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12 主人と長男

12 主人と長男 

 

2021年6月~ 

 

この当時、仕事が忙しい主人は、子供が寝てから帰って来る事がほとんどでした。 

 

主人は温厚で大らかな性格ですが、他人の世界に入り込んで来ない雰囲気の人でした。

 

その当時の主人は、夫婦間で話し合う、助け合うなどをせず、お互いに依存をせずに問題を自己解決しよう、と考えているようでした。

 

例えば・・・私の父親が海外に住んでいた時期があり、私は幼い子供たちと父を訪ねて1か月ほど海外に滞在した事がありました。

 

帰国後、その時の写真を主人に見せても、主人はその写真に興味を示さず、

 

「目の前に子供がいるから、別に写真は見なくてもいい」

 

と言ったりする事がありました。

 

私の主人に対して、共感力に乏しく、ドライな人と思っていました。

 

・・・

 

そんな主人に気を遣い、上手く頼みごとの出来ない私と、自分のペースを崩される事を嫌い、子供たちの事を聞いてこない主人。

 

私は主人に対して「助けてよ」「手伝ってよ」と言う気持ちを持ちながら、それを口に出すことが出来ず、嫌味の様に自分だけで家事、育児を抱え込む様になりました。 
 

主人に当て付けて、「あなたは役にたたないよね!」と言わんばかりに忙しそうに動きまわり、全ての家事育児を自分1人でこなし、勝手にそれに苛立っていました。 

 

平日は主人の仕事が忙しい事を理解していて、それ程イライラしないのですが、主人がお休みの土日になり、主人が家にいると「助けてくれるかも!」と期待してしまい、私の期待を裏切り、助けてくれない主人に不満を抱いている事が多かったです。

 

私はそんな不快感を態度に出しており、土日の家庭内の雰囲気は、張り詰めた空気な事が多かったと思います。
 

・・・

 

長男はお父さんが大好きな子どもで、主人も長男をとても可愛がってくれていました。 

 

行き渋りが始まり、長男の情緒が激しく乱れ始めると、長男は父親に対しても暴言を吐くようになり、仲の良かった2人の関係も崩れ始めました。

 

主人は、長男に注意する際、次男を叩く長男に対して、

 

「そんな事もう止めようね」 

 

「はいはい~ちゃん(長男)もうやめようね」 

 

「どうしたの?」 

 

と冷静に諭すように言う事もあれば、わがままな長男の態度に主人の気持ちも限界になってしまい、大人な対応が出来ずに、 

 

「おい!いい加減にしろよ!」 

 

と叱りつけてしまう事もありました。 

 

時に主人は、私と長男が言い合いになっていても、見て見ぬふりな事もありました。 

 

・・・

 

長男が次男をいじめて次男が泣き、主人が長男に謝るように諭しても、長男は、

 

「ざまーみろ!!!」

 

と言ったり、目にいっぱい涙をためて、それでも主人に負けないようにと、 

 

「はいはいはいはい、すみませんねぇ!これでいい?」

 

「はい、謝りました!これでいいんでしょ!」

 

と吹っ掛けてくる事もありました。

 

主人に叱られたことが悔しくて、何とかして主人が不快になるような言葉を言いたい長男は、主人の方言を馬鹿にし、

 

「は?は?は?は?何ですか?なんですか?」

 

「何言っとるか分らんし、日本語話せよ!」 

 

「この、くそじじい!」 

 

と主人に向かっていきました。 

 

長男は、昔から自分が否定され、注意される事に過度に反応し、話が通じず、注意をすれば暴れ出す子、と私は思っていました。

 

・・・

 

長男と他の家族との関係が悪化していたある日の夜中、寝室で寝ていると、突然リビングから、

 

「うぁぁぁぁぁぁーーーーーーー!」 

 

「うぁあああああーーーーーーー」 

 

「ひぇーーーーん」 

 

と泣き叫ぶ声ような声が聞こえてきて、私と主人は飛び起きました。 

 

リビングへ行くと、長男が1人暗闇の中で、声を振り絞り、唸るような、悲しくて、苦しくて、壊れそうな、そんなふうに泣いていました。

 

両親は驚き、 

 

「どうしたの?」 

 

と長男の背中をさすりましたが、長男はだただ肩を震わせ、唸るように泣いているだけでした。 

 

記憶は曖昧なのですがしばらくすると、長男が私に、

 

「お母さんが次男の横で寝ていたから」 

 

と言いました。 

 

長男は、

 

「寂しい、寂しい、寂しい、寂しい、うゎーーーーーーーーー」

 

と、泣き崩れてしまいました。

 

そんな子供の訴えにも、全てがうんざりで疲れ果てていた私は、溜息をつき、長男に、

 

「次は何?」 

 

「じゃー横で寝ればいいじゃん」 
 

 と、素っ気なく言ったような気がします。 

 

その当時は、自分の中で目覚めている間の全ての時間を、子供達に使っているという感覚があり、私はそれにとても疲れていました。 

 

長男が泣いていたのは夜中でしたが、主人が長男を散歩に連れ出してくれました。

 

散歩に出かけた2人は、出かけてから2時間ほど経った明け方の2時頃になると明るい表情で帰ってきました。

 

私は長男と主人が何を話してきたのかを聞こうとはしませんでしたが、帰ってきた主人は、少しため息をつきながら、私に、

 

「明日のサッカーは休ませてあげてね、朝は起こさずゆっくり寝かせてあげて」 

 

「長男とは色々話はしたけど、まあ、、、」 

 

「俺から見ても・・・貴方は長男の事を嫌っているように見えるよ」 

 

と、私に言いました。

 

私は何も言い返さずに黙って主人の話を聞いていました。

 

・・・

 

主人の言葉の通り、その時期、私が長男を嫌いだったのか?

 

今、どれ程考えても思い出すことができません。

 

嫌いだった、という事も、心底愛していた、という事も本当に思い出せないのです。 

 

そんな私の気持ちは、幼い長男にどう映っていたのだろう?と今は思います。