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310 失敗

310 失敗

 

2022年10月はじめ

 

ここ数週間、私なりに【勇気づけの子育て】を頑張っていました。 

 

次男からの挑発には乗らず、暴言だろうと暴力だろうと何食わぬ顔で受け止め、次男が頑張っている事や、些細な良い行いを見逃さないように声がけをしていました。 

 

学校も、集合時間に間に合わなければ、気分よく遅刻させ、給食後に帰りたがれば一つ返事で迎えに行き、親子で楽しく過ごしていました。 

 

そんなふうに過ごしていると、次男はどんどん暴言が減り、良い表情が増えていきました。 

 

それでも、私が少しでも気を抜くと、今のお母さんは嫌だ、怖かったと言い、泣き出して甘えることもありました。 

 

担任の先生からも、 

 

「立ち歩きや教卓下をゴロゴロしたり、先生にべったりなのは相変わらずだけれど、目を見張るほど、良い方に変化しています」 

 

「給食を手伝う、掃除をしっかりする、そんな日が増え、会話も増えてきました」 

 

「友人とはまだ関わらないけれど、とても良い感じに成長しているように思います」 

 

と連絡をもらっていました。 

 

・・・ 

 

そんな落ち着き始めた日々の中、この日は、朝からの暴言、無理難題が酷く、私はそれにもスルーし、私なりに優しく接していましたが、次男が、 

 

「通学団で行きたい、でもゲームのセーブが出来ていない、もう間に合わない、でも通学団で行きたい」 

 

と泣き、ギリギリ間に合いそうな時刻に走って玄関に行くと、 

 

「この服は嫌だ!」 

 

と激しく泣き始めました。 

 

外では通学団の団長さんが雨の中待ってくれていました。 

 

他の子を雨の中待たせてしまっている事も、私をイライラさせました。 

 

私は、次男は学校に行きたくない気持ちを素直に言えないのかな?と決めつけ、 

 

「学校行きたくないなら、休んでいいんだよ」 

 

と言うと、次男は泣き出し、 

 

「勝手に決めるな!クソが!早く連れてけ!」 

 

と訳の分からない事ばかりを叫び、そんな次男に私はイライラし、次男の気持ちを優しく受け止める事が出来なくなってしまいました。 

 

次男はそのまま、1時間ほど、無言で泣きながら玄関に座っていました。 

 

私も何も言わず、次男から離れていると、次男が、「学校へ行く」と言うので遅刻して、一緒に登校しました。 

 

・・・ 

 

【勇気づけの子育て】のやり方は分かっているのに、自分の感情が邪魔して上手くできない、どうしても、感情的になってしまう、そんな事をM先生に相談すると、先生は、 

 

子供はゆっくり成長し、まだ、自分の気持ちがコントロール出来ません。 

 

少しずつ上手くなるのです。 

 

お母さんは、今何かをできていない子供の姿に、焦る意味も、怒る意味もありません。 

 

子供にとって大切な事は、自分を認めてくれる、自分を信じてくれるという親の眼差しです。 

 

学校に行こうが、行くまいが、そのこと自体はどうでも良い事なのですよ。 

 

子供が学校へ行くか、行かないか、その事に親が無関心で、どうでもよい事、と言っているのではありません。 

 

親は、子供が、自分で決めて、行こう!と前向きに挑戦してしようとしている姿を認め、温かい眼差しと共に、エールを送り続けて下さい。 

 

そんな視線が子供の勇気になります。 

 

子供の心が強くなるのですよ。 

 

お母さんは、今日、上手く、次男に優しくできなかった、と悔やんでいますが、人間は、死ぬまで、ずっと成長し続けるのです。 

 

成長の条件は失敗することです。 

 

失敗は、成功の一部で、失敗が無ければ成長など絶対にありません。 

 

今日のお母さんのしくじりを、悪いこと、と捉えたりはせずに、失敗したから、さらにパワーアップできるな、次は頑張ろう!と捉え、どんどん成長してくださいね。 

 

と、上手くやれない私を励ましてくれました。

 

私は、今日の失敗を、繰り返しませんように、どんな気持ちでいたら、どんな決意をしたら、同じ失敗をしないかな、と考え始めました。

 

その時は、よし、頑張ろう!と思えても、感情に負けてしまう事が多かったです。

 

 

 

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309 ちゃんとする事

309 ちゃんとする事 

 

私の子育てを苦しめていた事は【ちゃんとする】事だと思います。

 

ちゃんと学校に行く

 

ちゃんと集合時間に間に合わせる

 

ちゃんと宿題をする

 

ちゃんと挨拶をする

 

ちゃんと爪を切っている

 

ちゃんと時間になったら寝る

 

ちゃんと自分で何でもできる

 

・・・

 

子供が周りの大人から見て、ちゃんとしている親に育てられた、ちゃんとした子、と思われるように、と私は無意識のうちに、自分がしっかり母親をしている、と評価されるために頑張っていたのではないか、と今は思います。

 

周りからの評価を気にする事をやめ、私の中に当たり前にあった、自分が【ちゃんとする事】子供を【ちゃんとさせる事】を手放すと、子育ては一気に楽になりました。

 

・・・ 

 

子供に、ちゃんとする事を迫るというのは、見方を変えると、周りのペースに合わせて自分を殺せと強要している事かも知れません。

 

そんなふうに思うと、私はずいぶん、子供の自主性を無視して、自尊心を損わせてしまっていたのでは、と考えるようになりました。

 

厳しく接する必要はなく、もっと子供に寄り添う姿勢が自分にあったら良かったのに、と思うようになりました。

 

・・・ 

 

不登校以来、私の中に、疑問が生まれています。

 

周りの大多数が良い、としている事が果たして本当に良い事なのか、実は、みんな同調圧力の、間違った良い事をしていて、周りがみんなしているから、とそれを【良い】と信じ込み、子供に押し付けていないのか? 

 

子供が納得する、明確な理由も説明できず、こうゆうものだから、やるべきことだから、みんなやっているのだからと思い込んではいないのか? 

 

子供の本当の気持ちはしっかり聞いてもらえているのか?  

 

果たして、先生を手こずらせない、ちゃんとした子が本当の良い子なのか? 

 

・・・ 

 

以前の私ならば、

 

「みんなできるのに、何でうちの子は出来ないのだろう」

 

「やりたくないからやらないなんて事は許されるの?」

 

と、思ってしまいそうな、次男の運動会不参加宣言も、

 

みんながみんな同じように、やらなければいけないのか?

 

きっとそんな事はないはず。

 

心の準備が整っていない子は、自分のペースで、いずれ参加できる日がくると、周りの大人が信じて、プレッシャーを掛けることなく待ってあげてほしい。

 

殻を破る準備が出来ていない子供の心を、教員に理解してほしい。

 

子供のペースに寄り添ってほしい、そんな事を強く思うようになっていきました。  

 

 

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308 信じる事

308 信じる事

 

2022年10月 

 

落ち着いている事も多くなってきた次男ですが、穏やかに遊んでいてもゲームを始めると、お風呂、食事、宿題でゲームを中断すると、暴言気味になったり、癇癪のように泣きじゃくる事が多かったです。 

 

M先生からは、とげとげしい言葉遣いは子供の心の悲鳴ですよ、と言われてはいましたが、毎日の事なので、疲れるな、というのが本音でした。 

 

子供たちの学校では、10月中旬に運動会があるのですが、次男は、 

 

「僕は、運動会はやらないよ、行かないよ、休む」 

 

と無表情で、当たり前かのように宣言していました。 

 

入学当初からの、学校や家での次男の様子、長男の不登校の経験から、私の中に、なぜこの子は他の子のように出来ないのだろう?みんなのように、ちゃんとやってほしい、頑張ってほしいという思いはありませんでした。

 

学校に行っているだけで、良し。

 

と思っていたので、運動会をやらない、という次男の宣言に動揺する事はありませんでした。

 

学校に行く事もそうですが、出来る限り様々な事を次男本人がどうしたいのか、本人に決めてもらう事にしていました。

 

自分で決めた事には文句を言わないだろう、と私は思っていました。M先生はそんな私の次男への接し方を、 

 

 

「子供の主体性が高まり、自分への責任感とドライブ感が持てる」 

 

「お母さんが子供を尊重している事も子供に伝わりとても良い関り方ですよ」 

 

「お母さんはまだ、子供が学校に行きたくない事を気にしていますが、義務教育の9年間、引きこもりの子でも、自分を発揮できる場を見つけて、凄い活動をしている子はたくさんいます」 

 

「お母さんは、子供にとって一番大事な、子供を信じることをキチンとやって下さい」

 

「お母さんからの誠意は必ず子供たちに伝わります」 

 

「信じる事だけは、キチンとやって下さいね」 

 

と言っていました。 

 

今思うと、私は次男を信じ、次男を尊重し丁寧に関わるように心掛けていた、というよりも、学校嫌いで、毎日クソつまらない、と言い、行き渋り、遅刻欠席の多い次男に対し、兄のように心をこわし、大暴れされたくない、そうなる前に嫌がる事を無理やり頑張らせるのはやめよう、という思いが強かったと思います。

 

この子は大丈夫!この子を信じよう!

 

という心の余裕はありませんでした。

 

 

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307

307 

 

2022年10月 

 

長男は、家族が寝静まると、毎晩リビングでゲームをしていました。

 

下の子たちを寝かしに行く時、私がどんなに眠くても、長男は毎晩、

 

「お母さん起きてくる?起きてきて!」 

 

と言いました。 

 

なるべく付き合うようにはしていたのですが、どうしても眠たい時があり、 

 

「今日しっかり寝て、明日からまた夜中遊んでーごめんー」 

 

と言うと、以前だと不機嫌になる事も多かった長男が、 

 

「いいよいいよ、眠いよね」 

 

と相手を気遣う言葉が出るようになっていました。 

 

この頃になると、長男はとても穏やかで優しい事が多く、優しい長男の姿を見ると、この子の本来の姿はこれなのだろうな、今までは気持ちに余裕がなく、自分の本来の優しい姿を出す事が出来ず、その姿を見た私からは、わがままだ、面倒な子だ、と言われ続け、辛かっただろうな、申し訳ないな、と私は思うようになりました。 

 

・・・ 

 

次男の学校嫌いと無気力な感じは相変わらずですが、次男は最近【ありがとう】と私の目を真っすぐ見ながら伝えてくれる事が増えました。 

 

寝る前に私に沢山話をしてくれるようになり、 

 

「幼稚園の時は遠足が大好きだったけど、僕、学校の遠足は行きたくないんだ」 

 

と、気持ちを伝えてくれる日が多くなっていきました。 

 

私は子供たちの、マイナスな発言や話にも、 

 

「そうなんだね、そう思うんだね」 

 

とただただ聞き、内容を否定をしたり、子供を納得させるような話し方は絶対にしない、と心に決めて話を聞くようにしていました。 

 

・・・ 

 

【勇気づけの子育て】で子供の悪い部分に目を向けず、相手を尊重する事、良い部分に目を向ける事だけに集中し続けると、子供たちと、とても良い関係が築けるようになっていったのです。 

 

M先生からは、 

 

「信頼関係はすぐに崩れてしまいます」 

 

「お母さんは、誠実に、ひたむきに、一生、今の接し方で子供たちと関わって下さい」 

 

「相手を心から信頼し続けて下さい」 

 

と言われていました。 

 

私は内心、思った事を言葉を選ばず子供たちに伝えてしまうような、デリカシーのない私に、そんなことできるのかな、と自信がありませんでしたが、がみがみ口うるさく、上から叱りつけ、子供との関係が良くなかった以前よりも、【勇気づけの子育て】を試すようになってからの方が、毎日気分が良く、子育ても楽になってきたように感じていました。 
 

 

 

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306 外の空気を吸い始める

306 外の空気を吸い始める

 

2022年10月8日 

 

この日は、年少になった娘の運動会でした。 

 

相変わらず、昼夜逆転の長男でしたが、この日は朝起きていて、娘の運動会に誘うと、 

 

「うん、見に行きたい!」 

 

と言いついてきました。 

 

朝9時に、沢山の人がいる娘の運動会に長男が行くと言ったのです。 

 

・・・

 

娘の幼稚園の運動場には、長男の同級生も沢山いて、長男は数人に会ったのですが平気で話をしていました。 

 

この1年、長男が同級生と関わる事が出来る日が来るなんて、想像する事も出来ないほどの日々を過ごしていたので、私はとても驚いていました。 

 

午後からは近所の子供たちが沢山いる公園で遊ぶと言い、走り回って元気に遊んでいました。 

 

【勇気づけの子育て】をはじめてから、長男はみるみる元気になっているように見えました。 

 

それと同時に、長男は食事も摂れるようになっていき、がりがりに瘦せていた体から、少しずつ体型が元の姿に戻っていきました。 

 

訳のわからないような無理難題を言う事もありましたが、その回数が驚くほど減っていったのです。 

 

心が回復しているように感じ、とても嬉しかったです。 

 

長男は次の日も、お昼から雨の中外で走り回り、私不在で、私のママ友と外食をしていました。 

 

まさに、メキメキ元気になってきた、そんな感じでした。 

 

その日の夜には、突然、 

 

「ボールであそぼー」 

 

と言い、庭で静かにキャッチボールを始め、インラインスケートも、 

 

「もっとうまく滑れるようになりたい!」 

 

と何度も動画を見ながらコツを研究し、練習していました。 

 

そんな話をしているとM先生は、 

 

「体を動かし始めたら最終段階ですよ」 

 

「とても良い兆候だと思います」 

 

と教えてくれました。 

 

長男が元気になると同時に、私も心の底からエネルギーが沸き上がるように元気になっていきました。
 

 

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