216 デイキャンプにて
216 デイキャンプにて
2022年7月
長男が生まれて、赤ちゃんの頃からずっと仲良くしている3家族と、近場でデイキャンプをしました。
次男の無気力、無表情はどんどん悪化していました。
まず、ゲームをする時間が無くなる、という理由で、外出を嫌がりました。 私が、
「バーベキューだよー」
と誘っても、次男は、
「何で行かなきゃいけないんだ!」
「勝手に約束しやがって」
「行くな!」
「行きたくない!」
「ゲームが出来ない!」
そんな事ばかり言っています。
長男は長男で、
「うん、行くよ」
とは言うものの、顔は全く晴れず、相変わらずゲーム画面をずっと見ています。
娘だけは、ウキウキし、お出かけを楽しみにしていました。
・・・
集合場所に着きました。
長男次男は車から降りません。
他の子供たちは元気に走り回り、支度を手伝っています。私は、
「あーあ・・・」
「もー・・・・」
そんな気分でした。
・・・
デイキャンプの準備をしている間、長男がゲームをしており、走り回って遊んでいた子供たちがゲームをする長男の周りに寄って来て、みんなの遊びが止まりました。
私は、折角自然の多い場所に遊びに来ているのに、ゲームに釘付けになっている子供たちを見て、
長男のせいだな、申し訳ないな・・・
と思いました。
長男に、冷たい言い方で、
「ゲームやりたいなら、家にいたら良かったじゃん」
「何でくるの?」
と、小さな、白けた声で呟きました。
元々晴れていなかった長男の顔が、更に曇りました。
一緒に来ていたママは長男の事情をよく知っているので、
「いいのいいの、好きな事していたらいいんだって」
「来てくれてありがとうね」
と長男に言ってくれていました。
元気はないものの、長男は何となく、皆に紛れて遊んでいる時間もありました。
・・・
問題は次男でした。
私の横から全く離れません。
詰まらなそうに、ずっと私の横で、無表情で座っています。
誰とも関わりません。
何が気に入らないのか、
「ねー、何時に帰るの?」
と少し前に海へ行った時同様、帰る時間ばかりを聞いてきます。
「もう、帰りなよ」
「送って行ってあげるって」
と、私は言い、まとわりついてくる次男の腕を振り払いたい気持ちでいっぱいでした。
・・・
皆で食事を始めると、次男の様子がまたおかしくなりました。
次男は誰によそってもらったのか、お米の入ったお皿を持っていました。
それを不注意で落としました。
明らかに下に落としているのに、次男は全く反応しません。私が、
「落ちちゃったよ」
と言っても、反応がありませんでした。
感情の全くないロボットの様に座っているのです。
しばらくすると、次男は私に、
「ごはんがない」
と言いました。
私がご飯を紙のお皿によそおうとすると、
「あーーーー、やめて」
「お母さんが触った」
「お母さんが触った」
「食べれない!」
と言います。
私が、
「新しいお皿に入れるね」
と新しいお皿を用意しても、
「お皿触った」
「何するんだよ!」
「触ったから食べれない!」
と、訳の分からない事を言うのです。
あーーーー、始まった・・・
人の触ったものを全て拒否し、それでも「お腹が空いた」と言い続けるいつものやつだ。
・・・
長男は楽しく遊ぶ子供たちの中で、冴えない顔をしてゲームしているし、次男は訳の分からない事を言っているし。
なんなんだよ、うちの子達は。
・・・
長男の事をよく知っているママが、
「長男君、様子おかしいね」
「分かる分かる」
「目つきが違う」
と言い、
「気にしないでおこう!」
と私を励ましてくれていました。
もう一人のママは次男に、
「これ食べな!」
と次男の好きなおやつを渡してくれていました。
・・・
次男はこの日、誰とも関わらず、私以外の誰とも話さず、一度も笑いませんでした。
・・・
長男は家で「元気になった、回復してきた」と思い外に連れ出すと、大体こんな感じで、元気がなくなりました。
・・・
私はこの夏、何をしていても、今日は長男次男の情緒が安定しているのか、不安定なのか、2人の様子を観察し、神経をすり減らしながら過ごしていました。