63 困難のある子に詳しい先生との出会い
63 困難のある子に詳しい先生との出会い
以前中学校で支援員をしていた友人が不登校の事を知り声を掛けてくれました。
友人:
「凄く良い先生がいるよ!」
「以前は学校で先生してたけど今は講演会とかもしてるよ」
「確か自分で学校立ち上げてるはず!」
「フリースクールじゃないかなーーー」
私:
「電話してみる!」
「ありがとう!!!」
すぐに電話しました。
先生に長男の今の現状を話ました。
電話越しにもにこやかなのが伝わってくる物腰柔らかなその先生は
「そうなんですね」
「お母さんはご自分を責めないで」
「うちは世間一般的なフリースクールとは違います」
「不登校児、発達レインボーゾーンの子達を支援しています」
「今学校に行けなくても良いですよ」
「全く問題はありません」
「中学も自由な学校がありますよ。ただ電車通学な為、通う事がストレスになってしまう子もいます」
「選択肢はいくらでもあります」
「義務教育を受けなくても高校からスイッチが入れば数か月で9年間全て取り戻せます」
「9年間全く学校へ行かなくても社会に出ている子はいくらでもいます」
「うちに来ている子達も、もう学校には行かないと決めている子は沢山います」
「皆とても元気に通っていますよ」
「通信高校を受けたり、選択肢はいくらでもあります」
「僕自身も不登校でした」
「大丈夫です」
「うちは完全個別です」
「料金は1時間4950円です」
「その子の得意、抜きんでたものを探します」
「ただ、お陰様で今は3年待ちです」
「不登校枠ならもう少し早くご案内できるかもしれません」
「僕との相談は初回は無料。次からは30分3000円です」
「ゆっくり自立していけば良いのです」
「30歳位までに自立を目指し援助しています」
「一度お話ししに来ますか?」
先生は有名な大学を卒業後、発達障害療育センター、学校教員をされていました。
私:
「行きます」
後日相談に行きました。
電話での印象通り、先生はとてもニコニコしていて穏やかな方でした。
私は今までで一番安心して長男の現状を話しました。
私:
「暴力も酷いです」
先生:
「大丈夫ですよ。慣れています。」
「支援に行ったら廊下が血まみれ、運転しているお母さんを後ろの席から羽交い絞めにして首を絞めている、そんな現場はいくつも見ています。慣れています」
私:
「え・・・ではうちはそんなに酷くないですか?」
先生:
「酷くないかは・・・ん・・・でも、色々なご家庭があるのは確かです」
「話を聞いている限り、長男君は過剰適応な気がします」
「本人に面会してないので断言出来ませんが、必要以上に適応してしまう」
「求められている自分を演じ過ぎてしまうのです」
「通常の子が80%の力で出来る事を150%頭をフル回転している」
「もう、くたくたになってしまうんです」
先生が説明する過剰適応の子の症状は長男そのものでした。
・宿題が終わっていなければ学校へ行けない
・遅刻、早退が苦手
・必要以上にその場の空気を読む
・相手の求めている姿に寄せて行く
・辛いと言えない
・断れない
・我慢しすぎてしまう
他にも沢山言われました。
先生:
「うちに来ている子の中にも過剰適応の子は沢山います」
「不登校の子に多いです」
「学校に行くと疲れてしまうのです」
「行かない。も選択肢ですよ」
私:
「家庭訪問もしているのですか?」
「うちの子が今通えるとは思えないです」
先生:
「していますよ」
「1時間8000円です」
「ただ、焦らず、ゆっくり、とりあえず待ちリストに載せておきますか?」
私:
「はい、数年後ですもんね、その頃には来れるかもです」
「一応載せておいてください」
先生:
「あ、あと1分なので、ごめんなさい」
私:
「あ、ありがとうございました」
今までの相談所の中では1番的確に判断してくれそうな気がしました。
この先生は後に次男と深く関わる事になります。
次男の立ち直りのきっかけをくれた先生です。