158 入学式の次の日
158 入学式の次の日
2022年4月7日
入学式の次の日、次男は早い時間に起きてきました。
緊張している様子でしたが行きたくないとは言いません。
我が家から集合場所までは50メートルほどです。初日なので、私は集合場所まで着いて行きました。
1年生は列の先頭に並び、6年生のお兄さんと一緒に通学します。
次男は先頭の列へは行けません。
列から離れた場所で私にしがみついていました。体はガチガチで顔は完全に無表情です。
集合場所でサヨナラできるかな?と思っていましたが、とても無理そうなので、学校まで着いていきました。
正門まで行きバイバイしようとすると、私にしがみつき一緒に帰ろうとしています。
「じゃー、下駄箱まで!」と下駄箱まで行きました。
そこでもバイバイできず、結局教室前まで行きました。
私はランドセルを少し押して、席へ着くよう促しましたが、体が完全に固まり本当に動けない様子でした。
私は次男の肩を摩りながら「緊張するよね、大丈夫だよ」と言い、席まで送っていきました。
その後、私は先生に目配せをして教室を出ました。
次男は椅子に座ることができず、ランドセルを背負って黄色い帽子を目深くかぶっていました。
机と机の狭いスペースで、背負ったままのランドセルの背負い紐をギュッと握りしめ、ペチャンコ座りをしていました。
私は次男を先生に任せ、教室を後にしました。
その日は在校生のクラス発表の日です。
次男の教室を出た後、長男のクラス発表を見に行きました。
4年生の下駄箱前にクラス名簿が貼られていました。
名簿を見ると、ほとんどの子が長男の幼稚園時代からの友人、サッカーで繋がりのある仲が良い子達でした。
学校側は、長男が再登校しやすいクラス編成にしてくれているようでした。
3年生の時の主任先生がおり、私が、
「担任の先生は誰ですか?」
と聞くと、主任先生は、
「担任の先生はこれから発表なので言えません、担任と話がしたい場合は午後、生徒が帰宅後に電話をして下さい」
と言いました。
我が家は元々子供が沢山遊びに来る家で、私は子供たちと面識がありました。
4年生の下駄箱前で長男の友人が、何人も何人も私に手を振ってくれました?
「長男、元気?」
「いつ来る?」
「家行っていい?」
そんな会話に私は、
「元気だよー」
「いつ来れるかなー分からなーい」
「長男が家に来ていいって言ったら、いつでも来ていいよー」
そんなふうに返答し、子供たちにバイバイをして正門を出ました。
あー・・・。
正門を出て、両手で顔を覆い、吸えるだけの空気を吸い、ふーっと吐き出しました。
吐き出す息と同時に涙が溢れ出し、止まりませんでした。
無邪気で元気な子供たちの笑顔は、私の心を苦しくさせました。
どうしてうちの子だけ、なんでだろう?なんで皆あんなに元気なの?
家で寝ている長男の現状の姿、次男の今日の様子、色々な映像が脳裏によみがえり、とても不安で複雑な気持ちになりました。
「新学年になると、急に行けるようになる子がいるらしいよ!」と聞いていたけれど、長男は新学年になっても行けませんでした。
変わらず昼夜逆転のまま。
情緒は不安定でゲーム、動画三昧の日々です。
あの子はまだ、9歳なのにな・・・。
その日は、娘の幼稚園の入園式でした。
今から気持ちを切り替えて、元気に娘の入園式にいかなくちゃな!