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不登校復活の道(ブログ)

300 子供の心理

300 子供の心理 

 

2022年9月末 

 

この時期の次男は、朝食が気に入らず、暴言を吐いて暴れ、学校に遅刻する事がよくありました。 

 

朝ご飯を作っても、気に入るメニューじゃなければ食べず、目の前に朝食が置いてあるにも関わらず、私に向かって、 

 

「今日の朝ご飯なに?」 

 

「ねー、早くご飯ちょうだいよ」 

 

「朝ご飯なしかよ!」 

 

と神経を逆なでするような事ばかり言ってきました。 

 

・・・

 

別の日は、主人が次男にチャーハンを作ると、出来上がった食事を見もせずに、 

 

「絶対まずいから食べない」 

 

と言っていたのですが、文句を言いながらも出来上がったチャーハンを見に来たので 

 

「見るだけ見てくれたんだねー」 

 

「嬉しいなーありがと」 

 

と夫婦で言い、その後は次男に何も言いませんでした。 

 

すると次男は、何も言わず、不貞腐れたまま、チャーハンを食べ始めました。 

 

・・・

 

偏食の酷い次男の、毎日の朝食の用意がとてもストレスになり、夜のうちに、朝ご飯を決めてもらう事にすると、スムーズに朝食をとれる日が以前よりは増えました。 

 

・・・

 

この時期の次男は、朝は通学団では登校せず、起きた瞬間から不機嫌で、朝食も文句ばかり言う。 

 

遅刻をしているのに、給食を食べたら帰りたい、と言い早退をする。 

 

家に帰ってからは返事もせずにゲームばかりしている、そんな次男の姿に、この子はどうなるのだろう?と将来に不安を感じない日はありませんでした。 

 

・・・

 

私は、上手く感情を抑える事が出来る日もあれば、苛立ちが顔に出てしまう日もありましたが、何とか挑発にのらないように、と頑張っていました。 

 

内心は「ふざけんなよ!」と思いながら、なんとか耐えている事もよくありましたが、私が感情を抑え優しく対応すれば、良い事が起こる頻度も増えていきました。 

 

例えば、長男の友人におやつを作り、出そうとしていると、次男が、 

 

「ずるい、みんなにばっかり」 

 

と言い怒り出し、私が、 

 

「次男が全部食べていいんだよ」 

 

「次男が優先!次男が食べて、お腹いっぱいになって友達にもあげられるならあげたらいいよ」 

 

と言うと、「友達にあげてね」と一言も言っていないのに、自分は食べずに友人の所へおやつも持って行ってくれました。 

 

・・・

 

子どもの言動は理解不能で、予測すらできないと苛立ってばかりの日々の中で、時折、打てば響く、と感じる瞬間も、少しずつですが増えてきたように思います。

 

以前の私は、子供がどうしてほしいのか、どんな気持ちでいるのか、と子供の心に寄り添う姿勢はもてず、子供をどう納得させよう、どうやって言うことを聞かせよう、ということばかり考えていたことに気が付き始めていました。

 

そんな中、私だってコツさえつかめば、子供とうまくやれるかもしれない、という期待感が、自分の心の中に芽生えてきたようにも感じていました。

 

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299 子供の気持ちを受け入れる事

299 子供の気持ちを受け入れる事

 

夏休みが明けてから特に次男は、

 

「学校は知ってる事しかしない、詰まらない、意味がない」

 

と言っていました、そんな次男に、私は、 

 

「学校がつまらないのは悪い事じゃないと思うよ」 

 

「詰まらないものは詰まらない、嫌いなものは嫌いでよいんじゃないかな」 

 

「自分に合う学校を探すのは大賛成だから、別の学校の体験とかいってみようね」 

 

と言っていました。 

 

・・・

 

夏休みが明けると、次男の学校での様子は明らかにおかしく、課外学習で学校で出されたお弁当には一口も手を付けず、そのまま家に持ち帰ってきたり、5時間目に教卓下で爆睡していたり、立ち歩きも酷くなっていました。 

 

家では寝る前に、「明日学校行きたくない」 と言う事が以前より増えていました、 

 

・・・

 

先日は、行き渋るけれど、休みたいとは言わない次男に、 

 

「次男が行きたいタイミングで、お母さんと学校に行こうね」 

 

と次男に伝え、通学団では行かず、出発時間を次男が決めて出発していました。 

 

この日は正門で、給食を食べたら帰りたい、と言うので給食後にお迎えに行きました。 

 

学校をとても嫌がる様になってきた次男でしたが、家庭では以前よりも落ち着いていました。 

 

次男と話をしていると、娘がやきもちを焼き、邪魔をしてくる事がよくあり、私が娘に 

 

「今次男とお話ししてるから、待ってくれる?」 

 

と言っても、娘は「やだー」と嫌がる事が多く、以前だと次男は妹に、 

 

「わがままだな!」 

 

と怒っていたのですが、最近は、 

 

「お母さん、いいんだよ、〇〇ちゃん先にどぅぞ」 

 

と言ってくれる日が増えていました。 

 

よく考えるとここ数日以前の様に、 

 

「おい、お前!」とか「クソババア!」 

 

と私に向かって暴言を吐く日が明らかに減ってきていました。 

 

次男に、 

 

「お母さん、昔よく怒っていたのに、最近怒らないよね、何で怒らないの?」 

 

と言われるようになり、そんな次男の話を聞いていた長男は、 

 

「お母さんが口うるさく言わない事に僕は気付いてる、だから僕も頑張らなくちゃって思ってはいるんだよ」 

 

と言っていました。 

 

子供たちは私の子育てスタイルの変化に気が付いているようでした。 

 

不思議な事に、子供を良くしよう!と厳しく子供を叱ったり、躾けたりをしなくなったのに、子供は自発的に、どんどん良い子になっていったのです。 

 

M先生からは、 

 

「子供たちは、自分の主張が、ちゃんと受け入れられている、という実感が生まれてきたのだと思います」 

 

「子供にとっては、受け入れられる体験が何よりも大切です」 

 

「心の交流を、どんどん深めてくださいね」 

 

「受容される喜びを知った子は、自信を深めていきます。そしてそれが、子供の心の成長にはとても重要な事なのですよ」 

 

と教えてもらいました。 

 

 

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298 ルール決め

298 ルール決め 

 

9歳、7歳、3歳、の子の子育てをしていましたが、長男の疲れた心を回復させる為、生活のほとんど全てを子供たちの望むペースで進めていて、生活の中に秩序はほとんどなくなっていました。 

 

やりたくない事は一切せず、好きな時に、好きな事をしている。 

 

食べたいときに食べたいものを食べ、食べたくないものは食べない。 

 

長男の心が穏やかになり、大切にされていると信じてもらうため、出来る限り、その子が今望んでいる事を叶える。 

 

長男の回復の為なので、長男だけにその対応をしたいのですが、下の子は上の子をマネし、自分たちの事も同じように大切にするのか、と試してくるため、私は全員に同じ対応をせざるを得ませんでした。

 

M先生には、 

 

「今の状態があまりに酷いと思うのであれば、子供が守れるルールを、子供と話し合いをして、決めると良いです」 

 

「子供がルールを守れないのは、そのルール自体が守れないルールだからです、発想を広げて工夫をして、守れるルールを、知恵を出して決め、家族全員が守りましょう」 

 

「今、とても子供が言う事を聞かない、という状態なのであれば、各自の状態が安定したあとに、また、すこしずつ秩序を作っていけばよいのですよ」 

 

「焦らず、少しずつ家族を良くしていきましょう」 

 

と言われていましたが、守れる!と自分たちでルールを決めても子供はルールを守らず、子供がルールを守らないと

 

「こんなに緩いルールですら守れないのか」

 

と私は少しずつ強い口調になり、その口調で子供が怒り出し、負の連鎖が始まるのです。 

 

私は子供たちと子供たちの守れるルール決めをする事がとても苦手でした。 

 

全て放棄して好きにさせておく方が私には楽でしたが、好き放題な子供を見ると、この子たちはこの先、どうなるのかな?と不安になっていました。

 

 

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297 前を向き始める姿

297 前を向き始める姿 

 

2022年9月末 

 

「僕なんてどうせ」 

 

「僕なんてクズだから」 

 

などどマイナス発言を連発し、ランチに誘っても、 

 

「学校に行ってない僕がおいしいものなんて食べなくていい」 

 

と言い、お誕生日だね、とお祝いしても、 

 

「9歳になるのに、僕は学校に行ってない」 

 

とお祝いされる事さえ拒絶し、誕生日、新学期などの区切りがある度に落ち込み、部屋に閉じこもっていた長男が、少しずつ自己肯定をする言葉を発するようになっていました。 

 

どこかへ出かけたりインラインスケートで1日遊んだ後、とても嬉しそうに、 

 

「僕、体力落ちてないかも、戻ったかも、疲れてない!」 

 

と自信を取り戻せるかもしれない、と自分自身に問いかけるかのように言う日が増え、 

 

「外に行きたいな!」 

 

「やっぱり運動楽しいな!」 

 

と進んで外の空気を吸いに行くようになったのです。 

 

小学生の帰宅時間でも、以前のように怯え、家の中に急いで帰って来る事も減っていきました。 

 

私はいつも、本来の、本当のこの子の姿を見つけられずにいました。 

 

長男が元気になれば私が元気になり、些細なきっかけで落ち込めば一緒に落ち込んでしまう。 

 

表面的には明るくしているつもりでも、心のどこかが苦しくて、些細な事にイライラしてしまうのです。 

 

何でこんなに私はイライラしているのだろう?と考えると、それはいつも長男の気持ちの浮き沈みが関係していました。 

 

不登校以来特に、私はどうしても、自分の心を、安定させられずにいました。 

 

 

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296 決めつけ

296 決めつけ 

 

2022年9月末 

 

ゲーム機を与えてからの、長男次男のゲームへののめり込み方は異常で、特に次男は学校でも誰とも関わる事が出来ずに、ただただ、何とか学校へ行き、帰って来てゲームをする事だけが楽しみで生きているかのように私には映っていました。 

 

子供らしく外で元気に遊ぶ、目をキラキラさせ「あれしたい!これしたい!」と好奇心を持って何かをやりたがる、という事は皆無でした。

 

そんな次男をとても心配していた私への、M先生からのアドバイスは、 

 

母親が次男はやらない子、できない子と決めつけ、幾度となく次男の貢献の機会を、奪ってきている可能性があります。 

 

子供は本当はできるのに、親がこの子はどうせ出来ないだろうと諦めていませんか? 

 

子供が何もしないというならば、その子は本当は出来るのに、やらないと決心しているだけではありませんか?

 

いつもはやるべき事をやらない子供が、少しでも何かを自分でやれた時に、それを見逃すことなく、良く認め、出来たことを一緒に喜んであげる。 

 

自分の事や、家の小さなお手伝いを、母親が遊びに付き合ってもらう感覚で、上手くリードしてあげて下さい。 

 

子供は、何事に対しても、遊び感覚があれば、惹きつけられるので、うまく、役割を与えて、巻き込み、子供が家庭内で活躍できる場を沢山作り、他者貢献を沢山経験させてあげて下さい。 

 

お母さんが工夫をしても全て上手くいかない事もあるけれど、良い時を少しずつ増やしていきましょう。 

 

親は試行錯誤し、その子はどの誘い方が一番反応するのかを、工夫すること。 

 

そんな事を繰り返し、親子の絆が深まると、全ての事が良い方向へ向かいます。 

 

何もしない、ゲームしかしない、と思うのは、お母さんが子供をそうゆう目で見ているからですよ。

 

ゲームをしている時間、お兄ちゃんと楽しくコミュニケーションを取れていれば、それだけでも、とても素晴らしい事です。 

 

ゲームは悪い事ではありません。 
ゲームをする事で、人と豊かにコミュニケーションをとれるきっかけになるのであれば、その子にとってゲームはとても良いことです。 

 

この子はこうゆう子だから、と決めつけるその考えをお母さんはまず、捨てて下さい。 

 

と言われ、特に1年前から人と上手く関われなくなっていた次男は、長男以外の友人とも、ゲームを通しては活き活きとしながら関わっているな、という事に私は気が付いたのです。 

 

親がまず、子供を見る角度を変え、捉え方を変える事がとても重要だと思いました。 

 

何をしているかよりも、その子が今心から楽しんでいるか、ワクワクしているか、そこに視点を合わせられていなかったのかな、と思ったのです。 

 

 

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295 心を温める事

295 心を温める事 

 

上手くやれない私がもらったアドバイス②

 

永遠に続くかのように感じる子供との時間は本当はほんのわずかしかなく、子供と深く関われる子育て期間は、子供が中学校に入るまで、その後は、もう、親はなかなか相手にされず、共に過ごす時間は少なくなります。 

 

お母さんが、元気で明るくて、優しくて、親切なら、家庭は全て、自動的に良くなります。 

 

まずはお母さんが自己否定をやめ、明るく過ごして下さい。 

 

子は親の鏡なので、親が良いものを見せて、親が良い人生を歩む姿を見せていれば、子供は親という鏡に反射するように、良い状態になっていきます。 

 

子供は叱られない事で、失敗も恐れなくなり、心から信頼される事で、愛されている、と実感していきます。 

 

長期に渡り、柔らかな子供の感性を痛めつけるように育て、困難な子育てから自分の子育て法が間違っていた事に親がやっと気が付いた。 

 

親は間違いを改めやり方を変えたのに、子供が全然良くならない、何ですぐに良い子にならないのか、なんて事は思うべきではありません。 

 

今まで子供が自信を失うほど、心を傷つけてきたのだから、これからはこの子の心が温まるように接しよう、という思いや、今までの子育てへの反省が足らない人は【まだ】良くならない、と焦りが生じるのです。 

 

子供に向き合う前に、まず、自分の心としっかり向き合い、【やる】と心に決めて進んでください。 

 

【勇気づけの子育て】を粘り強く続けていれば、昨日より今日、今日より明日、良い場面が、増えてきて、気が付けば悪いことが少しずつ減っている。 

 

自然と良い状態を、少しずつ長く保てるようになるです。 

 

親がやり方を変えたからと言って、子供が突然不適切な言動が皆無になる事など、ありえないので、親はいちいち、子供の不適切な言動に落ち込まず、自分がこのやり方だ!と決めた子育て法をぶれずにやり続けて下さい。 

 

不適切な行動は、子供の最後の抵抗なのだと、親が乗り越えるべき壁なのだと、温かく受け止めてあげて下さい。 

 

・・・ 

 

いじけまくっている子供は、良い子にしていても注目してもらえなかった経験から、騒いで騒いで注目を得ようと行動しています。

 

注目をされず、愛されている確信が持てず、不安な子供は、大暴れしてでも、注目を得ようとするのです。 

 

最優先順位として、長男を立ち直らせ、それに大きな影響を受けて必ず次男が良くなっていきます。 

 

不登校中の子は、本当に挫けやすく、とても自尊感情が低いので、油断せず、しっかり愛を注いでください。 

 

不登校児は自己中と言いますが、自己中は、わがままという意味ではなく、認めてほしいという渇望が肥大化し、承認欲求が、強い事です。 とにかく子供を認めてあげて下さい。

 

幼少期に親から承認されるという経験が十分に満たされていないのですよ。 

 

自分が大事な存在なのだ、大切にされているのだ、愛されているのだ、という実感を持っている子は、集団での適応が高いです。 

 

沢山愛を注ぎ、自己受容が出来るようになると、不安が消え、どんな場面でも適応能力が上がっていきます。 

 

とにかく愛されているのだ、大切にされているのだ、という実感が持てるよう、粘り強く愛を与え続けて下さい。 

 

 

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294 伝え方

294 伝え方

 

上手くやれない私がもらったアドバイス。

 

【ありがとう】という言葉はただ言えば良いのではなく、心から【ありがとう】と子供に感謝し、気持ちを込めて、あなたの存在は、有難い、とても価値のあるものだ、という気持ちでいることが相手に伝わってこそ心の奥深くに刺さります。

 

子供が良い状態になってほしいという下心の元、上辺だけで【ありがとう】と言っていても相手には伝わりません。

 

生まれてきてくれて、ありがとう。 

 

私の子供に生まれてきてくれて、ありがとう。 

 

そんな言葉を心の底から、魂を込めて、言ってあげて下さい。 

 

今まで親が上から目線だったのに、急に違うやり方をすると、言い方がぎこちなくなってしまうかもしれませんが、だんだん、上手になります。 

 

人間なのだから、何事も器用に全て上手くできる訳ではなく、親も、子供も少しずつ成長したら良いのです。 
 

 

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293 大丈夫という言葉

293 大丈夫という言葉

 

次男が暴言を吐くと、私はイライラする気持ちと、この子はこんなふうで大丈夫なの?という不安と、不適切な行動に対して、私は親として何を伝え、どう対応したらよいのか分からず、抑え込めないほど苛立ちの感情と、対応を考え思考を巡らせることで、頭の中も心の中もいっぱいいっぱいで、精神的に疲れてしまいがちでした。 

 

それでも、今この苛立ちの感情に負け、子供に酷い事を言ったところで、私が一瞬すっきりしたとしても、後に罪悪感にさいなまれ、誰も幸せにならない。

 

良い言葉が見つからなければ、とにかく黙って耐えよう、と思いながら日々を過ごしていました。 

 

次男が訳の分からない事を言い始めると「わがまま言わないでよ」と言いたい気持ちを抑え、 

 

「気持ちを教えてくれてありがとう」 

 

と伝えるように心がける。毎回は出来ないけれど、そんな事を続けて行くうちに、次男が、

 

「お母さんにわがままを言っても怒らないんだ、僕はわがままを言っても良いのだ」

 

と、安心感を膨らませてほしいという気持ちがありました。 

 

私は、その繰り返しが信頼関係を生むと思っていたのです。M先生の、 

 

「人が人を信頼するのに理由は不要で、信頼を寄せる人を傷つけ、裏切り続ける事ほど辛いことはないはずです」

 

という言葉から、不登校になるまでの長男と次男の姿を思い返し、私がいかに、息子たちを信頼せずに育ててきたのか、という事を考えさせられていました。 

 

・・・

 

今、我が家が子供たちにしている子育てを見て、主人は、 

 

「ここまで子供に何も言わずに、自由でいいのか?」 

 

とよく言っていましたが、今のやり方に変えてからの子供たちを見て、以前よりは確実に家族間の関係性が良く、次男の暴言は激減し、長男がとても優しくなったので、もう割り切って1年間は無心で【勇気づけの子育て】を頑張ろう、と言っていました。  

 

・・・

 

次男の情緒の波が激しく、私は心が折れそうになるのですが、厳しく叱ったりはせず、優しく接していると、暴言や癇癪は以前のようには長引かず、私も頭に血が上るような感情を抱くことが減り、以前のように頭も心ももやもやと苦しくなる頻度が減っていきました。 

 

M先生からは、

 

「不登校の子供に限らず、大人でも『君ならやれる!あなただったら大丈夫』と信じてもらえると、初めは不安でも、頑張ってみよう!となると思いますよ」

 

「子供たちには前向きな言葉をかけ続けて下さい」

 

と幾度となく言われていました。 

 

私自身が、話をする相手が私の気持ちに共感し、 

 

「どーなっちゃうんだろね、不安でたまらないね」 

 

と言われれば、不安になり、信頼している人に「大丈夫、大丈夫」と言われれば、大丈夫な気がしてきて頑張れる、感覚がありました。 

 

それでも、言われる相手が大切で、不登校や次男の不適切行動に対して悩んでいる時は、同じような経験をしていない人や、他人事だからと、無責任に「大丈夫大丈夫」と言われると、何となくもやもやし、不快感を抱くこともありました。

 

 

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292 頼み方

292 頼み方

 

長男は不登校から1年経ち、【勇気づけの子育て】を実践し始めると、家族に対する言葉がけがとても丁寧になり、私に食事を頼む時も、 

 

「お母さん、無理ならいいけど、ご飯いいかな」 

 

と聞いてくれるようになりました。私も長男に対して、 

 

 「もし無理なら大丈夫だけど、8時30分に下の子が寝る部屋に行った後は、ゲーム機を寝る部屋に持ってこないでほしい、次男が寝る部屋で折り紙とかして遊んでいるから、いいかな?」 

 

とお願いベースで頼むと、 

 

「オーケーオーケー!大丈夫だよ!任せて!」 

 

と快く返事をしてくれるようになり、下の子を寝かし、私が起きていき、長男とゲームを始めると、 

 

「お母さんいつも来てくれてありがとう!ごめんね」 

 

と言う事が増えました。 

 

土日には妹をお風呂に入れてくれる日もありました。 

 

1人で待つことが出来ない次男の帰宅時間に私が不在な事があり、長男に、 

 

「明日、お母さんいないから次男が帰ってくる時間、リビングにいてもらっても良いかな?」とお願いすると、長男は、 

 

「大丈夫だよ、僕に任せてね!お母さんにも事情があるもんね」 

 

と私を助けてくれるようになっていったのです。 

 

・・・

 

M先生からは、子供にお願いをする時は、相手が断れるようにお願いをするように言われていました。 

 

相手が断れるような頼み方をし、断られたら潔く諦める。

 

こんな接し方をすることがなぜ必要な理由は、子供との上下のない人間関係を作るためです。

 

そういう上下関係のない状態では、親だからといって、子供を思いのままにして良いわけではありません。

 

上から命令され、意に沿わないことを強要されたら、子供は、自分が親から大切な存在として扱ってもらえていない、また、その価値もない、と悟ります。

 

貢献感という以前に、自分には価値があり、親は、自分を大切にしてくれている、という実感を抱かせてあげる事は、とても大事なのです。

 

子供に助けてもらう事で、お母さんは助かり、子供たちは、貢献できて、自信を持つ。 

 

そんなふうに、助け合う家族というのは、全ての方面でとても良いのですよ。と教えてくれました。

 

・・・ 

 

相変わらずゲームを中断する時に、酷い暴言を言いがちな次男には、寝室に行く前に、 

 

「今日は次男、お母さんと遊んでくれるかなー、楽しみだなぁ」 

 

とか言いながら、娘と先に寝室に行くと、 

 

「あー、この妖怪倒してからいくね、少し待っててね」 

 

とゲームにキリをつけて、寝室に来る日が増えていきました。 

 

・・・

 

それでも私は、そんな【お願いベース】のやり方を自然体でしている、というよりも、とても意識してやらないと、元々持っている雑で相手に配慮のない子育て法にすぐに戻ってしまう気がしていて、何とかこのやり方が自然に出来るようになりますように、と願っていました。 

 

 

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我が家の場合は、不登校初期、長男はギリギリ生きている、という状態まで気持ちが落ち込み、学校も習い事も、食事、お風呂、歯磨き、などの日常生活すら全て放棄した状態に陥ったため、もう失うものは何もなく、今までの子育てを全てリセットせざるを得ませんでした。 

 

それは、悪い事ばかりではなく、手放すものさえなくなり、失うものがない、というのはある意味強みだな、と私は今でも思っています。 

 

・・・ 

 

次男は、長男が不登校初期に荒れ狂った様子をしっかり見て、聞いて、1年過ぎた頃、次男自身が同じ事をして、親の反応を見てるようでした。次男の酷く不適切な行動に私が注意をすると、次男は、 

 

「どうして長男だけいいの?」 

 

「なんで、僕はダメなの?」 

 

と聞く事が増えていました。 

 

・・・ 

 

毎日繰り広げられる、訳の分からない子供の理不尽な言動に私はいつも挑発され、争いの土俵に上がっていましたが、自分の感情に負けないように頑張らなければ、と思っていました。 

 

それでも、お風呂、歯磨き、起きる、寝る、ご飯を食べる、トイレに行く、その全てのアクションで、突然切れて暴言を吐き、癇癪を起す次男に心穏やかに接する事は、すぐに感情的になる私には至難の業で、なかなか上手くやる事ができませんでした。 

 

そんな私の悩みに、M先生が、 

 

「暴言を吐いたりする子供の言動は、不安の表れなので言葉通りに受け取らず、この子は今何か不安なのだな、と気持ちに寄り添う声掛けをし、心を温めてあげて下さい」 

 

「叱りつけたら何も解決しないどころか、あー、お母さんは僕の辛さを理解してくれない、と信頼関係が崩れていくだけです」 

 

「ネガティブな要素は全廃し、常にプラスの声掛けをして下さい」 

 

「学校に行きたかったらいつでも行けるよ、あなたはどんな事でも出来るよと子供が安心するような声掛けを続けて下さい」 

 

「不安な気持ちも、母親からの、大好きだよ、あなたが大切だよ、あなたならできるよ、あなたがいてくれてよかった、そんな声掛けを続けていれば、薄らいでいき、少しずつ自己受容が出来るようになり、失敗を恐れなくなっていきます」 

 

「良い子たちなので、失敗を恐れなくなれば、とても良い方向へ向かっていきますよ」 

 

「学校に行かせなければならない!などと考えなくて大丈夫です、学校は遊ぶところ、という認識でよいのですよ」 

 

「子供はどの子も本来のとても素晴らしいものを持っています、その持ち味を取り戻す事が出来るように、まずお母さん自身が、ご自身の良さを取り戻して下さい」 

 

「それが最も重要な事なのです」 

 

「子供はどんなにやり方が悪くても、愛があるとそれなりにまとまりますよ」 

 

「無意味に将来の心配をしなくても、どうせ何とかなるに決まっているのだから、しっかりスキンシップを取って、今を大切にすることです」 

 

「とにかく、子供たちを沢山抱きしめてあげて下さい」 

 

「小さい子にとっては、お母さんの温もりが一番の癒しで励ましになるけれど、幼少期母親が温もりを与える事をさぼり、子供の気持ちが満足していないと自立が遅れます」 

 

「もういらない、と拒絶されるほど、沢山抱きしめ、愛を与えて下さいね」 

 

「母親にキツく抱きしめられた子だけが、本物の愛情を知るのですよ」 

 

と、アドバイスをしてくれました。 

 

 

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