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不登校復活の道(ブログ)

11 閉ざされた空間での出来事

11 閉ざされた空間での出来事 

 

次男の幼児期、次男はよく長男に殴られていました。 

 

そんな2人の姿を見て、周りは、

 

「男兄弟の喧嘩、激しいよね~」

 

「ハラ子ちゃん家は特別激しいよね~」

 

と、よく言っていました。

 

下の子が生まれると赤ちゃん返りをする、上の子がやきもちで下の子をいじめる、と聞いていても、長男の次男に対する暴力行為は一般的な赤ちゃん返りのレベルではない、何かがおかしいと私はうっすら感じていました。 

 

次男は小さな頃から長男に叩かれるため、いつもいつも顔が傷だらけで体に青あざが出来ている事もありました。

 

赤ちゃん返りで上の子が下の子を叩くと言っても、それ程皆殴られるのか?

 

という疑問が私の中には常にあり、いや、いや、おかしい! 絶対におかしい!ここまで弟妹を拒否している子を見た事がない!

 

私はそう思っていても、何をどうすれば良いのか解決策を見つけ出すことが出来ずにいました。 

 

私を育てた親に状況を話し、解決策を聞いても、神経質に考えなくていい、男の子なんてそんなもの、と言っており、長男の暴力行為を気にする私がおかしいのかな・・・気にし過ぎなのかな?と思う事もありました。

 

誰に相談しても、男のは子激しい、そんなものと言われ親身に相談にのってくれる人はいませんでした。

 

・・・

 

公園で子供を遊ばせていると、ママ友の誰かが、

 

「昨日兄弟で殴り合いの喧嘩をした」

 

と、言っていて、あー、やっぱり我が子だけが異常な訳ではないんだな・・・とホッとした事を覚えています。

 

家庭内の閉ざされた空間の中、我が家の子供たちがどれ程酷い状態なのかは誰にも理解される事はありませんでした。

 

育てている私自身も、我が家が特別に酷いのか、激しいけれど正常な範囲内なのか、分かってはいませんでした。

 

・・・

 

仕事が忙しく、昼間、子育てをしていない主人も、その大変さを理解してはいませんでした。 

 

私は長男が毎日楽しい時間を過ごせますように!と、毎日お弁当を作り2人の子供を連れて、児童館や公園へ出かけるように心がけていたので、昼間は平和に過ごせるのですが、夜はどうする事もできませんでした。

 

・・・

 

長男が特に反抗的になりだした2021.6月頃から、長男の次男に対する拒否反応は、より一層激しくなっていき、長男が次男に馬乗りで殴る事が常習化していったのです。

 

それは、毎日、毎日、毎日、毎日、繰り返されました。

 

次男は、顔を涙でぐちゃぐちゃにしながら、

 

「ぎゃーーーーーーーーーーーーーー」 

 

と言って泣き叫んでいて、私が、長男に、

 

「やめなさい!」

 

「もーーー!」

 

「やめなさいって!!!!」 

 

と、止めに入るのですが長男は、握り締めた拳により一層力を込めて、

 

「うるせーーーー!!!」 

 

と言いながら、次男を殴り続けていました。

 

 私は、ぎゃーぎゃー泣き叫んでいる次男をかばいながら長男に、

 

「もう!離れなさい!」 

 

「もーーーーー!!!!どうしたの!!!!!」

 

と長男を止めようとしても、長男は、 

 

「次男が嫌い!気持ち悪い!」 

 

と次男が傷付く言葉を言い続けました。私はなぜそんな事を言うのかと長男に何度も尋ねましたが、長男は、

 

「気持ち悪いから、嫌いだから、バカだから!」 

 

と理由にならない理由を言い、次男を傷付け続けました。

 

・・・

 

年齢が上がってくると、やられっぱなしの次男にも意志が出てきて、長男の言いなりにはならず、やり返すようになっていきました。

 

2人ともまだ小さいとはいえ、体も段々大きくなり、力も少しずつ強くなり、長男と次男の喧嘩は日々激しさを増していきました。 
 

・・・

 

私はいつも長男の暴力行為に対し、長男の事を強く責めました。

 

「何であなたはそんなに暴力的なの?」

 

「何であなたはそんな事ばかりするの?」

 

「何で?」

 

「何で?」

 

「何で?」 

 

「何で?」

 

その答えはいつも、

 

「次男が嫌いだから」

 

それだけでした。

 

・・・

 

長男の次男への暴力を止めさせるために、私は色々な作戦に出ました。

 

ある時は、暴力を振るおうとする長男に聞こえるように、次男と娘に、

 

「あっちの部屋行こ、お兄ちゃん頭おかしいから!この部屋にいるとお兄ちゃんに叩かれるから、あっちの部屋に行こ!」

 

と、長男の心に、

 

「あなたは悪い子!」

 

と刻みつけるような、長男が傷付く言葉をあえて選び、長男1人を部屋に取り残す。 

 

またある時は、長男が次男を叩いたように私が長男を叩いて、

 

「ほらね!叩かれたら痛いでしょ!次男を叩くのをやめなさい!」

 

「もーーーー何であなたはそんなふうなの!」

 

「何でなの!」

 

「何があったの?」

 

と取っ組み合いの喧嘩をする。

 

また別の時には、毎日繰り返される暴力行為に私が疲れ果て、号泣しながら長男に、

 

「もう、お願いだからやめてよ、お願いだからやめて、、、」 

 

と、泣き落とそうとする。

 

・・・

 

その時々の、自分の気分で方法を変えて長男に次男を殴る事をやめるように訴えかけました。 

 

どれほど長男に訴えかけても、どれもその場しのぎにしかならず、長男の暴力行為が根本から治る事はありませんでした。 

 

息子2人が馬乗りになって、叫び合いながら殴り合いをしている中、状況を何も理解していない2歳の娘は、キョトンとして私に、 

 

「おかあたん(お母さん)これ読んで」 

 

と本を持ってくる。

 

そんな娘の横で息子たちは、

 

「お母さん、お母さん、お母さん、お母さん!!!!」

 

「こっちが悪い!あっちが悪い!」 

 

「あっちが!・・・こっちが!」

 

と、私に訴えかけ、長男か次男のどちらが悪いのかをジャッジしろと言ってきます。 

 

母親が長男か次男のどちらの見方をするのか、どちらを庇うのか、それを知りたい!そんな感じでした。

 

記憶があまり残っていませんが、私は殴られ続ける次男を私の身体で守っていた様な気がします。

 

長男が全力で次男に向けた拳が私に当たり、身体的な痛みと、精神的苦痛が重なり、絶望感のような、とても悲しくて、とても苦しくて、とても痛かった事をなんとなく覚えています。

 

次男も、手足をばたつかせ、力の限り長男にやり返していて、私は2人共が殴られないように!と2人の間に入り、私が長男にも次男にも殴られている状態でした。

 

・・・

 

6歳の次男は口の中がキレて血まみれになっている事もあり、 2歳の娘にそんな激しい喧嘩を毎日のように見せるのはとても辛かったです。

 

2人をとめる事が出来ず、私が居なければ殴り合いの喧嘩をやめるのではないか?と思い、娘を抱いて車に逃げた事もありました。 

 

車に逃げ込むと、次男が私を探して声の限り叫ぶので、ご近所にその叫び声が聞こえていて、次の日に「昨日、大丈夫だった?」と声をかけられた事もありました。

 

それほど激しい喧嘩を長男と次男はいつもしていました。

 

・・・

 

長男がお出かけを嫌がり、次男と娘と3人でお出かけをすると何だかとても平和な気分になりました。 私は心の中で、

 

「えーーー!!!なにこれ?」

 

「これが通常の子育てなの?」 

 

「楽過ぎない?」

 

「長男が一緒にいないと、子育てってこんなに楽なの?」

 

と思ってしまうのです。

 

・・・

 

私はいつも、周りの、仲の良さそうな家族を見ると、

 

「何でうちだけ?」

 

「何で私だけ、、、」

 

と思い、とても苦しい気持ちになっていました。

 

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