2023年10月の記事一覧
15 完全不登校までの42日間の事③
15 完全不登校までの42日間の事③
2021.9.12(休日)
この日は、家族で動物園へ行く事にしました。
長男は、歩くのが疲れると言い、動物園内を歩かずに、娘用のベビーカーにずっと乗っていました。
娘も長時間は歩かず、抱っこ抱っこと言うので、長男にベビーカーを貸してほしいと何度かお願いしましたが、なかなか貸してくれず、次男までベビーカーに乗りたいと言い出し、入り口から一向に中に入る事が出来ませんでした。
家族でいるとベビーカーに乗って自分で歩かない長男は、私と2人になると歩き、「お母さん、荷物持つよ」と言って私を助けてくれました。
・・・
別の日の夜、長男の事を気にかけている主人が長男と2人きりで話をしようと外食に誘いました。それを見ていた、いつもは母親にべったりな次男が、
「僕も行きたい!絶対行きたい!」
「なんで長男だけなんだ!なんで僕は行ってはダメなんだ!」
と駄々をこね始め、私が「お母さんと次男の好きな物食べに行こうよ」 と言っても、
「嫌だ!僕はお父さんと行きたい!何で僕は行ってはダメなのか教えて!」
と長男と出かける主人の車を裸足で追いかけていきました。
主人は私に「次男を上手く、説得してね」と言い出かけていきました。
そんな、長男ばかりを優先する、という事が頻繁に起こり、次男の情緒はどんどんと不安定になっていきました。
主人と長男は楽しそうな雰囲気で帰宅し、仲良くお風呂に入り、「さー、寝よう!」 となった10時頃、明日は学校なのに、長男が再びテレビを見始めました。
主人は長男に、「寝るよ!」と声をかけていましたが、長男はその言葉を無視しテレビに1点集中していました。
何度か主人が「寝るよ!」と声をかけていましたが、長男は、 言う事は聞きませんというオーラを出していました。
そんなやり取りを何度かしていると、長男が突然、「うるせーな、だまれ、鬱陶しい!!!!」
と主人に怒鳴りました。主人は、そんな長男を見て、
「食事に行った時と同じ子だと思えない・・・この子はどうなってるんだ・・・」
と悲しそうに呟いていました。
私は、私にとっては日常的な長男のその行動に、
あー、始まった、始まった。
なんて育てにくいの!
なんて扱いにくいの!
なんてわがままなの!
なんて面倒な子なの!
思っていました。
12時を過ぎると、主人が怒りだし、長男が見ていたテレビのカードを抜きどこかへ隠しました。
長男がどんな態度に出たかは覚えていませんが、私は、
・毎朝〈はながっぱ〉見るよ!と起こしているのに、明日朝テレビがつかなかったら絶対怒ってくる!
・番組が1秒でも始まった後に起こすと絶対怒る・・・
・テレビが観れなかったから学校に行かないって言い出す・・・
・えー、どうしよう、カード返してよ・・・
と、1人であたふたしていました。
・・・
この時期、夫婦仲は良くなかったので、主人に余計な事を言うと喧嘩になるな、主人に頼みごとをするのは嫌だな、と思っていて、私は主人に朝までにテレビのカードを返してよ、とは言えませんでした。
14 完全不登校までの42日間の事②
14 完全不登校までの42日間の事②
2021年9月10日
この日の朝、
出発前、長男がソファで寝転んで朝食を食べていたので私は、
「机に座って食べてね」
と声を掛けると、長男は、
「それなら食べない」
と言い、朝食を食ませんでした。
長男は通学団の集合時刻の10分前に、私にも聞えそうな深いため息を「ふー、、、」っとつき、呼吸を整え、長男の周りを黒い雲が覆っているような雰囲気を漂わせ、集合場所に向かうために家を出ました。
とにかく学校へ行ってほしいと思っていた私は、そんな長男の様子を気にかけながらも「あ、何とか行ったな」と、一安心していました。
今日は行けたな・・・と安心していると、家を出る時間が遅かったからか、集合場所には誰もおらず、長男は家に帰ってきてしまいました。
私は長男に、付いて行くから、一緒に行こうかと提案し、長男は私と一緒に学校へ向かう事になりました。出発前に長男はお腹に手を当てて、前かがみになり、
「お腹痛いからトイレに行ってくる」
としばらくの間トイレにこもってしまいました。
当時娘はまだ2歳で、長男が学校へ向かう時間はまだ眠っていました。
「長男の学校に付いていかなくちゃ!」
という気持ちと、
「まだ小さい娘が起きてしまったらどうしよう!1人で大丈夫かな、、、」
と冷や冷やする思いで私は長男の学校まで付いて行っていました。
この頃の長男は学校から帰ると様子がおかしくなり、毎日毎日、
・クラスの女子がウザい
・今日は描いている落書きを勝手に消された
・コロナなんだし、ソーシャルディスタンスだよ!と言って離れようとしても『関係無い!』と言って近寄ってくるのが嫌だ!
・僕は自分のペースで教科書を閉じたいのに、授業が終わる瞬間に勝手に教科書を閉じてくる
・頑張って作った練り消しを勝手にゴミ箱に捨てられた
・前の人の座高が高くて、僕は全然黒板が見えない
・今日は体操服を見つけられなくて、体育に参加できなかった
・・・
と学校の文句ばかりを取り上げて言っていました。
長男はその日学校から帰って来ると、
・あんな場所に行くのは馬鹿みたい
・くそつまらん
・学校に行っても意味がない
・僕はもうに行きたくない
と険しい表情をして、私を見ずに呟いていました。
私は長男の異変に気付き始めていたので、否定的な発言を注意はせずに、
「嫌だったんだ、疲れただろうね」
と言い聞き流す事にしていました。
・・・
行き渋り当初、主人は、
「そんなに心配しなくていいんじゃない」
「夏休み明けだし時期の事なんじゃないの?」
と言っていましたが、日々悪化していく長男の様子を見て、
「なんなん?これ、長男どうしたの?」
と混乱し始めていました。
・・・
私は学校の先生から面倒臭い親、厄介な親、と思われる事が嫌で、学校に個人的なお願いごとをする事に抵抗がありましたが、勇気を出し担任の先生に電話をし、
長男が横の席の女の子のお節介を酷く嫌がっている事を伝え、先生からその子にあまり強くお節介しないよう、やんわりと指導してもらえないか?と、お願いをしました。
お願いはしましたが、状況が変わる事はなく、長男の【女】に対しての嫌悪感は日に日に激しくなっていきました。長男は毎日のように、
・女がまじでうざい
・この世に女なんていなくなればいいんだ
・クラスに女が居なければ僕は学校に行けるのに
・女がいるせいで学校の全部がつまらなくなる
・女は全員この世から消えろ
・女は皆わがまますぎる
・女が視界に入るのも僕は嫌なんだ
・音楽の先生(女性)が大嫌い
と、とにかく女の人が嫌だ!と言い続けました。
テレビで、くれよんしんちゃんのみさえが画面に映るだけで、
「この女はわがまますぎる、こんな女は死ねばいい」
と言い、女性でなくても、ドラえもんの、のび太君を見て、
「こいつバカ過ぎる、鬱陶しい、嫌い、ウザい」
と、目に映る全てを否定し始めました。
・・・
長男が学校を休む日が続き、長男の異変に気が付いてからは、私は長男の要望にできる限り応えていこう!叱らないようにしよう!と努力しているつもりでした。
学校に行かない長男を見て私は、
・何でもいいから学校には行ってほしいな、学校に行っていればきっと何とかなる
・もし長男が明日も学校へ行かないと言いだしたらどうしよう・・・
・あの子に何をしたら、今の生活の何を取り除いたら、あの子は普通に学校に行ってくれるのだろう
・今学校に行かなくなって、このままずっと学校に行かなくなったらどうしよう
・女の子を嫌だっているから、中学は男子校のがいいかな?
・機嫌の悪い長男を明日の朝起こすの嫌だな、、、
と思っていました。
長男が生き渋る様になってから、私はこの先この子はどうなってしまうのだろう?と漠然とした不安を常に感じていたように思います。
13 次男の異変
13 次男の異変
2021.8月後半
長男の情緒が乱れることで、我が家は家庭内不和になっており、その影響からか次男がこの時期から、無意味に叫んだり、突然物を投げつけたりするようになっていました。
幼稚園の帰り道、私が、
「今日は幼稚園どうだった?」
と、聞くと、次男はとても無気力で、とげとげしい雰囲気で、
「全然つまらない、だから僕は1日中座っていただけ」
と、答える日が増えていきました。
私は次男が毎日長男に酷い事を言われ、殴られている現状を幼稚園の先生に伝え、次男の様子を気にかけてもらうようお願いしていました。
次男はもともと、人と積極的に関わる事が得意ではなく、 長期連休明けに幼稚園に行くと、仲の良い友人といつものように遊べるようになるまでに、1か月程掛かるような子どもでした。
そんな次男はいつもいつも長男の顔色を伺い、
「ぼくが、これをやってもいいのかな?長男に何か言われないかな?」
と怯え、何をする時も、長男に何か傷付く言葉を言われないか、と考えながら行動しているようでした。
次男は長男がいなければ、何にも怯えず伸び伸びとすごしているのですが、楽しく遊んでいる空間に長男が加わると、次男の顔つきは一気に変わり「長男に何かを言われるのは嫌だから」と次男は無気力を装うようになりました。
ある日次男が早起きをして漫画を読んでいると、長男が起きてきて、力ずくで次男の読んでいる漫画を奪い取りました。
漫画を奪われ次男は大泣きしていましたが、長男は一向に漫画を貸そうとはしませんでした。
そんな、次男の心が不健康になるような出来事が毎日毎日続いており、2人の漫画争いに疲れていた私は、次男に長男と同じ漫画を買い与える事にしました。すると長男が、
「次男にだけ買うなんてずるい!」
と文句を言い始めました、私が、次男も読みたいのに長男が漫画を貸さないから買うしかないんだよ、と説得しても、
「ずるい!ずるい!僕にも買ってよ!!」
と長男は言い続けました。私はそんな長男の事を、またいつものわがままだな、と不快に思っていました。
結局私は長男を説得する気力もなく、とにかく喧嘩をしないでくれ!黙っていてくれ!と言う気持ちで、同じ漫画の同じ巻を10冊づつ、2人に買い与えました。
2人共が漫画を手に入れ、平和になるかとほっとしていると、今度は寝かしつけの時に読んでほしいと言われるようになりました。
私が長男に読めば、次男が僕にも読んでと言います。
長男に読んだ後に次男に読めば、長男が僕にももう一回読んでと言う。
本当に読んでほしいというよりは、自分の方がお母さんに沢山本を読んでもらった状態で眠りにつきたい、という兄弟間のくだらない争いをしているように私には見えました。
私が次男に漫画を読んでいると、長男はわざと不自然な程に大きな声で笑い、邪魔をし、自分の存在をアピールしているように見えました。私は内心、
「あー、毎日毎日面倒臭い!何回も読むのは疲れるから、2人同時に聞いてよ!」
と思っていましたが、その提案をしても長男は、次男と一緒に本を見たくないという理由で受け入れてはくれませんでした。
それなら、寝る前に2人に2話ずつ読む!と約束を決めると、長男は、
「次男の方が1話のページ数が長かったから、僕だけにもう1話読んで」
と言い、それを聞いた次男が兄に読むなら僕にももう一回読んでほしいと言うのです。
お互いが自分の主張が通った状態で争いを終了したいため、その喧嘩に折り合いが付く事はありませんでした。
毎日、毎日、毎日、毎日、繰り返される解決しようのないこの無意味な争い。
私は本当にうんざりしており、優しい言葉を掛ける心の余裕はありませんでした。
・・・
そんな日々の中、次男の様子がだんだんとおかしくなっていきました。
ある日、買い物から帰ると、普段温厚な主人が次男にきつく叱って(怒って)いました。
主人が次男をあまりにも叱りつけた為、長男が、
「お父さんやりすぎだよ!」
と叫ぶと主人は振り返り長男に向かって、
「お前が言うなよ!!!!!」
と、怒りをぶつけていました。主人の珍しいその態度に、私が、
「怒りすぎだって!」
と口をはさむと、主人は、私の方を見て、お前だっていつも怒っているくせに!と言いたげに私を見て、
「お前が言うな!」
「お前だけは言うな!」
と言い返してきました。
もう家庭内がぐちゃぐちゃで、誰も誰の事も思いやれておらず、仲間であるはずの家族全員が敵同士のようでした。
主人は、子育てに疲れ果て常に機嫌が悪い私に嫌気が差していただろうし、私も、仕事ばかりで現状を理解していない主人に苛立っていたのです。
・・・
家庭内不和が酷くなりだしたその頃から、次男は心身ともに不調になりました。
次男の頭には10円禿ができ、爪が全てなくなる程、爪を噛み、顔には覇気がなく無気力になっていきました。
今まで優しくしていた妹にも、不必要に意地悪をし、わざと妹を泣かせるようになりました。
家中のどこかで、誰かが争い合っている、そんな悲しい家族になっていったのです。
12 主人と長男
12 主人と長男
2021年6月~
この当時、仕事が忙しい主人は、子供が寝てから帰って来る事がほとんどでした。
主人は温厚で大らかな性格ですが、他人の世界に入り込んで来ない雰囲気の人でした。
その当時の主人は、夫婦間で話し合う、助け合うなどをせず、お互いに依存をせずに問題を自己解決しよう、と考えているようでした。
例えば・・・私の父親が海外に住んでいた時期があり、私は幼い子供たちと父を訪ねて1か月ほど海外に滞在した事がありました。
帰国後、その時の写真を主人に見せても、主人はその写真に興味を示さず、
「目の前に子供がいるから、別に写真は見なくてもいい」
と言ったりする事がありました。
私の主人に対して、共感力に乏しく、ドライな人と思っていました。
・・・
そんな主人に気を遣い、上手く頼みごとの出来ない私と、自分のペースを崩される事を嫌い、子供たちの事を聞いてこない主人。
私は主人に対して「助けてよ」「手伝ってよ」と言う気持ちを持ちながら、それを口に出すことが出来ず、嫌味の様に自分だけで家事、育児を抱え込む様になりました。
主人に当て付けて、「あなたは役にたたないよね!」と言わんばかりに忙しそうに動きまわり、全ての家事育児を自分1人でこなし、勝手にそれに苛立っていました。
平日は主人の仕事が忙しい事を理解していて、それ程イライラしないのですが、主人がお休みの土日になり、主人が家にいると「助けてくれるかも!」と期待してしまい、私の期待を裏切り、助けてくれない主人に不満を抱いている事が多かったです。
私はそんな不快感を態度に出しており、土日の家庭内の雰囲気は、張り詰めた空気な事が多かったと思います。
・・・
長男はお父さんが大好きな子どもで、主人も長男をとても可愛がってくれていました。
行き渋りが始まり、長男の情緒が激しく乱れ始めると、長男は父親に対しても暴言を吐くようになり、仲の良かった2人の関係も崩れ始めました。
主人は、長男に注意する際、次男を叩く長男に対して、
「そんな事もう止めようね」
「はいはい~ちゃん(長男)もうやめようね」
「どうしたの?」
と冷静に諭すように言う事もあれば、わがままな長男の態度に主人の気持ちも限界になってしまい、大人な対応が出来ずに、
「おい!いい加減にしろよ!」
と叱りつけてしまう事もありました。
時に主人は、私と長男が言い合いになっていても、見て見ぬふりな事もありました。
・・・
長男が次男をいじめて次男が泣き、主人が長男に謝るように諭しても、長男は、
「ざまーみろ!!!」
と言ったり、目にいっぱい涙をためて、それでも主人に負けないようにと、
「はいはいはいはい、すみませんねぇ!これでいい?」
「はい、謝りました!これでいいんでしょ!」
と吹っ掛けてくる事もありました。
主人に叱られたことが悔しくて、何とかして主人が不快になるような言葉を言いたい長男は、主人の方言を馬鹿にし、
「は?は?は?は?何ですか?なんですか?」
「何言っとるか分らんし、日本語話せよ!」
「この、くそじじい!」
と主人に向かっていきました。
長男は、昔から自分が否定され、注意される事に過度に反応し、話が通じず、注意をすれば暴れ出す子、と私は思っていました。
・・・
長男と他の家族との関係が悪化していたある日の夜中、寝室で寝ていると、突然リビングから、
「うぁぁぁぁぁぁーーーーーーー!」
「うぁあああああーーーーーーー」
「ひぇーーーーん」
と泣き叫ぶ声ような声が聞こえてきて、私と主人は飛び起きました。
リビングへ行くと、長男が1人暗闇の中で、声を振り絞り、唸るような、悲しくて、苦しくて、壊れそうな、そんなふうに泣いていました。
両親は驚き、
「どうしたの?」
と長男の背中をさすりましたが、長男はだただ肩を震わせ、唸るように泣いているだけでした。
記憶は曖昧なのですがしばらくすると、長男が私に、
「お母さんが次男の横で寝ていたから」
と言いました。
長男は、
「寂しい、寂しい、寂しい、寂しい、うゎーーーーーーーーー」
と、泣き崩れてしまいました。
そんな子供の訴えにも、全てがうんざりで疲れ果てていた私は、溜息をつき、長男に、
「次は何?」
「じゃー横で寝ればいいじゃん」
と、素っ気なく言ったような気がします。
その当時は、自分の中で目覚めている間の全ての時間を、子供達に使っているという感覚があり、私はそれにとても疲れていました。
長男が泣いていたのは夜中でしたが、主人が長男を散歩に連れ出してくれました。
散歩に出かけた2人は、出かけてから2時間ほど経った明け方の2時頃になると明るい表情で帰ってきました。
私は長男と主人が何を話してきたのかを聞こうとはしませんでしたが、帰ってきた主人は、少しため息をつきながら、私に、
「明日のサッカーは休ませてあげてね、朝は起こさずゆっくり寝かせてあげて」
「長男とは色々話はしたけど、まあ、、、」
「俺から見ても・・・貴方は長男の事を嫌っているように見えるよ」
と、私に言いました。
私は何も言い返さずに黙って主人の話を聞いていました。
・・・
主人の言葉の通り、その時期、私が長男を嫌いだったのか?
今、どれ程考えても思い出すことができません。
嫌いだった、という事も、心底愛していた、という事も本当に思い出せないのです。
そんな私の気持ちは、幼い長男にどう映っていたのだろう?と今は思います。
11 閉ざされた空間での出来事
11 閉ざされた空間での出来事
次男の幼児期、次男はよく長男に殴られていました。
そんな2人の姿を見て、周りは、
「男兄弟の喧嘩、激しいよね~」
「ハラ子ちゃん家は特別激しいよね~」
と、よく言っていました。
下の子が生まれると赤ちゃん返りをする、上の子がやきもちで下の子をいじめる、と聞いていても、長男の次男に対する暴力行為は一般的な赤ちゃん返りのレベルではない、何かがおかしいと私はうっすら感じていました。
次男は小さな頃から長男に叩かれるため、いつもいつも顔が傷だらけで体に青あざが出来ている事もありました。
赤ちゃん返りで上の子が下の子を叩くと言っても、それ程皆殴られるのか?
という疑問が私の中には常にあり、いや、いや、おかしい! 絶対におかしい!ここまで弟妹を拒否している子を見た事がない!
私はそう思っていても、何をどうすれば良いのか解決策を見つけ出すことが出来ずにいました。
私を育てた親に状況を話し、解決策を聞いても、神経質に考えなくていい、男の子なんてそんなもの、と言っており、長男の暴力行為を気にする私がおかしいのかな・・・気にし過ぎなのかな?と思う事もありました。
誰に相談しても、男のは子激しい、そんなものと言われ親身に相談にのってくれる人はいませんでした。
・・・
公園で子供を遊ばせていると、ママ友の誰かが、
「昨日兄弟で殴り合いの喧嘩をした」
と、言っていて、あー、やっぱり我が子だけが異常な訳ではないんだな・・・とホッとした事を覚えています。
家庭内の閉ざされた空間の中、我が家の子供たちがどれ程酷い状態なのかは誰にも理解される事はありませんでした。
育てている私自身も、我が家が特別に酷いのか、激しいけれど正常な範囲内なのか、分かってはいませんでした。
・・・
仕事が忙しく、昼間、子育てをしていない主人も、その大変さを理解してはいませんでした。
私は長男が毎日楽しい時間を過ごせますように!と、毎日お弁当を作り2人の子供を連れて、児童館や公園へ出かけるように心がけていたので、昼間は平和に過ごせるのですが、夜はどうする事もできませんでした。
・・・
長男が特に反抗的になりだした2021.6月頃から、長男の次男に対する拒否反応は、より一層激しくなっていき、長男が次男に馬乗りで殴る事が常習化していったのです。
それは、毎日、毎日、毎日、毎日、繰り返されました。
次男は、顔を涙でぐちゃぐちゃにしながら、
「ぎゃーーーーーーーーーーーーーー」
と言って泣き叫んでいて、私が、長男に、
「やめなさい!」
「もーーー!」
「やめなさいって!!!!」
と、止めに入るのですが長男は、握り締めた拳により一層力を込めて、
「うるせーーーー!!!」
と言いながら、次男を殴り続けていました。
私は、ぎゃーぎゃー泣き叫んでいる次男をかばいながら長男に、
「もう!離れなさい!」
「もーーーーー!!!!どうしたの!!!!!」
と長男を止めようとしても、長男は、
「次男が嫌い!気持ち悪い!」
と次男が傷付く言葉を言い続けました。私はなぜそんな事を言うのかと長男に何度も尋ねましたが、長男は、
「気持ち悪いから、嫌いだから、バカだから!」
と理由にならない理由を言い、次男を傷付け続けました。
・・・
年齢が上がってくると、やられっぱなしの次男にも意志が出てきて、長男の言いなりにはならず、やり返すようになっていきました。
2人ともまだ小さいとはいえ、体も段々大きくなり、力も少しずつ強くなり、長男と次男の喧嘩は日々激しさを増していきました。
・・・
私はいつも長男の暴力行為に対し、長男の事を強く責めました。
「何であなたはそんなに暴力的なの?」
「何であなたはそんな事ばかりするの?」
「何で?」
「何で?」
「何で?」
「何で?」
その答えはいつも、
「次男が嫌いだから」
それだけでした。
・・・
長男の次男への暴力を止めさせるために、私は色々な作戦に出ました。
ある時は、暴力を振るおうとする長男に聞こえるように、次男と娘に、
「あっちの部屋行こ、お兄ちゃん頭おかしいから!この部屋にいるとお兄ちゃんに叩かれるから、あっちの部屋に行こ!」
と、長男の心に、
「あなたは悪い子!」
と刻みつけるような、長男が傷付く言葉をあえて選び、長男1人を部屋に取り残す。
またある時は、長男が次男を叩いたように私が長男を叩いて、
「ほらね!叩かれたら痛いでしょ!次男を叩くのをやめなさい!」
「もーーーー何であなたはそんなふうなの!」
「何でなの!」
「何があったの?」
と取っ組み合いの喧嘩をする。
また別の時には、毎日繰り返される暴力行為に私が疲れ果て、号泣しながら長男に、
「もう、お願いだからやめてよ、お願いだからやめて、、、」
と、泣き落とそうとする。
・・・
その時々の、自分の気分で方法を変えて長男に次男を殴る事をやめるように訴えかけました。
どれほど長男に訴えかけても、どれもその場しのぎにしかならず、長男の暴力行為が根本から治る事はありませんでした。
息子2人が馬乗りになって、叫び合いながら殴り合いをしている中、状況を何も理解していない2歳の娘は、キョトンとして私に、
「おかあたん(お母さん)これ読んで」
と本を持ってくる。
そんな娘の横で息子たちは、
「お母さん、お母さん、お母さん、お母さん!!!!」
「こっちが悪い!あっちが悪い!」
「あっちが!・・・こっちが!」
と、私に訴えかけ、長男か次男のどちらが悪いのかをジャッジしろと言ってきます。
母親が長男か次男のどちらの見方をするのか、どちらを庇うのか、それを知りたい!そんな感じでした。
記憶があまり残っていませんが、私は殴られ続ける次男を私の身体で守っていた様な気がします。
長男が全力で次男に向けた拳が私に当たり、身体的な痛みと、精神的苦痛が重なり、絶望感のような、とても悲しくて、とても苦しくて、とても痛かった事をなんとなく覚えています。
次男も、手足をばたつかせ、力の限り長男にやり返していて、私は2人共が殴られないように!と2人の間に入り、私が長男にも次男にも殴られている状態でした。
・・・
6歳の次男は口の中がキレて血まみれになっている事もあり、 2歳の娘にそんな激しい喧嘩を毎日のように見せるのはとても辛かったです。
2人をとめる事が出来ず、私が居なければ殴り合いの喧嘩をやめるのではないか?と思い、娘を抱いて車に逃げた事もありました。
車に逃げ込むと、次男が私を探して声の限り叫ぶので、ご近所にその叫び声が聞こえていて、次の日に「昨日、大丈夫だった?」と声をかけられた事もありました。
それほど激しい喧嘩を長男と次男はいつもしていました。
・・・
長男がお出かけを嫌がり、次男と娘と3人でお出かけをすると何だかとても平和な気分になりました。 私は心の中で、
「えーーー!!!なにこれ?」
「これが通常の子育てなの?」
「楽過ぎない?」
「長男が一緒にいないと、子育てってこんなに楽なの?」
と思ってしまうのです。
・・・
私はいつも、周りの、仲の良さそうな家族を見ると、
「何でうちだけ?」
「何で私だけ、、、」
と思い、とても苦しい気持ちになっていました。
10 弟を完全拒否
10 弟を完全拒否
長男は2歳3か月でお兄ちゃんになりました。
生まれてからお兄ちゃんになるまで、長男はスーパーで反りくり返って大泣きする、などの一般的な2歳児のような手を焼く行動はほぼなく、私を困らせる事もなく、手がかからない落ち着いた子どもでした。
先に子育てを始めている友人や、姉や親からも子育ては大変、と聞いていましたが次男が生まれる前まで私は、
「いつ、どんなふうに子育てが大変になるのかな?」
と思っていたほど、長男はとても育てやすい子どもだったと思います。
子育てを大変と思う事もなく、ただただかわいいな、と思いながら私は長男を育てていました。
・・・
次男が生まれた際、我が家に遊びに来た、長男と同じくらいの年の子供が、まだ生まれたてで首も座っていない小さな次男を想いのままにいじりまくるので、周りにいた皆が、
「次男君のお兄ちゃんが長男君で良かったね」
「絶対に意地悪したりしなさそうだもんね」
と言い、私も本当に長男がお兄ちゃんで良かったな、と安心していたほど、長男は穏やかで優しい子供だったのです。
・・・
次男が生まれてからしばらくは長男はそれまで通りに落ち着いていましが、次男が3か月になる頃から、長男の次男に対する不適切な行動が始まりました。
長男は、
「次男だけでなく、僕も構ってよ」
と泣いたり、甘えたりするのではなく、次男に対してとても暴力的になっていきました。
次男を叩いたり蹴ったり、ソファの上からまだ乳児だった次男のお腹をめがけて飛蹴りしたり、次男のお腹の上でジャンプしたり、赤ちゃんにとってはとても危険な暴力行為を始めたのです。
私は、上の子がやきもちを焼くと、叩いたり、蹴ったりすると聞いていたので、長男は俗に言う赤ちゃん返りをしているのだと思っていましたが、長男の次男に対する暴力行為は次第にエスカレートし、私が全身を使って次男を守らなければならない程、次男を叩く日が出てきました。
私は長男に、
「叩いちゃだめだよ!次男君痛いよ!」
と注意すると、長男は、わんわんわんわん泣きながら、
「赤ちゃん捨ててきて!赤ちゃんを捨ててきて!」
と2時間以上も泣き叫びました。
私が、 本当に捨てていいのかと聞いても、長男は、本当に捨ててきて!と泣き続けました。
そんな事の繰り返しは、私も、長男も、次男も、毎日心がすり減り、泣き疲れ、全員でソファで寝落ちしてしまうほど疲れ果て、幸せとは程遠いものでした。
・・・
あまりにも長男の赤ちゃん返りが酷く、私はこの先、どう子ども達を育てたら良いのか分からなくなり、長男の赤ちゃん返りで困っている事を保健センターへ相談に行くことにしました。
とても困っている、と相談しましたが、保健所では、
「お兄ちゃんを可愛がってあげて下さい」
「子育てとはそんなもんですよ」
と言うだけでした。
別の知り合いに長男の次男への酷い暴力に悩んでいる、と相談をしても 、
「どこの兄弟もそんなもんだよ、一緒一緒!」
と言われるだけ。
誰に相談しても、解決策を提示される事はありませんでした。
その頃から私は子育ての大変さを痛感するようになっていきました。
次男の生後3か月から、長男が次男を受け入れることは一度もなく、長男は常に次男に、
・暴力的に接する
・次男を一切認めない
・大人が次男を抱くことを許さない
・大人が次男を視界に入れる事を許さない
・私が次男におっぱいをあげるのを嫌がる
・次男が同じ部屋にいる事を許さない
・私が次男を優先する事を一切許さない
・周りの大人が次男に話しかけるのを極端に邪魔する
長男が親族に会い、その中の誰かが次男を抱こうとすると、
「~ちゃん!(長男の名前)を抱っこして!」
と言い、長男は自分の両手をいっぱいに広げ、誰にも絶対に次男を抱かせませんでした。
・・・
私は次男に離乳食を与えるとき、ダイニングテーブルの下に次男を入れて長男の視界に次男が入らないように次男を隠し、長男と私と次男で過ごすその部屋から、次男の存在を消すようにしていました。
長男と仲良く話をしながら、私は手をテーブルの下に伸ばし、次男にこっそり食事を与えていた記憶が残っています。
次男が生まれる前までは、毎日穏やかに子育てができるほど育てやすかった長男は、次男が生まれた後、とても育て難くい子になっていったのです。
・・・
子供たちの年齢が上がっても長男のその育て難さは変わることはありませんでした。
長男はずっと次男を見下し、認めず、常に次男を邪魔な存在として馬鹿にしているように、私は感じていました。
長男が次男を、常に邪魔者扱いするため、次男は次第に長男の顔色を伺いながら行動する様になりました。
後にそれは、次男の情緒の発育に多大な影響を与えていきます。
私は、長男にこんな質問をした事があります。
「お兄ちゃん、もう一人赤ちゃんが生まれたら嬉しい?」
と私が聞くと、長男は、
「絶対に嫌だ!怒られるのが3回になる!絶対にいらない!絶対に!」
と激しく拒絶しました。
日にちを変えて、私が何度同じ質問をしても、長男から返ってくる回答はいつも同じでした。
長男は次男のせいで自分が叱られるようになったと思っているようでした。
長男からしたら、長男に対してとても優しく温かかった私の態度が、次男が生まれてから変化した、と思っていたのかもしれません。
そして、2021.6月頃から、【完全不登校】になるまで、長男の次男、妹に対する暴力行為は凄まじいものになっていきました。
9 自己中心的で暴力的な日々の事
9 自己中心的で暴力的な日々の事
当時私は度々、長男に対しての不満を姉にラインしていました。
・とにかく欲が凄い
・物欲にしろ独占欲にしろ所有欲にしろ 、僕、僕、僕。僕ばっかり
・次男にも絶対何も貸さないし、触らせもしない
・将来が本当に心配 この子こんなに自己中でどうやって生きていくんだろう、、、
・もう話も通じないしお手上げ
・長男の生意気さは半端なく、主人にも馬鹿にしまくる!
・なんでこんな風になっちゃったんだろう、、私のせいなの?
・長男があまりに自己中すぎて優しい主人もさすがに今日凄い怒ってた!
・もう毎日が地獄絵図、いつまで続くのこの生活、、、
・もう嫌だ
そんな内容ばかりです。
この頃、長男は常軌を逸して訳の分からない事を言うようになっていました。
何一つスムーズに事が進まず、とにかく私を困らせるのです。
長男は、全ての事で次男よりも優先され次男よりも多く与えられなければ絶対に納得しませんでした。
・・・
この頃から、長男は就寝時間の10時頃になると漫画を読み始めるようになりました。
皆が寝る時間になるとわざと大声で笑い、ワーワー叫びながら漫画を読むのです。
サッカーを習っていた長男は、次の日がサッカー練習で早朝起きなのにも関わらず、私に反抗し23:30になっても漫画を読むことを、わざとやめませんでした。
・・・
家族は全員同じ部屋で寝ており、両親、8歳、6歳、2歳が同室で寝ている為その時間に漫画を読み始めると私は本当に困りました。
漫画は2冊あり、 次男も同じように読みたがりました。
私が、長男に、
「一冊貸してあげて」
とお願いすると、長男が、
「嫌だ」
と拒否しました。
私は、2冊一気に読めないのだから、貸してあげてほしいと頼みましたが、 長男は、
「嫌だ」
としか言いません。私がイライラし呆れた感じで、
「は?何が嫌なの?」
と聞くと、長男は、
「嫌だから、僕のだから」
と意地でも貸してくれませんでした。
私は、長男のいつものその意地悪な感じに心底イライラしていて、
「あんたのじゃないよね、それ、皆のじゃん、皆のって言って貰ったんでしょ」
と怒りましたが、長男はそれでも、
「嫌なものは嫌」
と言い、絶対に貸してはくれませんでした。私は切れかけて、長男の事を睨みつけました。
そのやり取りを聞いていた次男が、
「僕も見たいー僕も見たいー」
と泣き出しました。 早く寝かしつけたい私は、長男に、
「もーーーー、寝る時間なんだし早く貸してよ!」
と怒りました。明らかに不服そうな長男は、怒りに任せて次男の顔に、
「はい、どうぞ!!!」
と漫画を投げつけたのです。次男がその漫画を読もうと本を開くと、 長男が、
「やっぱりそっち貸せよ」
と次男に貸した漫画を奪い取りました。
次男が長男に漫画を渡し、別の漫画を読もうとするとまた長男は、
「やっぱりそっち貸せよ」
と意地悪を言います。
そんな事を何度も何度も繰り返していました。
それを見ていた私は、
「もー、いい加減にしなって!」
と長男を厄介だな、という目で見ても、長男は永遠に次男に漫画を読ませませんでした。
次男は、悲しそうな目で私をずっと見ていました。
私は、長男にかなりきつい言い方で、
「ねー、何なの?減るわけじゃあるまいし、何で一つずつ読めないの?」
「あんたはどれだけ意地悪いの?」
「あんた、何なの?」
と長男の人格を否定し続けました。
・・・
昔から長男は、次男に自分の持ち物(と決めつけている物)を一切触らせませんでした。
サイズアウトした服も「僕のだからダメ!」と言って下に回すことはできませんでした。
とにかく面倒で、こだわりが強く、両親が神経を使う子と私はずっと長男に不満を抱いていました。
・・・
その日は、私が何を言っても23時30分を過ぎても長男は電気を消さず、漫画を読み続けていました。
私は、皆が眠れないから、電気を消してほしい、と不快感を丸出しにして声を掛けましたが、長男は、
「電気を消したら僕が漫画をよめない、だから消さない」
と言い切りました。 私は、長男に、
「じゃー、別の部屋で読んでよ」
とお願いしましたが、長男は、
「無理」
と言って、意地でもその部屋の電気を消さずに漫画を読み続けました。
私は長男のその態度が不満で、不快でたまりませんでした。
別の日に、リビングで宿題をやっている時には、
長男は、
「うるさい、全員あっちにいけ」
と言い、私が呆れて、
「あんたがあっち行けばいいじゃん、皆の場所だよ」
と言うと、長男は、
「無理」
とだけ言いました。
冬にエアコンを低い温度でつけている長男に、
「え、冬だよ!寒いんだけど!」
と言えば、長男は、
「僕は暑い、何で僕の意見は聞いてもらえないの?」
と言いエアコンを消してくれない。
いつも、どんな事でも長男は自分の要求が通るまで要求を言い続け、やり続けました。
私は長男の事を、本当に自分の事しか見えていない、思いやりのない子と決めつけていました。
私はいつしか、怪物のような子を育てているような気分になり、長男にどう接する事が良いのか分からなくなっていました。
8 夏休み祖父母宅での出来事
8 夏休み祖父母宅での出来事
2021年8月
夏休み、私は長男の反抗的な態度への対応で、既に精神崩壊しそうな程疲れ切っていましたが、子どもたち3人を連れて私の実家の祖父母宅へ行きました。
大好きな祖父母と過ごせば、長男の気持ちは少しは落ち着くかな・・・、と期待していましたが長男のわがまま行動、無気力な態度は祖父母宅でも変わる事はありませんでした。
長男は元々は活発な子でしたが、祖父母宅での長男はソファから動かず、ずっとテレビを見ているだけでした。
当時の私は子供はとにかく外で元気に走り回っていてほしい!と切に願っているような母親で、テレビばかり見ている子供たちの事が気に入らず、外に遊びに行くように促していました。
子供たちはゆっくりテレビを見ていたかったようで、私の声には無反応でずっとテレビを見ていました。
・・・
しばらくすると、私の友人とその子供たちが遊びに来てくれました。
子供たち同士は以前からよく遊んでいて、とても仲良しでした。
下の子2人は、友人の子達が来ると喜び、私も一緒に祖父母宅から20mほどの、すぐ近くの公園へ行きました。
テレビを見ていた長男には「後からきてねー」と声をかけました。
しばらくの間外で遊んでいても、長男が全然家から出てこないので、私は長男を呼びに行きました。 長男に、
「~君待ってるよ」
と言うと、長男は、無表情で少し頷きました。
だらだらしている事にイライラしがちな私は、長男のペースは無視して、しつこく何度も何度も、外へ行くように言いました。
長男は、何度言ってもその場から動かず、私の問いかけに無表情で頷くだけでした。
・・・
私は長男の子育てに悪戦苦闘していること、長男にどれ程神経を使い、育てるのが大変かを両親に愚痴っていました。
私の両親は、
「何か疲れているんじゃない?」
「とにかく、長男のペースで動かしたらいいんじゃない」
と長男をかばいました。その言葉を聞いた私は、
あー、また私の気持ちは分かってもらえないんだな・・・
と内心で思いながら、長男が異常なほどにマイペースな事、そんな長男と毎日過ごす事はとても疲れるという事を話し、
「私の大変さは貴方たちには絶対に分からない!」
と言わんばかりに、長男を強く否定しました。
・・・
祖父母宅から帰るその日は、家族でキャンプに行く予定でした。
私の中では9時には祖父母宅を出て、1時間半かかる自宅へ向かい、その後、キャンプの支度をしようと決めていました。
全員が車に乗り、エンジンをかけて長男が車に乗るのを待っていましたが、どれほど声をかけても、長男は一向に車に乗りませんでした。
長男はソファに吸い込まれるようにずっしりとソファに座り、ずっとテレビを見ていました。
長男の異変に気が付いていて、優しく接していた方がきっと良い、と思っていた私は、
あの子のペースに合わせてしばらく待とう!と思っていて、長男に、
「見ているテレビのキリがついたら帰るよ!」
と声だけかけて長男が来るのを待っていました。
・・・
帰ってからキャンプの準備をしなくちゃ!と思っていた事、長男の反抗的な態度に対する日々のストレス、この子はどうなってしまったの?という不安、そんなマイナスな感情の蓄積で私のイライラはピークに達していました。
玄関で私が長男を待っていると、内容は覚えていませんが、母親が何か私に言いました。
決して私を否定するような事ではなく、上手くいかない子育てに落ち込み、長男の態度にイライラいしている私を励ましてくれていたのだと思います。
気持ちに余裕の無い私は、なぜか母親のその言葉でストレススイッチが、完全にオンになりました。
ストレススイッチが入ったまま、私は1時間以上長男を玄関で待ち続けました。
1時間ほどすると、やっと長男が体を引きずるようにして動き出しました。
長男は他の家族を待たせた事に謝罪はせず、待たせる事が当たり前かのように助手席に乗り込みました。
私は、自分でも完全に理性を失いかけており、感情のコントロールが効かなくなっている事に気が付いていて、心の中で、今、私はきっと黙っていた方がいい、私が今長男に抱いている感情を、絶対に口に出してはいけない。
そう頭では考えるのですが、元々思っている事をすぐに相手に伝えてしまう性格の私はその感情を抑える事が出来ませんでした。
私は車に乗り込んだ長男に向かい、叫ぶように、
「あんたさー、いい加減にしなよ!」
と、怒鳴り散らしました。
長男は完全に顔が引きつっていましたが、そんな長男に向かい、私は意地悪で、
「今日のキャンプなしね」
と、言い追い打ちをかけました。長男は、泣き叫び、
「何で!?行く!!!」
と、泣いていましたが、私は怒りのままに、
「は!何言ってんの!?あんたのせいじゃん!」
「あんたがもたもたもたもたしてるから、キャンプに行く時間に、間に合わないじゃん」
と、長男が全て悪い!と思わせるような言い方で長男を責め続けました。長男は、泣きながら、
「行きたい!!!行きたい!!!」
と、叫んでいましたが、私はそれでも意地悪を言う事を止めずに、白けた感じで、
「行くわけないよね、バカなの?」
と、長男に向かって言い放ちました。長男は、なおも、
「行きたいーーーー。」
と、泣き叫び続けましたが、私は長男に向かい、とても嫌な言い方で、
「おじいちゃんも、おばあちゃんも、あんたのわがままさにびっくりしてたわ!」
「何あの子って言ってたわ!」
(実際は言っていません。優しく見守るように言われていました)
と、私は長男が傷つく言葉を選んで、探して、傷つけよう、傷つけよう、と酷い言葉を浴びせ続けたのです。
傷付ければ長男は悲しみ、良くない行動を改める、それが子育てなのだ、と信じていました。
・・・
帰り道の車内で、その言い合いは永遠に続き、私は運転しながら長男の服を掴み、
「もー、何なの!何なの!何なの!何なの!」
「何が気に入らないの!ねー!ねー!!ねー!!!何が気に入らないのか聞いてるじゃん!」
「ねー!!!答えなよ!言いなって!」
「あんたなんて!・・・あんたなんて!」
と長男を揺さぶってドアに何度も何度も叩きつけていました。 長男は、
「うーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
と唸りながら、目を吊り上げ、泣きながら、歯を食いしばって、小さな体で私に向かってきていました。
完全に精神が崩壊して正気を失っている私は、叫んでいる状態で、主人に電話しました。
主人に、いかに長男がわがままで、祖父母にも迷惑をかけたか、をギャンギャン泣き叫びながら訴えかけたのです。
主人は、
「あなたの今の精神状態は普通じゃないから、とりあえず車の運転をやめて!」
「一旦車を止めて!」
「取り合えず落ち着いて、事故るよ!子供3人乗ってるから!」
「まずは車止めて!!今すぐ車止めて!!!そこから話を聞くから!!!!」
「分かったから!!!!!とにかく、今すぐ車止めろって!!!!!」
と、電話越しに叫んでいました。
後ろに乗っていた次男と娘は静かにその風景を見ていたと思います。
7 夏休み前、姉に送っていたライン
7 夏休み前、私が姉に送っていたライン
2021年7月4日
私には姉が2人います、この時期私はその姉たちに、長男が驚くほど言う事聞かない事、主人にまで食ってかかり、噛みついたり暴れ回ったりする事、長男の反発が酷くて困り果てている事などを相談していました。
私自身も子供への接し方が良くない事は分かっていましたが、日々の忙しさを理由に、子供たちに優しく接する気持ちの余裕がない事を話すと、姉たちは、
「子供なんだから、たまには反抗するんじゃない?」
と言っていました。
私はラインで姉たちに、
「長男の酷い反抗は毎日だよ!」
「これくらいの年齢の子だと中間反抗期ってあるの?こんなに酷いの?正常の子供とは思えない」
「家族がリビングで話をしているだけで、長男が、
『てめーら うるせーんだよ!黙れ!』
『テレビ見てるんだよ、お前ら全員うるさくて聞こえん!別の部屋行け!』
と、言ってくる事。
毎日毎日馬乗りで殴り合いの兄弟喧嘩をしている事。
など、とにかく長男の異常行動の酷さを理解してもらおうと、長男の悪い部分を姉たちに伝え続けました。更に私は、
「3人産んだけど私はやっぱり子供は好きじゃない!それが子供に伝わっているんだ!」
「全然可愛くない!子供なんて煩わしいのみ!」
と、長男の不満をぶちまけ、酷い言葉を言い続けていました。姉は、
「いくつになっても我が子は可愛いものだよ!」
と、私の気持ちを聞きながらもはげましてくれていましたが、私は、【子供がかわいい】と言う気持ちを理解できず、
「ほんとに可愛いの?可愛いという感情が本当にないんだけど・・・」
「【我が子 かわいくない】で何回もネットで検索しちゃってる」
「調べていくと結構いるよ、我が子を愛せない親!」
「産んだんだし、育てなきゃ無責任だし、可愛がらないのは子供が可哀そうだとは思うけど、どうしても可愛くないって思ってしまう」
「産む前に自分がそんな気持ちになる事を分かっていればよかったけど、産まなきゃ分からない事だよね」
「私は子供無理!」
「長男に私のそんな気持ちが伝わって、悲しくて暴れまくるんじゃないかなって思えてきた」
「この前、長男に『お母さんは、僕が嫌い!気持ちが見える』って!」 言われたんだよね、、、」
と長男が聞いたらとても悲しむであろう内容のラインを姉達に送っていました。
・・・
2021月7月22
そんな気持ちで毎日長男に接していると、長男はどんどんと、どけとげしい子になっていきました。
ある日、長男が料理を作っていて、主人が長男が使おうとしていたまな板を先に使ってしまった時の出来事です。
先に長男が使っていたまな板を主人が使ってしまい、長男が、
「僕が使っているのに!」
と怒り出し、主人に向かって、
「あいつが使いやがった!」
「俺がやろうとしてるのに!」
とキレて泣きじゃくっていました。主人を指さして、
「あいつは自己中」
「邪魔」
「うわーーーーーー」
と言い、暴れだしたのです。
そもそもが長男が料理を始めた理由は、私と長男とで言い合いになり、文句ばかり言う長男に自分でご飯を作る様に私が言った事が、事の始まりでした。
そんな長男の態度を横で見ていた主人が、長男のその態度にキレて、手に持っていた食材を床に投げつけていました。
私は毎日繰り返される、この訳のわからない長男の反抗的態度に疲れ果てていて、2人の争いを白けて無視していました。
家庭内の空気は張り詰めていて、とても嫌な雰囲気になっていました。
当時私は姉にラインで、長男への想いを伝えていました。
・性格が悪い
・捻くれてる
・あいつ、やばい
・バカすぎる
・うんざり
・全く我慢しない
・私との相性が悪い
・全然可愛くない!
・親って疲れる
・子育て辛すぎる
などと、長男に対し悪態をつきまくっていたのです。
6 行き渋り前の数か月間の出来事②
6 行き渋りまでの数か月の出来事②
2021年8月
猛暑の夏休み、所属しているスポーツ少年団のサッカーの試合がありました。
長男も私も6月頃からの心のすれ違いと毎日のぶつかり合いで心がすり減っていました。
サッカーの試合中、幼い下の2人を直射日光の照りつける中待たせる事は心配だったこともあり、私は下の子たちを実家に預けました。
下2人を実家に預け、私と2人きりになると、長男は何もわがままを言わず穏やかで優しく、2人でご飯を食べに行くと楽しそう話を沢山してくれて、とても仲良く過ごすことができました。
その日は、夕方から私の友人が子供を連れて家にお泊りに来て、 長男は友人が連れてきていた幼い子どもととても穏やかに優しく遊んでくれていたので、私の友人が、
「長男君、優しすぎるね」
「なんていい子なの!凄い優しい!」
と言ってくれたことを覚えています。
私は長男の激しい反発への解決策を見つけ出すことができず、毎日インターネットで、
【9歳の壁】
【10歳の壁】
【プレ反抗期】
【反抗的な態度になる】
そんなワードを検索し、
え?この反抗は普通なの?
この記事にかいてある9歳の壁なの?
9歳の壁なら一時的なものなんだよね?
と自分を安心させようと、安心出来るような記事を必死に探して読んでいました。
数日後の別のサッカーの大会の日、サッカーが上手な長男は、人数調整で3年枠ではなく、4年枠で出ることになりました。
長男は、
「嫌だ!嫌だ!3年がいい!!!4年なら出たくない!」
と泣きそうになっていて私は長男に、
「そりゃ、3年枠で出たいよねー」
「次からは3年枠にしてってコーチに頼んでみたら?」
と軽い感じで長男に言いました。
試合当日、会場で別の小学校へ行った何人かの幼稚園時代のママに会いました。
試合前の空き時間、私はそのママたちに、
「~君、反抗してこない?うちやばいよ!半端ない!これ9歳の壁なの?皆そうなの?」
「もーーー、滅入るよ」
と、長男が私の横にいる事を気にもせず聞いていていました。
試合が始まり、長男はコーチの指示を聞かず、フィールドの上でほとんどプレーをせずにただ呆然と突っ立っていました。
その姿を見ていた主人も私も、
「あーあ、ついに、コーチの言うことも、聞かなくなったね」
「あの子、4年枠が嫌だからだよね、嫌なこと、本当にしないよね」
「困ったもんだよね」
と、呆れていました。
その頃から長男は全ての行動において異常にに時間がかかるようになっていきました。
顔つきはいつも険しく、目が吊り上がり、扱い辛く、周りに気を使わせる行動が増えていきました。
昔から長男を難しい子だな、と思っていた私は、
「あー、でたでた、まただ」
と呆れていて、私の長男に対する苛立ちは加速していきました。
私の中に、日に日にわがままになる長男に厳しくしなければ、もっと躾けなければ、という親としての想いと、
いい加減にしてよ!どれだけ面倒くさい子なの!という怒りの感情が混在し、頭の中も気持ちもぐちゃぐちゃになっていました。
そんな思いを私は隠しもせずに長男にぶつけ、長男とぶつかる回数がどんどん増えていきました。