167 次男の脱走
167 次男の脱走
次男の立ち歩きは相変わらずでした。
担任の先生は
「大体、いつも廊下でゴロゴロ寝そべっています」
「でも、誰にも迷惑をかけません、授業を妨害したり、友達にちょっかいを出したりはせず、ただただふらふらしています」
「全く手はかかりません、僕も特に何も言わず、自由にさせています」
と言っていました。
・・・
当初私は、歩き回ると言っても、授業中に何度か離席してしまう程度だと勝手に思っていました。
ある時先生に、
「次男はどれくらい離席していますか?」
と尋ねると、先生は、
「まぁ、15分・・・」
と答えました。 私が、
「そうなんですね、15分くらい離席しているのですね」
と長時間の離席ではない事に、私が少し安心した様子を見せると、先生は言いにくそうに、
「いえ・・・15分というのは、一日に席に座っていられる時間です」
「それ以外の時間は、全て立ち歩いています」
と言いました。
「え・・・」
「一日15分しか座らないのですか?」
という私の質問に先生は、
「15分座っていたら良いほうです」
と答えました。
うわぁ・・・
私が想像していたよりも、はるかに酷く立ち歩きをしている事が分かり、
あ・・・聞かなきゃ良かった・・・胃が痛い・・・
と予想していた以上の次男の行動に、親としてどう対応して良いのか分かりませんでした。
その頃、次男は毎日靴下に穴をあけて帰ってくるようになりました。
本当に毎日毎日靴下の、足の裏の親指の下あたりの膨らんだ部分に500円玉位の大きさの穴をあけて帰ってきます。
靴下も、普通では考えられない位真っ黒で、どうしたらこんな風になるの?と思い次男に、
「おいおい(笑)これ、ネットでしか買えない高い靴下なんだけど!毎日破れてるよね!なんで?さすがに悲しいんだけど!」
と冗談交じりに聞いても、何も答えないので、先生に聞くと、
「まず、上履きを履きません、上履きを履かない上に、そのまま立ち歩きで校庭に出てしまいます」
「校庭に出る際、運動靴も履きません」
「先日はふらふらと正門から出て、家に帰ろうとしていました」
「さすがに危ないので支援員が止めました」
・・・
・・・
・・・
えー・・・
もう、無理じゃない?
次男は、学校、無理じゃん
えー・・・
そんな気分でした。