2024年5月の記事一覧
295 心を温める事
295 心を温める事
上手くやれない私がもらったアドバイス②
永遠に続くかのように感じる子供との時間は本当はほんのわずかしかなく、子供と深く関われる子育て期間は、子供が中学校に入るまで、その後は、もう、親はなかなか相手にされず、共に過ごす時間は少なくなります。
お母さんが、元気で明るくて、優しくて、親切なら、家庭は全て、自動的に良くなります。
まずはお母さんが自己否定をやめ、明るく過ごして下さい。
子は親の鏡なので、親が良いものを見せて、親が良い人生を歩む姿を見せていれば、子供は親という鏡に反射するように、良い状態になっていきます。
子供は叱られない事で、失敗も恐れなくなり、心から信頼される事で、愛されている、と実感していきます。
長期に渡り、柔らかな子供の感性を痛めつけるように育て、困難な子育てから自分の子育て法が間違っていた事に親がやっと気が付いた。
親は間違いを改めやり方を変えたのに、子供が全然良くならない、何ですぐに良い子にならないのか、なんて事は思うべきではありません。
今まで子供が自信を失うほど、心を傷つけてきたのだから、これからはこの子の心が温まるように接しよう、という思いや、今までの子育てへの反省が足らない人は【まだ】良くならない、と焦りが生じるのです。
子供に向き合う前に、まず、自分の心としっかり向き合い、【やる】と心に決めて進んでください。
【勇気づけの子育て】を粘り強く続けていれば、昨日より今日、今日より明日、良い場面が、増えてきて、気が付けば悪いことが少しずつ減っている。
自然と良い状態を、少しずつ長く保てるようになるです。
親がやり方を変えたからと言って、子供が突然不適切な言動が皆無になる事など、ありえないので、親はいちいち、子供の不適切な言動に落ち込まず、自分がこのやり方だ!と決めた子育て法をぶれずにやり続けて下さい。
不適切な行動は、子供の最後の抵抗なのだと、親が乗り越えるべき壁なのだと、温かく受け止めてあげて下さい。
・・・
いじけまくっている子供は、良い子にしていても注目してもらえなかった経験から、騒いで騒いで注目を得ようと行動しています。
注目をされず、愛されている確信が持てず、不安な子供は、大暴れしてでも、注目を得ようとするのです。
最優先順位として、長男を立ち直らせ、それに大きな影響を受けて必ず次男が良くなっていきます。
不登校中の子は、本当に挫けやすく、とても自尊感情が低いので、油断せず、しっかり愛を注いでください。
不登校児は自己中と言いますが、自己中は、わがままという意味ではなく、認めてほしいという渇望が肥大化し、承認欲求が、強い事です。 とにかく子供を認めてあげて下さい。
幼少期に親から承認されるという経験が十分に満たされていないのですよ。
自分が大事な存在なのだ、大切にされているのだ、愛されているのだ、という実感を持っている子は、集団での適応が高いです。
沢山愛を注ぎ、自己受容が出来るようになると、不安が消え、どんな場面でも適応能力が上がっていきます。
とにかく愛されているのだ、大切にされているのだ、という実感が持てるよう、粘り強く愛を与え続けて下さい。
294 伝え方
294 伝え方
上手くやれない私がもらったアドバイス。
【ありがとう】という言葉はただ言えば良いのではなく、心から【ありがとう】と子供に感謝し、気持ちを込めて、あなたの存在は、有難い、とても価値のあるものだ、という気持ちでいることが相手に伝わってこそ心の奥深くに刺さります。
子供が良い状態になってほしいという下心の元、上辺だけで【ありがとう】と言っていても相手には伝わりません。
生まれてきてくれて、ありがとう。
私の子供に生まれてきてくれて、ありがとう。
そんな言葉を心の底から、魂を込めて、言ってあげて下さい。
今まで親が上から目線だったのに、急に違うやり方をすると、言い方がぎこちなくなってしまうかもしれませんが、だんだん、上手になります。
人間なのだから、何事も器用に全て上手くできる訳ではなく、親も、子供も少しずつ成長したら良いのです。
293 大丈夫という言葉
293 大丈夫という言葉
次男が暴言を吐くと、私はイライラする気持ちと、この子はこんなふうで大丈夫なの?という不安と、不適切な行動に対して、私は親として何を伝え、どう対応したらよいのか分からず、抑え込めないほど苛立ちの感情と、対応を考え思考を巡らせることで、頭の中も心の中もいっぱいいっぱいで、精神的に疲れてしまいがちでした。
それでも、今この苛立ちの感情に負け、子供に酷い事を言ったところで、私が一瞬すっきりしたとしても、後に罪悪感にさいなまれ、誰も幸せにならない。
良い言葉が見つからなければ、とにかく黙って耐えよう、と思いながら日々を過ごしていました。
次男が訳の分からない事を言い始めると「わがまま言わないでよ」と言いたい気持ちを抑え、
「気持ちを教えてくれてありがとう」
と伝えるように心がける。毎回は出来ないけれど、そんな事を続けて行くうちに、次男が、
「お母さんにわがままを言っても怒らないんだ、僕はわがままを言っても良いのだ」
と、安心感を膨らませてほしいという気持ちがありました。
私は、その繰り返しが信頼関係を生むと思っていたのです。M先生の、
「人が人を信頼するのに理由は不要で、信頼を寄せる人を傷つけ、裏切り続ける事ほど辛いことはないはずです」
という言葉から、不登校になるまでの長男と次男の姿を思い返し、私がいかに、息子たちを信頼せずに育ててきたのか、という事を考えさせられていました。
・・・
今、我が家が子供たちにしている子育てを見て、主人は、
「ここまで子供に何も言わずに、自由でいいのか?」
とよく言っていましたが、今のやり方に変えてからの子供たちを見て、以前よりは確実に家族間の関係性が良く、次男の暴言は激減し、長男がとても優しくなったので、もう割り切って1年間は無心で【勇気づけの子育て】を頑張ろう、と言っていました。
・・・
次男の情緒の波が激しく、私は心が折れそうになるのですが、厳しく叱ったりはせず、優しく接していると、暴言や癇癪は以前のようには長引かず、私も頭に血が上るような感情を抱くことが減り、以前のように頭も心ももやもやと苦しくなる頻度が減っていきました。
M先生からは、
「不登校の子供に限らず、大人でも『君ならやれる!あなただったら大丈夫』と信じてもらえると、初めは不安でも、頑張ってみよう!となると思いますよ」
「子供たちには前向きな言葉をかけ続けて下さい」
と幾度となく言われていました。
私自身が、話をする相手が私の気持ちに共感し、
「どーなっちゃうんだろね、不安でたまらないね」
と言われれば、不安になり、信頼している人に「大丈夫、大丈夫」と言われれば、大丈夫な気がしてきて頑張れる、感覚がありました。
それでも、言われる相手が大切で、不登校や次男の不適切行動に対して悩んでいる時は、同じような経験をしていない人や、他人事だからと、無責任に「大丈夫大丈夫」と言われると、何となくもやもやし、不快感を抱くこともありました。
292 頼み方
292 頼み方
長男は不登校から1年経ち、【勇気づけの子育て】を実践し始めると、家族に対する言葉がけがとても丁寧になり、私に食事を頼む時も、
「お母さん、無理ならいいけど、ご飯いいかな」
と聞いてくれるようになりました。私も長男に対して、
「もし無理なら大丈夫だけど、8時30分に下の子が寝る部屋に行った後は、ゲーム機を寝る部屋に持ってこないでほしい、次男が寝る部屋で折り紙とかして遊んでいるから、いいかな?」
とお願いベースで頼むと、
「オーケーオーケー!大丈夫だよ!任せて!」
と快く返事をしてくれるようになり、下の子を寝かし、私が起きていき、長男とゲームを始めると、
「お母さんいつも来てくれてありがとう!ごめんね」
と言う事が増えました。
土日には妹をお風呂に入れてくれる日もありました。
1人で待つことが出来ない次男の帰宅時間に私が不在な事があり、長男に、
「明日、お母さんいないから次男が帰ってくる時間、リビングにいてもらっても良いかな?」とお願いすると、長男は、
「大丈夫だよ、僕に任せてね!お母さんにも事情があるもんね」
と私を助けてくれるようになっていったのです。
・・・
M先生からは、子供にお願いをする時は、相手が断れるようにお願いをするように言われていました。
相手が断れるような頼み方をし、断られたら潔く諦める。
こんな接し方をすることがなぜ必要な理由は、子供との上下のない人間関係を作るためです。
そういう上下関係のない状態では、親だからといって、子供を思いのままにして良いわけではありません。
上から命令され、意に沿わないことを強要されたら、子供は、自分が親から大切な存在として扱ってもらえていない、また、その価値もない、と悟ります。
貢献感という以前に、自分には価値があり、親は、自分を大切にしてくれている、という実感を抱かせてあげる事は、とても大事なのです。
子供に助けてもらう事で、お母さんは助かり、子供たちは、貢献できて、自信を持つ。
そんなふうに、助け合う家族というのは、全ての方面でとても良いのですよ。と教えてくれました。
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相変わらずゲームを中断する時に、酷い暴言を言いがちな次男には、寝室に行く前に、
「今日は次男、お母さんと遊んでくれるかなー、楽しみだなぁ」
とか言いながら、娘と先に寝室に行くと、
「あー、この妖怪倒してからいくね、少し待っててね」
とゲームにキリをつけて、寝室に来る日が増えていきました。
・・・
それでも私は、そんな【お願いベース】のやり方を自然体でしている、というよりも、とても意識してやらないと、元々持っている雑で相手に配慮のない子育て法にすぐに戻ってしまう気がしていて、何とかこのやり方が自然に出来るようになりますように、と願っていました。
291
291
我が家の場合は、不登校初期、長男はギリギリ生きている、という状態まで気持ちが落ち込み、学校も習い事も、食事、お風呂、歯磨き、などの日常生活すら全て放棄した状態に陥ったため、もう失うものは何もなく、今までの子育てを全てリセットせざるを得ませんでした。
それは、悪い事ばかりではなく、手放すものさえなくなり、失うものがない、というのはある意味強みだな、と私は今でも思っています。
・・・
次男は、長男が不登校初期に荒れ狂った様子をしっかり見て、聞いて、1年過ぎた頃、次男自身が同じ事をして、親の反応を見てるようでした。次男の酷く不適切な行動に私が注意をすると、次男は、
「どうして長男だけいいの?」
「なんで、僕はダメなの?」
と聞く事が増えていました。
・・・
毎日繰り広げられる、訳の分からない子供の理不尽な言動に私はいつも挑発され、争いの土俵に上がっていましたが、自分の感情に負けないように頑張らなければ、と思っていました。
それでも、お風呂、歯磨き、起きる、寝る、ご飯を食べる、トイレに行く、その全てのアクションで、突然切れて暴言を吐き、癇癪を起す次男に心穏やかに接する事は、すぐに感情的になる私には至難の業で、なかなか上手くやる事ができませんでした。
そんな私の悩みに、M先生が、
「暴言を吐いたりする子供の言動は、不安の表れなので言葉通りに受け取らず、この子は今何か不安なのだな、と気持ちに寄り添う声掛けをし、心を温めてあげて下さい」
「叱りつけたら何も解決しないどころか、あー、お母さんは僕の辛さを理解してくれない、と信頼関係が崩れていくだけです」
「ネガティブな要素は全廃し、常にプラスの声掛けをして下さい」
「学校に行きたかったらいつでも行けるよ、あなたはどんな事でも出来るよと子供が安心するような声掛けを続けて下さい」
「不安な気持ちも、母親からの、大好きだよ、あなたが大切だよ、あなたならできるよ、あなたがいてくれてよかった、そんな声掛けを続けていれば、薄らいでいき、少しずつ自己受容が出来るようになり、失敗を恐れなくなっていきます」
「良い子たちなので、失敗を恐れなくなれば、とても良い方向へ向かっていきますよ」
「学校に行かせなければならない!などと考えなくて大丈夫です、学校は遊ぶところ、という認識でよいのですよ」
「子供はどの子も本来のとても素晴らしいものを持っています、その持ち味を取り戻す事が出来るように、まずお母さん自身が、ご自身の良さを取り戻して下さい」
「それが最も重要な事なのです」
「子供はどんなにやり方が悪くても、愛があるとそれなりにまとまりますよ」
「無意味に将来の心配をしなくても、どうせ何とかなるに決まっているのだから、しっかりスキンシップを取って、今を大切にすることです」
「とにかく、子供たちを沢山抱きしめてあげて下さい」
「小さい子にとっては、お母さんの温もりが一番の癒しで励ましになるけれど、幼少期母親が温もりを与える事をさぼり、子供の気持ちが満足していないと自立が遅れます」
「もういらない、と拒絶されるほど、沢山抱きしめ、愛を与えて下さいね」
「母親にキツく抱きしめられた子だけが、本物の愛情を知るのですよ」
と、アドバイスをしてくれました。
290 子供の本当の姿?
290 子供の本当の姿?
2022年9月末
長男の情緒が安定し、今まで見た事のないような長男の姿に私が驚き、M先生に、
「長男は、怒りスイッチが入っていない、本来の長男の姿が見えた時に、人に対しての言葉選びが素晴らしく、とても親切で、妹と遊ぶ時も9歳の子がこんなに上手に妹と関われるのか?と思う事があります」
「今まで私が育てにくい、面倒な子だ、と思い込んでいた長男の姿は何だったのか?と思うほどです」
「自分の子供を褒めるのは良くないのかもしれませんが、育てにくいと思っていた長男はとても優しい良い子でした」
と話すと、先生は、
「今、自分の子供を自慢できない親が多すぎますよ、悪口しか言っていません」
「子供があれが出来ない、これが出来ない、ここが気に入らない、そんなふうに子供の文句ばかり言っているのは毒親です」
「親こそが子供を褒めてあげて下さい」
「親が子供に文句ばかり言っている家庭は、遅かれ早かれ、本当に地獄をみますよ」
と教えてくれました。
・・・
私は今までの親主導のやり方を変え、子供を正論で正す事をやめ、子供の気持ちを受け止め、その子が出来ている良い事に着目するよう努力するようになってから、子供の深い部分の胸の内をしっかり見るようになりました。
子供に厳しくする事は良くないと知り、それを止めました。
そして、寄り添う、の本当の意味が少しずつ分かるようになっていきました。
幸せになってほしいと、あれこれ習い事をさせ、何かを出来る様にさせる事を頑張るのではなく、子供が毎日幸せを感じられるよう、その瞬間瞬間、その子の欲してる事を察知しよう、それに全集中しよう、という考え方に変わっていったのです。
・・・
M先生には、
「子供はみんな、持って生まれた素晴らしいものがあります。親の役目は、子供をただただ、愛する事です」
「それだけで十分なのに、親や教師が、ああしろ、こうしろ、これはダメ、あれはダメ、と子供からチャレンジする機会を奪い、気力を奪い、色々なスイッチを切り、やる気やその子自身の考える力を奪い続けた結果、子供は自分自身の人生を生きる事を諦め、無気力になってしまうのですよ」
と教えてもらいました。
289 自己受容
289 自己受容
M先生から、こんなアドバイスをいただいたことがあります。
親が子供に与える影響は大きく、大人になってからも、子育ての現場にそれが引き継がれます。
親自身が、親から受けた影響から脱する事は、人格が変わるほどの苦しみが伴い物凄いエネルギーが必要です。
それでも、自身が今持っている子育てイメージが正しくない、と気が付く事ができたのであれば、ご自身の中で当たり前になっている子育て法を変えるしかないのです。
親が一生懸命頑張っていても、それが必ずしも子供に良い影響を及ぼすわけではなく、親としては悪気などなく、一生懸命、子供のためと思い込んでいても、子供は辛い事があるのです。
親も自分が育てられたやり方しか分からず、育てられたようにしか我が子を育てられません。
やり方を変えるのは、決意と、納得してやれる方法の両方がないと難しいです。
親は、やる、と覚悟を決めて、自身の中に刻み込まれている子育てのやり方を変えるのですよ。
という先生の言葉に、
私は自分が育てられたように、無意識に上から目線で、親主導で子供を育てていたけれど、子育てが困難になった時に、自分が自己受容をして生きているのか?幸せを感じながら生きているのか?と考えた時に、答えはNOでした。
私の今の子育て法では、私のような思考を持った子供が育つのかな、と思うと、それは絶対に嫌だ、と思いました。
長男の不登校から1年ほど経った頃、私はようやく、本当の意味で自分自身に向き合うという事をしました。
私は自己受容が全く出来ておらず、自信がなく不安がとても強い事に気が付いたのです。
何かを決断する事も、自発的に何かをする事も苦手で、常に受け身でした。常に自分の意見に自信がないのです。
その事に気が付いてから、何とか自分を好きになる事が出来るよう、マインドを変えたいと強く思うようになっていきました。
今まで、こうゆうものだから、と何も考えずに、何となく生きてきた中で感じていた不快感が、実は生き辛さだった事も、自分自身が自己受容が全く出来ていなかった事すらも気が付かずに母親になり、気持ちに余裕のないまま子育てをしていたのだと思います。
・・・
M先生には、子育てには、これなら良い、という、ゴールは無く、その時その時の子供の反応を見て、今が最高な状態になる様に、親は常に子供の状況に合わせて子育て方法を更新していくのです。と教えてもらいました。
288 約束
288 約束
長男は完全不登校になってからしばらくの間、家族と特定の親族以外は会う事が出来ず、家からも一歩も出ませんでした。
少しずつ心の安定を取り戻してからも、外出の約束をする事はとても困難で、私は長男と家族以外の人が約束をする事に、とても神経を使っていました。
長男が引きこもり気味になってから1年ほど経過した2022年の9月の時点では、家ではとても元気になっており、笑顔も増え、外出できるかのように見えるのですが、人とどこかへ行く約束をする事が困難な状況は変わっていませんでした。
・・・
長男は昔から私の父が大好きで、2人はよくお出かけをしていました。
先日、長男が祖父に「僕、金閣寺に行きたい!なるべく早く行きたい!」
と、話したようで、姉から「いつなら長男が京都へ行けるのか?」と尋ねられました。
不登校以来長男の睡眠サイクルはぐちゃぐちゃで、旅行を計画しようとしている1か月後に、長男が何時なら起きているのか、私には分かりませんでした。
長男が行くか行かないか、出発時間に起きられるか起きられないのか、それは当日、その時間にならないと分からないのです。
長男は、基本的には自分がどうしたいかよりも、気遣いをして、相手が望んでいる返事をする傾向があるように私は感じており、長男が本当に行きたがっているのか正直分かりませんでした。
姉は、私が事情を話し約束する事を躊躇っていると、
「当日朝起きられなかったら、やめればいいだけの話じゃない?」
と言ってくれるのですが、私は物事を簡単に考える事ができず、いつも、あーなったらどうしよう、こうなったらどうしよう、と長男の情緒の心配と約束した相手に迷惑を掛けたくない気持ちで、心がざわざわしている事が多かったです。
どんなに私が長男に何度も確認してから約束事をしても、長男は当日気分が乗らないと、
「お母さんが勝手に決めた!」
と言い出すので、私は姉に、全て直接長男と祖父で計画を立ててほしいとお願いしました。
・・・
先日も長男は、幼馴染と外出する約束をしていました。
誘われた時には「行きたい」と言っていたのに、約束の時間になり起こすと長男は起きて来ませんでした。
私が「中止にする?」と聞くと寝ぼけながら「行く」と言うのですが起きては来ない、そんな事の繰り返しでした。
友人が約束通りに我が家へ長男を迎えに来てくれている為、長男を叩き起こすべきなのか、幼馴染に事情を説明し、約束はやめにするのか。
友人に合わせ、無理矢理長男を外出させる事によって長男が疲れてしまわないか、という心配や、楽しみに待ってくれている友人に申し訳ないな、という罪悪感にとても神経を使い、約束事をする事がとても嫌でした。
今思うと、不登校が始まった当初、インターホンが鳴るたびに布団に潜り込み、体を震わせて怯え、誰とも会う事の出来なかった長男が、人と約束をしよう、外出をしてみよう、と思えた事はとても嬉しい出来事と捉えるべきなのに、その時の私はまだ、長男の出来ていない事や心配ごとばかりに着目していました。
そんな私の「長男が起きれないかもしれない」「約束を守れないかもしれない」と心配し「この子はきっと大丈夫」と長男を信じていなかった事こそが、長年に渡り、幾度も幾度も彼から自信を奪い続けていたのではないかと思います。
・・・
私は、長男がしんどいから、今の姿になっているのだ、今は無理をさせない様に、という思考を持っているつもりなのに、無意識のうちに、根底の部分では長男の行いが周りの迷惑にならないように、なんとか長男が約束した日は正常でいてほしいと、結局長男の味方ではなかったのではないかと思います。
・・・
長男の本当の気持ちは、今でも私には分かりませんが、この時期長男は、出かけるほどの元気はないけれど、出かけられない自分が嫌で、周りに失望されないように、私に失望されないように「出かけたい」と約束をする。
出かけられる自分になりたいから、約束をするのだけど、当日、その瞬間になると、やはり体が動かない、そしてまた出来なかった自分に失望する、そんな事を繰り返していたのかな、と思います。
287 子供たちの発達障害は本当なのか
287 息子たちの発達障害は本当なのか
【勇気づけの子育て】を始めてから、子供たちの良い変化は目まぐるしく、私は日に日に、
児童精神科での診断名に疑問を抱くようになりました。
以前は、この子たちは自閉スペクトラム症なのだから、仕方がない、と思っていましたが、良い方向へ変わっていく息子たちを見ていると、2人共自閉スペクトラム症と診断名を付けられたけれど、この子たちは本当にそうなのだろうか?
と思うようになったのです。
そう思うようになった1番のきっかけは、長男のこだわり行動です。
長男は小さな頃からこだわりが強く【こうがいい!】という思いの強い子でしたが、ここ最近、それが明らかに緩まっていました。
助手席にしか絶対に座らなかった長男が、後部座席で次男の横に座る。2人で笑いながらゲームをしている。そんな事は我が家では考えられない事でした。
長男の以前のさまざまなこだわり行動は、実はこだわり行動ではなく、
「お母さんに僕の主張を聞いてほしい!」
「そっちが聞かないなら、こっちも聞かないぞ!」
というアピールだったのかもしれない、そう思う時がありました。
・・・
以前長男は、次男の触った物は汚いと言い、ふれる事も嫌がるほど次男を拒絶していた時期がありました。
そんな長男がある日、次男の残した物を「これ食べて良い?」と食べた事があり、それを見た時の私の衝撃は相当なものでした。
・・・
児童精神科は子供の【発育歴】や【現状】の不適切な行動だけを見て、この子は発達障害です、と診断名を付ける医師がいるけれど、本来大人が考えなければならない事は、【なぜ】子供が今の姿になっているのか、どんな【目的】のために今の不適切な行動をしているのか、そこを考えていく必要があるのではないか?と思うようになりました。
以前M先生が、次男は小さな頃から兄からバカにされ続け、酷くいじめられていた影響で、不安が強く、自信のない子になっているだけ、と言った事と繋がる気がしました。
もし、今の姿が、恐怖心や不安からくるものであれば、この子から恐怖心を取り除き、心底安心できる環境で生活させたら、この子は全く違う姿に生まれ変わるのではないか、その姿を見た医師は、発達障害とは診断しないのではないか?と思うようになったのです。
286 科学館
286 科学館
2022年9月14日
行き渋りが酷く、学校に行きたがらない次男と何とか楽しい時間を過ごそうと、この日は市の科学館へ行く事にしました。
学校をお休みする事を決めると、次男は一気にご機嫌になり、朝から妹の着替えを手伝い、トイレにも付いて行き、おしり丸出しで走り回る妹のパンツを持って妹を楽しそうに追いかけ回していました。
次男は娘が幼稚園に行くまで、とても優しい声掛けで、一緒に遊んでくれていました。
・・・
科学館に着くと、すれ違った係員さんにとても大きな声で元気に「こんにちは」と言っていて、次男は見るからに気分が良さそうでした。
次男は帰りの車の中でもずっとハイテンションで喋り続けていました。
そんな子供らしい次男の姿を見て私は、この子は環境さえ整えば、今私がこの子に持っている、臆病な子供のイメージは消え、明るく、活発な子になるのではないか?と思うようになりました。
この日科学館に行き、弾けるような笑顔で過ごす次男を見て、私は、次に次男が休みたいと言った時はどこにいこうかな!と次男が「休む」日が少し楽しみになりました。