ブログ

不登校復活の道(ブログ)

280 信頼の貯金

280 信頼の貯金

 

【勇気づけの子育て】をしていると、長男は以前は見せる事のなかった様なニコニコした顔で、私を冗談で蹴ったり叩いたり、嬉しそうにチョッカイをかけてくるようになりました。私は、長男から嬉しいオーラが出ているように感じていました。

 

そんなふうに子供が落ち着いている日が増えましたが、私は自分自身の感情に振り回され、長男が不安定になると私もつられて不安定になり、自分の不安を吐き出すかのように、長男が悲しくなってしまう言い方をしてしまう事がありました。 

 

・・・

 

長男はよく私に、 

 

「僕が小さい頃、お母さんは沢山外に連れて行ってくれたし、それはとても楽しかったけれど、お母さんはいつも弟の横にいたよね、いつもいつも弟の横にいて、僕とは遊んでない」 

 

「毎日が楽しくても、お母さんと遊べなかったことは凄く寂しかった」 

 

と言ってました。私は今となっては謝る事しかできない長男のその訴えに、どう対応したらよいか困っていましたが、M先生は、 

 

「過ぎてしまった事を悔いたところで、もうどうしようもありません、どうする事も出来ない過去を後悔している時間は勿体ないので、今からどう子供と向き合うか、それがとても重要です」 

 

と言っていました。 

 

「子供は、あの手この手で何度も何度も親に試し行為をします」 

 

「今までとは何だか違う、親の優しく理解のある姿が本物なのか、親が本気で変わろうとしているのかを、試し行為をする事で確認しているのです」 

 

「仕方のない事なのですよ」 

 

「子供は親に本当に愛されているのか確信が持てず、試し行為をしなければならないほどに、愛に飢えているという事なのです」 

 

「傷ついて、乾ききっている子供の気持ちを、沢山、ゆっくり、癒してあげて下さい」 

 

「お母さんが感情や不安に振り回され、子供の試し行為に対して同じ土俵に上がり、以前と同じような対応を子供にしてしまえば、今頑張って意識を変え、時間をかけて少しずつ少しずつ溜まってきた信頼の貯金は、完全に0になります」

 

「信頼の貯金は【少し減る】のではありませんよ」 

 

「お母さんが何かしくじれば、信頼貯金は毎回ゼロリセットされ、1から再スタートになるのですよ」 

 

と言われ、私は感情に振り回され、上手くやれない自分に改めてうんざりするのでした。 
 
 
 

0

279 お兄ちゃん強化月間の成果?

279 お兄ちゃん強化月間の成果? 

 

2022年9月

 

先生に言われた通り、お兄ちゃん強化月間を頑張っていました。 

 

特に気を付けていた事は、悪い点には一切着目せず、その子の良い面にのみ着目する事、長男を最優先にする事です。 

 

一生懸命にそれをしていると、少しずつ兄弟の関係性に変化が現れ始めました。 

 

長男が次男に、 

 

「おい!ゲーム入りたいなら、入っていいぞ」 

 

と言うようになったのです。 

 

人数の関係で次男がゲームに入れない日には、長男が次男に、 

 

「おー、ごめんな、これ人数制限があって入れない、入れる時は言うから少し待っててね」 

 

と声を掛けていて、遊びに来ている長男の友人が、長男の次男に対するその発言にびっくりし、 

 

「えーーー‼️遂に弟に優しくなったのかー!すげー!!!」 

 

と驚いていました。次男も、 

 

「自分も入りたい!」 

 

と、絶対に言えなかったのですが、優しい雰囲気の長男に少しずつ心を開き、 

 

「僕も入っていいの?」 

 

と聞けるようなっていったのです。 

 

・・・

 

それ以外にも、今までは、次男に絶対に貸そうとしなかったゲームカセットを自ら次男に貸し、操作方法を教えてあげていました。 

 

・・・

 

お兄ちゃん強化月間の成果なのか、長男は以前よりも良く笑うようになり、次男に沢山譲れるようになり、娘にも物腰柔らかに話すようになりました。 

 

・・・

 

主人がくたくたで帰ってくると、 

 

「お父さん大丈夫?お疲れ様、疲れは取れた?心配しているよ、ゆっくり休んでね」 

 

と優しい声掛けをするようになったのです。 

 

・・・ 

 

そんな長男の姿を見て私は、子育てって何なのだろう?と思うようになりました。 

 

今まで私の中に当たり前に刷り込まれていた子育てのスタイルは一体何だったのだろう? 

 

良い子にしよう、非常識にならないように!ちゃんとした子にする為にはちゃんと教えなければ、と一生懸命育てていれば子供は反発し親子関係は崩れていく。 

 

注意したい部分には目を向けず、出来ている事だけを認めていると、子供はどんどん温かい良い子になっていく。 

 

私の今までの子育ての価値観は一体何だったのだろう?と深く考えるようになっていったのです。 

 

 

0

278 お兄ちゃん強化月間

278 お兄ちゃん強化月間 

 

2022年9月 

 

M先生に初めて相談に行ってから、1か月ほど経ちました。 

 

長男は、不安定な日があるものの、この時期、家では落ち着いている事が多く、私は長男よりも毎日ゲームにのめり込んで、他者と全然関わろうとしない次男の事をとても心配していました。すると先生は、私に、 

 

「今日から、お兄ちゃん強化月間にしましょう!」 

 

「お兄ちゃんを重点的にケアして、とにかく、お兄ちゃんを、立ち直らせよう!」 

 

「お兄ちゃん重点型子育てをやってください!きっと弟に物凄い良い効果が及ぶから」 

 

と兄を最優先する子育て法を提案されました。そんな事を言うM先生に私は、 

 

「私の中では、今は次男の方が心配です」 

 

「次男の暴言や反抗的な態度、ゲーム漬けの日々、長男は不登校だけど、長男の方がまだましかな、とも思えるくらいです」 

 

と伝えましたが、先生は、 

 

「表面的にはそう見えても、弟は、割と軽症かもしれませんよ」

 

「お兄ちゃんが安定したら今度は、弟の本音が出てくるはずなので、そこで、もうひと頑張りですよ」 

 

と言っていました。 

 

・・・

 

私の目には次男の状態は重症に見え、完全に子供らしさを失っている、ととても心配していました。 

 

長男は人との関わりがとても上手くどこへ行っても人気者でした。 

 

次男は人と関われず、いつも孤立しており、

 

「何か嫌な事を言われるくらいなら、1人でいた方が良い」

 

とよく言っていました。そんな話をM先生にすると、先生は、 

 

「そんな弟の状態も、お兄ちゃんが立ち直ると、変わってくるので、とにかく、第一優先事項はお兄ちゃんにして、今弟は、後回しで大丈夫です」 

 

「お兄ちゃんが立ち直ると、お母さんにかなり余裕がうまれるはずです」 

 

「弟の事を心配しすぎるから、兄がいじけるのですよ、その連鎖をまず、すぐに断ち切って下さい」 

 

「今、確実に良い流れは出来つつあるのだから、とにかくもっとお兄ちゃんに愛を与えて下さい」 

 

と言うので、私は納得できない部分があり、先生に、 

 

「長男ばかり構っていると、次男が『どうせ長男が大事なんでしょ』と何度か泣いてしまいました」 

 

「友人関係でも、いつも長男の周りには沢山の友人がいて、次男は孤立していているので、次男の情緒が気になります」 

 

と先生に言うと、 

 

「それは、次男に試されているので、第二優先で可愛がれば大丈夫ですよ、友達が多いとか少ないとかもそうですが、何事においても、長男、次男を比較してはいけません」 

 

とご指導いただきました。 

 

・・・

 

その時期、私は「長男ばっかり!」といじける次男とは、毎日寝る前、1時間以上横で話したり抱きしめたりしてコミュニケーションを多くとる様に心がけている事を先生に話すと、 

 

「次男とのコミュニケーションはそれで良いのです」

 

「今は、お兄ちゃん強化月間を成功させ、兄の情緒がしっかりすると、それが弟に伝染し、弟の情緒が安定します」 

 

「とにかくお兄ちゃんを重点的に、第一優先に構って下さい!」 

 

とぶれることなく先生は私に言い続け、下の子にとても手がかかるけれど、できる限り長男優先を頑張ろう!と思っていました。

 

0

277 構う事

277 構う事 

 

2022年9月

 

私に、「構ってほしい、構ってほしい」と自分ばかり構ってもらおうと、わがままを言う長男に疲れていた時、M先生が、私に、

 

「弟が生まれてからの長男の気持ちをよく想像してみることです」 

 

「お兄ちゃんは、弟が生まれてからこれまで、どれほど、自分が優先される日を待っていたことか」 

 

「子供が要望を言った場合、大人はその要望を聞いてあげる側ですよね?無力な子供たちは、ひたすら親が自分の要望を聞いてくれるのを待つしかないのです」 

 

「子供が何かをしてほしい、という気持ちが満たされるかどうかは、親の気分次第なのです」 

 

「親が子供の要望に応じないのは、とてもかわいそうなのですよ」 

 

そう先生は私に教えてくれました。私の中に今までそんな考えはありませんでした。 

 

言われてみれば、確かに、子供は親が要望に応えなければ望みを叶える力はまだなく、待つか諦めるしかない。 

 

・・・

 

今までの、私の長男に対するイメージは、私に寄って来ないドライな子で、ねこっ可愛がりするのが苦手な私には、長男にべたべたされない事は楽でした。

 

長男は私から構われたくても「どうせ、お母さんに話しても聞いてはもらえない、構ってはもらえない」と諦めていただけなのかもしれない、と思うようになりました。 

 

長男は甘えたい、愛されたい気持ちを、弟をいじめる事で私に伝えていたのかもしれません。先生には、 

 

「子供がまだ幼いうちに気が付いて良かったのですよ、そんな、子供の心が温まらない子育てを続けていたら、どんな将来が待っていたのか、と想像するだけで恐ろしいです」 

 

と言われました。 

 

「親は、恨まれ、文句を言われているうちは、まだ良いのです」 

 

「親を諦めた子供は、親に対して無関心を装い、それが当たり前となると、親の存在に対して、無関心となり、無感情となり、視界に入れる事も不快となり、死ぬまで、愛情が取り戻されることはありません」 

 

「親はそこにたどり着くまでに、怒られるだけの事をしたのだから、自業自得で、子供の親に対する怒りはごもっともなのです」

 

「恨みは深く、こころは冷えて、虚しさだけが心の奥底に凝り固まっている、そんな親子も世の中にはいるのです」 

 

「それこそが、本当の地獄です」 

 

「貴方は今の生活は地獄、だと言うけれど、怒りでも暴言でも、子供が親に言ってくるうちはまだ良いのです」

 
「今お母さんは、3人の子供全員がお母さんに「構ってほしい!」といじけまくってくる事が「私1人じゃ手が足りない!」と大変で困っているけれど、子供が構って構ってと素直にアピールできている事、子供が『お母さんに構ってほしい!』と思っている事、これ以上の事があるのか、少し冷静になって考えてみると良いです」

 

と言われ、子供が親に「こうしたい!こうしてほしい!僕を優先してよ!」と希望を言えている事は、親子間の風通しが良く、良い事なのかもしれない、と私の中で、また一つ子育ての価値観が動いた気がしました。 

 

 

0

276 自己中とは。

276 自己中とは。

 

私は次男が生まれてから、長男が不登校になるまで、子育てをとても大変な事だと思っており、愛情が欲しいと飢えている子供たちの気持ちには気が付いておらず、私は愛情を掛けていると思い込んでいました。 

 

「私だって大変なんだから分かってよ!」 

 

そんな気持ちで幼い子供たちを、私から醸し出される雰囲気で威嚇し、甘える事を我慢させていたと思います。 

 

私の中では、愛情があるからこそ、毎日大変でも面倒を見たり、良い子になるようにと叱っており、子供に親の愛が伝わっていないなどと、想像した事すらありませんでした。 

 

そんな話をM先生にしていると、 

 

「それは、親がとても自己中だからですよ、親が、自己中心的なら、子供もそうなります」 

 

「自己中の子は、社会適応が良くなく、不登校になりやすいのです」 

 

「なぜ自己中だと、不登校になるか、分かりますか?」 

 

という先生の問いに、私が、 

 

「自分の気に入らない事はやりたくないから、できない事全てを、周りが悪いと思っているから?」 

 

と答えると、先生は、 

 

「それは、結果論です」 

 

「不登校児を自己中と言う訳は、学校にも行かず、自分の殻に閉じこもっている間、閉じこもっているその世界では、自分は王様でいられる」 

 

「だから自己中な子は王様でいられる家に閉じこもり、不登校児になるのです」 

 

「自己中の逆で、もしも親が常に、上手に子供にゆずったり、どんな時も人に対して思いやりが深く、温かく接して、献身的であると、それが、子供にも感染します」 

 

「家族に親切である親を見て、誰かに親切にする事が、楽しく、気分の良い事だと、子供は学んでいきます」 

 

と言いました、私は自分が育ててもらった時に、 

 

「子供の言う通りになどしていたら、我慢できない子供に育って、将来大変な事になる、子供の言いなりになんてなっちゃダメ」 

 

と教えられた気がする、と先生に話すと先生は、 

 

「【親切にする】と【甘やかしまくる】のとは、全然意味が違いますよ。 

 

甘やかすとは、子供が自分でやれる事を親が奪い、子供ができるのに親が代わりにやってしまうことで、子供が他者に貢献するチャンスを奪うことです。 

 

親は、子供に対しても、 

 

「お願いできますか?」 

 

「、、、してくれたら助かります」 

 

とお願いし、断られたら 

 

「それなら今日はお母さん頑張りまーす」 

 

とすんなり引き下がり、やってくれたら、 

 

「ありがとう、あなたのお陰で助かった!」 

 

そんなふうに、子供に接する。 

 

子供に何かを頼まれたら、嫌な顔をせず、親切にする。 

 

それを一生やるのですよ。 

 

子供の教育は、それだけで、十分なのですよ。 

 

もし今、自分の子供が自己中な嫌なやつならば、それは、親がそう育てたのです。  

 

子供が自己中を脱却し、他者貢献味まで覚えたら、子供の可能性は一気に広がります。 

 

社会適応が安定し、どんな、コミュニティにもフィットできるようになります。 

 

でも親が、学校に行く事がゴールと決めているうちは、まだまだダメですよ。 

 

学校に行く事はゴールではありません。 

 

そもそも学校はそんなに良い場所ではありません、行きたければ行けば良いし、行きたくなければ行かなくても良いのです。 

 

学校に行こうが、行くまいが、みんなに親切な子になる事がゴールなのです。 

 

子育てのゴールはそこです。 

 

親切な子になったと思えたら、不登校だろうが、なんだろうが、大物になりますから、楽しみしかありませんよ。 

 

子供が自己中を脱却するには、十分に信頼される尊重される経験が必要なのです。 

 

親は子供がそうなるよう、【勇気づけの子育て】を全力でやるのです。 

 

 

0