16 完全不登校までの42日間の事④
16 完全不登校までの42日間の事④
行き渋りが始まり、長男が家族に対して無理難題や暴言を言い、暴力を振るうようになると、家庭が張りつめた空気になり、1日1日を過ごす事がとても大変になっていきました。
私は心の中で、子育てがこれほど大変なら、子供なんて産むんじゃなかった!と思ってしまうほど、この時期、心がすり減る出来事が日に何度も起こりました。
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2021年9月中旬
行き渋りが始まってから毎朝、私は長男は今日は学校へ行くのか、行かないのか、と不安になりました。
学校に行く場合でも、朝家を出るその瞬間まで私に無理難題を言い続けるので、私は神経をすり減らして過ごしていました。
その日の朝は長男が、
「お母さん、僕、力が出ないからリビングまで引きずって!」
と言い、私が長男の体を引きずってリビングまで連れて行きました。
長男の重い体を引っ張って、やっとの思いでリビングに着くと、長男は走ってまた寝室に戻っていきました。
私はもう一度寝室へ行き、再び長男の腕を引っ張り、引きずってリビングへ連れ戻す、それを何度も何度も繰り返し、長男がやっと寝室に逃げ帰らなくなった、と思ったら次はリビングで学校の文句を言い始めました。
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暫くすると長男は、ソファで寝ながら朝食を食べ始めました。
私が座って食事をするよう促すと、長男はそれなら食べない、と言い食事をやめてしまいました。
こんな時、私はどう長男に声掛けしたら良いのだろう?
いいよいいよ、食べてくれるなら寝ながらでも何でもいいんだよ。
いいよいいよ、学校行ってくれるなら何してたっていいんだよ。
そんな甘やかしの言葉をかけて良いのだろうか?
私はどんな声掛けが正解なのかな・・・と頭の中で毎朝何パターンも考えるのですが、結局、何が正解なのかを見つけ出せないまま毎日を過ごしていました。
私はソファで食事をする行為自体をやめさせたい訳ではなく、それをよしとする事で、この子は行儀の悪い、非常識な子になってしまわないのかな?
なんでもいいよ!と全て許す事で、わがままな子になるのではないか? と心配していました。
学校に行かせる事に集中して、躾ける事をやめ、長男の思い通りに生活させることは果たして正解なのだろうか?
私はそんな事ばかりを考えていました。
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私の気持ちも乱降下し、
まぁ、行かないでいいか、思う存分休めばいいや!と思おうと思える日もあれば、漠然とした不安に押しつぶされそうになり、学校に行けなくなった原因は私の育て方なのかな?と原因を知りたくて仕方なくなる時もありました。
それでも私は「どうぞ!好きなだけ休んでね!」と覚悟を持って言う事が出来ず、学校に行きたがらない長男を毎朝頑張って起こしていました。
私の中で休ませよう!という選択肢はなく、この子はどうやったら学校にいくようになるのだろう、ばかり考えていました。
あー、不登校なんて気のせいだったな、と私の不安を取り除いてほしかったです。
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その望みが叶う事はなく、長男の物事の捉え方は日に日に捻くれていきました。
長男の親友が長男と遊びたいみたいだよ、と伝えても、
「俺はあいつらのおもちゃじゃない」
と言ったり、 学校の先生は、生徒の為に色々言いたくない事も言ってくれているんじゃないのかな?と伝えても、
「仕事なんだから、お金貰いたいだけでしょ」
と捨て台詞を吐いたり、
次男が買ってもらったおもちゃを父親に見せたくてワクワクしていても、
「お前自慢したいだけでしょ、嫌なやつだね」
と捻くれた捉え方をする事が多くなっていきました。
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私としては、難しい長男を特別構いし、愛情を沢山掛け、いつも次男を我慢させている感覚でいましたが、長男は、
「お母さんは弟と妹と話す時と、僕と話す時の態度が全然違う」
「僕にだけ優しくない!」
と、不満をよく言っていました。
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この時期長男は、朝私が声を掛けると、「行くわけねーだろーが」と私を睨みつけ、何とか行く支度が出来たとしても、出発時刻になると腹痛でトイレに籠るようになりました。
私が学校へ行かせることを諦め、学校に休む連絡をすると長男が元気になるので、私は長男のお休みを、「こんなのずる休みじゃん!」と感じてしまいました。
長男が学校へ行かないという不安もあるし、元気な子供と1日中一緒にいるのが疲れる、という苦痛もありました。
この時期の長男は喜怒哀楽が異常に激しく、些細な事でも注意をすると、途端に人格が変わり暴力的になりました。
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どんどんと悪化する長男の様子を見ていると、私は、この子はこの先どう育ち、どんな大人になるのかな、ととても不安な気持ちになりました。
同じ時期、次男の情緒もどんどんと不安定になっていきました。
私を手あたり次第殴り、僕も幼稚園には行かない!お兄ちゃんだけお休みしてずるい!と大泣きしたり、些細なきっかけで暴れまわる様になっていったのです。
元々器用に感情表現をする子ではありませんでしたが、以前にも増して、周りとの交流が消極的になっていきました。
次男は私と2人きりになると、子供らしく優しく明るい子でしたが、だんだんと子供らしさを失い、無気力で暴力的になっていったのです。