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不登校復活の道(ブログ)

265 優しさの連鎖

265 優しさの連鎖 

 

2022年9月 

 

長男に、「気分の浮き沈みが激しく、癇癪を起す次男へどう接する事が正解なのか分からない」と私の悩みを相談しました。 

 

この頃、次男は3DSの新しいカセットをいくつもいくつも連続で欲しがりました。 

 

購入しないと癇癪を起し、暴言を吐きました。

 

3DSは昔のゲームでメルカリなどのフリーマーケットで購入すれば、1000円前後で購入できます。

 

金額的には購入できるのですが、次男に「欲しい」と要求された物を全て買い与えて良いのか、そんな事をしていたら我慢の出来ない子になるのではないか、と私は購入をためらっていました。

 

私が長男に、 

 

「お母さん、家族と平和に、幸せに暮らしたいだけなんだよね」 

 

「だから3人の子供の気持ちにできる限り応えたいと思っているんだけど・・・」 

 

「次男が最近連続して3DSのカセットを買ってと言ってきて、お金のかかる事も全部『いいよ』って言って良いのかな・・・って悩んでいるんだよね」 

 

「次男の要求、どこまで聞いていいのかな・・・」 

 

「次男は『お年玉で買う』って言っているし、次男のお金だし、好きにしたら良いのかなって思うんだけどね・・・」 

 

と、私はゲームをする長男の横でぶつぶつと呟くように相談を始めました。私が、 

 

「長男の方が次男に年齢が近いから、お母さんよりも次男の気持ちが分かると思うんだよね」 

 

と言うと、長男は、 

 

「お母さん、僕が弟に話をしてあげるよ」 

 

と言い出しました。長男は次男に、 

 

「ねー、またカセット欲しいんだって?」 

 

「あれ、面白そうだから、そりゃ欲しくなるよね」 

 

「でも、あれ凄い難しいよ!」 

 

「お前できる?」 

 

と聞いています。次男が、 

 

「分からないけど・・・でもお兄ちゃんがやってて楽しそうだから僕も欲しい」 

 

と言いました。長男は、 

 

「そうか!なかなか高度だぞ!でもまー、俺が教えてやる!」 

 

と言い出しました。 

 

・・・

 

長男は1年前、次男が3DS本体を購入する事さえ許しませんでした。 

 

1年前は些細なきっかけを見つけては馬乗りになって次男を殴り倒していたのです。 

 

殴られる次男は、体中いつも青あざだらけで、顔も傷だらけでした。 

 

1年前私がこっそり次男に3DSを買い与えた時も、長男は私に激怒していました。 

 

次男を毛嫌いし、どんな時でも、どんな事でも、次男が自分と同じ事をする事を拒絶していたのです。 

 

そんな長男が『次男にゲームを教えてあげる!』と得意気に優しく話かけていました。 

 

そのやり取りを見ていた私が長男に、 

 

「本当に助かったよ、ありがとうね!」 

 

と感謝をすると、長男は、 

 

「もう、次男に嫌な事を言うのをやめようかな」 

 

 「次男に、『お前は出来るぞ』『大丈夫だぞ』って言葉をかけてみようかな」 

 

「もしかして、次男は僕が優しい声をかければ優しくなるんじゃないか?」 

 

「次男が妹を叩くのも、僕が次男を叩く時があるからじゃない?」 

 

「僕、ダメじゃん・・・次男をいじめないように頑張らなくちゃ」 

 

「この家の平和は僕に、かかっているよね、お母さん」 

 

と言われました。 

 

私は、 

 

「家族皆が長男の事を大好きだから、特に次男は長男に憧れているから、全部マネするんだと思うよ」 

 

と言うと、長男が、 

 

「よし!僕、お父さん、お母さんで次男に自信をつけさすか!」 

 

「次男を褒めよう!」 

 

と提案してくれました。 

 

その提案通りに家族で次男を全力で励まし、優しく接していると、娘が泣いている時に次男が、急いで自分のおやつを持ってきて、 

 

「〇〇ちゃん(娘の名前)僕のおやつ何でも選んでいいんだよ」 

 

「悲しかったの?」 

 

「2つあげるよ」 

 

「どれがいい?」 

 

「泣かないで」 

 

と必死で泣きやまそうと頑張ってくれていました。 

 

目に見えて兄弟間の優しさの連鎖が始まったのです。 

 

それ以外にも次男は以前、 

 

「こんなもの食べられるかよ!」 

 

と食事を投げつける事があったのに、私に、 

 

「ご飯を作ってくれてありがとう」 

 

「お腹いっぱいだから残すけどごめんね」 

 

「お母さん、おいしかったよ、ありがとう」 

 

 など、以前は聞くことのできなかった、平和で幸せな言葉を沢山かけてくれるようになりました。 

 

 

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264 私の気持ち

264 私の気持ち 

 

情緒が不安定なのは子供だけではありませんでした。 

 

私自身が、気持ちが前を向いていて穏やかに過ごせる時と、幼い2人の息子たちの現状と将来を悲観し、不安になり、どっと落ち込んでしまう時とがありました。 

 

私の元気がなくなると、子供は鏡のように情緒が不安定になりました。 

 

自分では不機嫌を態度に出しているつもりはないのですが、子供たちは私の心の中に渦巻く不安な気持ちを感じ取っていたのだと思います。 

 

特に長男は私の気分に大きく影響されているようでした。 

 

私が元気でいる事がとても大切である事は理解していて、元気に明るく子供たちの要求に応える事を心がけてはいるのですが、根本的に私はそれが苦手でした。 

 

・・・ 

 

下の2人を寝かしつけようとすると、長男が、 

 

「お母さん!2人が眠ったら起きてきてよ!」 

 

と毎日言いました。 

 

下の子を寝かしつけた後に夜中までゲームに付き合う事は私にとってはとても苦痛でした。 

 

私は電子的な事がとても苦手で、ゲームやゲームの音が大嫌いでした。 

 

その音や画像を一日中リビングで見て、聞いていて、やっと子供が寝静まって静かになった夜中に、再びその音を聞く事がとても嫌でした。 

 

子供と離れ1人になりたい。 

 

もう眠りたい。

 

長男が楽しそうに話してくるゲームの内容を何一つ理解できず、気持ちに共感できない。 

 

あー、今日も疲れるな・・・ 

 

あー、5分でいいから一人になりたいな・・・ 

 

あー、いつまでこんな生活が続くのだろうな・・・ 

 

と思いながら毎日を過ごしていました。 

 

それでも、長男を立ち直らせるためには要望にできる限り応える事、私が明るく過ごす事、を頑張らなくちゃいけない、頑張ろう!と自分ができる事はさぼらないように頑張っているつもりでした。 

 

 

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263 【当たり前】を疑ってみる

263 【当たり前】を疑ってみる 

2022年9月

 

次男が学校へ行きたくないと言う時、私は、 

 

「頑張ろうね」 

 

と次男を何とか学校へ行かせよう!などと励ましたりはしませんでした。 

 

「行きたくないんだね、それでも起きてきてくれてありがとうね」 

 

と次男に声をかけるようにしていました。 

 

M先生から教えてもらった【勇気づけの子育て法】を意識している事もありましたが、長男のように自分の精神の限界まで頑張り、家庭が機能しなくなるほど心を壊してしまうのであれば、そうなる前に対策しておきたい、という気持ちがとても強かったです。 

 

長男は不登校初期に、気が狂ったように暴れました。
私は、次男まで同じようになってしまったらどうしようと怯えていました。

 

次男が不登校になる事よりも、心を壊し、長男のように暴れ回ったら、私自身が、精神的にもう持たないかもしれない・・・。

 

当時の私は、次男の些細な問題行動にも過敏に反応し、次男の気分の浮き沈みに一喜一憂する日々を送っていました。

 

次男が、 

 

「今日は半日で帰って来たい!」 

 

と言えば、 

 

「半日は行こうとしてるんだね!」 

 

と出来ている事に目を向け、本人が気が付いていない今現在出来ている、彼の素晴らしい部分を本人に伝えるように心がけていました。 

 

私の心に不安がなかったわけではありませんが、なんとかその不安な感情は押し殺し子供たちの気持ちに寄り添うようにしていました。

 

そんな対応をしていると、癇癪を起している次男もキョトンとして怒りの熱が下がり、気持ちが落ち着いていく日が増えていきました。

・・・ 

 

世間一般的には【親が甘い!】【世の中そんなに甘くない!】【理想像だ!】と非難されそうで、こんな緩い対応で本当に良いのか、子供たちはだらしのない子供にならないのか、と私の中では常に迷いがありました。 

 

それでも以前のように、子供が怒り出したら同じ土俵に上がり、子供に負けてはいけないのだ!と意地になって子育てをしていた時よりも気持ちはとても楽でした。

 

早々と戦いの土俵から降りてしまう事で私の心は以前よりも穏やかになったのです。 

 

・・・

 

不安が強く心配症な私は、私の今の子育て法が合っているのかをM先生に相談しました。すると先生は、 

 

「情緒が不安定な次男を、本人が行きたくないと言っている学校へ無理やり行かせる事の方が問題ではありませんか?」 

 

「嫌がる学校へ無理やり行かせる、なんて事をしていたら折角築き始めた親子間の絆を壊してしまいますよ」 

 

「学校は行きたければ行けば良いけれど、行かなくても良いのですよ」 

 

「楽しくて良い所なら、子供は自ら進んで行きますからね」 

 

「好奇心旺盛な大切な子供時代に、嫌な学校へ行き退屈な時間を過ごす事よりも、お母さんと愛のある触れ合いを沢山経験し絆を深める事の方が遥かに大事です」 

 

「息子さんが学校へ行く事を嫌がったら、『ずっと一緒にいようね』と言ってあげて下さいね」 

 

「息子さんが心からお母さんに愛されている!と思えるように沢山愛を注いでくださいね」 

 

と助言していただきました。 

 

・・・ 

 

私は学校は行くもの、義務教育なのだからそれが【当たり前】みんなそうしているのだから、と思っていました。 

 

時には【当たり前】を疑ってみる。 

 

果たしてみんながやっていることが正しいのか?

 

子育ての最終目標は何なのか。 

 

学校へ行ってほしいのも、厳しく躾けをするのも、何かができるようになると良い!と習い事に通わせるのも、全て子供に幸せに生きていてほしいから。 

 

最終目的地は【我が子が『幸せだよ』と自立して暮らしている事】

 

幸せの形は本人が決めるしかなく、『幸せだよ』と胸を張って言える大人になる為に私が今できる事は、何なのだろう?と思うようになりました。 
 
 
 

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262 不安とは

262 不安とは 

 

私の目には長男も次男もとても不安が強い子に見えていました。その事をM先生に伝え、 

 

「我が子達は、不安が強いせいで学校生活が辛いのではないか?」 

 

と質問しました。先生は、 

 

大人でも、子供でも、皆何をするにしても、新しい事を始めるのには、不安が先立つのです。 

 

それが人間というものなのです。 

 

子供は特に、自信がないので、不安が強いのです。 

 

親は、

 

『どんな時でも、どんなことでも大丈夫!お母さんが付いてるからね』

 

『あなたなら絶対にできるよ』 

 

と、後ろから何回でも声を掛けて励ましてあげて下さい。 

 

子供に、

 

あー、失敗しても、死ぬわけじゃないな。 

 

どんな失敗も、お母さんは受け止めてくれるんだ! 

 

と思わせてください。

 

そんな温かい経験を沢山して、子供は心が強くなります。 

 

どんな事にも興味を持って、取り敢えずやってみる、という生き方ができるようになります。 

 

・・・ 

 

生まれたばかりの赤ちゃんは、皆恐れを知らず、何にでも興味を持って、自由にやっています。 
それなのに親が、あれはだめ、これはだめ、ああしろ、こうしろ、危ない!あなたには無理!と言い、子供が失敗したら失敗した事を責め、親の思い通りにしていないと罰を与える。

 

そんなまずい育て方のせいで、子供たちは不安の強い、自信のない子になってしまうのですよ。 

 

不登校は、子供が勇気をくじかれている状態と考えましょう。 

 

子供の心を育み【失敗は成功のもと】を合言葉にして励まし続ける必要があります。 

 

子供は親の愛情が心の奥にまでしっかり届いていれば、失敗を恐れずに、色々な事に進んで挑戦していくようになります。 

 

家庭が楽しい雰囲気である事、それが何よりも大切です。 

 

とにかく子供を愛してください。 

 

愛される経験、【失敗は成功のもと】と思える事が失敗を恐れない精神を生むのです。 

 

と教えていただきました。 
 
 
 
  

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261 以前の私→変わりつつある私

261 以前の私→変わりつつある私 

 

長男が生まれてから次男が生まれる前まで、私はとても穏やかに子育てをしていました。 

 

友人から、 

 

「かわいいの押し売り半端ないよね」 

 

と笑われるほど長男の事をかわいい!かわいい!と言いながら育てていました。 

 

・・・

 

次男が生まれ、寂しさからか長男が暴力的になりました。 

 

寂しい!という長男の深層心理を考えもせず、目に見えている長男の不適切な行動を、長男がそれを止めるまで厳しく注意し続けました。 

 

どうしてこんなに私を困らせるの!

 

大変なんだから困らせないでよ!

 

という私の苛立ちが、長い年月をかけて親子間の絆の歯車を少しずつ狂わせていったのだと思います。 

 

・・・ 

 

長男が成長し私に対して暴言を吐くと、私は長男に向かって、 

 

「お前、本当に性格悪いよね」 

 

「本当に嫌い!」 

 

と傷つけてしまう事もありました。そんな私に対し、長男は泣いたり甘えたりはせず、 

 

「うるせー!」 

 

と歯向かってきました。私はその言葉に真正面から反応し、 

 

「お前がうるせーわ!」 

 

と襟ぐりを掴んでソファで取っ組み合いの喧嘩になる、不登校直前の夏休み、長男と私はそんな事を毎日のようにやっていました。 

 

・・・ 

 

最近私は、なぜあんなにも向きになって長男を叱っていたのだろう?と考えました。 

 

向きになっていた理由を思い返すと、私は本当は長男の不適切な行動に対し、別にどうでもいいやと思っている事も多かったけれど、 

 

【子供の言う事を全部聞いてはいけない】 

 

【厳しくしなければいけない】 

 

【親が負けてはいけない】 

 

と思い込んでいたのです。 

 

私が全て言う事を聞いていたら、子供は全てが自分の思い通りになる!と勘違いし自分勝手な子になってしまう。 

 

我慢させなければ。 

 

我慢する事に慣らさなければ。 

 

叱らなければ。 

 

叱られる事に慣らさなければ。 

 

自分が育てられた環境もあり、疑うことなく、子育てとは【そういうもの】なのだとずっと思っていました。 

 

私は長男を産んでからずっと、頑張って頑張って、愛を持って子供たちを我慢させていたのです。 

 

・・・ 

 

長男が不登校になり、どこに行っても解決策を見つけ出せず八方塞がりでした。 

 

長男の不登校が定着して1年近く経った頃、私はM先生に出逢い【勇気づけの子育て法】を教えていただきました。 

 

先生に【注意しなくていい】と教えていただいてからは、頑張って優しい言葉をかけるよう努力していました。

 

子供に負ける事に抵抗がなくなり、少しずつ自然と優しい言葉が出る事が増えていきました。 

 

優しい態度と言葉で子供たちと関わった後に見られる子供たちの笑顔と、子供からの優しい言葉に幸せを感じるようになっていったのです。 

 

私の中で、子育ての景色が少しずつ確実に変わっていきました。 

 

子供たちの優しい姿を見るたびに、私は、今まで子供たちの何を見てきたのだろう・・・と反省しました。 

 

長男の心を満たす事が出来ず、満たされない長男が次男を激しくいじめ、次男の情緒の発育に大きな影を落としたこと。 

 

子供時代の、楽しい時間だけで良い時期に、子供たちに苦しみを与え続けていたこと。 

 

今更ながら自分の罪の重さに気が付き、 

 

「今この気持ちで、長男を生んだあの日からやり直したい!」 

 

と思うようになりました。 
 

 

 

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