し親子関係は崩れていく。 

 

注意したい部分には目を向けず、出来ている事だけを認めていると、子供はどんどん温かい良い子になっていく。 

 

私の今までの子育ての価値観は一体何だったのだろう?と深く考えるようになっていったのです。 

 

 

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278 お兄ちゃん強化月間

278 お兄ちゃん強化月間 

 

2022年9月 

 

M先生に初めて相談に行ってから、1か月ほど経ちました。 

 

長男は、不安定な日があるものの、この時期、家では落ち着いている事が多く、私は長男よりも毎日ゲームにのめり込んで、他者と全然関わろうとしない次男の事をとても心配していました。すると先生は、私に、 

 

「今日から、お兄ちゃん強化月間にしましょう!」 

 

「お兄ちゃんを重点的にケアして、とにかく、お兄ちゃんを、立ち直らせよう!」 

 

「お兄ちゃん重点型子育てをやってください!きっと弟に物凄い良い効果が及ぶから」 

 

と兄を最優先する子育て法を提案されました。そんな事を言うM先生に私は、 

 

「私の中では、今は次男の方が心配です」 

 

「次男の暴言や反抗的な態度、ゲーム漬けの日々、長男は不登校だけど、長男の方がまだましかな、とも思えるくらいです」 

 

と伝えましたが、先生は、 

 

「表面的にはそう見えても、弟は、割と軽症かもしれませんよ」

 

「お兄ちゃんが安定したら今度は、弟の本音が出てくるはずなので、そこで、もうひと頑張りですよ」 

 

と言っていました。 

 

・・・

 

私の目には次男の状態は重症に見え、完全に子供らしさを失っている、ととても心配していました。 

 

長男は人との関わりがとても上手くどこへ行っても人気者でした。 

 

次男は人と関われず、いつも孤立しており、

 

「何か嫌な事を言われるくらいなら、1人でいた方が良い」

 

とよく言っていました。そんな話をM先生にすると、先生は、 

 

「そんな弟の状態も、お兄ちゃんが立ち直ると、変わってくるので、とにかく、第一優先事項はお兄ちゃんにして、今弟は、後回しで大丈夫です」 

 

「お兄ちゃんが立ち直ると、お母さんにかなり余裕がうまれるはずです」 

 

「弟の事を心配しすぎるから、兄がいじけるのですよ、その連鎖をまず、すぐに断ち切って下さい」 

 

「今、確実に良い流れは出来つつあるのだから、とにかくもっとお兄ちゃんに愛を与えて下さい」 

 

と言うので、私は納得できない部分があり、先生に、 

 

「長男ばかり構っていると、次男が『どうせ長男が大事なんでしょ』と何度か泣いてしまいました」 

 

「友人関係でも、いつも長男の周りには沢山の友人がいて、次男は孤立していているので、次男の情緒が気になります」 

 

と先生に言うと、 

 

「それは、次男に試されているので、第二優先で可愛がれば大丈夫ですよ、友達が多いとか少ないとかもそうですが、何事においても、長男、次男を比較してはいけません」 

 

とご指導いただきました。 

 

・・・

 

その時期、私は「長男ばっかり!」といじける次男とは、毎日寝る前、1時間以上横で話したり抱きしめたりしてコミュニケーションを多くとる様に心がけている事を先生に話すと、 

 

「次男とのコミュニケーションはそれで良いのです」

 

「今は、お兄ちゃん強化月間を成功させ、兄の情緒がしっかりすると、それが弟に伝染し、弟の情緒が安定します」 

 

「とにかくお兄ちゃんを重点的に、第一優先に構って下さい!」 

 

とぶれることなく先生は私に言い続け、下の子にとても手がかかるけれど、できる限り長男優先を頑張ろう!と思っていました。

 

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277 構う事

277 構う事 

 

2022年9月

 

私に、「構ってほしい、構ってほしい」と自分ばかり構ってもらおうと、わがままを言う長男に疲れていた時、M先生が、私に、

 

「弟が生まれてからの長男の気持ちをよく想像してみることです」 

 

「お兄ちゃんは、弟が生まれてからこれまで、どれほど、自分が優先される日を待っていたことか」 

 

「子供が要望を言った場合、大人はその要望を聞いてあげる側ですよね?無力な子供たちは、ひたすら親が自分の要望を聞いてくれるのを待つしかないのです」 

 

「子供が何かをしてほしい、という気持ちが満たされるかどうかは、親の気分次第なのです」 

 

「親が子供の要望に応じないのは、とてもかわいそうなのですよ」 

 

そう先生は私に教えてくれました。私の中に今までそんな考えはありませんでした。 

 

言われてみれば、確かに、子供は親が要望に応えなければ望みを叶える力はまだなく、待つか諦めるしかない。 

 

・・・

 

今までの、私の長男に対するイメージは、私に寄って来ないドライな子で、ねこっ可愛がりするのが苦手な私には、長男にべたべたされない事は楽でした。

 

長男は私から構われたくても「どうせ、お母さんに話しても聞いてはもらえない、構ってはもらえない」と諦めていただけなのかもしれない、と思うようになりました。 

 

長男は甘えたい、愛されたい気持ちを、弟をいじめる事で私に伝えていたのかもしれません。先生には、 

 

「子供がまだ幼いうちに気が付いて良かったのですよ、そんな、子供の心が温まらない子育てを続けていたら、どんな将来が待っていたのか、と想像するだけで恐ろしいです」 

 

と言われました。 

 

「親は、恨まれ、文句を言われているうちは、まだ良いのです」 

 

「親を諦めた子供は、親に対して無関心を装い、それが当たり前となると、親の存在に対して、無関心となり、無感情となり、視界に入れる事も不快となり、死ぬまで、愛情が取り戻されることはありません」 

 

「親はそこにたどり着くまでに、怒られるだけの事をしたのだから、自業自得で、子供の親に対する怒りはごもっともなのです」

 

「恨みは深く、こころは冷えて、虚しさだけが心の奥底に凝り固まっている、そんな親子も世の中にはいるのです」 

 

「それこそが、本当の地獄です」 

 

「貴方は今の生活は地獄、だと言うけれど、怒りでも暴言でも、子供が親に言ってくるうちはまだ良いのです」

 
「今お母さんは、3人の子供全員がお母さんに「構ってほしい!」といじけまくってくる事が「私1人じゃ手が足りない!」と大変で困っているけれど、子供が構って構ってと素直にアピールできている事、子供が『お母さんに構ってほしい!』と思っている事、これ以上の事があるのか、少し冷静になって考えてみると良いです」

 

と言われ、子供が親に「こうしたい!こうしてほしい!僕を優先してよ!」と希望を言えている事は、親子間の風通しが良く、良い事なのかもしれない、と私の中で、また一つ子育ての価値観が動いた気がしました。 

 

 

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276 自己中とは。

276 自己中とは。

 

私は次男が生まれてから、長男が不登校になるまで、子育てをとても大変な事だと思っており、愛情が欲しいと飢えている子供たちの気持ちには気が付いておらず、私は愛情を掛けていると思い込んでいました。 

 

「私だって大変なんだから分かってよ!」 

 

そんな気持ちで幼い子供たちを、私から醸し出される雰囲気で威嚇し、甘える事を我慢させていたと思います。 

 

私の中では、愛情があるからこそ、毎日大変でも面倒を見たり、良い子になるようにと叱っており、子供に親の愛が伝わっていないなどと、想像した事すらありませんでした。 

 

そんな話をM先生にしていると、 

 

「それは、親がとても自己中だからですよ、親が、自己中心的なら、子供もそうなります」 

 

「自己中の子は、社会適応が良くなく、不登校になりやすいのです」 

 

「なぜ自己中だと、不登校になるか、分かりますか?」 

 

という先生の問いに、私が、 

 

「自分の気に入らない事はやりたくないから、できない事全てを、周りが悪いと思っているから?」 

 

と答えると、先生は、 

 

「それは、結果論です」 

 

「不登校児を自己中と言う訳は、学校にも行かず、自分の殻に閉じこもっている間、閉じこもっているその世界では、自分は王様でいられる」 

 

「だから自己中な子は王様でいられる家に閉じこもり、不登校児になるのです」 

 

「自己中の逆で、もしも親が常に、上手に子供にゆずったり、どんな時も人に対して思いやりが深く、温かく接して、献身的であると、それが、子供にも感染します」 

 

「家族に親切である親を見て、誰かに親切にする事が、楽しく、気分の良い事だと、子供は学んでいきます」 

 

と言いました、私は自分が育ててもらった時に、 

 

「子供の言う通りになどしていたら、我慢できない子供に育って、将来大変な事になる、子供の言いなりになんてなっちゃダメ」 

 

と教えられた気がする、と先生に話すと先生は、 

 

「【親切にする】と【甘やかしまくる】のとは、全然意味が違いますよ。 

 

甘やかすとは、子供が自分でやれる事を親が奪い、子供ができるのに親が代わりにやってしまうことで、子供が他者に貢献するチャンスを奪うことです。 

 

親は、子供に対しても、 

 

「お願いできますか?」 

 

「、、、してくれたら助かります」 

 

とお願いし、断られたら 

 

「それなら今日はお母さん頑張りまーす」 

 

とすんなり引き下がり、やってくれたら、 

 

「ありがとう、あなたのお陰で助かった!」 

 

そんなふうに、子供に接する。 

 

子供に何かを頼まれたら、嫌な顔をせず、親切にする。 

 

それを一生やるのですよ。 

 

子供の教育は、それだけで、十分なのですよ。 

 

もし今、自分の子供が自己中な嫌なやつならば、それは、親がそう育てたのです。  

 

子供が自己中を脱却し、他者貢献味まで覚えたら、子供の可能性は一気に広がります。 

 

社会適応が安定し、どんな、コミュニティにもフィットできるようになります。 

 

でも親が、学校に行く事がゴールと決めているうちは、まだまだダメですよ。 

 

学校に行く事はゴールではありません。 

 

そもそも学校はそんなに良い場所ではありません、行きたければ行けば良いし、行きたくなければ行かなくても良いのです。 

 

学校に行こうが、行くまいが、みんなに親切な子になる事がゴールなのです。 

 

子育てのゴールはそこです。 

 

親切な子になったと思えたら、不登校だろうが、なんだろうが、大物になりますから、楽しみしかありませんよ。 

 

子供が自己中を脱却するには、十分に信頼される尊重される経験が必要なのです。 

 

親は子供がそうなるよう、【勇気づけの子育て】を全力でやるのです。 

 

 

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275 好き放題に見える子供たちの行動

275 好き放題に見える子供たちの行動 

 

2022年9月 

 

「【勇気づけの子育て法】に切り替えてから、子供たちが本当に好き放題なんです」 

 

と、今の緩い子育て法で良いのかと不安な私が、M先生に相談すると、先生は、 

 

「子供たちが、お母さんに今まで言わなかったようなわがままを言い始めた、という事は、子供たちに【お母さんが、自分達と本気で向き合ってくれそう】と理解されてる証拠です」 

 

「今こそ、子供たちとの関係を修復するチャンスなのです」 

 

とM先生に言われ、私は、 

 

「子供たちは、私にはわがままを言って良い、と気を許し始めてるという事ですか?」

 

と聞くと、先生は、 

 

「今までは、わがままだと突っぱねられていたのに、最近構ってもらえる、聞いてもらえる、そんな事が子供たちは嬉しいのですよ」 

 

「『でも、これって本当なの?本当にこのまま、わがままを聞いてもらえるの?』『でももしかしたら、もっと、もっと、お願いできるかも』と子供は思っているかもしれません」

 

と先生に言われました。 

 

・・・

 

この日、長男はいつも通りの昼夜逆転で14時に起床し、次男は無気力に12時間もぶっ続けでゲームをしており、主人と私は、 

 

「ここまで子供がぐちゃぐちゃになってしまうような育て方したっけ?」 

 

「沢山関わって、可愛がってきたよね」 

 

と2人で泣きそうになっていましたが、先生は、 

 

「子供が、家で安心してる証拠ですよ」 

 

「今までは、いつも、何を言われるのかと、ビクビクしていませんでしたか?」 

 

と私に尋ねました。 

 

先生のその言葉を聞いた時に、子供たちは今まで、何をするにでも、背中で私の視線を感じながら、様子を伺いながら、我慢しながら過ごしていたのかな、と今までの子育てを振り返り、子供たちに対して罪悪感のような気持が生まれました。

 

私たち夫婦から見たら、ダラケ過ぎているような、もうどうしようもないように映る我が家の2人の息子の様子を、先生は、全く違う目線で、

 

「良い反応が出て来ているからね」 

 

「しっかり受け入れてあげて」 

 

「今が、一番大切な時で、信頼関係を取り戻せるチャンスなのだから」 

 

と言いました。

 

それでも私はまだ不安で、長男はいつまでこのままなのだろう、次男も長男の真似をして学校に行かないと言い出している、と半泣きになっていると、私は先生に、

 

「これまでのやり方に戻して、修正してみますか?」

 

「厳しくビシバシやりますか?」 

 

「果たして、以前の子育て法に戻して、今より子供たちの情緒は良くなりますか?」 

 

と聞かれ、私は「はっ」とし、 

 

「正直、今のこんな甘い感じで正解なのかは分からないけれど、前のやり方に戻したら、親子関係は地獄なので、少しでも子供が落ちつく子育て法で育てたい」 

 

「長男ばかりに手がかかり、次男の事をちゃんと見ていなかったけれど、次男は生まれてからずっと長男に馬鹿にされ、私に叱られ、闇の中で生活していたような気がするから、次男の今までの苦しみを思えば、何を言われても、とにかく愛情をかけて、凍り付いているであろう次男の心を溶かしていくしかないと思っています」 

 

と私は先生に伝えました、先生は、 

 

「子供は、親が本当に自分を愛しているのか、ありのままの自分を本気で受け入れてくれるのか、という事を100万回試しますからね」 

 

「子供たちが親に対して不適切な行動をしてきても、全て、あー今、試されているのだな、と捉え、動揺しないで下さい」

 

「お母さんが今までの自分の価値観を押し付けるようなやり方を変えて、子どもたちは、やっとリラックスができてきました」 

 

「やっと、嫌な事を嫌だと言える環境になってきたのです」 

 

「お父さんと、お母さん、2人で温めて下さい」 

 

「必ず成功しますよ」 

 

「このやり方以外にないのです」 

 

「親はもう、良い意味で開き直って、本気で、今のやり方を続けてください」 

 

とアドバイスをもらいました。 

 

そんな先生の励ましを聞くたびに、不安に押しつ潰されそうになっていた私は、また頑張る勇気が出たのです。 

 

 
 

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274 この子はいつか立ち直るのか?という不安

274 この子はいつか立ち直るのか?という不安

 

 私はいつもM先生に、

 

「子供達は立ち直るんでしょうか?」

 

「私の精神はもつのでしょうか?」

 

そんな答えのない答えを聞き続けていました。 

 

なぜそんな事を聞いていたかと言うと私は信頼している人に【絶対に大丈夫】と言われるだけで、現状が何も変わっていなくても安心するからです。 

 

・・・

 

私は心配性で、すぐに、大丈夫かな、大丈夫かな、と思ってしまい、

 

【きっと大丈夫】【大丈夫にきまっている】

 

という価値観をもっていませんでした。 

 

この先ずっと引きこもりだったらどうしよう・・・ 

 

そんな先の事しか考えていませんでした。 

 

先生はいつも、

 

「立ち直るに決まっていますよ」

 

「子供の不適切な行動は、親が子供に試されているだけの話なのですよ」

 

と、ぶれることなく私を励ましてくれていました。 

 

・・・

 

我が家は、子供の幼少期、キャンプや旅行、虫取りなどにも沢山連れて行っており、親としては沢山愛情をかけてきたつもりでした。 

 

それなのに、なぜ、長男はこんなふうになってしまったのか? 

 

周りには私とは比べ物にならないほど、子供をコントロールし、酷い事を言っている親も、子供をほったらかしの親も沢山いるのに、なぜうちの子だけがここまで酷い状態になってしまったのか、と思う事がありました。 

 

先生は、 

 

「傷つけた側は、私、そんな悪いことした?という感覚なんですよ。でも、やられた側は、恨みが深いのです」 

 

「今まで、だいぶ、痛めつけたり、踏みつけたので、簡単に子供の心の傷は癒えません」 

 

「普通、一度でも酷い事をされたら、もう許せないのです」 

 

「でも親子だから、子供は親を許してくれるのです」

 

と言っていました。 

 

・・・

 

長男はよく私に、

 

「お母さんは歩けない次男を抱っこして僕をほったらかしだった」

 

と言っていました。 

 

「とにかく僕に構わなかったよね」

 

そればかりを私に訴えていたのです。 

 

私は毎日長男が楽しく過ごせますように、と一生懸命に子育てをしていたけれど、長男の心が満足する接し方ではなかったのだと思いました。 

 

結局長男は私に構ってほしくて仕方なかったのだと思います。 
 

 

 

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273 プール

273 プール 

 

長男は幼い頃、プールが大好きな子でした。 

 

週末に家族がそろったので昼間に長男をプールに誘うと、  

 

「夕方なら行く」  
  
と言いました。私は長男がプールに行こう!と思ってくれた事が嬉しくて、 

 

「今すぐにでも行きたい!」

 

とプールを楽しみにしていた次男と娘を、夕方まで我慢させ、夕方にプールに出発しようとすると、長男は、  

 

「やっぱり行かない」  

 

と言い出しました。  

 

次男が両親とプールに行きたがったので私が長男に留守番を頼むと、長男は、  

 

「嫌だ、ふざけるな、僕は1人で置いて行かれるのは寂しい、だから誰か残って」  

 

と言いました。  

 

次男は父親か母親のどちらかが行かないのなら、行きたくない、と言い、娘はもう水着に着替えて無邪気にプールを楽しみに待っていました。  

 

結局、長男を1人で置いて行く事が出来ず、娘と私だけでプールに行きました。  

 

この時期、何となく前よりは元気になってきたように見える長男を、何とか大好きなプールに連れて行きたい、外の空気を吸わせたいと、両親はよくプールに誘っていましたが、大体断られ、長男1人を置いてプールから帰ってくると、真暗闇の中、1人で布団の中でゲームをしている長男を見て、なんだかいつも心が晴れなかった事を覚えています。 
  
  
 

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272 声のかけ方

272  声のかけ方

 

長男はこの時期、どうしても欲しいゲームのコントローラーがあったらしく、私に買ってほしい、とせがんでいました。

 

不登校になってから一通り欲しがったゲーム関係の物は買っており、私はこれ以上欲しがったからと言って全て買い与えて良いのかと、とても悩んでいました。

 

・・・

 

「欲しいと言われたものを全て買えるほど、我が家はお金持ちじゃないよ!」 

 

と、購入を快諾していなかった私に対して、長男は攻撃的になり、家族でプールに行こうとすると、  

 

「プールに行くお金があるならコントローラ買えるじゃん!」 

 

「お金がないって言うならプールに行けないはずだろ!行くなよ!」 

 

と涙目で言っていました。私は、なるべく共感しなければ、と思い、 

 

「対戦で勝ちやすくなるなら、そりゃほしいねー」 

 

と、共感しているふうで話すのですが、長男は支離滅裂に怒り始めました。 

 

・・・

 

買い与えすぎる事に悩みに悩んでも結論を出せず、またM先生に相談すると、 

 

「お兄ちゃんはいつも妹と弟のお世話をしてくれるから、お母さんにコントローラーをプレゼントさせてくれる?」 

 

と聞いてみてくださいと言われました。 

 

私はそのアドバイスを聞いたときに一瞬、 

 

え!買ってあげるにしても、そんなに下手に出る感じでいいの? 

 

と思いましたが、今までこの先生のアドバイス通りに子供に接して、失敗した事がなかったので、長男にその言葉を言ってみました。すると長男は、 

 

「え、僕、弟妹の面倒ちゃんと見れてる?そう?そっかー、じゃあこれからもっと頑張って面倒見なくちゃな!」 

 

「お母さん、買ってくれてありがとう!」 

 

と言い、次男と仲良く遊び始めました。

 

この時も、親の声のかけ方1つで、こんなにも子供の表情は変わるんだ・・・と痛感した記憶があります。

 

M先生からは、

 

「【自分の良さ】というものは、人に言われて初めて気が付くので、子供たちに【その子たちの良さ】を沢山教えてあげて下さい」

 

と教えてもらいました。

 

そういえば、私は今まで、あなたのここが素敵だよ、と伝えた事はなかったな・・・

 

ここを直しなさい、それがだめ、と悪い事を直す事に全集中していたな、と今までの子育てを振り返ったのです。

 

 

 

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271 愛を伝える事

271 愛を伝える事

 

【勇気づけの子育て】を頑張っていたある日、次男が私に、

 

「お母さんは本当に僕を好きなの 」

 

と聞いてきました。私は、この子を産んでから毎日愛情をかけて育ててきたつもりなのに、この子には愛が伝わっていないのだな、と驚きましたが、 

 

「お母さんが次男の事が、世界一好きで、宝物だよ」 

 

と答え、その場で次男を抱きしめました。 

 

・・・

 

そんな可愛い事を聞いてくる次男ですが、行き渋りは相変わらずで、私はこのまま次男も学校へ行かなくなるのかな・・・と不安になっていると、M先生から、 

 

「お母さん自体が不安がとても強いのです」 

 

「お母さんは、子供が困ったときに頼りになる安全地帯なのですよ」 

 

「子供を自分の理想通りにしたいと思うからイライラしたり、不安になったりするのです」 

 

「うまく行かない事を恐れて生きているなんて、とても勿体ないです」 

 

「お母さんの不安を、子供は解決出来ません、もう貴方は大人なので、自分自身でその不安を何とかするしかないですよ」 

 

「子どもの人生がうまく行かなくなっても、それは、子どもの問題であり、お母さんにはあんまり関係がないのです」 

 

「お母さんは、子供を思いきり愛するくらいの事しかできませんよ」 

 

と言われました。 

 

・・・

 

アドバイスを聞き、それならば愛する事を全力で頑張ろう!と次男に優しく接していると、朝起きてきた次男が、 

 

「お母さん大好き」 

 

と抱き着いてきました。 

 

朝ご飯に作っておいたサンドイッチは食べたがらず、ホットケーキとお肉ご飯が食べたいと言うので、 

 

「そっか、食べたいものを教えてくれてありがとうね、簡単なのばっかで良かった!」 

 

と快諾し、新たに朝食を作っていると、次男が、 

 

「ありがとう!おいしいよ!」 

 

と言いながら食べ、ご機嫌で学校へ出かけていきました。 

 

こんなわがまま聞いてて良いのかな?

 

作ってもらった食事をいらない、と言うのは失礼だよね・・・

 

という気持ちは正直ありましたが、この接し方だと子供が優しくなるな、という実感があったのでしばらく今のやり方を頑張ろう、と思っていました。

 

 

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