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156 次男の小学校入学式前夜
156 次男の小学校入学式前夜
2022年4月5日の深夜
長男が深夜0時から明け方4時くらいまで、泣き続けました。
突然、私が座っているソファの周りをぐるぐるぐるぐる回り出し、笑いながら、
「お母さん大好き、お母さん死なないで」
そんな事を言い始めました。
長男が笑っていたのは最初の数十秒だったと思います。そこからは、崩れ落ちる様に泣き始めました。
長男は、
「友達と遊びたい」
「僕には友達がいない」
「学校に行きたい」
「勉強したい」
と話し始めました。
不登校前まで、我が家はゲームを与えておらず、長男が、
「ゲームの話についていけなかったのも辛かった」
と泣くので、
私は、
「それ、本当にごめんね」
と謝ると、
「それはいいんだよ、お母さん」
「お母さんがゲームをくれなかったから、僕は足が速くなったし、遊び上手になったし、それには本当に感謝しているんだ」
「ありがとう」
「だからその事はいいんだ」
と言いました。
その先は、私はただただ長男の話を聞き続けました。長男はこんな不満を言っていました。
「授業中つまらない時、僕の唯一の楽しみが落書きだった」
「僕は、つまらない時間を乗り切るために、1週間かけて大好きなヨッシーを机に内緒で描いていたんだ、それだけが僕の楽しみだったんだ」
「隣の席の女子に見つかって、「机に描いちゃだめだよ!」と消しゴムで消されたんだ」
「僕は机を体で隠して「やめて、やめて」「消すなら自分で消すから」「お願い止めて!」と頼んでも、1人の子が僕の両腕を掴んで3人がかりで消してしまったんだ」
「それを遠くから見ていた担任の先生が、消し終わった頃に近づいて来て、僕が泣いているのに消し続けた女子に向かって「どうもありがとう」って言ったんだ」
「お母さん、先生はそんなに偉いの?先生は神様なの?全て言う事を聞かないといけないの?ねー、どうして?」
「とにかく担任の先生が嫌だったんだ」
「教え方が下手くそで、全然頭に入ってこない」
「頭がいい子ばかり褒めて優しくするんだ」
「真剣に考えても、答えを5回間違えてしまった友達がいたんだ」
「その子が担任の先生に「ふざけているの?」と怒られていたんだ」
「頑張っても出来ないかもしれないよね?酷いよ」
「そんなこと言うのは酷いよ、とても嫌な気分だったんだ」
「あの先生は全ての事がそんなふうなんだ」
「やる事を全て決めてくるんだ」
「テストが終わった後に、落書きや折り紙がしたくても、読書しかダメと言う」
「持っている本は、数日前に借りて、何度も何度も読み返した本でつまらない」
「なぜ、折り紙を折っちゃいけないの?なぜ、落書きをしちゃいけないの?」
「静かにして、邪魔をしないために本を読んでいるんだよね?折り紙や、落書きでも邪魔にはならないよね?」
「何でそんな事まで決められなければいけないの?何で皆同じ事をしなくてはいけないの?言っている事がおかしいよ!大嫌いだ!」
「2年生の終わり頃から、女子が鬱陶しい事を言うようになったんだ」
「僕はいつも分からない所を一生懸命教えてあげているのに、全然教えてくれなくなったんだ」
「意地悪だよ、そんなのは」
「放課は皆、パソコンしかしない」
「外で沢山鬼ごっこしたいのに」
「皆ゲームの話をして、パソコンばっかりいじっているんだ、つまらないよ」
「お母さん、人は見た目がそんなに大切なの?僕の友達にとても太っている女の子がいるよ」
「その子はとても優しいよ」
「僕は見た目が良い人より、人の気持ちをちゃんと考えて、人に優しくできる人の方がいい」
「太っているとか、いないとか、関係ないよね?それなのに、何で皆見た目の事を言うの?酷いよ」
・・・
「僕は小さな頃、お母さんともっと話したかったのに、もっと遊びたかったのに、もっと一緒に時間を過ごしたかったのに、家に次男がきて、全然構ってもらえなくて、寂しくて寂しくて、今思い出すだけで吐きそうなほど悲しかったんだ」
涙を流し、たまにぐるぐるソファを回る足を止め、ソファに顔を伏せて嗚咽する。
思う存分泣くと、またソファを回り、泣きながら、たまに苦笑いを浮かべながら、長男は話し続けました。
「友達に会いたい、遊びたい、勉強したい」
長男は、
「友達に「何で学校に来ないんだ!」って聞かれたら「おめーに関係ねーだろー」って言えばいいかな?」
と自問自答していました。
4時間経ち全て話し終え、落ち着きを取り戻すと、長男は部屋を片付け始めました。私が、
「明日掃除するから大丈夫だよ」
と言うと、
長男は、
「僕が積み木を踏むと痛いからだよ、僕のために片付けているだけだよ」
と言うので、一緒に部屋を片付けました。
片付け終えると、
「僕、折り紙折りたいな」
と言うので、2人で折り紙を一緒に折りました。
少しスッキリした顔で長男は折り紙を折っているよう見えました。
明日は次男の入学式です。