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311 運動会
311 運動会
2022年10月15日
この日は小学校の運動会でした。
長男は欠席をし続けていますが、次男は、
「僕は運動会に行かないよ」
と宣言していたので、次男は、行くのかな?行かないのかな?と当日まで、私には分かりませんでしたが、次男は自分で行くと決め、学校へ向かいました。
開会式、次男の姿を探すと、帽子を目深くかぶり、みんながマスクを取っている中、自分の顔を隠すかのようにマスクをしたまま、次男は開会式に参加していました。
・・・
担任の先生から、
「次男さんは踊りの発表には参加したくない、と言っています、付き添える教員がいないので、お母さんが付き添っていてください」
と頼まれていて、本来、保護者の入れない生徒たちの待機場所で、次男のクラスの発表の間、私は次男と待つことになりました。
次男は、ふらふらふらふらと歩き回ったり、ブランコに乗りながら自分のクラスの発表を見て、
「僕、できないんじゃないよ、やりたくないだけ」
と言っていました。私は、
「そんなんだね」
と返事をしたと思います。
・・・
この学校は2年生はリレーではなく、徒競走をするのですが、私は次男が参加するかどうかは分かりませんでした。
次男は運動神経も良く、足も速いのですが、
「僕は遅いから、負けるから」
とネガティブな事ばかり言っていました。
それでも、運動会が近づくと、家の前の道で一生懸命走る練習をしていた事を私は知っていました。
本当は走りたい気持ちがあるのだろうな、と私は思っていました。
徒競走が始まり、次男の番になると、相変わらずマスクをつけたままの次男が列に並んでいました。
いつもはかかとを踏んでいる靴を、走る直前に、自分のタイミングで履きなおし、彼なりに頑張って走ろうとしている事が、遠方からでも伝わってきました。
次男の番になり、「よーい、どん!」と先生が言うと、次男は、皆より少しだけ遅れてスタートし、それでも一生懸命ゴールまで全力で走りぬきました。
子供がただ、徒競走で走っただけの事なのですが、私はとても嬉しくて、溢れ出す涙を止める事ができませんでした。
ふと振り返ると、別の場所で見ていた主人も目を真っ赤にして泣いていました。
「子供が、ただ徒競走で走っただけなのにね」
「でも、なんか、毎日の姿見てるから、嬉しいね」
「次男、靴も履きなおして、頑張ってたね」
「感動しちゃった」
と話をしたことを覚えています。
その後、先生の話を聞く際にも、皆が椅子に座る中、次男は先生にべったりくっついていましたが、閉会式にも加配の先生なしで参加していました。
運動会の途中、もう、暑いし、お母さんと帰る、と言っていましたが、本当には帰らず、先生と一緒に教室に戻っていきました。
・・・
次男は、先日まで運動会に参加しないと言っていたのに参加したし、普段は体操服に着替えないのに着替えていたし、いつも靴のかかとを踏んでいるのに、かかとを踏まずに靴を履いていたし、全て自分で頑張ろう、と決めて運動会に参加したのだろうなと、とても感慨深く、強制せずに寄り添ってくれた先生にも感謝の気持ちでいっぱいでした。
・・・
長男の学年リレーの時には、長男の友達が何人も何人も、
「長男元気ー?」
「いつ学校くるーーー?」
と私に手を振ってくれました。
私は、この中に長男の姿を見たかったなーという思いはありましたが、小さな頃から知っている子供たちが、成長し、力いっぱい走っている姿は、ただただ、とても感動的でした。
・・・
「行かない、参加しない」
と言い続けていた次男に、
「何を言っているの?頑張りなさい、やりなさい」
と一言も言わなくて、良かったな、と心底思えた運動会でした。