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2023年12月の記事一覧

117同じ学校の幼馴染に会う

117 同じ学校の幼馴染に会う 
 
 

12月下旬 

 
 
別学区の友人と遊ぶようになり、楽しみができると、長男は日に日に回復しているように見えました。会う勇気がなく、会えていない同じ学校の幼馴染に「会ってみようかな・・・」と言うようになりました。 
 

 

何度も迷い、

「会う」 

「やっぱり、無理」 

「んー、会いたい」 

「・・・でもな・・・」 

「遊びたいけど、同じ学校だからな・・・」 

「どうして休んでいるのって言われるかな?」 

と、いつもぶつぶつ呟いていました。 
 
 

 

何日も何日も悩み、ある日、

「僕、遊んでみる」 

と言い、遊ぶ事になりました。 
 

 

親友が、16時頃来る予定だったので15時半に起こしましたが、体が動かず、なかなか布団から出る事ができません。

 

10分程経ち、少しずつ少しずつ体を動かし、布団から出た時には、親友は既にリビングにいました。 

 

長男は親友のいるリビングに入る事が出来ず、寝室からリビングに繋がる廊下を行ったり来たりウロウロしていました。 

 

 

私が、

「もう、友達来てるよー」

と声を掛けると、 

 

長男は、

「お母さん、僕、分かってるよ、心の準備してるの、少し待って」 

と言い、しばらくウロウロと落ち着きなく歩いていました。 
 

 

長男は自分のタイミングで、何とかリビングに入り、すぐにソファに置いてある布団で全身を覆い、隠れてしまいました。 
 

 

親友はそんな事はおかまいなしに、長男に向かって、

「このゲーム、やり方分からない」 

「ちょっと!潜ってないで早く教えて!」 

「あれ、Wi-Fiのパスワード教えてよ(笑)」 

と言いながら、話しかけてくれていました。 

 

 

前回の友人の時と同様、少しずつ少しずつ話し始め、ゲームを始めると2人は盛り上がって遊び始めました。 

 

親友が帰宅すると、長男はテンションが上がり、私と、次男とすごろくで遊び始めました。嬉しい感情を抑えきれない様子で大はしゃぎでした。

 

夜、長男は少し表情を変え、私に、 

「あー、僕、めちゃくちゃ学校休んでるなー」 

「学校で、毎日折り紙折ってたなー」 

「なんだか、折り紙折りたくなってきたなー」 

と言い、 

「けど!まだ学校は休む!」 

と言いました。 
 

 

それから、しばらくの間、2人で折り紙を折りました。 
 

 

私は、 

「大丈夫、頑張り過ぎていたから、疲れたよね、心が元気になるまで、しっかり休んだらいいよ」 
と、言いました。 
 
不登校が始まった頃のような険しい表情になる事が少なくなり、少しずつ、少しずつ、心が満たされてきている気がしていました。 

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116 久々に友人に会う

116 久々に友人に会う 
 
 

12月になると、息子は完全昼夜逆転になっており、朝6時頃まで動画を見て寝落ちし、夕方5時ごろ起きてくる生活でした。

 

 

友人には誰にも会う事が出来ず、いつも、

「僕はぼっちだ、誰もいない、独りぼっちなんだ」 

と言っていました。 

 

 

「サッカーをやりたい、友人に会いたい」 

と、言うものの、 

 

「知っている子には絶対に会いたくない、遠出もしたくない」 

と、相変わらず引きこもりでした。 

 

行き渋りが始まった不安定な頃に遊べていた、別学区の親友にも、2か月以上会う事が出来ませんでした。 

 

何度も誘われていたので、それを伝えると、顔が曇り自室にしばらく、こもりました。 

 

12月中旬、息子がその友人と遊びたい、と言い出しました。

 

連絡を取り、すぐに遊ぶ事になりました。

 

友人が家に着くまで、長男は緊張した様子で家中をウロウロし、落ち着きなく歩き回っていました。

 

始めは緊張していたものの、ゲームを始めるとすぐに打ち解け、以前の様に仲良く遊び始めました。 

 

その日から、ほぼ毎日、その友人と遊び、息子はその時間だけが、 

「生きていて、楽しいと感じられる時間」 

と、言うようになりました。 

 

 

次男は一緒に遊びたくても、

「遊びたいけど、どうせ、入れてくれない」 

「僕は、一緒に遊んではいけないんだ」 

と言って、部屋の角にお山座りをして、楽しそうに遊ぶ兄たちを見ながら、無表情で、1人でゲームをしていました。

次男は、全ての事に極端に自信がなく、人とのコミュニケーションがうまく取れませんでした。 
 
 

 

長男は、昼夜逆転している為、友人が来る16時頃は、まだ寝ている事が多かったのですが、「友達が来るよ」と声を掛けると、すっと起きてきました。 

 

友人が帰る時は、ウロウロ玄関を歩き回り、下を向き、今にも消えてしまいそうな小さな、自信なさげな声で、

「また、遊びたいな」

と、伝えていました。

 

息子なりに精いっぱい頑張り、緊張して話している事が伝わってくる話し方でした。

 

 

友人が帰った後は、誰の目から見ても分かる程、表情が柔らかくなり、元気になり、家族にも優しく接するようになりました。

 

心が満たされれば、人は優しくなるのだ。という事を毎日、目の当たりにしていました。

 

別学区の親友には会えるようになりましたが、同じ学区の幼馴染の親友に、会う事はできませんでした。

 

何度も何度も誘われていましたが、

「遊びたいけれど、同じ学校だから、会いたくない」

と言い、断っていました。 

 

 

学校に行っていなくても、部活へ行けたり、友人に会えたりする子がいると聞いていました。息子の不登校の症状は、年齢の割には、なかなか酷い状態なのではないか?と思うようになりました。

 

どうしてこんなに人に会う事に憶病になるのだろう?

 

私には、息子の気持ちは理解できませんでした。

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115 実家近くの物件を見に行く

115 実家近くの物件をみに見に行く 
 
 

2021/12月頭 

 
 
息子が、

「引っ越したい」 

「ここは嫌!」 

と、何度も何度も訴えるので、実家近くの物件を探しました。

 

実家に近く、部屋数もあり、これなら、何とか住めるだろう、という物件があったので長男も連れて、家族で見に行きました。

 

行き道に雨が降っていて、到着する時には雨が止み、今から見に行く物件の上に虹が2本かかっていました。

 

今まで見たこともないような、くっきり、はっきりとした虹でとても綺麗でした。

 

 

主人が、 

「何この虹、もう引っ越せって言われてるね、決めちゃうか」 

と言いました。 
 

 

私の気持ちは、

・もう1人で全て回していくのは精神が限界 

・楽になりたい 

・長男も次男もフリースクールがいい 

・遠方のフリースクールの送迎を考えたら、娘もいるので実家近くしか物理的に無理 

・引っ越せば息子が外へ出られる 

と思っていました。 

 

 

姓名判断をしているハンコ屋さんにも、家の方角が良くないと言われたし、家の査定も出したし、

「もう、引っ越そう!」

と、私の中で決心が固まっていました。 
 

 

長男は寝ぐせがつき、表情が見えない程に伸びた髪で、ガリガリに痩せ、ズボンがずり落ちてしまうのを、何度も直しながら、その物件の中へ入っていきました。 

 

 

主人が不動産会社の人と話をしていました。 

 

長男は玄関から入ってすぐの部屋に行き、私に向かって、 

「なにここ?」 

と言いました。 
 

 

私は、 

「ん?」 

「引っ越したいと言ってたよね?ここに引っ越そうかと思っているよ」 

「どう?」 

と聞くと、

 

 

長男は、 

「嫌だ、ここは嫌」 

「引っ越すのはいいけど、ここには住まない、住みたくない、絶対に嫌」 

「もう、車に戻る、連れて行って」 

と言いました。 
 

 

私は、主人に長男の言葉を伝え、車に戻りました。 

 

主人は、 

「全て、長男の言う事を聞く。そうすると決めたのだから、彼がダメと言うならダメなんだよ。仕方ない、シンプルにいこう。何も深く考えなくていい、彼の言う事を聞く、そうすると決めたんだよね?また引っ越したい、と言い出したら、その時考えよう。」

 

そう言って、それ以降その物件の話はしませんでした。 

 

 

引っ越して、少しは楽になる、と思っていた私は、

「あ、やっぱり今の生活から抜け出せないんだな」 

「結局、このままなんだ、私1人で手のかかる3人をどう面倒見ていこうか」 

と、少し落ち込んでいました。 

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