144 自分の物を奪われる事は不安?
144 自分の物を奪われる事は不安?
長男は自分の物を触られる事を嫌がり、自分が常に優先されていなければ落ち着かない子でした。
私はそんな長男の事をわがままだ、と捉えて、私の思う正解の道へ正そうとしてきました。
不登校を期に発達障害を知り、この子には特性があるのだ、と考える様になりました。
それでも、長男の気持ちが落ち着いたら、この子のギスギスした、難しい性格は少しは治るかも、と期待したり、子供なんてこんなものなのかな、よく分からないな、と思ったり、私はいつも、正解のない答えを探し、未来を不安視し、ああでもない、こうでもない、と思考を巡らせていました。
とにかく、何もかも全て、よく分からない!
私はこの子達に、何をしたら良いか、どうすべきなのか、そんな事ばかり考えていました。
悩んでいた課金キャラは、主人が保有していたポイントで長男にプレゼントしたようでした。
主人も、課金はエスカレートしないのかが心配で、購入を迷い、お金を使うのではなく、「残っているポイント分は買ってもいいよ」としたそうです。
1つではなく、何個かダウンロードしたようでした。
長男は購入したキャラを家族の誰にも使わせる事が出来ませんでした。弟には勿論、主人にも絶対に使わせません。
私は、その姿はとても長男らしいな、と思いました。「あー、この子らしい」減るものじゃないのに、【これは自分の物】と言うものに触れられる事を、幼い頃から異常に嫌がる子でした。
わがままとは、違う、独特な雰囲気で、長男の物は、長男の聖地?みたいな、絶対に触らない方がいい、面倒な事になる!みたいに考え、先に止めておく癖が、私には身についていました。
担任の先生から誕生日カードをもらい、激しく不安定になり、全ての友人に会えなくなってから、もう、1ヵ月近く経っていました。何度か友人から誘われましたが、一度も「遊ぶ」とは言わず、顔が下を向き、無反応で「NO」を伝えてきました。
2月の末、長男が「親友と遊びたいな」と言い、連絡すると、すぐに来てくれました。
そこでも、やはり、課金キャラを友人にも貸せません。
友人との間で嫌な空気が流れます。
それでも、長男はどうしても貸すことが出来ませんでした。
私は、せっかく、遊べたのに、また遊べなくなってしまうのではないか、そんな想いで、冷や冷やしていた覚えがあります。
子供達はそれでも、楽しそうに遊んでいるように私には映りました。
それなのに、長男は、また、この友人に、会えなくなりました。理由は分かりませんが、友人が遊びたがっているよ、と伝えると、笑おうと頑張っているのは伝わるのですが、明らかに顔が引き攣っており、返事をしなくなりました。
再び遊べたこの日から、また、10日間、長男は親友に会えなくなりました。
一体私は、何を、どうしたらいいのだろう?