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不登校復活の道(ブログ)

290 子供の本当の姿?

290 子供の本当の姿?

 

2022年9月末

 

長男の情緒が安定し、今まで見た事のないような長男の姿に私が驚き、M先生に、 

 

「長男は、怒りスイッチが入っていない、本来の長男の姿が見えた時に、人に対しての言葉選びが素晴らしく、とても親切で、妹と遊ぶ時も9歳の子がこんなに上手に妹と関われるのか?と思う事があります」

 

「今まで私が育てにくい、面倒な子だ、と思い込んでいた長男の姿は何だったのか?と思うほどです」

 

「自分の子供を褒めるのは良くないのかもしれませんが、育てにくいと思っていた長男はとても優しい良い子でした」

 

と話すと、先生は、

 

「今、自分の子供を自慢できない親が多すぎますよ、悪口しか言っていません」

 

「子供があれが出来ない、これが出来ない、ここが気に入らない、そんなふうに子供の文句ばかり言っているのは毒親です」

 

「親こそが子供を褒めてあげて下さい」 

 

「親が子供に文句ばかり言っている家庭は、遅かれ早かれ、本当に地獄をみますよ」

 

と教えてくれました。 

 

・・・ 

 

私は今までの親主導のやり方を変え、子供を正論で正す事をやめ、子供の気持ちを受け止め、その子が出来ている良い事に着目するよう努力するようになってから、子供の深い部分の胸の内をしっかり見るようになりました。

 

子供に厳しくする事は良くないと知り、それを止めました。

 

そして、寄り添う、の本当の意味が少しずつ分かるようになっていきました。 

 

幸せになってほしいと、あれこれ習い事をさせ、何かを出来る様にさせる事を頑張るのではなく、子供が毎日幸せを感じられるよう、その瞬間瞬間、その子の欲してる事を察知しよう、それに全集中しよう、という考え方に変わっていったのです。 

 

・・・ 

 

M先生には、

 

「子供はみんな、持って生まれた素晴らしいものがあります。親の役目は、子供をただただ、愛する事です」

 

「それだけで十分なのに、親や教師が、ああしろ、こうしろ、これはダメ、あれはダメ、と子供からチャレンジする機会を奪い、気力を奪い、色々なスイッチを切り、やる気やその子自身の考える力を奪い続けた結果、子供は自分自身の人生を生きる事を諦め、無気力になってしまうのですよ」

 

と教えてもらいました。 

 
 

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289 自己受容

289 自己受容

 

M先生から、こんなアドバイスをいただいたことがあります。

 

親が子供に与える影響は大きく、大人になってからも、子育ての現場にそれが引き継がれます。

 

親自身が、親から受けた影響から脱する事は、人格が変わるほどの苦しみが伴い物凄いエネルギーが必要です。 

 

それでも、自身が今持っている子育てイメージが正しくない、と気が付く事ができたのであれば、ご自身の中で当たり前になっている子育て法を変えるしかないのです。 

 

親が一生懸命頑張っていても、それが必ずしも子供に良い影響を及ぼすわけではなく、親としては悪気などなく、一生懸命、子供のためと思い込んでいても、子供は辛い事があるのです。 

 

親も自分が育てられたやり方しか分からず、育てられたようにしか我が子を育てられません。 

 

やり方を変えるのは、決意と、納得してやれる方法の両方がないと難しいです。 

 

親は、やる、と覚悟を決めて、自身の中に刻み込まれている子育てのやり方を変えるのですよ。 

 

という先生の言葉に、 

 

私は自分が育てられたように、無意識に上から目線で、親主導で子供を育てていたけれど、子育てが困難になった時に、自分が自己受容をして生きているのか?幸せを感じながら生きているのか?と考えた時に、答えはNOでした。

 

私の今の子育て法では、私のような思考を持った子供が育つのかな、と思うと、それは絶対に嫌だ、と思いました。

 

長男の不登校から1年ほど経った頃、私はようやく、本当の意味で自分自身に向き合うという事をしました。

 

私は自己受容が全く出来ておらず、自信がなく不安がとても強い事に気が付いたのです。

 

何かを決断する事も、自発的に何かをする事も苦手で、常に受け身でした。常に自分の意見に自信がないのです。 

 

その事に気が付いてから、何とか自分を好きになる事が出来るよう、マインドを変えたいと強く思うようになっていきました。 

 

今まで、こうゆうものだから、と何も考えずに、何となく生きてきた中で感じていた不快感が、実は生き辛さだった事も、自分自身が自己受容が全く出来ていなかった事すらも気が付かずに母親になり、気持ちに余裕のないまま子育てをしていたのだと思います。 

 

・・・ 

 

M先生には、子育てには、これなら良い、という、ゴールは無く、その時その時の子供の反応を見て、今が最高な状態になる様に、親は常に子供の状況に合わせて子育て方法を更新していくのです。と教えてもらいました。 

 

 

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288 約束

288 約束 

 

長男は完全不登校になってからしばらくの間、家族と特定の親族以外は会う事が出来ず、家からも一歩も出ませんでした。

 

少しずつ心の安定を取り戻してからも、外出の約束をする事はとても困難で、私は長男と家族以外の人が約束をする事に、とても神経を使っていました。 

 

長男が引きこもり気味になってから1年ほど経過した2022年の9月の時点では、家ではとても元気になっており、笑顔も増え、外出できるかのように見えるのですが、人とどこかへ行く約束をする事が困難な状況は変わっていませんでした。 

 

・・・ 

 

長男は昔から私の父が大好きで、2人はよくお出かけをしていました。 

 

先日、長男が祖父に「僕、金閣寺に行きたい!なるべく早く行きたい!」

と、話したようで、姉から「いつなら長男が京都へ行けるのか?」と尋ねられました。

 

不登校以来長男の睡眠サイクルはぐちゃぐちゃで、旅行を計画しようとしている1か月後に、長男が何時なら起きているのか、私には分かりませんでした。 

 

長男が行くか行かないか、出発時間に起きられるか起きられないのか、それは当日、その時間にならないと分からないのです。 

 

長男は、基本的には自分がどうしたいかよりも、気遣いをして、相手が望んでいる返事をする傾向があるように私は感じており、長男が本当に行きたがっているのか正直分かりませんでした。 

 

姉は、私が事情を話し約束する事を躊躇っていると、 

 

「当日朝起きられなかったら、やめればいいだけの話じゃない?」 

 

と言ってくれるのですが、私は物事を簡単に考える事ができず、いつも、あーなったらどうしよう、こうなったらどうしよう、と長男の情緒の心配と約束した相手に迷惑を掛けたくない気持ちで、心がざわざわしている事が多かったです。 

 

どんなに私が長男に何度も確認してから約束事をしても、長男は当日気分が乗らないと、 

 

「お母さんが勝手に決めた!」 

 

と言い出すので、私は姉に、全て直接長男と祖父で計画を立ててほしいとお願いしました。

 

・・・ 

 

先日も長男は、幼馴染と外出する約束をしていました。

 

誘われた時には「行きたい」と言っていたのに、約束の時間になり起こすと長男は起きて来ませんでした。 

 

私が「中止にする?」と聞くと寝ぼけながら「行く」と言うのですが起きては来ない、そんな事の繰り返しでした。 

 

友人が約束通りに我が家へ長男を迎えに来てくれている為、長男を叩き起こすべきなのか、幼馴染に事情を説明し、約束はやめにするのか。 

 

友人に合わせ、無理矢理長男を外出させる事によって長男が疲れてしまわないか、という心配や、楽しみに待ってくれている友人に申し訳ないな、という罪悪感にとても神経を使い、約束事をする事がとても嫌でした。 

 

今思うと、不登校が始まった当初、インターホンが鳴るたびに布団に潜り込み、体を震わせて怯え、誰とも会う事の出来なかった長男が、人と約束をしよう、外出をしてみよう、と思えた事はとても嬉しい出来事と捉えるべきなのに、その時の私はまだ、長男の出来ていない事や心配ごとばかりに着目していました。 

 

そんな私の「長男が起きれないかもしれない」「約束を守れないかもしれない」と心配し「この子はきっと大丈夫」と長男を信じていなかった事こそが、長年に渡り、幾度も幾度も彼から自信を奪い続けていたのではないかと思います。 

 

・・・ 

 

私は、長男がしんどいから、今の姿になっているのだ、今は無理をさせない様に、という思考を持っているつもりなのに、無意識のうちに、根底の部分では長男の行いが周りの迷惑にならないように、なんとか長男が約束した日は正常でいてほしいと、結局長男の味方ではなかったのではないかと思います。

 

・・・ 

 

長男の本当の気持ちは、今でも私には分かりませんが、この時期長男は、出かけるほどの元気はないけれど、出かけられない自分が嫌で、周りに失望されないように、私に失望されないように「出かけたい」と約束をする。

 

出かけられる自分になりたいから、約束をするのだけど、当日、その瞬間になると、やはり体が動かない、そしてまた出来なかった自分に失望する、そんな事を繰り返していたのかな、と思います。 
 

 

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287 子供たちの発達障害は本当なのか

287 息子たちの発達障害は本当なのか 

 

【勇気づけの子育て】を始めてから、子供たちの良い変化は目まぐるしく、私は日に日に、 

 

児童精神科での診断名に疑問を抱くようになりました。 

 

以前は、この子たちは自閉スペクトラム症なのだから、仕方がない、と思っていましたが、良い方向へ変わっていく息子たちを見ていると、2人共自閉スペクトラム症と診断名を付けられたけれど、この子たちは本当にそうなのだろうか? 

 

と思うようになったのです。 

 

そう思うようになった1番のきっかけは、長男のこだわり行動です。 

 

長男は小さな頃からこだわりが強く【こうがいい!】という思いの強い子でしたが、ここ最近、それが明らかに緩まっていました。 

 

助手席にしか絶対に座らなかった長男が、後部座席で次男の横に座る。2人で笑いながらゲームをしている。そんな事は我が家では考えられない事でした。 

 

長男の以前のさまざまなこだわり行動は、実はこだわり行動ではなく、

 

「お母さんに僕の主張を聞いてほしい!」

 

「そっちが聞かないなら、こっちも聞かないぞ!」

 

というアピールだったのかもしれない、そう思う時がありました。 

 

・・・ 

 

以前長男は、次男の触った物は汚いと言い、ふれる事も嫌がるほど次男を拒絶していた時期がありました。 

 

そんな長男がある日、次男の残した物を「これ食べて良い?」と食べた事があり、それを見た時の私の衝撃は相当なものでした。 

 

・・・ 

 

児童精神科は子供の【発育歴】や【現状】の不適切な行動だけを見て、この子は発達障害です、と診断名を付ける医師がいるけれど、本来大人が考えなければならない事は、【なぜ】子供が今の姿になっているのか、どんな【目的】のために今の不適切な行動をしているのか、そこを考えていく必要があるのではないか?と思うようになりました。

 

以前M先生が、次男は小さな頃から兄からバカにされ続け、酷くいじめられていた影響で、不安が強く、自信のない子になっているだけ、と言った事と繋がる気がしました。

 

もし、今の姿が、恐怖心や不安からくるものであれば、この子から恐怖心を取り除き、心底安心できる環境で生活させたら、この子は全く違う姿に生まれ変わるのではないか、その姿を見た医師は、発達障害とは診断しないのではないか?と思うようになったのです。

 

 

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286 科学館

286 科学館 

 

2022年9月14日

 

行き渋りが酷く、学校に行きたがらない次男と何とか楽しい時間を過ごそうと、この日は市の科学館へ行く事にしました。 

 

学校をお休みする事を決めると、次男は一気にご機嫌になり、朝から妹の着替えを手伝い、トイレにも付いて行き、おしり丸出しで走り回る妹のパンツを持って妹を楽しそうに追いかけ回していました。

 

次男は娘が幼稚園に行くまで、とても優しい声掛けで、一緒に遊んでくれていました。 

 

・・・

 

科学館に着くと、すれ違った係員さんにとても大きな声で元気に「こんにちは」と言っていて、次男は見るからに気分が良さそうでした。

 

次男は帰りの車の中でもずっとハイテンションで喋り続けていました。

 

そんな子供らしい次男の姿を見て私は、この子は環境さえ整えば、今私がこの子に持っている、臆病な子供のイメージは消え、明るく、活発な子になるのではないか?と思うようになりました。 

 

この日科学館に行き、弾けるような笑顔で過ごす次男を見て、私は、次に次男が休みたいと言った時はどこにいこうかな!と次男が「休む」日が少し楽しみになりました。 
 

 

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285 発育歴が及ぼす子供への影響

285 発育歴が及ぼす子供への影響 

 

2022年9月中旬 

 

夏休み明けから、次男の授業中の不適切行動は酷くなり、担任の先生から、 次男は授業中、先生の教卓下でずっと寝そべっていたり、先生の近くから離れない日が多いと言われていました。

 

先生は次男のペースを崩すことなく関わって下さり、次男が先生のそばにいると安心する事は分かっていましたが、

 

「教卓下で寝そべっています」

 

という連絡がきた時は、胃の下辺りがキリキリし、これ以上、私はどうしたらいいの?これ以上学校に迷惑を掛けたくない、と思ってしまいました。 

 

・・・

 

M先生に、次男の暴言が酷い、学校でも全然人と関わらない、と次男の不適切行動について相談していると、先生は、 

 

「次男君、生後4か月からお兄ちゃんから、暴言暴力を受けていたのですよね?」 

 

「そのまま、気持ちが休まる事もなく、今の年齢になったのですよね?」 

 

「お母さん、一度次男君の今までの気持ちを想像してみて下さい、お母さんだったらどうですか?」 

 

「世の中が恐怖になりませんか?人と積極的に関われますか?」 

 

「次男君は生まれてからずっと、小さくなって生活していたはずですよ、まともになるはずがないですよ」 

 

と次男の今の姿は発育歴から考えたら当たり前では?と言われ、私は今まで、自分の子育ての大変さばかりに目を向けていたけれど、幼い次男からしたら、安心安全である家庭で暴力を振るわれていたのだから、世の中が怖くて当たり前かもしれない!とやっと気がつく事ができたのです。

 

先生は次男の暴言に対しても、 

 

「子どもが悪いことをしたら、ちゃんと叱ってください」

 

とは一言も言わず、 

 

「小さな子供が威勢を張って怯えているのですよ、可哀想ですよ」 

 

と言っていて、いつも子供の味方でした。 

 

そんな先生の指導から、物事は表面だけをみて判断してはいけない、という事を学びました。

 

 

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284 心無いママ友の言葉

284 心無いママ友の言葉 

 

長男が不登校で、次男は集団になじめず立ち歩きがある事を知っているママ友からラインが来ました。そのママは私に、 

 

「あー、夏休みやっと終わったねー、やっと子供学校行ってくれるねー」 

 

「もうぐったりだよね、夏休み」 

 

と言い、私は、 

 

「そうだね、お疲れ様」 

 

とだけ返事をしました。 

 

内心、我が家は長男が不登校なのに、なぜそんなラインをわざわざ送ってくるのかな、と思った記憶があります。 

 

・・・

 

別の日は次男の件で、 

 

「〇〇君は立ち歩きするから、一緒にいると悪い子と思われるよ」 

 

「次男君ママ、心配しなくていいよ、次男君の事は皆が理解してるから、授業妨害もしてないし、大丈夫だよ」 

 

「誰も次男君を嫌がっていないよ、次男くんより、〇〇君の方がたちが悪くて迷惑だって噂になってるよ」 

 

「〇〇ちゃん(私)は頑張ってて、良いお母さんに見えたのに色々あるんだね」 

 

と言われ、不登校児と立ち歩きの次男を抱えた私に、このママは、このラインで何を伝えたいのだろう?と考えてしまいました。 

 

きっと悪気のないそのメッセージに、傷付いたり、悲しんだり、というよりも、なぜ私にそんな事を伝えるのかな?と不思議な気持ちでした。 

 

しばらく考えていると以前話をした克服ママが、「

 

「我が子が不登校になって一番良かったのは人の断捨離が出来た事」 

 

「人の本性が見える」

 

「本当に困難にぶち当たった時にその人の本性が見えて、どんな人かが見えるよ」

 

と言っていた事を思い出し、あー、こうゆう事なのかな、と思いました。 

 

・・・ 

 

人の家の深い事情や、親や当事者の困難を知ろうともせず、表面ばかりを見て、有る事無い事言っている人は勝手に言わせておこう。 

 

でも、助ける事が出来るような助言ができないのであれば、せめて黙っていてほしいな。 

 

と私は思ったのです。 

 

・・・ 

 

我が家は親が手をかけれる年齢の時に困難になって良かったのかもしれないな、大人になってからじゃ助けれないかもしれない。 

 

小さいうちに分かりやすい形で親を困らせてくれている息子たちに感謝して、なんとか立て直そう!と思い、周りは理解してくれない、と嘆くことはやめよう!と思った出来事でした。
 

 

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283 捉え方

283 捉え方 

 

2022年9月 

 

完全不登校以来「家のお風呂は卒業します」という宣言と共に我が家のお風呂に入らない長男をできる限り2週間に1回は近くの銭湯へ連れて行くようにしていました。 

 

その日は銭湯に誘うと長男は「行く」と言いついてきたのですが、着いてお風呂に入り終わるとすぐに帰りたがりました。

 

その事を私は、残念そうにM先生に報告していると、 

 

「お母さんは気が付いていないかもしれませんが、その【すぐに帰りたがった】事に着目する思考がダメです」 

 

「『銭湯に誘ったら、なんと一緒に来てくれた!嬉しい!』そんなふうに、良かった事に着目する癖をつけて下さい」 

 

「『早く帰りたがったんです』は悪い面への着目ですからね」 

 

と言われ、私は、そうか、私はやっぱりまだ、出来ていない事、心配な事ばかりに目がいくな・・・と再認識しました。 

 

・・・ 

 

そんなふうに何度も先生に【良い面に着目するように】と言われていても、昼夜逆転し、ゲームか動画を片時も手から離さず無気力にずっと布団の中にいる9歳の息子を見ると、どうしてもこの先、この子はどうなるのだろう?と思ってしまう自分がいました。 

 

 

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282 ゲームばかりの次男

282 ゲームばかりの次男 

 

2022年9月 

 

否定はせず、注意もせず子供たちと過ごす日々の中、次男は以前よりは表情が良い日が増えましたが、ゲーム依存からは抜け出せず、学校に行っている以外の時間はゲームしかしませんでした。 

 

娘と公園に出かけると、1人で家で待つことのできない次男は必ず暴言を吐いて公園に行く事を嫌がり、渋々ついてきても、1分置きに、 

 

「いつ帰る?いつ帰る?」 

 

と私に聞いていました。 

 

「ゲームがやりたいから帰りたい」 

 

と言い、他の子供が元気よく走り回る中、次男は私にしがみついて離れませんでした。私が、 

 

「お父さんに迎えに来てもらうから、帰ったら?」 

 

と聞いても、次男は、 

 

「嫌だ、お母さんと今すぐ帰りたい」

 

としか言いませんでした。 

 

・・・

 

次男は1年生になってからずっと、学校内の誰とも遊ばず、誰とも話さず学校で1人で過ごしていました。

 

私はこの子は周りと関われない子と決めつけており、人と関われないから、この子はゲームの世界に行きたいのだ、と信じて疑いませんでした。 

 

人と関われない子なのだから、関わらなくても良い環境に置いておこう、そんな考え方だったと思います。

 

・・・

 

その前の週は、次男の帰宅時間に私が不在で、1人では待てないと癇癪を起す次男のために、実家の母に来てもらいました。

 

とても暑い日で、汗だくで帰ってきた次男に、母が次男の意思確認をせずに帰って直ぐにシャワーを浴びさせたらしく、次男はその事をとても怒っていました。 

 

次男は夜寝る前に泣きながら、 

 

「僕は大嫌いな学校に頑張って行って、やっと帰って来て、帰ってからゲームをする事だけが楽しみなのに、おばあちゃんが無理やりシャワーを浴びさせた」 

 

「ゲームの時間が減った」

 

と涙ながらに訴えてきて、その出来事以降、次男は数日間、母と口を聞こうとしませんでした。 

 

以前の私ならば、 

 

「おばあちゃんは次男の事を思ってやってくれたのに、そんな事言わないよ」 

 

と正論を述べていたと思いますが、私は次男に嫌な気持ちを話してくれた事に沢山感謝をし、次から次男の意思を聞いてからにしてね、とおばあちゃんに言っておくね、と次男に伝えると、安心し、 

 

「僕も、本当は酷い事をおばあちゃんに言ってはいけない事は知っているし、言っている時も僕は嫌な気分だよ」 

 

と教えてくれました。 

 

・・・ 

 

私はなぜか、家の中に大人が私だけで、1人で子供の面倒を見ている時は【勇気づけの子育て】をうまくやる事ができるのですが、土日に主人がいたり、他に大人がいると気が抜けてしまうのか、上手くやれない事がありました。

 

それに対するM先生のアドバイスは、 

 

「全部を全部、うまくやる事は難しいので、とにかく【子供の悪い面を見ない】これだけは、集中してやれるように頑張って下さい」 

 

でした。 

 

「次男が家に帰りたいと言い続けたり、祖母にシャワーをさせられたのが嫌だった、と訴えた事も、わがままと捉えるのではなく、母親に自分の気持ちを素直に伝えられるようになったという事は、喜ばしい、とても良い兆候であると捉えて下さい」 

 

と言われ、この先生がいつも他の大人と物事を見る角度が違うな、捉え方が全然違う、と改めて感じた事を覚えています。 

 

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281 次男の気持ちに寄り添う

281 次男の気持ちに寄り添う 

 

2022年9月

 

【勇気づけの子育て】を始めてから、行き渋りは酷くても、少しずつ穏やかな雰囲気も出てきた次男に、 

 

「次男最近明るくて、優しくて、お母さん嬉しいよ」 

 

「妹に優しくしてくれるのも、とても助かっているよ」 

 

と、前向きな言葉ばかりをかけるよう心掛けると、子供はこんなにも単純なのか?と思うほどに、次男はメキメキと私の言った言葉通りの好ましい行動が増えていきました。 

 

好ましい行動が増えた分、不適切な行動が減っていったのです。 

 

・・・

 

この日は次男が、 

 

「僕、2日間学校頑張ったから休むー」 

 

っと笑いながら、私の反応を試すかのような言い方で言ってきたので、私は、 

 

「2日間頑張ったもんね!嫌だったらすぐに帰っておいでー!」 

 

と言うと、次男は2時間で帰りたいと言いました。私はその場で学校に電話をし、本人が2時間で帰りたがっているので時間になったら迎えに行きます、と伝え、次男は本当に2時間で帰ってきました。 

 

こんな要望、言われる度に聞いちゃっていいの? 

 

学校をさぼる事が癖にならないの? 

 

毎日こんな感じに帰って来るって言い出さないの? 

 

と内心冷や冷やし、心配していましたが、M先生が、 

 

「お母さんの、その対応は素晴らしいですよ、おかげで、次男君は今後、リラックスして学校に行けますね」 

 

「辛くても、いつでも帰って来れる、お母さんはそんな気持ちを理解して許してくれる、そんな事が子供の心を強くします」 

 

「次男君には、早く帰ってきた事を否定や注意をしたりはせず、2時間は行った事に注目するのです」 

 

「『お母さんは、次男が頑張ってる姿を見ると、とても気分がいいよ、今日はとっても良い気分、ありがとう』と言ってあげて下さいね」 

 

とアドバイスを受け、先生が私の次男への対応を肯定してくれたことで、休まなければならない理由もなく、ただ帰りたい!と言う子供の要望を聞いて良いのか、私は甘やかしすぎてはいないのか?と心配だった私の気持ちが軽くなった事を覚えています。 

 

M先生はいつもいつも、何度も何度も、不安の強い私に、繰り返し繰り返し、 

 

「良い流れができています、お母さんは自信をもって、大丈夫ですよ」 

 

と励まし続けてくれていました。

 

その言葉が【これで良いのか?】と不安になったり【こんな事もう嫌だ、うんざりだ!】と投げやりになりそうになる私の気持ちを何とか頑張らせてくれていたように今、強く思います。 

 

 

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