117同じ学校の幼馴染に会う
117 同じ学校の幼馴染に会う
12月下旬
別学区の友人と遊ぶようになり、楽しみができると、長男は日に日に回復しているように見えました。会う勇気がなく、会えていない同じ学校の幼馴染に「会ってみようかな・・・」と言うようになりました。
何度も迷い、
「会う」
「やっぱり、無理」
「んー、会いたい」
「・・・でもな・・・」
「遊びたいけど、同じ学校だからな・・・」
「どうして休んでいるのって言われるかな?」
と、いつもぶつぶつ呟いていました。
何日も何日も悩み、ある日、
「僕、遊んでみる」
と言い、遊ぶ事になりました。
親友が、16時頃来る予定だったので15時半に起こしましたが、体が動かず、なかなか布団から出る事ができません。
10分程経ち、少しずつ少しずつ体を動かし、布団から出た時には、親友は既にリビングにいました。
長男は親友のいるリビングに入る事が出来ず、寝室からリビングに繋がる廊下を行ったり来たりウロウロしていました。
私が、
「もう、友達来てるよー」
と声を掛けると、
長男は、
「お母さん、僕、分かってるよ、心の準備してるの、少し待って」
と言い、しばらくウロウロと落ち着きなく歩いていました。
長男は自分のタイミングで、何とかリビングに入り、すぐにソファに置いてある布団で全身を覆い、隠れてしまいました。
親友はそんな事はおかまいなしに、長男に向かって、
「このゲーム、やり方分からない」
「ちょっと!潜ってないで早く教えて!」
「あれ、Wi-Fiのパスワード教えてよ(笑)」
と言いながら、話しかけてくれていました。
前回の友人の時と同様、少しずつ少しずつ話し始め、ゲームを始めると2人は盛り上がって遊び始めました。
親友が帰宅すると、長男はテンションが上がり、私と、次男とすごろくで遊び始めました。嬉しい感情を抑えきれない様子で大はしゃぎでした。
夜、長男は少し表情を変え、私に、
「あー、僕、めちゃくちゃ学校休んでるなー」
「学校で、毎日折り紙折ってたなー」
「なんだか、折り紙折りたくなってきたなー」
と言い、
「けど!まだ学校は休む!」
と言いました。
それから、しばらくの間、2人で折り紙を折りました。
私は、
「大丈夫、頑張り過ぎていたから、疲れたよね、心が元気になるまで、しっかり休んだらいいよ」
と、言いました。
不登校が始まった頃のような険しい表情になる事が少なくなり、少しずつ、少しずつ、心が満たされてきている気がしていました。