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不登校復活の道(ブログ)

280 信頼の貯金

280 信頼の貯金

 

【勇気づけの子育て】をしていると、長男は以前は見せる事のなかった様なニコニコした顔で、私を冗談で蹴ったり叩いたり、嬉しそうにチョッカイをかけてくるようになりました。私は、長男から嬉しいオーラが出ているように感じていました。

 

そんなふうに子供が落ち着いている日が増えましたが、私は自分自身の感情に振り回され、長男が不安定になると私もつられて不安定になり、自分の不安を吐き出すかのように、長男が悲しくなってしまう言い方をしてしまう事がありました。 

 

・・・

 

長男はよく私に、 

 

「僕が小さい頃、お母さんは沢山外に連れて行ってくれたし、それはとても楽しかったけれど、お母さんはいつも弟の横にいたよね、いつもいつも弟の横にいて、僕とは遊んでない」 

 

「毎日が楽しくても、お母さんと遊べなかったことは凄く寂しかった」 

 

と言ってました。私は今となっては謝る事しかできない長男のその訴えに、どう対応したらよいか困っていましたが、M先生は、 

 

「過ぎてしまった事を悔いたところで、もうどうしようもありません、どうする事も出来ない過去を後悔している時間は勿体ないので、今からどう子供と向き合うか、それがとても重要です」 

 

と言っていました。 

 

「子供は、あの手この手で何度も何度も親に試し行為をします」 

 

「今までとは何だか違う、親の優しく理解のある姿が本物なのか、親が本気で変わろうとしているのかを、試し行為をする事で確認しているのです」 

 

「仕方のない事なのですよ」 

 

「子供は親に本当に愛されているのか確信が持てず、試し行為をしなければならないほどに、愛に飢えているという事なのです」 

 

「傷ついて、乾ききっている子供の気持ちを、沢山、ゆっくり、癒してあげて下さい」 

 

「お母さんが感情や不安に振り回され、子供の試し行為に対して同じ土俵に上がり、以前と同じような対応を子供にしてしまえば、今頑張って意識を変え、時間をかけて少しずつ少しずつ溜まってきた信頼の貯金は、完全に0になります」

 

「信頼の貯金は【少し減る】のではありませんよ」 

 

「お母さんが何かしくじれば、信頼貯金は毎回ゼロリセットされ、1から再スタートになるのですよ」 

 

と言われ、私は感情に振り回され、上手くやれない自分に改めてうんざりするのでした。 
 
 
 

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279 お兄ちゃん強化月間の成果?

279 お兄ちゃん強化月間の成果? 

 

2022年9月

 

先生に言われた通り、お兄ちゃん強化月間を頑張っていました。 

 

特に気を付けていた事は、悪い点には一切着目せず、その子の良い面にのみ着目する事、長男を最優先にする事です。 

 

一生懸命にそれをしていると、少しずつ兄弟の関係性に変化が現れ始めました。 

 

長男が次男に、 

 

「おい!ゲーム入りたいなら、入っていいぞ」 

 

と言うようになったのです。 

 

人数の関係で次男がゲームに入れない日には、長男が次男に、 

 

「おー、ごめんな、これ人数制限があって入れない、入れる時は言うから少し待っててね」 

 

と声を掛けていて、遊びに来ている長男の友人が、長男の次男に対するその発言にびっくりし、 

 

「えーーー‼️遂に弟に優しくなったのかー!すげー!!!」 

 

と驚いていました。次男も、 

 

「自分も入りたい!」 

 

と、絶対に言えなかったのですが、優しい雰囲気の長男に少しずつ心を開き、 

 

「僕も入っていいの?」 

 

と聞けるようなっていったのです。 

 

・・・

 

それ以外にも、今までは、次男に絶対に貸そうとしなかったゲームカセットを自ら次男に貸し、操作方法を教えてあげていました。 

 

・・・

 

お兄ちゃん強化月間の成果なのか、長男は以前よりも良く笑うようになり、次男に沢山譲れるようになり、娘にも物腰柔らかに話すようになりました。 

 

・・・

 

主人がくたくたで帰ってくると、 

 

「お父さん大丈夫?お疲れ様、疲れは取れた?心配しているよ、ゆっくり休んでね」 

 

と優しい声掛けをするようになったのです。 

 

・・・ 

 

そんな長男の姿を見て私は、子育てって何なのだろう?と思うようになりました。 

 

今まで私の中に当たり前に刷り込まれていた子育てのスタイルは一体何だったのだろう? 

 

良い子にしよう、非常識にならないように!ちゃんとした子にする為にはちゃんと教えなければ、と一生懸命育てていれば子供は反発し親子関係は崩れていく。 

 

注意したい部分には目を向けず、出来ている事だけを認めていると、子供はどんどん温かい良い子になっていく。 

 

私の今までの子育ての価値観は一体何だったのだろう?と深く考えるようになっていったのです。 

 

 

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278 お兄ちゃん強化月間

278 お兄ちゃん強化月間 

 

2022年9月 

 

M先生に初めて相談に行ってから、1か月ほど経ちました。 

 

長男は、不安定な日があるものの、この時期、家では落ち着いている事が多く、私は長男よりも毎日ゲームにのめり込んで、他者と全然関わろうとしない次男の事をとても心配していました。すると先生は、私に、 

 

「今日から、お兄ちゃん強化月間にしましょう!」 

 

「お兄ちゃんを重点的にケアして、とにかく、お兄ちゃんを、立ち直らせよう!」 

 

「お兄ちゃん重点型子育てをやってください!きっと弟に物凄い良い効果が及ぶから」 

 

と兄を最優先する子育て法を提案されました。そんな事を言うM先生に私は、 

 

「私の中では、今は次男の方が心配です」 

 

「次男の暴言や反抗的な態度、ゲーム漬けの日々、長男は不登校だけど、長男の方がまだましかな、とも思えるくらいです」 

 

と伝えましたが、先生は、 

 

「表面的にはそう見えても、弟は、割と軽症かもしれませんよ」

 

「お兄ちゃんが安定したら今度は、弟の本音が出てくるはずなので、そこで、もうひと頑張りですよ」 

 

と言っていました。 

 

・・・

 

私の目には次男の状態は重症に見え、完全に子供らしさを失っている、ととても心配していました。 

 

長男は人との関わりがとても上手くどこへ行っても人気者でした。 

 

次男は人と関われず、いつも孤立しており、

 

「何か嫌な事を言われるくらいなら、1人でいた方が良い」

 

とよく言っていました。そんな話をM先生にすると、先生は、 

 

「そんな弟の状態も、お兄ちゃんが立ち直ると、変わってくるので、とにかく、第一優先事項はお兄ちゃんにして、今弟は、後回しで大丈夫です」 

 

「お兄ちゃんが立ち直ると、お母さんにかなり余裕がうまれるはずです」 

 

「弟の事を心配しすぎるから、兄がいじけるのですよ、その連鎖をまず、すぐに断ち切って下さい」 

 

「今、確実に良い流れは出来つつあるのだから、とにかくもっとお兄ちゃんに愛を与えて下さい」 

 

と言うので、私は納得できない部分があり、先生に、 

 

「長男ばかり構っていると、次男が『どうせ長男が大事なんでしょ』と何度か泣いてしまいました」 

 

「友人関係でも、いつも長男の周りには沢山の友人がいて、次男は孤立していているので、次男の情緒が気になります」 

 

と先生に言うと、 

 

「それは、次男に試されているので、第二優先で可愛がれば大丈夫ですよ、友達が多いとか少ないとかもそうですが、何事においても、長男、次男を比較してはいけません」 

 

とご指導いただきました。 

 

・・・

 

その時期、私は「長男ばっかり!」といじける次男とは、毎日寝る前、1時間以上横で話したり抱きしめたりしてコミュニケーションを多くとる様に心がけている事を先生に話すと、 

 

「次男とのコミュニケーションはそれで良いのです」

 

「今は、お兄ちゃん強化月間を成功させ、兄の情緒がしっかりすると、それが弟に伝染し、弟の情緒が安定します」 

 

「とにかくお兄ちゃんを重点的に、第一優先に構って下さい!」 

 

とぶれることなく先生は私に言い続け、下の子にとても手がかかるけれど、できる限り長男優先を頑張ろう!と思っていました。

 

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277 構う事

277 構う事 

 

2022年9月

 

私に、「構ってほしい、構ってほしい」と自分ばかり構ってもらおうと、わがままを言う長男に疲れていた時、M先生が、私に、

 

「弟が生まれてからの長男の気持ちをよく想像してみることです」 

 

「お兄ちゃんは、弟が生まれてからこれまで、どれほど、自分が優先される日を待っていたことか」 

 

「子供が要望を言った場合、大人はその要望を聞いてあげる側ですよね?無力な子供たちは、ひたすら親が自分の要望を聞いてくれるのを待つしかないのです」 

 

「子供が何かをしてほしい、という気持ちが満たされるかどうかは、親の気分次第なのです」 

 

「親が子供の要望に応じないのは、とてもかわいそうなのですよ」 

 

そう先生は私に教えてくれました。私の中に今までそんな考えはありませんでした。 

 

言われてみれば、確かに、子供は親が要望に応えなければ望みを叶える力はまだなく、待つか諦めるしかない。 

 

・・・

 

今までの、私の長男に対するイメージは、私に寄って来ないドライな子で、ねこっ可愛がりするのが苦手な私には、長男にべたべたされない事は楽でした。

 

長男は私から構われたくても「どうせ、お母さんに話しても聞いてはもらえない、構ってはもらえない」と諦めていただけなのかもしれない、と思うようになりました。 

 

長男は甘えたい、愛されたい気持ちを、弟をいじめる事で私に伝えていたのかもしれません。先生には、 

 

「子供がまだ幼いうちに気が付いて良かったのですよ、そんな、子供の心が温まらない子育てを続けていたら、どんな将来が待っていたのか、と想像するだけで恐ろしいです」 

 

と言われました。 

 

「親は、恨まれ、文句を言われているうちは、まだ良いのです」 

 

「親を諦めた子供は、親に対して無関心を装い、それが当たり前となると、親の存在に対して、無関心となり、無感情となり、視界に入れる事も不快となり、死ぬまで、愛情が取り戻されることはありません」 

 

「親はそこにたどり着くまでに、怒られるだけの事をしたのだから、自業自得で、子供の親に対する怒りはごもっともなのです」

 

「恨みは深く、こころは冷えて、虚しさだけが心の奥底に凝り固まっている、そんな親子も世の中にはいるのです」 

 

「それこそが、本当の地獄です」 

 

「貴方は今の生活は地獄、だと言うけれど、怒りでも暴言でも、子供が親に言ってくるうちはまだ良いのです」

 
「今お母さんは、3人の子供全員がお母さんに「構ってほしい!」といじけまくってくる事が「私1人じゃ手が足りない!」と大変で困っているけれど、子供が構って構ってと素直にアピールできている事、子供が『お母さんに構ってほしい!』と思っている事、これ以上の事があるのか、少し冷静になって考えてみると良いです」

 

と言われ、子供が親に「こうしたい!こうしてほしい!僕を優先してよ!」と希望を言えている事は、親子間の風通しが良く、良い事なのかもしれない、と私の中で、また一つ子育ての価値観が動いた気がしました。 

 

 

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276 自己中とは。

276 自己中とは。

 

私は次男が生まれてから、長男が不登校になるまで、子育てをとても大変な事だと思っており、愛情が欲しいと飢えている子供たちの気持ちには気が付いておらず、私は愛情を掛けていると思い込んでいました。 

 

「私だって大変なんだから分かってよ!」 

 

そんな気持ちで幼い子供たちを、私から醸し出される雰囲気で威嚇し、甘える事を我慢させていたと思います。 

 

私の中では、愛情があるからこそ、毎日大変でも面倒を見たり、良い子になるようにと叱っており、子供に親の愛が伝わっていないなどと、想像した事すらありませんでした。 

 

そんな話をM先生にしていると、 

 

「それは、親がとても自己中だからですよ、親が、自己中心的なら、子供もそうなります」 

 

「自己中の子は、社会適応が良くなく、不登校になりやすいのです」 

 

「なぜ自己中だと、不登校になるか、分かりますか?」 

 

という先生の問いに、私が、 

 

「自分の気に入らない事はやりたくないから、できない事全てを、周りが悪いと思っているから?」 

 

と答えると、先生は、 

 

「それは、結果論です」 

 

「不登校児を自己中と言う訳は、学校にも行かず、自分の殻に閉じこもっている間、閉じこもっているその世界では、自分は王様でいられる」 

 

「だから自己中な子は王様でいられる家に閉じこもり、不登校児になるのです」 

 

「自己中の逆で、もしも親が常に、上手に子供にゆずったり、どんな時も人に対して思いやりが深く、温かく接して、献身的であると、それが、子供にも感染します」 

 

「家族に親切である親を見て、誰かに親切にする事が、楽しく、気分の良い事だと、子供は学んでいきます」 

 

と言いました、私は自分が育ててもらった時に、 

 

「子供の言う通りになどしていたら、我慢できない子供に育って、将来大変な事になる、子供の言いなりになんてなっちゃダメ」 

 

と教えられた気がする、と先生に話すと先生は、 

 

「【親切にする】と【甘やかしまくる】のとは、全然意味が違いますよ。 

 

甘やかすとは、子供が自分でやれる事を親が奪い、子供ができるのに親が代わりにやってしまうことで、子供が他者に貢献するチャンスを奪うことです。 

 

親は、子供に対しても、 

 

「お願いできますか?」 

 

「、、、してくれたら助かります」 

 

とお願いし、断られたら 

 

「それなら今日はお母さん頑張りまーす」 

 

とすんなり引き下がり、やってくれたら、 

 

「ありがとう、あなたのお陰で助かった!」 

 

そんなふうに、子供に接する。 

 

子供に何かを頼まれたら、嫌な顔をせず、親切にする。 

 

それを一生やるのですよ。 

 

子供の教育は、それだけで、十分なのですよ。 

 

もし今、自分の子供が自己中な嫌なやつならば、それは、親がそう育てたのです。  

 

子供が自己中を脱却し、他者貢献味まで覚えたら、子供の可能性は一気に広がります。 

 

社会適応が安定し、どんな、コミュニティにもフィットできるようになります。 

 

でも親が、学校に行く事がゴールと決めているうちは、まだまだダメですよ。 

 

学校に行く事はゴールではありません。 

 

そもそも学校はそんなに良い場所ではありません、行きたければ行けば良いし、行きたくなければ行かなくても良いのです。 

 

学校に行こうが、行くまいが、みんなに親切な子になる事がゴールなのです。 

 

子育てのゴールはそこです。 

 

親切な子になったと思えたら、不登校だろうが、なんだろうが、大物になりますから、楽しみしかありませんよ。 

 

子供が自己中を脱却するには、十分に信頼される尊重される経験が必要なのです。 

 

親は子供がそうなるよう、【勇気づけの子育て】を全力でやるのです。 

 

 

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275 好き放題に見える子供たちの行動

275 好き放題に見える子供たちの行動 

 

2022年9月 

 

「【勇気づけの子育て法】に切り替えてから、子供たちが本当に好き放題なんです」 

 

と、今の緩い子育て法で良いのかと不安な私が、M先生に相談すると、先生は、 

 

「子供たちが、お母さんに今まで言わなかったようなわがままを言い始めた、という事は、子供たちに【お母さんが、自分達と本気で向き合ってくれそう】と理解されてる証拠です」 

 

「今こそ、子供たちとの関係を修復するチャンスなのです」 

 

とM先生に言われ、私は、 

 

「子供たちは、私にはわがままを言って良い、と気を許し始めてるという事ですか?」

 

と聞くと、先生は、 

 

「今までは、わがままだと突っぱねられていたのに、最近構ってもらえる、聞いてもらえる、そんな事が子供たちは嬉しいのですよ」 

 

「『でも、これって本当なの?本当にこのまま、わがままを聞いてもらえるの?』『でももしかしたら、もっと、もっと、お願いできるかも』と子供は思っているかもしれません」

 

と先生に言われました。 

 

・・・

 

この日、長男はいつも通りの昼夜逆転で14時に起床し、次男は無気力に12時間もぶっ続けでゲームをしており、主人と私は、 

 

「ここまで子供がぐちゃぐちゃになってしまうような育て方したっけ?」 

 

「沢山関わって、可愛がってきたよね」 

 

と2人で泣きそうになっていましたが、先生は、 

 

「子供が、家で安心してる証拠ですよ」 

 

「今までは、いつも、何を言われるのかと、ビクビクしていませんでしたか?」 

 

と私に尋ねました。 

 

先生のその言葉を聞いた時に、子供たちは今まで、何をするにでも、背中で私の視線を感じながら、様子を伺いながら、我慢しながら過ごしていたのかな、と今までの子育てを振り返り、子供たちに対して罪悪感のような気持が生まれました。

 

私たち夫婦から見たら、ダラケ過ぎているような、もうどうしようもないように映る我が家の2人の息子の様子を、先生は、全く違う目線で、

 

「良い反応が出て来ているからね」 

 

「しっかり受け入れてあげて」 

 

「今が、一番大切な時で、信頼関係を取り戻せるチャンスなのだから」 

 

と言いました。

 

それでも私はまだ不安で、長男はいつまでこのままなのだろう、次男も長男の真似をして学校に行かないと言い出している、と半泣きになっていると、私は先生に、

 

「これまでのやり方に戻して、修正してみますか?」

 

「厳しくビシバシやりますか?」 

 

「果たして、以前の子育て法に戻して、今より子供たちの情緒は良くなりますか?」 

 

と聞かれ、私は「はっ」とし、 

 

「正直、今のこんな甘い感じで正解なのかは分からないけれど、前のやり方に戻したら、親子関係は地獄なので、少しでも子供が落ちつく子育て法で育てたい」 

 

「長男ばかりに手がかかり、次男の事をちゃんと見ていなかったけれど、次男は生まれてからずっと長男に馬鹿にされ、私に叱られ、闇の中で生活していたような気がするから、次男の今までの苦しみを思えば、何を言われても、とにかく愛情をかけて、凍り付いているであろう次男の心を溶かしていくしかないと思っています」 

 

と私は先生に伝えました、先生は、 

 

「子供は、親が本当に自分を愛しているのか、ありのままの自分を本気で受け入れてくれるのか、という事を100万回試しますからね」 

 

「子供たちが親に対して不適切な行動をしてきても、全て、あー今、試されているのだな、と捉え、動揺しないで下さい」

 

「お母さんが今までの自分の価値観を押し付けるようなやり方を変えて、子どもたちは、やっとリラックスができてきました」 

 

「やっと、嫌な事を嫌だと言える環境になってきたのです」 

 

「お父さんと、お母さん、2人で温めて下さい」 

 

「必ず成功しますよ」 

 

「このやり方以外にないのです」 

 

「親はもう、良い意味で開き直って、本気で、今のやり方を続けてください」 

 

とアドバイスをもらいました。 

 

そんな先生の励ましを聞くたびに、不安に押しつ潰されそうになっていた私は、また頑張る勇気が出たのです。 

 

 
 

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274 この子はいつか立ち直るのか?という不安

274 この子はいつか立ち直るのか?という不安

 

 私はいつもM先生に、

 

「子供達は立ち直るんでしょうか?」

 

「私の精神はもつのでしょうか?」

 

そんな答えのない答えを聞き続けていました。 

 

なぜそんな事を聞いていたかと言うと私は信頼している人に【絶対に大丈夫】と言われるだけで、現状が何も変わっていなくても安心するからです。 

 

・・・

 

私は心配性で、すぐに、大丈夫かな、大丈夫かな、と思ってしまい、

 

【きっと大丈夫】【大丈夫にきまっている】

 

という価値観をもっていませんでした。 

 

この先ずっと引きこもりだったらどうしよう・・・ 

 

そんな先の事しか考えていませんでした。 

 

先生はいつも、

 

「立ち直るに決まっていますよ」

 

「子供の不適切な行動は、親が子供に試されているだけの話なのですよ」

 

と、ぶれることなく私を励ましてくれていました。 

 

・・・

 

我が家は、子供の幼少期、キャンプや旅行、虫取りなどにも沢山連れて行っており、親としては沢山愛情をかけてきたつもりでした。 

 

それなのに、なぜ、長男はこんなふうになってしまったのか? 

 

周りには私とは比べ物にならないほど、子供をコントロールし、酷い事を言っている親も、子供をほったらかしの親も沢山いるのに、なぜうちの子だけがここまで酷い状態になってしまったのか、と思う事がありました。 

 

先生は、 

 

「傷つけた側は、私、そんな悪いことした?という感覚なんですよ。でも、やられた側は、恨みが深いのです」 

 

「今まで、だいぶ、痛めつけたり、踏みつけたので、簡単に子供の心の傷は癒えません」 

 

「普通、一度でも酷い事をされたら、もう許せないのです」 

 

「でも親子だから、子供は親を許してくれるのです」

 

と言っていました。 

 

・・・

 

長男はよく私に、

 

「お母さんは歩けない次男を抱っこして僕をほったらかしだった」

 

と言っていました。 

 

「とにかく僕に構わなかったよね」

 

そればかりを私に訴えていたのです。 

 

私は毎日長男が楽しく過ごせますように、と一生懸命に子育てをしていたけれど、長男の心が満足する接し方ではなかったのだと思いました。 

 

結局長男は私に構ってほしくて仕方なかったのだと思います。 
 

 

 

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273 プール

273 プール 

 

長男は幼い頃、プールが大好きな子でした。 

 

週末に家族がそろったので昼間に長男をプールに誘うと、  

 

「夕方なら行く」  
  
と言いました。私は長男がプールに行こう!と思ってくれた事が嬉しくて、 

 

「今すぐにでも行きたい!」

 

とプールを楽しみにしていた次男と娘を、夕方まで我慢させ、夕方にプールに出発しようとすると、長男は、  

 

「やっぱり行かない」  

 

と言い出しました。  

 

次男が両親とプールに行きたがったので私が長男に留守番を頼むと、長男は、  

 

「嫌だ、ふざけるな、僕は1人で置いて行かれるのは寂しい、だから誰か残って」  

 

と言いました。  

 

次男は父親か母親のどちらかが行かないのなら、行きたくない、と言い、娘はもう水着に着替えて無邪気にプールを楽しみに待っていました。  

 

結局、長男を1人で置いて行く事が出来ず、娘と私だけでプールに行きました。  

 

この時期、何となく前よりは元気になってきたように見える長男を、何とか大好きなプールに連れて行きたい、外の空気を吸わせたいと、両親はよくプールに誘っていましたが、大体断られ、長男1人を置いてプールから帰ってくると、真暗闇の中、1人で布団の中でゲームをしている長男を見て、なんだかいつも心が晴れなかった事を覚えています。 
  
  
 

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272 声のかけ方

272  声のかけ方

 

長男はこの時期、どうしても欲しいゲームのコントローラーがあったらしく、私に買ってほしい、とせがんでいました。

 

不登校になってから一通り欲しがったゲーム関係の物は買っており、私はこれ以上欲しがったからと言って全て買い与えて良いのかと、とても悩んでいました。

 

・・・

 

「欲しいと言われたものを全て買えるほど、我が家はお金持ちじゃないよ!」 

 

と、購入を快諾していなかった私に対して、長男は攻撃的になり、家族でプールに行こうとすると、  

 

「プールに行くお金があるならコントローラ買えるじゃん!」 

 

「お金がないって言うならプールに行けないはずだろ!行くなよ!」 

 

と涙目で言っていました。私は、なるべく共感しなければ、と思い、 

 

「対戦で勝ちやすくなるなら、そりゃほしいねー」 

 

と、共感しているふうで話すのですが、長男は支離滅裂に怒り始めました。 

 

・・・

 

買い与えすぎる事に悩みに悩んでも結論を出せず、またM先生に相談すると、 

 

「お兄ちゃんはいつも妹と弟のお世話をしてくれるから、お母さんにコントローラーをプレゼントさせてくれる?」 

 

と聞いてみてくださいと言われました。 

 

私はそのアドバイスを聞いたときに一瞬、 

 

え!買ってあげるにしても、そんなに下手に出る感じでいいの? 

 

と思いましたが、今までこの先生のアドバイス通りに子供に接して、失敗した事がなかったので、長男にその言葉を言ってみました。すると長男は、 

 

「え、僕、弟妹の面倒ちゃんと見れてる?そう?そっかー、じゃあこれからもっと頑張って面倒見なくちゃな!」 

 

「お母さん、買ってくれてありがとう!」 

 

と言い、次男と仲良く遊び始めました。

 

この時も、親の声のかけ方1つで、こんなにも子供の表情は変わるんだ・・・と痛感した記憶があります。

 

M先生からは、

 

「【自分の良さ】というものは、人に言われて初めて気が付くので、子供たちに【その子たちの良さ】を沢山教えてあげて下さい」

 

と教えてもらいました。

 

そういえば、私は今まで、あなたのここが素敵だよ、と伝えた事はなかったな・・・

 

ここを直しなさい、それがだめ、と悪い事を直す事に全集中していたな、と今までの子育てを振り返ったのです。

 

 

 

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271 愛を伝える事

271 愛を伝える事

 

【勇気づけの子育て】を頑張っていたある日、次男が私に、

 

「お母さんは本当に僕を好きなの 」

 

と聞いてきました。私は、この子を産んでから毎日愛情をかけて育ててきたつもりなのに、この子には愛が伝わっていないのだな、と驚きましたが、 

 

「お母さんが次男の事が、世界一好きで、宝物だよ」 

 

と答え、その場で次男を抱きしめました。 

 

・・・

 

そんな可愛い事を聞いてくる次男ですが、行き渋りは相変わらずで、私はこのまま次男も学校へ行かなくなるのかな・・・と不安になっていると、M先生から、 

 

「お母さん自体が不安がとても強いのです」 

 

「お母さんは、子供が困ったときに頼りになる安全地帯なのですよ」 

 

「子供を自分の理想通りにしたいと思うからイライラしたり、不安になったりするのです」 

 

「うまく行かない事を恐れて生きているなんて、とても勿体ないです」 

 

「お母さんの不安を、子供は解決出来ません、もう貴方は大人なので、自分自身でその不安を何とかするしかないですよ」 

 

「子どもの人生がうまく行かなくなっても、それは、子どもの問題であり、お母さんにはあんまり関係がないのです」 

 

「お母さんは、子供を思いきり愛するくらいの事しかできませんよ」 

 

と言われました。 

 

・・・

 

アドバイスを聞き、それならば愛する事を全力で頑張ろう!と次男に優しく接していると、朝起きてきた次男が、 

 

「お母さん大好き」 

 

と抱き着いてきました。 

 

朝ご飯に作っておいたサンドイッチは食べたがらず、ホットケーキとお肉ご飯が食べたいと言うので、 

 

「そっか、食べたいものを教えてくれてありがとうね、簡単なのばっかで良かった!」 

 

と快諾し、新たに朝食を作っていると、次男が、 

 

「ありがとう!おいしいよ!」 

 

と言いながら食べ、ご機嫌で学校へ出かけていきました。 

 

こんなわがまま聞いてて良いのかな?

 

作ってもらった食事をいらない、と言うのは失礼だよね・・・

 

という気持ちは正直ありましたが、この接し方だと子供が優しくなるな、という実感があったのでしばらく今のやり方を頑張ろう、と思っていました。

 

 

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270 今を大切に生きる事

270 今を大切に生きる事

 

2022年9月

 

子育てが上手くできない私が、過去の【我慢させる、甘やかさない子育て法】を悔いていると、M先生は、下手な子育てを叱りはせず、

 

人間は過去を生きられません。 

 

未来を生きることもできません。 

 

今を生きるのです。 

 

今を大切にする。 

 

それだけですよ。 

 

子供と過ごす時間なんて、あるようで、本当はとても短いのです。 

 

今のうちに、たくさん、人の温かみを教えておきましょう。 

 

本当に大切な今を、愛の溢れる時間にして下さい。 

 

未来を心配するなんて無用です。 

 

と励まして下さいました。 

 

・・・

 

私はこれからは【勇気づけの子育て】をする事で、長男や次男の中から不安が抜けて、彼らが彼ら自身の行いに自信を持ち、人の評価を気にしない子にいつかなってくれたら、と思っていました。 

 

【勇気づけの子育て】で次男は夏休み中、とても明るく、優しくなり私は喜んでいました。

 

夏休みが終わり、学校が始まると、朝からぐだぐだし、帰宅後も休日もゲームばかりで反抗的な次男を見て、私は、

 

あー【まだまだ】この子は全然根柢の部分が良くなっていないんだな・・・

 

と気分が落ちてしまうのです。

 

それでも学校から帰ってきた時に顔が明るく、私を見てニッコリ笑う日があると、とても嬉しかった事を覚えています。

 

M先生からは、 

 

【まだまだ】というのは、親の勝手な理想と比べて、というだけです。 

 

内面的な変化は、目を見張るほどのもののはずです。 

 

親の描くあるべき子供の姿って、本当に、それが、子どもの理想の姿なの? 

 

【まだまだ】なのは、親である自分自身です。 

 

人格に、年齢は関係ないです。 

 

と教えて下さいました。 

 

私は、なるほど、私の中に長男と次男の理想の姿があり、その姿でなければ【まだまだ】と思っているのだな、そんな私が、今まで子供たちを苦しめてきたのだろうな、と先生の言葉に妙に納得しました。

 

とても不安の強い私は、将来この子たちはどうなってしまうのだろう?

 

ずっとこのまま、無気力で引きこもりなの?

 

などと、先の事ばかりをマイナスに考え、不安になっていましたが、先生の言葉を聞き、一日一日、丁寧に、温かく子供と接していれば、未来はきっと明るいはず、と思える日が増えていきました。

 


 

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269 夏休み明け次男の反発

269 

 

夏休み明け次男の反発

 

2022年9月

 

ある日、外はもう暗いのに、次男がリビングの電気を付けずにゲームをしていたので、私が電気をつけると、 

 

「あー、ゲーム見にくい!消せよ!」 

 

と怒っていました。 

 

私は言う事を聞き、しばらくの間、暗くても電気をつける事が出来ませんでした。

 

今回の次男の人に対して失礼な態度は、注意しなくてもいいのかな? 

 

何も言わずに、聞き流しておくべきなのかな? 

 

と、ぐったりした気分になり、子供っていったい何様なんだよ!と思ってしまいました。 

 

・・・

 

その日次男はすでに12時間以上ゲームをしていたので、私が次男に、 

 

「8時半までに寝る部屋いこっか!」 

 

と誘うと、 

 

「いかねーわ!うるせー!黙れ!」 

 

と、【勇気づけの子育て法】を実践する前のような、失礼な態度で私に反発してきました。 

 

・・・

 

長男は安定している日が多いものの基本的には昼夜逆転のゲーム三昧。 

 

そんな2人の姿を見て、この子達はどんな子になるのだろう、何だか怖いな、と感じていました。 

 

6歳と9歳の、まだ幼い子供がここまで親に反発し、ここまで言う事を聞かない事があるのだろうか?

 

周りの小学生の不登校の子たちは、ただ学校に行かないだけで、昼夜逆転もせず、反抗もせず、私から見ると、長男のように精神が病んでいる様子の子はいませんでした。 

 

なぜ、我が子だけ・・・ 

 

そんな思いが浮かばない日はなく、手を掛けて育て、可愛がっていたのに、何がそんなに間違っていたのだろうか? 

 

私はそんなにダメな親なのだろうか? 

 

何がどんなふうにダメなのだろうか? 

 

そんな事を考えない日はありませんでした。 

 

 

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268 浮き沈みする気持ち

268 浮き沈みする気持ち

 

2022年9月

 

長男が穏やかに生活しているなーと喜んでいたある日、私が娘と仲良く遊んでいると、長男が、

 

「妹の声しか聞こえないのかよ!」 

 

と怒り出し、自分の部屋の扉を閉め切り、ドアを何度も何度も蹴り始めました。 

 

・・・

 

長男は基本的に、私が長男を優先しないと嫌がり、自分以外の弟妹が可愛がられる事をとても嫌がる子でした。 

 

・・・ 

 

怖がりな次男は私が同じ部屋にいないと発狂して、

 

「お母さん!お母さん!お母さん!お母さん!お母さん!お母さん!!!」 

 

私に異常に執着し、探し回り、返事をするまで泣いて呼び続けることもよくありました。 

 

私が次男の視界からいなくなると癇癪を起すので、トイレにも、お風呂にも、買い物にも行く事が出来ませんでした。 

 

夏休みは1人でトイレに行けていたのに、学校が始まると1人でトイレに行けなくなったのです。 

 

私が忙しかったり、『もー!自分で行ってよ!』とついて行かないと、その場で漏らしてしまう事もありました。 

 

休日になると朝起きた瞬間からご飯も食べずゲームしかしてない次男と2時になっても起きてこない長男を見て困難な子育てに心が折れそうになる事がありました。 

 

次男は夏休み明けで疲れているのか、

 

「平日5日間全部学校に行くなんてありえない!」

 

と言い、行き渋る日が増えていました。 

 

次男と長男の関係がとても良くなっているので、家に長男がいるのに、学校には行きたくない!と言う日もありました。

 

・・・

 

私は次男の要望もどこまで聞けばよいのか、どれくらい休みたがったら休ませればよいのか、線引きがとても難しく悩んでいました。

 

・・・

 

私は元の性格が、優しく穏やかに子どもと会話をする方ではないので、頑張って言葉を選び、表情を柔らかくするようにし、優しいお母さんを演じており、気を抜く瞬間がないのでとても疲れました。 

 

今頑張って演じている母親像を当たり前にするのには最低でも1年は同じことを頑張ってね、と、M先生に言われていました。 

 

頑張っていても、 

 

「あー、今日は長男の顔をこれ以上見たくない!」

 

と思ってしまう日もあり、主人がいる時には、さり気なく部屋を離れ1人になれる場所へ逃げる時もありました。 

 

 

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267 担任の先生との関わり

267 夏休み明けの長男 

 

2022年9月はじめ

 

夏休みが終り新学期が始まっても長男の昼夜逆転、ゲーム動画三昧な生活は変わりませんでしたが、表情がとても明るく、家族にも優しく穏やかに毎日をすごしていました。

 

9月の中旬になると担任の先生が下校後に学校に来ませんか?と誘って下さり、長男も「行く」と元気に言っていました。 

 

長男はこの時期、穏やかではありますが、学習をしたり、学校へ行きたいと言ったりすることはなく、

 

気持ちが落ち着いているのに、昼夜逆転が直らないな、規則正しい生活を強制しても良い方向には向かうはずもなく、今の生活で定着してしまうのかな?

 

と思う事がありました。 

 

長男に会った担任の先生は、 

 

「長男さんの表情が良く、声も穏やかで確実に前進しているように見えますね、学校に来た際には小数の学習を頑張っていました、学習はびっくりするほどのみ込みが早いので復学してもすぐに後れを取り戻すと思いますよ、とにかく本人ペースで頑張りましょう!」 

 

と嬉しそうに話してくれました。 

 

・・・

 

家庭では学習以外の事がメキメキと出来るようになり、特に次男との関係性は見違えるほど良くなっていました。

 

1年前、同じ部屋にいる事さえも難しかった関係とは思えないほどに仲良く、2人でゲームで盛り上がっている事がよくありました。 

 

長男は学校にはいかないものの私には精神状態はとても安定しているように見えました。 
 

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266 良い時 悪い時

266 良い時、悪い時

 

息子たち2人は気分のムラが激しく、とても安定している時、逆にとても不安定な時がありました。 

 

・・・

 

今日は息子の調子が良かったのですよ、とM先生に話をすると、 

 

「調子が良いとか悪いとか一喜一憂しない」 

 

「大人だって色々な時があるでしょう」 

 

「目に見える、表面的な変化がなくても、あたらしい子育て法が上手くいっていれば、子供たちの内面は少しずつ良い方へ変化していますよ」 

 

「長い目で見て下さいね」 

 

「数年後の子供たちは必ず今よりも良くなっていると、まずはお母さんが子供たちを信じてあげて下さい」 

 

と励ましてもらいました。 

 

そっか・・・ 

 

・・・ 

 

子供の要望を可能な限り快く聞くようになると、子供たちどうしの喧嘩が減り、私からの要求もスムーズに聞いてくれることが増えました。 

 

私がほんの少しでも、機嫌が悪かったり疲れた雰囲気を出すと子供たちは一気に情緒が乱れました。 

 

周りからは、子供たちが私に何でも要望を叶えてもらえることに慣れ、聞いてもらえない時に堪えられない子になっているんじゃないの?と言われる事もありました。 

 

私の中で同じ心配がなかった訳ではありません。 

 

それでも、以前の私の【我慢させる子育て法】よりも、今の【勇気づけの子育て法】の方が明らかに子供との関係が良いので、私は後者の子育て法を頑張る事に決めていました。 
 

 

 

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265 優しさの連鎖

265 優しさの連鎖 

 

2022年9月 

 

長男に、「気分の浮き沈みが激しく、癇癪を起す次男へどう接する事が正解なのか分からない」と私の悩みを相談しました。 

 

この頃、次男は3DSの新しいカセットをいくつもいくつも連続で欲しがりました。 

 

購入しないと癇癪を起し、暴言を吐きました。

 

3DSは昔のゲームでメルカリなどのフリーマーケットで購入すれば、1000円前後で購入できます。

 

金額的には購入できるのですが、次男に「欲しい」と要求された物を全て買い与えて良いのか、そんな事をしていたら我慢の出来ない子になるのではないか、と私は購入をためらっていました。

 

私が長男に、 

 

「お母さん、家族と平和に、幸せに暮らしたいだけなんだよね」 

 

「だから3人の子供の気持ちにできる限り応えたいと思っているんだけど・・・」 

 

「次男が最近連続して3DSのカセットを買ってと言ってきて、お金のかかる事も全部『いいよ』って言って良いのかな・・・って悩んでいるんだよね」 

 

「次男の要求、どこまで聞いていいのかな・・・」 

 

「次男は『お年玉で買う』って言っているし、次男のお金だし、好きにしたら良いのかなって思うんだけどね・・・」 

 

と、私はゲームをする長男の横でぶつぶつと呟くように相談を始めました。私が、 

 

「長男の方が次男に年齢が近いから、お母さんよりも次男の気持ちが分かると思うんだよね」 

 

と言うと、長男は、 

 

「お母さん、僕が弟に話をしてあげるよ」 

 

と言い出しました。長男は次男に、 

 

「ねー、またカセット欲しいんだって?」 

 

「あれ、面白そうだから、そりゃ欲しくなるよね」 

 

「でも、あれ凄い難しいよ!」 

 

「お前できる?」 

 

と聞いています。次男が、 

 

「分からないけど・・・でもお兄ちゃんがやってて楽しそうだから僕も欲しい」 

 

と言いました。長男は、 

 

「そうか!なかなか高度だぞ!でもまー、俺が教えてやる!」 

 

と言い出しました。 

 

・・・

 

長男は1年前、次男が3DS本体を購入する事さえ許しませんでした。 

 

1年前は些細なきっかけを見つけては馬乗りになって次男を殴り倒していたのです。 

 

殴られる次男は、体中いつも青あざだらけで、顔も傷だらけでした。 

 

1年前私がこっそり次男に3DSを買い与えた時も、長男は私に激怒していました。 

 

次男を毛嫌いし、どんな時でも、どんな事でも、次男が自分と同じ事をする事を拒絶していたのです。 

 

そんな長男が『次男にゲームを教えてあげる!』と得意気に優しく話かけていました。 

 

そのやり取りを見ていた私が長男に、 

 

「本当に助かったよ、ありがとうね!」 

 

と感謝をすると、長男は、 

 

「もう、次男に嫌な事を言うのをやめようかな」 

 

 「次男に、『お前は出来るぞ』『大丈夫だぞ』って言葉をかけてみようかな」 

 

「もしかして、次男は僕が優しい声をかければ優しくなるんじゃないか?」 

 

「次男が妹を叩くのも、僕が次男を叩く時があるからじゃない?」 

 

「僕、ダメじゃん・・・次男をいじめないように頑張らなくちゃ」 

 

「この家の平和は僕に、かかっているよね、お母さん」 

 

と言われました。 

 

私は、 

 

「家族皆が長男の事を大好きだから、特に次男は長男に憧れているから、全部マネするんだと思うよ」 

 

と言うと、長男が、 

 

「よし!僕、お父さん、お母さんで次男に自信をつけさすか!」 

 

「次男を褒めよう!」 

 

と提案してくれました。 

 

その提案通りに家族で次男を全力で励まし、優しく接していると、娘が泣いている時に次男が、急いで自分のおやつを持ってきて、 

 

「〇〇ちゃん(娘の名前)僕のおやつ何でも選んでいいんだよ」 

 

「悲しかったの?」 

 

「2つあげるよ」 

 

「どれがいい?」 

 

「泣かないで」 

 

と必死で泣きやまそうと頑張ってくれていました。 

 

目に見えて兄弟間の優しさの連鎖が始まったのです。 

 

それ以外にも次男は以前、 

 

「こんなもの食べられるかよ!」 

 

と食事を投げつける事があったのに、私に、 

 

「ご飯を作ってくれてありがとう」 

 

「お腹いっぱいだから残すけどごめんね」 

 

「お母さん、おいしかったよ、ありがとう」 

 

 など、以前は聞くことのできなかった、平和で幸せな言葉を沢山かけてくれるようになりました。 

 

 

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264 私の気持ち

264 私の気持ち 

 

情緒が不安定なのは子供だけではありませんでした。 

 

私自身が、気持ちが前を向いていて穏やかに過ごせる時と、幼い2人の息子たちの現状と将来を悲観し、不安になり、どっと落ち込んでしまう時とがありました。 

 

私の元気がなくなると、子供は鏡のように情緒が不安定になりました。 

 

自分では不機嫌を態度に出しているつもりはないのですが、子供たちは私の心の中に渦巻く不安な気持ちを感じ取っていたのだと思います。 

 

特に長男は私の気分に大きく影響されているようでした。 

 

私が元気でいる事がとても大切である事は理解していて、元気に明るく子供たちの要求に応える事を心がけてはいるのですが、根本的に私はそれが苦手でした。 

 

・・・ 

 

下の2人を寝かしつけようとすると、長男が、 

 

「お母さん!2人が眠ったら起きてきてよ!」 

 

と毎日言いました。 

 

下の子を寝かしつけた後に夜中までゲームに付き合う事は私にとってはとても苦痛でした。 

 

私は電子的な事がとても苦手で、ゲームやゲームの音が大嫌いでした。 

 

その音や画像を一日中リビングで見て、聞いていて、やっと子供が寝静まって静かになった夜中に、再びその音を聞く事がとても嫌でした。 

 

子供と離れ1人になりたい。 

 

もう眠りたい。

 

長男が楽しそうに話してくるゲームの内容を何一つ理解できず、気持ちに共感できない。 

 

あー、今日も疲れるな・・・ 

 

あー、5分でいいから一人になりたいな・・・ 

 

あー、いつまでこんな生活が続くのだろうな・・・ 

 

と思いながら毎日を過ごしていました。 

 

それでも、長男を立ち直らせるためには要望にできる限り応える事、私が明るく過ごす事、を頑張らなくちゃいけない、頑張ろう!と自分ができる事はさぼらないように頑張っているつもりでした。 

 

 

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263 【当たり前】を疑ってみる

263 【当たり前】を疑ってみる 

2022年9月

 

次男が学校へ行きたくないと言う時、私は、 

 

「頑張ろうね」 

 

と次男を何とか学校へ行かせよう!などと励ましたりはしませんでした。 

 

「行きたくないんだね、それでも起きてきてくれてありがとうね」 

 

と次男に声をかけるようにしていました。 

 

M先生から教えてもらった【勇気づけの子育て法】を意識している事もありましたが、長男のように自分の精神の限界まで頑張り、家庭が機能しなくなるほど心を壊してしまうのであれば、そうなる前に対策しておきたい、という気持ちがとても強かったです。 

 

長男は不登校初期に、気が狂ったように暴れました。
私は、次男まで同じようになってしまったらどうしようと怯えていました。

 

次男が不登校になる事よりも、心を壊し、長男のように暴れ回ったら、私自身が、精神的にもう持たないかもしれない・・・。

 

当時の私は、次男の些細な問題行動にも過敏に反応し、次男の気分の浮き沈みに一喜一憂する日々を送っていました。

 

次男が、 

 

「今日は半日で帰って来たい!」 

 

と言えば、 

 

「半日は行こうとしてるんだね!」 

 

と出来ている事に目を向け、本人が気が付いていない今現在出来ている、彼の素晴らしい部分を本人に伝えるように心がけていました。 

 

私の心に不安がなかったわけではありませんが、なんとかその不安な感情は押し殺し子供たちの気持ちに寄り添うようにしていました。

 

そんな対応をしていると、癇癪を起している次男もキョトンとして怒りの熱が下がり、気持ちが落ち着いていく日が増えていきました。

・・・ 

 

世間一般的には【親が甘い!】【世の中そんなに甘くない!】【理想像だ!】と非難されそうで、こんな緩い対応で本当に良いのか、子供たちはだらしのない子供にならないのか、と私の中では常に迷いがありました。 

 

それでも以前のように、子供が怒り出したら同じ土俵に上がり、子供に負けてはいけないのだ!と意地になって子育てをしていた時よりも気持ちはとても楽でした。

 

早々と戦いの土俵から降りてしまう事で私の心は以前よりも穏やかになったのです。 

 

・・・

 

不安が強く心配症な私は、私の今の子育て法が合っているのかをM先生に相談しました。すると先生は、 

 

「情緒が不安定な次男を、本人が行きたくないと言っている学校へ無理やり行かせる事の方が問題ではありませんか?」 

 

「嫌がる学校へ無理やり行かせる、なんて事をしていたら折角築き始めた親子間の絆を壊してしまいますよ」 

 

「学校は行きたければ行けば良いけれど、行かなくても良いのですよ」 

 

「楽しくて良い所なら、子供は自ら進んで行きますからね」 

 

「好奇心旺盛な大切な子供時代に、嫌な学校へ行き退屈な時間を過ごす事よりも、お母さんと愛のある触れ合いを沢山経験し絆を深める事の方が遥かに大事です」 

 

「息子さんが学校へ行く事を嫌がったら、『ずっと一緒にいようね』と言ってあげて下さいね」 

 

「息子さんが心からお母さんに愛されている!と思えるように沢山愛を注いでくださいね」 

 

と助言していただきました。 

 

・・・ 

 

私は学校は行くもの、義務教育なのだからそれが【当たり前】みんなそうしているのだから、と思っていました。 

 

時には【当たり前】を疑ってみる。 

 

果たしてみんながやっていることが正しいのか?

 

子育ての最終目標は何なのか。 

 

学校へ行ってほしいのも、厳しく躾けをするのも、何かができるようになると良い!と習い事に通わせるのも、全て子供に幸せに生きていてほしいから。 

 

最終目的地は【我が子が『幸せだよ』と自立して暮らしている事】

 

幸せの形は本人が決めるしかなく、『幸せだよ』と胸を張って言える大人になる為に私が今できる事は、何なのだろう?と思うようになりました。 
 
 
 

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262 不安とは

262 不安とは 

 

私の目には長男も次男もとても不安が強い子に見えていました。その事をM先生に伝え、 

 

「我が子達は、不安が強いせいで学校生活が辛いのではないか?」 

 

と質問しました。先生は、 

 

大人でも、子供でも、皆何をするにしても、新しい事を始めるのには、不安が先立つのです。 

 

それが人間というものなのです。 

 

子供は特に、自信がないので、不安が強いのです。 

 

親は、

 

『どんな時でも、どんなことでも大丈夫!お母さんが付いてるからね』

 

『あなたなら絶対にできるよ』 

 

と、後ろから何回でも声を掛けて励ましてあげて下さい。 

 

子供に、

 

あー、失敗しても、死ぬわけじゃないな。 

 

どんな失敗も、お母さんは受け止めてくれるんだ! 

 

と思わせてください。

 

そんな温かい経験を沢山して、子供は心が強くなります。 

 

どんな事にも興味を持って、取り敢えずやってみる、という生き方ができるようになります。 

 

・・・ 

 

生まれたばかりの赤ちゃんは、皆恐れを知らず、何にでも興味を持って、自由にやっています。 
それなのに親が、あれはだめ、これはだめ、ああしろ、こうしろ、危ない!あなたには無理!と言い、子供が失敗したら失敗した事を責め、親の思い通りにしていないと罰を与える。

 

そんなまずい育て方のせいで、子供たちは不安の強い、自信のない子になってしまうのですよ。 

 

不登校は、子供が勇気をくじかれている状態と考えましょう。 

 

子供の心を育み【失敗は成功のもと】を合言葉にして励まし続ける必要があります。 

 

子供は親の愛情が心の奥にまでしっかり届いていれば、失敗を恐れずに、色々な事に進んで挑戦していくようになります。 

 

家庭が楽しい雰囲気である事、それが何よりも大切です。 

 

とにかく子供を愛してください。 

 

愛される経験、【失敗は成功のもと】と思える事が失敗を恐れない精神を生むのです。 

 

と教えていただきました。 
 
 
 
  

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261 以前の私→変わりつつある私

261 以前の私→変わりつつある私 

 

長男が生まれてから次男が生まれる前まで、私はとても穏やかに子育てをしていました。 

 

友人から、 

 

「かわいいの押し売り半端ないよね」 

 

と笑われるほど長男の事をかわいい!かわいい!と言いながら育てていました。 

 

・・・

 

次男が生まれ、寂しさからか長男が暴力的になりました。 

 

寂しい!という長男の深層心理を考えもせず、目に見えている長男の不適切な行動を、長男がそれを止めるまで厳しく注意し続けました。 

 

どうしてこんなに私を困らせるの!

 

大変なんだから困らせないでよ!

 

という私の苛立ちが、長い年月をかけて親子間の絆の歯車を少しずつ狂わせていったのだと思います。 

 

・・・ 

 

長男が成長し私に対して暴言を吐くと、私は長男に向かって、 

 

「お前、本当に性格悪いよね」 

 

「本当に嫌い!」 

 

と傷つけてしまう事もありました。そんな私に対し、長男は泣いたり甘えたりはせず、 

 

「うるせー!」 

 

と歯向かってきました。私はその言葉に真正面から反応し、 

 

「お前がうるせーわ!」 

 

と襟ぐりを掴んでソファで取っ組み合いの喧嘩になる、不登校直前の夏休み、長男と私はそんな事を毎日のようにやっていました。 

 

・・・ 

 

最近私は、なぜあんなにも向きになって長男を叱っていたのだろう?と考えました。 

 

向きになっていた理由を思い返すと、私は本当は長男の不適切な行動に対し、別にどうでもいいやと思っている事も多かったけれど、 

 

【子供の言う事を全部聞いてはいけない】 

 

【厳しくしなければいけない】 

 

【親が負けてはいけない】 

 

と思い込んでいたのです。 

 

私が全て言う事を聞いていたら、子供は全てが自分の思い通りになる!と勘違いし自分勝手な子になってしまう。 

 

我慢させなければ。 

 

我慢する事に慣らさなければ。 

 

叱らなければ。 

 

叱られる事に慣らさなければ。 

 

自分が育てられた環境もあり、疑うことなく、子育てとは【そういうもの】なのだとずっと思っていました。 

 

私は長男を産んでからずっと、頑張って頑張って、愛を持って子供たちを我慢させていたのです。 

 

・・・ 

 

長男が不登校になり、どこに行っても解決策を見つけ出せず八方塞がりでした。 

 

長男の不登校が定着して1年近く経った頃、私はM先生に出逢い【勇気づけの子育て法】を教えていただきました。 

 

先生に【注意しなくていい】と教えていただいてからは、頑張って優しい言葉をかけるよう努力していました。

 

子供に負ける事に抵抗がなくなり、少しずつ自然と優しい言葉が出る事が増えていきました。 

 

優しい態度と言葉で子供たちと関わった後に見られる子供たちの笑顔と、子供からの優しい言葉に幸せを感じるようになっていったのです。 

 

私の中で、子育ての景色が少しずつ確実に変わっていきました。 

 

子供たちの優しい姿を見るたびに、私は、今まで子供たちの何を見てきたのだろう・・・と反省しました。 

 

長男の心を満たす事が出来ず、満たされない長男が次男を激しくいじめ、次男の情緒の発育に大きな影を落としたこと。 

 

子供時代の、楽しい時間だけで良い時期に、子供たちに苦しみを与え続けていたこと。 

 

今更ながら自分の罪の重さに気が付き、 

 

「今この気持ちで、長男を生んだあの日からやり直したい!」 

 

と思うようになりました。 
 

 

 

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